議会報告

  • 2018年10月18日
    予算・決算特別委員会

    2017年度決算特別委員会 教育 ねりき恵子

    すべての学校教室・体育館にエアコン設置を

    ■ねりき恵子■ 日本共産党県会議員団のねりき恵子である。私は、まず初めに、県立学校の熱中症対策についてお伺いする。

    ことしの夏は命の危険を及ぼす災害とも言われるほどの酷暑が続いた。学校への空調設備の整備が緊急に求められ、国も公立小中学校、特別支援学校への設置のための補正予算を組んで対応しているところである。

    そこで、私は、県立高校へのエアコン整備について質問する。

    県立学校については、県立高校、特別支援学校とも普通教室には、ことしのこの9月に100%設置がされたところである。一方、特別教室への設置率は、高等学校が27.6%、大変低い状況で、全国平均の37.1%より低く、早急に整備が求められている。

    県教育委員会は、平成29年度に策定された県立学校施設管理実施計画に特別教室への空調導入を位置付け、使用頻度の高い音楽室や美術室などに設置していくとしている。現在、宝塚東高校や加古川南高校でエアコン設置工事が行われているが、今後の具体的な年次計画などはない。今後いつまでに特別教室へエアコン設置を完了されるのか、具体的な計画が必要だと思う。

    そこで、その具体的な計画についてお答えいただきたいと思う。

    そして、もう一つ、体育館には、2.1%しかエアコンを設置されていない。避難所となっている体育館へは緊急防災・減災対策債を使っての整備をさきの本会議でも提案をした。県立学校でも避難所となっている体育館は県立高校で109校、特別支援学校は10校ある。避難所となる体育館へも計画をつくってエアコン設置を進めるべきと考えるが、あわせてお答えいただきたい。

    ■財務課長(成田徹一)■ 空調整備については、教室数も多く、多額の経費も必要となることから、まずは、日ごろの学習に欠かせない普通教室の空調整備を計画的に進めてきた。この9月には全ての県立学校への設置が完了したところである。

    今後は、特別教室への整備を行うこととしており、既に、長寿命化改修工事を実施している2校において空調整備を進めている。

    特別教室は、使用頻度が異なることから、まずは夏場でも窓を閉め切って授業をする必要がある音楽室、美術室、書道室であるとか、ガスこんろやアイロンなどを使用して、室内温度が非常に高くなる調理室、被服室等に順次設置していきたいというふうに考えている。

    また、特別支援学校については、これらに加えて、裁縫室、木工室、自立活動室へも空調を設置していきたいと思う。

    今後の計画については、予算との関係もあるので、今後検討していきたいというふうに考えている。

    また、体育館等への空調設置については、同じく整備費用やランニングコストも多額となることから、使用頻度の高い特別教室を優先することとしている。

    このため、空調設置できるまでの間、1学期の終業式を空調設備のない体育館から教室に変更して、一斉放送でやるなど、学校行事等の実施方法を工夫している。

    また、空調設置以外の方法として、比較的低コストで導入可能で、体感温度を下げる効果が期待できる、換気送風設備の試行について検討していきたいというふうに考えている。

    ■ねりき恵子■ ぜひ計画を持って、いつまでに整備するということも考えながら整備を進めていっていただきたいと思う。多額の費用がかかるということで、県単独でされたりしてきているが、私たちとしても国に助成を求めるとか、そういうことも含めて、早急な設置を求めて、次の質問に移る。

