議会報告

  • 2019年06月25日
    本会議

    第344回本会議 請願(消費税増税中止)賛成討論 庄本えつこ

    私は、日本共産党議員団を代表し、請願第1号、国に対し「消費税増税中止を求める意見書」の提出を求める請願について、不採択ではなく採択を主張し、その理由を述べます。

    安倍政権は、10月から消費税を10%へ増税し、幼児教育の無償化など社会保障の財源にすると言っています。消費税は、所得の低い人ほど負担が重い逆進性の税金であり、貧困と格差を拡大する根本的な欠陥を持つ“弱い者いじめ”の税制です。その増税分を立場の弱い人たちを支える社会保障の財源にするという政府の言い分は本末転倒です。
     そして、くらしも地域経済も大変な今、2%増税で5兆円もの国民負担となる「10月からの消費税増税はすべきではありません。

    2014年4月、5%から8%に上げたとき安倍首相は「景気悪化は一時的なもの」と言いましたが、今でも消費は冷え込んだままです。増税前と比較して実質家計消費は年25万円も落ち込み、実質賃金も年10万円低下しています。しかも世界経済は3年前とは比較にならないほど不透明であり、内閣府の景気動向指数は6年2か月ぶりに「悪化」と政府自身が認めています。県内の景気動向でも、上場79社の18年度決算で約6割の45社が減益・赤字になり製造業も非製造業も業績の停滞感が鮮明になっています。こんな状況で、10月に消費税増税を行えば日本経済がさらに悪化することは火を見るより明らかです。

    政府は「軽減税率」を導入するといいますが、例えばコンビニなどでコーヒーを買う場合、持ち帰りは8%、店内で飲めば10%です。新聞については週2回以上発行で、定期購読していれば8%、駅やコンビニで買うときは10%です。
     また、キャッシュカード決済での還元など、どこで何をどういう支払方法で購入するかによって、税率が変わり、あまりにも複雑です。この軽減制度については事業者に多大な負担がかかり、各界から批判が上がっています。日本スーパーマーケット協会、日本チェーンストア協会、日本チェーンドラッグストア協会からは見直しを求める要望書が政府に提出されています。

    10月からの増税については、政権与党からも動揺の声が上がっています。他の政党は、立憲民主は「凍結すべき」、国民民主は「消費が落ちている。慎重でなければならない」、社民党は「国民生活や景気の悪化を招き反対。中止すべき」、日本維新の会も「凍結すべき」とこぞって反対しています。

    財界からも「今の状況で増税すれば景気悪化は免れない。今すべきは応能負担への税制に考え直すべき」などの意見も出ており、消費税増税を主導した竹中平蔵氏は「8%にしたのが間違いだった。10%への増税はすべきではない」と言っています。

    今必要なことは、家計をあたためる応援策と較差と貧困を是正する政策です。日本共産党は、くらしの明日に希望が持てる社会にするために、消費税増税中止と合わせて、直ちに取り組むべき3つの経済政策を提案しています。8時間働けば普通に暮らせる社会、お金の心配なく、学び、子育てできる社会、くらしを支える安心の社会保障です。財源は、アベノミクスのもと空前の利益を上げ、内部留保を420兆円以上もため込んでいる大企業や富裕層に応分の負担を求める税制改革とともに、米軍への思いやり予算や武器の爆買いなどをやめることで消費税増税なしで7兆5千億円生み出せます。この提案は高名な経済学者からも「現実的で実現可能な提案である。また、これは消費税3%引き下げと同じ経済効果がある」と評価されています。この方向にこそ転換すべきです。

    景気が悪化するもとで、住民のくらし、兵庫の経済などに深刻な打撃を与える10月からの消費税率10%への引き上げを中止するよう、国に対し意見書提出を求める本請願について採択を強く求めます。

    以上で私の討論を終わります。

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