議会報告

  • 2024年03月01日
    本会議

    第366回本会議 補正予算議案等反対討論 久保田けんじ

     

     私は日本共産党県議会議員団を代表して、上程中の議案の内、第135号議案、第141号議案、第165号議案ないし第167号議案、第171号議案、第173号議案、計7件について反対し、以下、主な理由を述べます。

    はじめに第135号議案「令和5年度兵庫県一般会計補正予算(第5号)」についてです。
    産業立地促進補助金128,338千円増額補正でありますが、産業立地促進補助に中小企業の要件枠を広げたといえども大企業誘致が中心となっていることは変わりません。多額の補助金を受け取った企業の退出は後をたたず、これまで多額の補助金を出してきたにも関わらず、県内の経済の好循環には至っておりません。体力のある大企業に設備補助、賃料補助に予算を費やすのではなく、ゼロゼロ融資返済や物価高に苦しむ中小企業への抜本的な支援施策に予算を費やすべきです。

    次に第141号議案「令和5年度兵庫県庁用自動車管理特別会計補正予算(第1号)」についてです。当初予算で運転業務職員を15人分としたが3人減となり、補充がされないことは問題です。過重・過密負担にならないようにしていると言いますが、その日の業務により、運転手が足りなくなる場合には、運転手付きの車を民間から借り上げ、業務を遂行するとのことです。車で移動中も公務です。移動中に仕事を行うことや、電話で公務上の連絡をとりあうこともあります。民間からの借り上げは情報を保護することに問題があります。運転業務は県の職員が行うべきです。
    また、退職の理由に「会計年度任用職員の満期」がありますが、運転業務は技術的にも専門性が必要であり、期限が来たから退職という雇用のあり方そのものが問題だと考えます。

    次に第165号議案「阪神高速道路株式会社が行う兵庫県道高速大阪池田線等の事業の変更についての同意」についてです。

    本議案では、阪神高速道路の大幅な料金値上げの改定、そして料金の徴収期間を2062年9月18日までから約9年、2071年3月31日までに延長されることの同意が求められています。その値上がり分は、改修工事もあるでしょうが、新たな高速道路の財源ともなります。これでは、いつまでたっても高速料金無料化にはなりません。
     阪神高速神戸線は、交通量の約半数が通過交通です。中国道や山陽道への振り分けや、抜本的な対策として自動車から公共交通へ、陸上貨物輸送から海上・鉄道貨物輸送への交通対策の抜本的転換こそ推進すべきです。

    次に第166号議案「ひょうごインフラ整備基本方針の改定」についてです。
    「躍動する兵庫」の実現に向け、「ひょうごビジョン2050」に描く「強靱で持続可能な社会」をめざしたインフラ整備を推進するため、基本方針として策定されようとしていますが、「高規格道路ネットワークの充実強化」として、基幹道路八連携軸を構成する高規格道路ネットワークの早期整備を推進が掲げられています。
    その中には、地元からも住宅地を通り立ち退きなどの懸念が示されている播磨臨海地域道路や環境や景観などの影響への懸念が寄せられ反対の声があがっている名神湾岸連絡線などが含まれています。
    これらの道路について、計画当初時の見込み交通量からは、いずれも減少しており必要性の是非そのものが問われています。全国で2番目に多い高速道路網の計画は見直し、生活道路整備や、防災減災事業のさらなる推進などに振り向けるべきです。

    次に第167号議案「ひょうご教育創造プランの改定」です。
    本議案は、2006年に広範な国民の反対を押し切って、行政が教育内容に介入する改悪が行われた教育基本法に基づき、策定された兵庫県教育基本計画を改定しようとするものです。そもそも教育とは、人間の内面に深くかかわる崇高な営みであり、人生を左右するほどの影響力を持っています。しかし、教育内容は、これが絶対というものはなく、子ども自身が教師との日々のふれあいや教材の中から生き方を探り選び取っていくものであり、特定の価値観を押しつけたり、誘導したりすべきではなく、教育の自主性や独立性を損ねてはいけません。これは、戦前、戦中の教育が、大多数の国民を戦争へと駆り出し、日本だけでも310万人の犠牲者を

    出したという歴史から導き出された貴重な教訓です。
    最高裁でも、教育の国家介入については、できるだけ抑制的であるべきと要請され、法律や法令に基づくものであっても、教育の不当な支配になる場合があり得るという判決が確定しています。教育内容やその方法を行政が決めることは、教育の自主性・独立性を侵すものであり、地方自治体にとっては努力義務にすぎない教育基本計画を策定することそのものに反対です。加えて、このプランには少子化を理由に公立高校の統廃合を位置付けており、賛成できません。

    次に第171号議案「一般国道178号浜坂道路Ⅱ期浜坂第2トンネル(仮称)建設工事(東工区)請負契約の変更」、第173号議案「主要地方道加古川小野線東播磨道北工区国道175号Dランプ橋上部工事請負契約の変更」についてです。
     これらの道路工事請負契約は、いずれも高規格道路ネットワークに位置づけられた道路でありますが、東播磨道の設置、一部供用などにより新たな渋滞が発生するなど、建設そのものに疑義があります。また総合病院同士をつなぐアクセスが十分な短縮にならないこと、災害時物資輸送には既存の県道を使用する計画になっているなどから、新たな高規格道路として設置する必要性がなくなってきています。
     今回の変更は、物価スライド制による請負契約の増額ですが、必要性等かんがみて、それぞれの事業は直ちに中止することを求めます。

    以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。

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