議会報告
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私は、日本共産党県会議員団を代表して上程中の議案のうち、議案第53号、第55号、第57号~第59号、第62号、第63号の7件に反対し、以下主な理由を述べます。
まず、議案第53号「使用料及び手数料徴収条例及び警察手数料徴収条例の一部を改正する条例」、議案第57号「兵庫県道路公社が播但連絡有料道路と播但連絡有料道路(2期)を一の道路として徴収している料金を変更することについての同意」、議案第58号「兵庫県道路公社が遠坂トンネル有料道路の料金を変更することについての同意」については、いずれも、今年10月の消費税10%への増税にともない、(危険物取扱試験、丙種火薬類製造保安責任者免状・火薬類取扱責任者免状に係る試験、高圧ガス製造保安責任者試験、液化石油ガス設備士試験、毒物劇物製造業又は輸入業登録申請、業務管理者試験、技能検定実技試験、2級建築士又は木造建築士の免許、及び試験、猟銃及び空気銃の所持に関する法令、使用、保管等取扱いに関する講習、播但連絡有料道路、遠阪トンネル有料道路など、)それぞれの使用料・手数料、料金を値上げするものです。
日本共産党県会議員団は、先の本会議でも消費税10%への増税中止を求めたところですが、2014年の8%への増税による実質家計消費は25万円も落ち込み、実質賃金は年10万円低下したままで、内閣府の景気動向指数も6年2か月ぶりに「悪化」となる等、政府自身も景気の悪化を認めざるを得ない状況のもと、10%への増税が強行されれば、さらに景気が落ち込むのは必至です。10%への増税が県民のくらしも兵庫の経済も悪化させるもので反対です。次に、議案第55号「大気汚染防止法第4条1項の排出基準に関する条例の一部を改正する条例」についてです。
本議案は、工業標準化法の一部改正により「日本工業規格」の字句を「日本産業規格」に改めるものです。
「日本工業規格」JIS規格は、品質保障のために定められた日本の国家規格であり、「日本工業標準調査会」の審議で合格し、規格認定された製品が「JISマーク」を表示できます。
昨年、工業標準化法(JIS法)が70年ぶりに改正され、工業製品に限定していたJISの対象にサービス産業を追加、名称も「産業標準化法」に改められ、JIS認定の「迅速化」などとして、専門審議会である「日本工業標準調査会」の付議・審議を不要とする民間主導の仕組みが追加されました。
迅速化ありきでJIS認定を民間任せにすることは、国民生活や産業活動の基盤となる公的規格への信頼を後退させかねず、品質管理能力の向上や事業機会の確保にJIS規格を役立てきた中小企業にも悪影響を及ぼしかねません。
また、JIS規格の対象拡大には、道路交通法が禁止する「白タク」を容認するライドシェアなどの「シェアリングエコノミー」も含まれます。
「シェアリングエコノミー」は、便利な一方、ウーバーなどプラットホーム事業形態のものは業法や利用者・労働者保護のルールがなく、安全性・信頼性の担保がない自己責任のサービスであり、安全性・信頼性を国が認定するJIS規格の対象からは外すべきです。
以上、JIS法の改正に反対の立場から認められません。つぎに、第59号議案 新長田合同庁舎建物の取得についてです。
新長田駅南地区の神戸市の所有する再開発用地に、兵庫県と神戸市の合同庁舎を建設し、その約35%を兵庫県の所有として取得するものです。
兵庫県は、この新長田合同庁舎に神戸県民センターの県民交流室、神戸県税事務所と、西神戸庁舎の西神戸県税事務所、公社館の住宅供給公社神戸事務所、そして、クリスタルタワーにある神戸生活創造センターの移転・統合を計画しています。
県は、2つの県税事務所が一つになることで効率化が図れるなどといいますが、県民にとっては「不便になり、県民サービスの低下ではないか。」などと強い批判の声も上がっています。神戸県民センター、住宅供給公社神戸事務所移転も同様です。
特に、神戸生活創造センターは県下広域から県民が利用し、神戸駅から5分という利便性の良さから、多くの障害者の方も利用されていますが、新合同庁舎は新長田駅から離れていて(10分もかかり、)利用しにくくなると不安の声があがっています。
また、現在の利用者は1日約400人ですが、県の推計によると新合同庁舎では1日350人、年間1万2500人もの減となり、これは明らかな、サービス低下です。
にぎわいづくりのためと称し、公共施設の集約化をすすめ県民サービスを後退させることにつながる本議案は認められません。最後に、第62号議案「県営明石大久保南住宅建築工事請負契約の締結」、第63号議案「県営明石舞子北第1住宅建築工事請負契約の締結」についてです。
それぞれ、県営住宅の建て替え工事の請負契約の件ですが、建て替えそのものについては、もちろん反対するものではありませんが、第62号議案の県営明石大久保南住宅の建て替え工事の全体計画は、明石大久保南住宅266戸と、明石大久保第4住宅64戸、明石大久保第5住宅97戸の計427戸を新しい明石大久保南住宅に集約し、戸数を345戸へと82戸減らすものです。
また、第63号議案の県営明石舞子北第一住宅の建て替え工事の全体計画は、住宅棟数を集約し370戸から220戸へと、150戸減らし、本議案では、第1期として100戸を80戸に減らす計画となっています。
若年者の雇用の悪化、高齢者世帯の生活悪化を背景に、また単身世帯など、民間住宅ではなかなか入居が困難な方の住宅として県営住宅の役割と必要性はますます高まっており、建て替えを契機に戸数を削減することは賛同できません。
以上、討論を終わります。