政策・見解・議員団活動
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2024年度予算編成に対する申入れについて
本日、知事に対し「2024年度予算編成に対する申入れ」を行いました。
2024年度の国の予算概算要求は、一般会計総額は114兆3852億円で、過去最大となりました。
物価高騰などで家計が疲弊しているもとでの予算編成ですが、社会保障など国民生活を支える予算が抑制される一方、軍事費は、概算要求基準の段階から大幅増額に向けて特別の仕組みが持ちこまれ、前年度当初予算から17.2%も上回る7兆7385億円の概算要求となっています。
拡大される軍事費は、岸田政権の安保3文書により憲法の規定を超えた先制攻撃を可能にする敵基地攻撃能力の具体化に関わるものであり、決して容認できません。
軍事費の拡大で、国民の暮らし関連予算を圧迫することは認めらないことから、軍事費は縮小し、国民・県民の暮らし関連予算を抜本的に増額することを県として、国に求めるよう強く要望しました。
岸田政権は、経済対策として所得税・住民税減税を謳っていますが、各種世論調査では、「評価しない」が圧倒的です。経済対策というなら、物価高騰を抑えるためにもっとも直接的に効果のあらわれる消費税減税こそ求められます。県として国に対し、消費税の5%への減税とインボイス制度中止を求めることを要望しています。
社会保障について、概算要求では高齢化などによる自然増により23年度当初比1.8%の増となっていますが、コロナ禍のもとで繰り返しきた医療ひっ迫を防ぐための体制強化は何ら示していません。地域医療構想などによる病床削減を進めるのではなく、病床の確保などともに、いまだ収束をみない、コロナ対策については、検査やワクチンなど基本的な対策の継続をもとめるものです。75歳以上の医療費負担増は中止させ、高齢者医療、子ども医療費補助の充実もあわせて求めています。
学校の35人学級は、来年度国により5年生までは措置されますが、教員の働き方、教育環境の観点から小中高校での少人数学級実施は待ったなしの課題です。兵庫県においては、県立高校の大規模な統廃合が計画されていますが、統廃合ではなく、小中高校での少人数学級の実施により、きめ細かい教育を行う環境を整えるべきです。
大阪・関西万博は、日本国際博覧会協会が「2024年からの建設労働者の残業規制の除外」を政府に要請、会場建設費が当初予算の1.9倍の2350億円に膨れ上がるなど、国や大阪府の進め方が破綻し、このまま進めれば命と安全が守られず、多大な負担を国民に押し付けることになります。万博開催は「不要だ」との意見が68%(共同通信11/3~5)を占めているなか、国などに万博中止を求めるのと同時に、これ以上の万博関連予算の計上はおこなわず、災害対策、気候危機対策、ジェンダー平等推進、学校給食無償化、高等教育無償化・給付制奨学金の拡充、中小企業支援の強化など、喫緊の課題に対する予算を増額することを求めました。
兵庫県知事において、県民のくらしを圧迫する国の政策には追随せず、「住民福祉の機関」として福祉と暮らしを守る自治体の役割を果たすための予算編成を要望しました。
≪申入れの主な内容≫
1.軍事費の拡大ではなく、国民の暮らし支援予算の増額を国に求めること。
2.消費税減税、インボイス制度の中止を国に求め、賃上げ施策を実施すること。
3.病床確保、医師、看護師確保など、医療体制の強化をおこなうこと。
4.いまだ収束を見ないコロナ対策について、無料検査、ワクチンなど基本的な感染予防対策や、保健所体制の拡充・強化を行うこと。
5.保育、介護など福祉職場での基本報酬を引き上げるよう国に求めること。
6.子ども医療費無償化、給食費無償化など子育て支援の強化を行うこと。
7.小中高30人学級実現し、高校統廃合を中止すること。
8.大学の授業料・入学金の無償化、給付制奨学金の拡充を国に求めること。県として、県立大学の県外生も含めた完全無償化、独自の給付制奨学金制度の創設などを行うこと。
9.男女賃金格差是正、女性幹部比率引き上げなどジェンダー平等施策の推進。
10.パートナーシップ・ファミリーシップ制の導入などダイバーシティ&インクルージョンの街づくり。
11.最低賃金1500円にするよう国などに申し入れること。
12.産業支援は、大企業呼び込みではなく、地元中小企業への直接支援をおこなうこと。
13.会計年度任用職員の給与引き上げや、本人が希望すれば正規に転換するなど、待遇を改善すること。恒常的な業務には、正職員を配置すること。
14.温室効果ガス削減、石炭火力発電全廃、再生可能エネルギー導入の強化。
15.県内の有機フッ素化合物(PFAS)の調査をおこない、存在が認められれば早急に原因の解明と除去などをおこなうこと。
16.不要不急の高速道路推進でなく、土砂、河川、高潮など防災・減災事業の強化。
17.核兵器廃絶条約の批准を国に求め、9条生かした平和行政の推進を。
18.大阪・関西万博の中止を求め、万博関連事業に予算を計上しないこと。
19.職員4割出勤を前提とした県庁舎廃止方針を撤回し、必要な執務スペースが確保できる県庁の再整備を検討すること。その際、県民、職員からひろく意見を聴取すること。