    空調設備が普通教室には100%ついたわけであるが、それが適切に運用されているのかということで、私のところにも、教室が30度にならないとスイッチを入れてもらえないだとか、一定の使用量になると、学校中ブザーが鳴ってスイッチがとめられるだとか、部活動のときにクーラーのついた教室を使わせてもらえないなど、ことしの夏の暑さの中で、子供たちの命を大事にしてほしいと切実な訴えがあるお母さんからあった。学校現場でこのような事態が起きているのは、学校運営費が抑制されているからではないかと私たちは考えている。学校の施設維持管理の決算の推移を見ると、平成20年度は34億7,000万円だったのに対し、平成29年度は26億3,000万円と8億4,000万円も減らされている。県教育委員会は行革で学校予算が削減されている中、経費節減の工夫ということでいろいろやられてきているが、その中で電力消費量の監視装置によるピーク時電力の抑制、こういうことも行ってきている。それがこのブザーが鳴るととめられるということにつながっているのではないかというふうに思うが、やはりこれがエアコンが適切に使用されていない大きな要因の一つになっているというふうに思う。

    一方、学校環境衛生基準が今年度から17度以上28度以下が望ましいというふうに変わったので、これを遵守することが求められる。

    そこで、各県立学校に対し、改定された学校環境衛生基準の周知徹底を図ること、そして、猛暑にもかかわらず、電力消費量でエアコンのスイッチが切られることのないよう、学校施設維持管理費の増額を求めるが、お答えいただきたい。

    ■財務課長(成田徹一)■ 先ほどあった電力量が一定になるとブザーが鳴るのは、電気供給が逼迫した際、節電を喚起するためのものであって、空調をとめるために設置したものではない。

    また、維持費に関しては、空調の熱源は都市ガス、あるいは、LPガスなどが63%となっており、電気を使用している学校は37%となっている。

    また、都市ガスの単価はこの5年間で20%以上、また、電気料金についても入札制度を実施した結果、35%安くなっている。このことから、維持費総額は減少しているが、学校環境衛生基準で保てるだけの予算は配当しているものというふうに考えている。

    また、平成30年4月の学校環境衛生基準の改正を受けて、年度当初に各県立学校へその改正内容と、適切に教室等の環境を維持するように周知徹底した。さらに、7月と8月にも熱中症事故の防止のために万全な対策を講ずるよう周知徹底した。

    この結果、今年度、最大需要電力が昨年と比べて大きく上回った学校もあるなど、各学校において生徒の体調を考慮して空調を稼働させているというふうに認識している。

    今後とも、必要な予算の確保に努めながら、生徒の健康管理のために必要な教育環境を整えるように徹底していきたいと思うのでよろしくお願いする。

    ■ねりき恵子■ さまざまな節電の工夫というのがされていると、その一方で、やはりスイッチが切られるようなことがないようにしていただきたいということで、電力消費量が上回ったが、その予算は確保していくということであったので、今後そのようなことがないような指導の徹底もしていっていただきたいということを求めて次の質問に移る。

    特別支援学校の新設・増設・整備を

    ■ねりき恵子■ 次は、特別支援学校の施設改善についてである。

    県内の特別支援学校の在籍児童数は年々増え続け、本年度5,670人と過去最高を更新した。私たちはこれまでも特別支援学校の過密過大の解消を求めてきたが、特に阪神間ではこやの里特別支援学校、阪神特別支援学校、芦屋特別支援学校の過大過密の解消が大きな課題である。

    この間、こやの里特別支援学校や阪神特別支援学校の過密過大が問題となって、その解消策として、平成22年に芦屋特別支援学校が新設されたが、開設当初196人だった児童生徒数は平成30年度には366人と約2倍にも膨れ上がり、運動場にプレハブが建てられ、特別教室も教室に転用されている。

    また、平成26年度、こやの里特別支援学校の分教室が県立猪名川高校へ、平成27年度には、阪神特別支援学校の分教室が県立武庫之荘総合高校へ設置されてからも、それぞれの児童生徒数は50名以上も増えている。

    県教委は今までも特別支援学校在籍児童数は平成30年をピークに減少するものと見込んでいる。必要に応じて分教室や仮設校舎の設置等の検討を行い、適切に対応していきたい旨の答弁をされている。運動場を潰して仮設校舎を建てたり、特別教室を普通教室に転用したりする状況が障害児の置かれている教育環境として適切と言えるか、見解をお伺いする。適切か、適切でないか、端的にお答えいただきたい。

