議会報告

  • 2024年06月13日
    本会議

    第367回本会議 議案討論 久保田けんじ

     私は日本共産党県議会議員団を代表して、上程中の議案の内、第94号議案について反対し、以下、主な理由を述べます。 

     第94号議案、「兵庫県病院事業設置等に関する条例の一部を改正する条例」についてです。

     令和6年3月27日、「厚生労働大臣の定める評価療養、患者申出療養及び選定療養等の一部を改正する告示」が公布されました。内容は特許切れ先発薬について、令和6年10月から後発薬との差額の4分の1を保険適用外とし、患者負担に上乗せする仕組みです。患者によっては自己負担が3倍にも膨れ上がります。後発薬への置き換え率50%以上などの基準で制度改正の対象となる先発薬を選定し、対象は1095品目に上ります。

     1095品目の中には、生活習慣病の治療には欠かせない降圧薬、糖尿病薬、認知症の進行を抑える抗認知症薬、他にも抗精神病薬、抗アレルギー薬など幅広い疾患の治療薬が対象となっています。ヒルドイド系のヘパリン類似物質は一度に処方される量が多いため、負担額が増えます。

     小児科では医療費助成が受けられるため、薬代は無料となるケースが多いが、選定療養による負担金の増額分に関しては、支払う必要があるので、小児科を受診して先発医薬品を希望された場合は自己負担が発生します。同一薬剤でも薬剤によって選定療養となるケース、ならないケース、そもそも選定療養の対象となる薬剤、ならない薬剤が混在しており、それらの説明に現場では薬剤の一部負担金が導入されたとき以上に大きな負担となることが予想されます。また一部の後発薬は供給不足が生じています。         

     約420億円の医療費抑制効果があるとされているが、医療費抑制のために患者に負担を強いて、命と健康を守らない政策はするべきではありません。             

     長期収載品に選定療養の仕組みが導入されることについて、国に対して明確に反対の意を表すべきであり、告示に従うまでと言えども、兵庫県病院事業の設置等に関する条例の一部改正、選定療養の対象となる長期収載品の料金に加算される患者自己負担額について管理規定で定めることを明記するべきではないため本議案に反対します。

    以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。

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