議会報告

  • 2023年03月03日
    予算・決算特別委員会

    2023年度予算特別委員会 福祉部 いそみ恵子

    ○いそみ恵子委員 日本共産党県会議員団、西宮市選出のいそみ恵子である。よろしくお願いする。

    まず、災害援護資金についてお聞きをする。

    トルコ、シリア、地震発災から5万人を超える方々が亡くなられ、今も避難されておられる方々に謹んでご冥福とお見舞いを申し上げ、質問に入る。

    阪神淡路大震災から28年、全国の支援を受けながら被災者生活再建支援法の成立を初め、被災者の皆さんと一歩一歩政治を動かしたという意味で、私もその当時被災者の一人として感慨深いものがある。

    県議会初当選以来、被災地の議員として、借上げ住宅問題も含め、課題解決のために積極的に提案も行い、そして県に迫ってきた。

    そして、残された大きな課題の一つである災害援護資金について、今回質問を行う。

    まず、1点目は、災害援護資金の償還期限の延長が今年3月末で終了ということであるが、この未償還の状況について、少し詳しく報告をいただきたいと思う。

    ○地域福祉課長(藤本貴義) 災害援護資金貸付金に係る直近の12月末時点での未償還額であるが、計482件、6億2,300万円となっている。これらについては、毎月、あるいはこれまで半年間ごとに状況推移を見守ってきたが、着実に減少してきておるといったような状況となっている。

    ○いそみ恵子委員 今回答いただいたように、着実に前進してきているということでお聞きをした。

    それで、この2点目は、被災から県への償還期限、これも今年の3月末に迫っている。借受人の方々が高齢化が進み、そして、少額返済ということでいろいろと努力もされてきた。また、大変28年たっているから、行方不明者も多いという中で、その捜索だとか、それからその追及、大変人手も出して探しておられるが、困難を極め、こうした費用を含めて、西宮市を初め、被災市の財政負担も大変大きくなっている。これらの対応について県の考え方をお聞かせいただきたいと思う。

    ○地域福祉課長(藤本貴義) 委員指摘のとおり、県から市への償還期限は令和5年3月31日となっており、各市は県に未償還額の全額を償還することとなっている。

    一方で、先ほどお話もあったが、震災から28年が経過する中で、未償還者の多くは所在不明者や少額償還者であり、期限内に各市が債権の全額を回収することは困難であることから、県への償還は各市にとって大変大きな負担であると認識している。

    このため、借受人の高齢化が進み、返済が生活の負担になっていること等も勘案して、各市が借受人に対して債権放棄を行う場合には、県が原資を負担している3分の1部分について債権を放棄することとして、現在取組を進めているところである。

    ○いそみ恵子委員 今回答をいただいた。最終解決に向けて、県が原資を負担している3分の1ということで、具体的には2億1,200万円、これを限度として、被災市の9市が借受人に行う債権放棄、これに対して支援を行っていこうということである。

    それで、私はこの回答をお聞きしながら、ようやくここまできたというふうに思った。この間の県の対応、そして努力に対して、また、担当者の皆さんを初め、本当にその努力に対して私は評価をするものである。

    しかし、まだ課題は残されている。国負担分の4億2,500万円、各市が今年度中に県に返還をし、県が国に返すことになってくる。そのため県は国への返済が残っている9市を対象に無利子の貸付制度、これを創設して20年で貸し付けるということで事前に報道等もあった。災害援護資金、私は当時大変未曽有の被災であった。知ってのとおりである。財産も、それから生きていく上での生活の土台そのものを失った阪神淡路大震災のこの被災者にとってこれが本当に生きるすべであったと言っても過言ではなかったというふうに思っている。

    また、被災者生活再建支援法ができた。大変な努力だったと思う。しかし、その支援金が阪神淡路大震災被災者に遡求適用されなかった。こういうことからも私はこの点で国の支援が本当に必要だと現時点でもそのように思っている。国にその債権を放棄する、こういうことをぜひ県としても、県も被災県であるからぜひ求めていただきたいというふうに思うが、いかがであろうか。

