議会報告

  • 2018年03月08日
    予算・決算特別委員会

    2018年度予算特別委員会 産業労働部 きだ結

    兵庫型奨学金返済支援制度の活用について

    ■きだ結■ 日本共産党のきだ結である。

    私からは、中小企業就業者確保支援事業、兵庫型奨学金返済支援制度について、伺う。

    現在、国公立、私学とも大学の授業料が高騰する一方、親の平均年収は減少し、仕送り額も減少しているため、奨学金を借りなければ、授業料や生活費を工面できない学生が増えている。

    今や学生の2人に1人が奨学金を借り、その多くが利子付きの返済型奨学金である。

    平均でも300万円、大学院進学など多い人では、1,000万円もの借金を負っているという。

    その一方で、卒業後、非正規に仕事に就く割合が4割にのぼり、奨学金を返済する余裕がなくなっている。

    結果的に、新聞報道などでもあるが、自己破産にまで追い込まれてしまう人が増えている。

    根本的な解決には、国公立、私学とも大学の学費を下げることが必要であるが、自治体で大学生向け給付型奨学金制度などを設けるところなどが増えてきている。

    兵庫県では、昨年度から県内の中小企業に就職した若い正社員向けに奨学金返済支援制度を始めている。県内中小企業への就職促進と奨学金返済を一体にした制度で、非常に重要だと考えている。

    実際に、この支援制度を受けた方、人づてであるが、神戸市内の芸術系の私立大学を卒業して、就職した県内の工務店がこの制度を利用していて、非常に助かっているということもお聞きしている。

    まず、この制度の概要と今年度の実績見込みをお答えいただきたい。

    ■しごと支援課長(城 友美子)■ 兵庫型奨学金返済制度は、企業と行政がタイアップして従業員の奨学金返済を支援し、若手人材の確保や定着につなげるものとして、政令・中核市との協働のもと、全国に先駆け実施したものである。

    内容としては、日本学生支援機構の奨学金を返済している従業員の年間返済額の3分の1ずつを企業、行政、本人が負担することとし、行政は企業に対し、1人当たり年間上限6万円、最大3年間の補助を行い、企業は自らの負担分と合わせて対象者に補助を行うこととなっている。

    奨学金の年間の平均返済額は18万円となっているので、その場合、行政分と企業分を合わせ、年間12万円、一月当たり1万円が企業を通じて本人に補助される仕組みとなっている。

    平成29年度の実績としては、本日までで導入企業数54社、対象者数は157人となっている。

    また、年度中の申請に向け、数社が準備を行っている状況となっている。

    ■きだ結■ 事前にいただいた資料では、本年度の予算額7,900万円で、実績見込み額1,716万、今お答えいただいた54社、157名はちょっと私の前の資料と数が違うので、実績見込みはもう少し増えるかもしれないが、残念ながら、予算枠はあるが、まだ実績がそれに届いていないというのが実情である。

    また、この実績について、どのような評価をして、またその要因、分析をされているかというのをお答えいただく。

    ■しごと支援課長(城 友美子)■ ご指摘のとおり本制度の利用実績はまだまだ少なく、さらに企業に対して活用を呼びかけていかなければならないと認識している。

    導入企業54社の状況を見ると、規模や業種にほとんど偏りはなく、まちの美容室から地域の代表的なものづくり企業、人手不足が深刻な建設業や旅館業など、さまざまな幅広い事業者が有意義な制度として、活用していただいているところである。

    また、1月以降の申請件数は10社と増えてきており、3月からの採用活動解禁に合わせたものと考えている。

    利用が進んでいない主な原因としては、企業が奨学金の利用・返済実態についてほとんど知らず、支援を行うことが若手従業員の確保や定着につながることに気付いていないことや、また、企業が奨学金返済支援制度をまず社内規定として創設する必要があり、一定の手間がかかるといったことが挙げられる。

    こういったことから、より丁寧な周知活動が必要と考えている。

    また、導入をちゅうちょしている企業というのも一定数あるが、補助期間3年では制度として短過ぎるとの意見を多くいただいている。

    以上である。

    ■きだ結■ 企業が支援の必要性であるとか、そういう認識もまだ少ないのかなということもお答えがあったと思うが、ちょっと確認のために再質問であるが、周知の方法であるが、先ほども少しあったが、例えば今、商工会とか商工会議所とかいうところの組織の加入率が低いということで、この周知はその団体を通じてだけ行っておられるのかどうかということをちょっと確認したいと思う。

    ■しごと支援課長(城 友美子)■ 周知については、団体を通じて、事業のチラシを配る以外に、ハローワークとか、また合同企業説明会で集まってきた企業に対して、担当者のほうが出向いて、チラシを配布した上で、説明なども行っている。

