議会報告

  • 2024年03月06日
    予算・決算特別委員会

    2024年度予算特別委員会 福祉部 庄本えつこ

    ○庄本えつこ委員  共産党議員団の庄本えつこである。

     子供の医療費無償化についてまずお尋ねする。

     子育て世帯にとって子供の医療費の無料化は切実な願いである。日本共産党県会議員団が子供の医療費無償化を求め続ける中、県は2013年、対象年齢を中学3年生までにするなど、制度を拡大してきた。

     しかし、兵庫県は、受益と負担のバランスを確保し、制度を持続的で安定的なものとするためとし、一部負担金も所得制限もある上、県行革で所得判定が世帯主所得から世帯合算所得へと、全国的にも本当に厳しい条件に強化した。世帯合算所得を条件としているのは、兵庫県と山口県のみと認識をしているところである。

     私は、本来、子供の医療費は、親の所得にかかわらず、つまり線引きをするということではなく、子供の人権として健康と成長を社会が保障するべきで、国の責任で無償化にしていくべきだと考えている。

     現在、兵庫県下では41市町中37市町、約9割の市町が県の制度に上乗せし、中学3年生まで通院、入院とも無料となっている。また、高校生世代までの助成を行う市町も37市町まで広がっている。その中で、中3まで所得制限も一部負担金もない完全無料は27市町、約66%、高校生世代まで完全無料は21市町、約51%にもなった。

     ある小児科医に教えてもらったことがある。お母さん、子供は病気になってほしくないと思ってるでしょう。でも、違うんですよ。子供はよく熱を出す。病気になる。けがをするのは当たり前。それを乗り越えることで丈夫な体と心を作っていくのですよ。だから、いつでもお医者さんに連れていけるように、子供の医療費は無料にする必要があるんですと。本当にそのとおりだと思う。

     医療費助成制度が広がってきたとはいえ、兵庫県下市町の助成制度は一律ではない。だからこそ、兵庫県のどこに住んでいても、18歳までお金の心配なく子供が必要な医療を受けられるようにするべきだと思う。

     群馬県は2009年10月から全国初の中学校卒業までの子供の医療費窓口完全無料化制度を実施した。そのことに関して、2012年の群馬県議会の5月定例会での県議の質問に対し、行政の評価として、早期受診で慢性疾患の重症化を抑制し、歯科では小中学生の虫歯治療も前進、子供が安心して受けられる環境が整えられている、また、懸念されたコンビニ受診、いわゆる時間外受診だが、それも減少傾向にあると答弁をしている。

     その群馬県では、2013年10月から所得制限なしで医療費の無料化を高校3年生まで拡充した。鳥取県は、今年、2024年4月1日から18歳までの医療費完全無料化が始まる。医療費助成は18歳までというのが当たり前になってきている。

     そこでお尋ねする。低所得者、貧困対策という考え方を改め、所得に関係なく、子供の人権を尊重し、一人ひとりの子供の命と健康を守るために、県として決断していただきたいが、いかがか。

    ○国保医療課長(髙田久葉)  子育て世帯の経済的負担軽減は重要な課題であることから、本県では、厳しい財政状況の中、段階的に乳幼児等・こども医療費助成制度を拡充してきた。その結果、対象年齢は中学3年生までの入院、通院を助成対象とし、都道府県の制度としては全国でも上位の水準となっている。こちらは全市町に共通する基盤となる制度として、引き続き維持していきたいと考えている。

     委員ご質問の所得制限なしの無償化ということだが、まず、所得制限について、乳幼児等・こども医療費助成事業をはじめとする本県の福祉医療制度は、やはり経済的な支援を必要とする方に対して医療保険制度の自己負担を軽減するのを目的としていることから、必要であると考えている。また、一定の自己負担額についても、受益と負担のバランスを確保し、制度を持続的で安定的なものとするため、必要と考えているところである。

     本制度は、若い世代が安心して子育てできる環境の整備に大きな役割を果たしていることから、今後も社会情勢の変化に対応しながら、将来にわたり持続的で安定的な制度として維持するよう努めていく。よろしくお願いする。

