議会報告

  • 2023年10月03日
    本会議

    第364回本会議 議案討論 久保田けんじ

     私は日本共産党県議会議員団を代表して、上程中の議案の内、第77号議案、第85号議案ないし第88号議案、第94号議案、計6件について反対し、以下、主な理由と意見を述べます。

     はじめに、第77号議案「令和5年兵庫県一般会計補正予算(第3号)」、第94号議案「主要地方道加古川小野線東播磨道北工区宗佐第5、第6、第7高架橋上部工事請負契約の変更」についてです。第77号議案は公共事業内示増への対応として加古川小野線東播磨道橋梁上部工事、道路改良工事です。そして第94号議案は東播磨道路工事に付随する高架橋上部工事、契約金額は14億7950万円でありましたがインフレスライド条項の運用に基づき17億3812万1700円に変更し、増額は2億5862万1700円です。両議案、東播磨道に関しては、高規格道路を整備しても東京一極集中は是正されなかったこと、総合病院同士のアクセス時間が大幅短縮にならないこと、災害時物資輸送には既存の県道を使用する計画になっているなどを挙げて反対してきました。工事に着手しなければインフレスライド条項の運用に基づく膨れ上がった増額分を補正する必要はなかったわけです。今後も物価高騰が続くであろう状況に、不要不急の大型開発にこれ以上の税を投入すべきではありません。必要なのは物価高騰に対する県民の生活や中小企業支援、福祉や医療や教育への税の投入です。

     次に、同「令和5年兵庫県一般会計補正予算(第3号)」の本庁舎の再編に関して意見を述べます。県庁1号館、2号館、別館及び西館について耐震性不足が明らかになったことから同庁舎に配属している部局を、3号館、生田庁舎、公館及び議員会館に移転する計画であります。知事の説明では新庁舎建設には当初試算700億円、また物価高によって1000億円以上の軽費がかかることを理由に4割出勤前提の移転計画であり、オンライン等を駆使して対応されるということです。懸念されるのは対面上で対応ができなくなることによる県民サービスの低下、職員間の対面コミュニケーション不足による効率や生産性の低下、OJTができなくなることです。大胆な設計の4割出勤はコロナ禍での実績を根拠とされていますが、コロナ禍において県職員は緊急一時的に過大な労を費やして期間をしのぎましたが、今後はその状態が永続されることになります。拙速な計画設計ではなく、県民がどのような県庁舎を望んでいるか等の意見を聞く場をもち、県職員にヒヤリングをして内容をまとめてから、移転を検討し計画を立てるべきであります。

     次に、第85号議案「国営加古川水系広域農業水利施設総合管理事業についての市町負担額の決定」、第86号議案「国営土地改良事業についての市町負担額の決定」についてです。

     両議案は、国が行う水利施設の管理事業と施設整備、国営土地改良事業について、市町と農家に負担を求めるものです。本事業はもともと広域的な事業で、本来、国で一元的、総合的に行うべきものであり、市町負担そのものに反対です。

     また国営東播用水土地改良事業は昭和45年に着工されましたが、計画当初の受益面積が8035haだったものが、完成時には7313haにまで縮小し、二期地区事業を終えた現在では受益面積が7080.6haになるなど、国の減反政策などにより大きく縮小しています。その他の東条川地区、加古川西部地区でも同様の傾向です。

     国策によって農業を衰退させ投資費用に見合った受益を得られていない市町や農家に負担を求める事は認められません。

     

     次に、87号議案「県が行う建設事業についての市町負担額の決定」についてです。

      本議案には、三菱電機敷地内を含め尼崎市内を東西に走る県道園田西武庫線が入っています。この道路の総事業費は、当初、御園工区が174億円、藻川工区が33億円、合わせて207億円でした。御園工区の内、三菱電機の敷地1万8600㎡の用地買収、物件移動の補償費に充てられ、108億円にも上ることから、共産党議員団は、従来から事業そのものに反対しています。現在の総事業費は御園工区210億円、藻川工区は今のところ変わらず33億円ですが、合わせると243億円に膨れ上がっています。それに伴い尼崎市の負担額も大きくなっています。今後、整備予定の東園田側、藻川工区では、用地問題ではすべての地権者と合意がとれたとのことですが、中には「取り消したい」との申し出もあったと仄聞しております。また、道路設計などについて勉強会を重ねてきた関係住民は、不安要素について何度も要望や提案をしていますが、当局の説明に不安は解消されないとの声も聞いています。関係住民の充分な合意がとられていないことからも賛同できません。

     

    次に第88号議案「国営明石海峡公園整備事業についての神戸市負担額の決定」についてです。本議案は、神戸地区、淡路地区あわせて330ha、総事業費958億円で整備されている国営明石海峡公園整備事業のうち神戸地区事業について、県が負担している1/3の負担額のうち、1/2の負担を神戸市に求めるというものです。

     本事業は、2023年度事業概要によると、淡路地区では約45%、神戸地区では、約18%が供用中ですが、整備費はすでに約879億円と当初の総事業費の約92%となっており、公園管理費を含めるとすでに1000億円をこえ、当初事業費から大きく膨れ上がっています。一方で、2017年に改定された国営明石海峡基本計画では、神戸地区の入園者目標を75万人と想定していますが、2022年度の入園者数は約4万9,000人で、見込み数のわずか6.5%程度です。

     神戸地区には隣接して、しあわせの村という県民に親しまれている公園があり、巨大な公園整備を要する明石海峡公園に、事業に見合うほどの需要があるとは考えられません。

     過大な公園整備事業であり、国直轄事業でもある明石海峡公園については、地元負担を求めるべきではなく、事業の縮小も検討すべきです。

     

    以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。

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