議会報告

  • 2018年10月26日
    本会議

    第341回本会議 エアコン設置の県財政支援を求める請願討論 入江次郎

    請願63号「学校施設への空調設置を急ぎ実現するよう、自治体に対し、県の財政援助を求める件」について不採択でなく採択を求めて討論を行います。

    請願要旨でもありますが、今年7月、全国で連日35℃を超える地域が相次ぎ、岐阜県多治見市では40℃を観測するなど記録的な酷暑となりました。

    愛知県では小学校で校外授業から戻った1年生の児童が熱中症のため死亡するという痛ましい事故が発生しました。報道によると、午前9時の時点で30℃を超えたにもかかわらず校外授業が実施されたことや、学校の教室にはエアコンはなく4台の扇風機しか設置されていなかったとのことです。

    兵庫県下の平成29年4月時点での小中学校のエアコン設置状況を見ると、41市町のうちで、小学校普通教室で100%設置となっているところが9市ある一方で、10%未満が13市7町、うち0%は1市4町もあります。中学校普通教室では、100%設置が13市1町、10%未満が11市8町、0%は4市5町となっています。

    文部科学省は、自治体に積極的な対応を促す通知を出し、「希望するすべての学校にエアコンを設置できるようにしたい」として、概算要求でエアコン設置の補助金となる「学校施設環境改善交付金」を要求しています。

    概算要求が発表された時点でのいくつかの自治体のエアコン設置計画をみると、宍粟市、三田市、市川町では来年夏頃までにエアコン設置の完了をめざすとしています。

    一方で、来年度から4年計画の相生市、2年計画の加古川市・稲美町、完了時期が未定の姫路市、太子町、新温泉町などとなっており、来夏からの設置が求められているにも関わらず市町の財政状況によって設置時期に大きな開きがあります。

    これは、わが党の一般質問でも指摘をしましたが、エアコン設置に対して、概算要求段階では国の補助率、33.3%、交付税措置15%しかなく、実施主体である市町の実質負担分は51.7%にもなり、市町の財政負担が重いことが、緊急設置の妨げになっていました。

    その後、政府はエアコン設置を求める世論の高まりに押され、10月19日に発表した2018年度補正予算案で、本補正限定として公立学校のエアコン設置について817億円を盛り込みました。財源内訳は国庫補助33.3%、交付税措置40%まで引き上げられましたが、依然として市町負担分は26.7%あり市町にとっては重い負担となり、来夏までの緊急設置の妨げになってしまいます。

    また、体育館のエアコン設置は、教室に比べて高額な工事費となるため自治体負担が足かせとなって、設置計画そのものが進んでいません。夏の体育授業や終業式などを行う上でエアコンは必要不可欠であり、災害があった場合は、避難所になる体育館も多く、エアコン設置が急がれます。

    以上の理由により、本請願にある教室と体育館への100%エアコン設置を促進するために市町への県独自の財政支援を行い、文科省に対し、交付金の更なる増額を行うよう求める願意に賛同します。

    議員の皆様方のご賛同を心よりお願い申し上げます。

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