    ○庄本えつこ委員  子供の権利として、人権として捉えていただきたいと思っている。

     子供の医療費無償化を国に求めるのは当然だと思っている。全国知事会も要請しているところだが、一つの例として、地方自治体が国を動かしたものとして、今ではちょっと後退しているが、老人医療費の無料化も東京都から始まった。そして、全国、国がやった例がある。ぜひ県として決断することを再度求め、次の質問に行く。

     次に、サービス管理責任者研修制度の課題についてである。

     サビ管と略されるサービス管理責任者とは、障害福祉サービスを行う事業所で、利用者の自己決定権を尊重した上で個別支援計画を作成し、スタッフやほかの専門職と連携を取って良質な支援につなげる、また、相談援助、事務所スタッフに対する技術指導の役割を担っている。

     サビ管は障害福祉サービスの設立、運営に欠かせない資格である。施設がサービスの提供を広げる場合、一つの事業に必ずサビ管を置かなければならない。丁寧に利用者の支援計画を作成するには、大勢の利用者さんを持つわけにはいかないため、必然的にサービス管理責任者を増やさなければならない。

     しかし、今のサービス管理責任者研修制度の受講要件が厳しく、増やすことができない状況がある。サビ管がいないまま事業をすれば、国からの補助が7割ほど減になり、施設運営が大変になる。

     今のサビ管の配置要件は、原則26時間の基礎研修修了後、2年間の実務経験を積んだ後、14.5時間の実践研修を修了して初めてサビ管の資格を得る仕組みになっている。全部で3年ほどかかる。

     ある障害福祉施設の話を聞いた。サビ管は責任の重い仕事なので、ある程度の厳しさも必要だとは理解している。しかし、基礎研修の受講を希望しても落とされる。その理由は、その施設には複数のサビ管が配置されているからというものだが、利用者へのサービス提供の拡充にはどうしてもサビ管が必要なので、研修を受けさせたい。そして、施設で実務を経験する中で、サビ管として成長していき、仕事をしっかり身につけられるように養成したい。でも、今のままではそれがかなわない。矛盾を感じるとのことである。

     2023年5月にサビ管研修制度が少し緩和された。3年から8年の実務経験があれば、基礎研修修了後、6ヵ月の実践経験で実践研修を受けることができるというものである。しかし、問題は、基礎研修を希望しても受けられないということである。その施設の方は、希望する全員が基礎研修を受けられるように、研修場所を増やすこと、そして、研修の機会をせめて年3回ぐらいに増やしてほしいということだった。私も本当にそう思う。

     そこで、当局として、サービス管理責任者研修制度の課題についてどう取り組んでいくのかをお伺いする。お願いする。

    ○障害福祉課長(石川雅重)  サービス管理責任者等は障害福祉サービス提供の中核を担う職種であり、資格取得には研修の受講というものが必要である。研修は、現在は、多くの方に専門的な研修を県内で提供できる唯一の団体ということで、県の社会福祉事業団に委託している。

     研修受講者数の拡大というのは私どもも重要な課題と認識している。ただ、一方で、演習の講師に事業所に勤務する熟練の職員が就くということになっているので、その確保が困難ということで、研修定員の拡大には制約があるということである。

     そんな中だが、今年度は新たな講師の開拓に努め、講師数を増やして、定員を増加させている。また、昨年度からは県の指定を受けた団体が研修を実施する制度を取り入れて、現在、明石市が指定を受けた研修というものを実施してくれている。

     さらに、来年度は、一部の研修の実施主体を公募ということで今調整を進めている。加えて、社会福祉事業団とも研修全体の定員数を大幅に増加させようということで調整をしており、引き続き研修機会の確保に努めていく。

    ○庄本えつこ委員  努力していただいているということが分かるが、この緩和が発表された時点で既に研修の申込みというか、締め切っている。たしか6月だったように記憶しているが、その時点で既に基礎研修の公募というか、受入を締め切っていたという事実があるので、本当に大変だとは思うが、しかし、施設の側は利用者さんに本当にサービスを提供したいという思いで頑張っておられるので、県としての応援をぜひよろしくお願いして、私の質問を終わる。ありがとうございました。

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