    また、そういったチラシだけでは、なかなか周知が図れないということで、訪問による説明のほうも実施しているところである。

    ■きだ結■ 先ほどおっしゃった支援の必要性を企業さん側に知っていただくということも含めて、周知がこれからという課題があるということかと思う。

    一方で、やはり事業者負担があるということで、新卒社員は欲しいが、奨学金返済も分かって何とかしてあげたいけど、これを継続的に支援できるかということを考えて、事業者側でちゅうちょされるということもあるのではないかと思っている。

    そこそこ力のある企業しか給料に足して、上限5,000円、事業者の負担は月5,000円になると思うが、それが出せるかというちゅうちょもあるのかなと思っている。

    それで、いただいた資料によると、2月末時点、これ53社であったが、この制度を利用している53社のうち、これは一つの指標ではあるが、資本金規模が5,000万円のところがこの53社のうち16社、それから従業員規模が50人以上というのが27社ということで、そこそこ中小企業といっても、まあまあ大きなところなのかなと思う。

    来年度は、支援期間を現在の3年から5年に拡充をして、予算規模も今年度の7,900万円から8,400万円に拡大されようとしているが、利用企業を増やしていくために、先ほどおっしゃったこと以外にもいろいろな方策はお持ちかを思うが、そのあたりいかがか。

    ■しごと支援課長(城 友美子)■ 済みません、53社と54社の関係であるが、一昨日1社増え、本日までで54社ということである。

    また、支援については、今現在いただいている企業の声としては、やはり補助期間の延長を望む企業が非常に多くあったことから、来年度からは3年から5年ということで延長したいと考えている。

    周知については、先ほども申したが、訪問による丁寧な特に奨学金の返済状況の実態を企業の方に分かっていただくといったあたりが非常に重要となっており、また、今年度導入した企業がそれを積極的に活用して、採用活動を展開されるといったあたりもしっかりお伝えをするといったことで、周知のほうを広めていきたいと考えている。

    また、補助額割合については、現状の企業、行政、本人が3分の1ずつ負担をするといったことを今後も維持したいと考えている。

    以上である。

    ■きだ結■ 京都府では、兵庫県に倣って、同様の仕組みのこの奨学金返済支援制度を設けているが、補助期間は最大6年間、それから対象従業員の就職後年数は、6年以内、それで年齢要件はなしということである。今、兵庫県は30歳未満ということで、それから、補助上限は、就職後1年から3年目は年9万円、4年目から6年目は年6万円ということで、まだ京都は昨年8月であるので、まだ実績はお答えいただけなかったが、政調会のときには、片山部長も京都府までいきたいとおっしゃっていたので、査定で落とされたのかなと残念であるが、やはり1社でも多く使っていただきたいし、県内就業を促すためにも、この京都は一例であるが、更なる拡充を検討していただきたいと思うが、いかがか。

    そして、中小企業と分類されても規模には大きな差があると思う。

    事業者の負担能力に応じて、先ほどは資本金などの指標を示したが、能力に応じて、今3分の1ずつだということであるが、少し県の負担割合を多くするだとか、より幅広い事業者が使えるような制度設計も有効ではないかと思うが、この点いかがか。

    ■産業労働部長(片山安孝)■ お答えする。

    この間、うちの息子が中小企業に努めているが、帰ってきて、「おやじ、給料月1万円ずつ増えた」と言う。何だといってリスト見たらうちの制度であった。

    ところが、社員には会社からしかもらってない、県庁や行政から2分の1入ったとは知らない。ただ、息子にも聞いたら、大体自分は月5万円、年間60万、4年間で240万円ということで、ところがそれは家から通っており、滋賀の理工系であったが、ただ友達は下宿でおったら8万ぐらいもらっていると言う。

    今委員言われたように、非常に大変だと。ここを知事とも相談する中で、何とか支援していこうかとか、いろいろなところ、外部からもお話があり、この制度を鳴り物入りで作ったが、ただ、そのときに一つ、産業労働部でやる以上は、やっぱり企業とタイアップしてやろうということで、企業と一対一、うちの施策は基本的にはもう全て企業と一対一ということで、2分の1補助という原理にしている。それでやっていくと。

    ただ、奨学金を借りているという事情はあるので、3分の1にはなるが、何ぼかはということで皆に返してもらうということでやった。

    こういうことであり、非常に社会的に課題になっており、県ができることは非常に少ないが、頑張りたいと思っている。

    また、非常に少ないことについては、委員のご指摘で分かるので、このことは先ほど松田委員から言われたように、気持ちじゃなくて予算がついているので、もうちょっと頑張りたいと思うが、ただ、やっぱりさっき課長が答弁したとおり、ご存じないということ、それから、これが実は我々産業労働部が支援するということは、企業の人手不足対象で、こういうことをやっているということで使ってくれと、これをPRしていきたいと思って、頑張りたいと思う。

    きだ先生からお認めいただくのはめったに少ないことであるが、これだけは私も頑張ってやりたいと思っているので、ご支援賜るようよろしくお願いする。

    ■きだ結■ いろいろと実績などをまた検証していただき、より良い本当に実績も挙げて使っていただける制度になるように求めて、質問を終わる。

    ありがとうございました。

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