    ■特別支援教育課長(小俵千智)■ 本県では、平成26年3月に策定した兵庫県特別支援教育第二次推進計画に基づき、特別支援学校の整備を進めている。ここ5年間の児童生徒数の推移は、見込まれていた児童生徒数とおおむね同様の動向であったと理解している。

    この間、平成26年に姫路しらさぎ特別支援学校、平成29年に西神戸高等特別支援学校を開校するとともに、但馬北西部にみかた校、阪神地域にこやの里特別支援学校と阪神特別支援学校に分教室を設置するなど、計画どおり着実に整備してきた。

    しかしながら、一部の地域においては、見込まれていた児童生徒数を上回る結果となっている。このため、一部の学校において、教育環境に課題が生じていることは認識している。

    しかしながら、学校を開設するには、立地条件等を考慮する必要があると考えているところである。

    今後とも、児童生徒数や就学の動向を注視するとともに、学校や市町教育委員会と連携し、状況に応じて必要な教育環境の改善を図っていきたいと考えている。

    ■ねりき恵子■ 私の地元の宝塚の子供たちは、こやの里特別支援学校に通っているが、ここも運動場にプレハブが建てられているということで、体育の授業や運動会をするときは近隣の企業のグラウンドを借りている。こういう状態が10年以上続いている。こういうことが本当に適切かどうかというと、やはり適切でないというふうに思うわけである。もともとこやの里特別支援学校は180人規模で建てられた学校であるが、現在は360人ということでやはり2倍近くなっているということである。やはりこんな状態が放置されている、詰め込み、過大ということが放置されているということは、適切にいろいろなことをやってはいただいているが、解消されないということはやはり特別支援学校に施設の設置基準がないからだというふうに考えるわけである。この設置基準というのは学校教育法に定められて、特別支援学校以外の学校には定められて施設がつくられているわけであるが、やはり設置基準を特別支援学校にもつくるべきだというふうに考えるわけである。国の問題ではあるが、国にそれを要望するとともに、それに合わせた設置基準を設けて、兵庫県教育委員会として特別支援学校の新設や増設、整備をすべきだと思うが、いかがか。

    ■特別支援教育課長(小俵千智)■ 文部科学省によれば、特別支援学校については、在籍する児童生徒等の障害の状態に応じ、必要となる施設や設備がさまざまとなることから、一律の基準を設けることは困難であるとされている。このため、各都道府県において、それぞれの実情に応じた施設整備が進められているところである。

    本県においても、これまで一次、二次計画を含め兵庫県特別支援教育推進計画に基づき、着実に施設整備を進めてきた。今年度は、二次計画の最終年度であることから、これまでの取り組みについて、外部有識者等で構成する評価検証委員会を立ち上げ、検証を進めているところである。

    今後、評価検証委員会委員からの意見を踏まえるとともに、児童生徒数の動向などを注視し、必要に応じて、配置のあり方を含めた教育環境の改善に取り組んでいきたいと考えている。

    ■ねりき恵子■ 設置基準が要るかどうかというお答えはなかったというふうに思うが、国がさまざまな障害に合わせて、それぞれ実情に合わせて計画を立てろということに沿ってやっているんだということだったというふうに思うが、私たちは、この設置基準、特別支援学校以外にはある設置基準がないこと自体が特別支援教育、障害児に対する差別があるんじゃないかというふうに一方で思うわけである。やはり障害者の権利条約や障害者差別解消法、合理的配慮、こういった考え方からいくと、設置基準をつくって、それにふさわしいその障害、それぞれの障害にふさわしい教育環境をつくっていくということが求められているというふうに思う。それを切実に求めているからこそ、父母の皆さん、教育関係者の皆さんが設置基準を求めて、障害児の豊かな教育環境を求めた運動をされているということも申し上げさせていただいて、私の質問を終わる。今後ともよろしくお願いする。

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