    ○地域福祉課長(藤本貴義) 県ではこれまでから各市の負担軽減のため、免除対象範囲の拡大や借受人から償還があった額のみ国に償還する制度とするよう、国に要望を行ってきた。

    こうした要望を受けて、その中でも国は新たに令和元年に一定の所得・資産要件による免除を認めるといった災害弔慰金法の改正を行う等しており、国、県、市が一体となって問題解決に向けてこれまで取り組んできた。

    このたびの債権放棄に際しては、県の債権放棄に係る方針表明後、すぐさま昨年12月27日であるが、西宮市とともに内閣府に赴いて、国に返還することとなる3分の2の部分の財政的支援に係る要望を行ったが、既に法改正が行われており、これ以上の対応は困難との回答があったところである。

    ○いそみ恵子委員 西宮市のほうからも一緒に行かせていただいたと思う。それで、回答のほうはもう法改正もやったのでもう困難だという、こういう残念な回答ではあった。本当に確かに大変なことだとは思うが、私はこの問題では最後に災害援護資金、これについて県政改革方針の変更案の中に償還期限の到来、それから及び債権放棄伴って記載を削除ということで書かれていたが、この問題は私は国がなかなかいい回答をしてくれないが、であるが、諦めることなく、これだけいろんなところで地震が頻発している、そういう状況の中で、阪神淡路大震災の被災県、兵庫県がこの間被災者の皆さんとともにこの問題で切り開いてきたということであるから、ぜひ引き続き国に求めていただきたいということ、このことを強く要望させていただいて、この災害援護資金の問題については終わりたいと思う。

    それでは、次に、高齢者の補聴器購入補助制度についてお聞きをする。

    2018年12月県議会で、日本共産党県議団の政調会長として私が提案をさせていただいた国への意見書が全議員の皆さんの賛同をいただいて、全会一致で採択されて以来、あらゆる機会を捉えて取り上げてきた。

    今議会も一般質問で取り上げ、聞こえは人権という、こういう観点からも県の高齢者補聴器購入補助制度のこの補助金を増額し、継続をして制度の恒久化を求めてきたところである。

    そこで質問をする。

    まず、認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランで難聴が認知症の危険因子の一つとされているが、その予防方策について、認知症施策大綱で難聴等の危険因子に対する予防介入研究が、これが国で行われているというふうに聞いているが、この補聴器と予防効果について、現在の研究の到達点について把握をしていたらぜひお聞かせいただきたいと思う。

    ○高齢政策課長(田畑 司) 難聴と認知症機能低下との関係性については、現在国立長寿医療研究センターが研究を実施されているということで、まだ因果関係を得るに至っておらず、研究のほうは継続されているということで承知をしている。

    ○いそみ恵子委員 答弁いただいた。研究所のほうで今も研究中と。因果関係についてはまだ明らかにされていないというのが国のその研究所のほうの到達点である。

    それで、これ私、1年5か月前にも質問でお聞きをした。そのときも同じような答弁だったのである。であるから、この答弁をお聞きしながら、国待ちであってはならないというふうに思った。

    それで、県内では既に明石市を初め、高齢者の補聴器購入補助制度で自治体が国の制度創設を待つことなく市民の暮らしと福祉の増進という地方自治体の一番のその仕事に基づいて支援制度を創設されてきた。もう全国ではこの間私ども調べさせていただくと120の自治体まで広がっている。東京の港区では助成額13万7,000円、それから、住民税非課税の方にも6万8,500円ということで到達となっている。

    兵庫県としてもこの間国に対して制度創設を求めていくということで、この間県民の皆さんのアンケートなどもとりながらこういうことで努力もいただいてきたが、ぜひこの制度、補助額も増額して、継続して制度の恒久化、これを図っていただきたい、こういうふうに思うが、いかがであろうか。

    ○高齢政策課長(田畑 司) 本事業については、コロナ禍で高齢者の社会参加活動が低下している中、加齢性難聴者の補聴器使用と社会参加活動との関連性を調査するためデータを収集するものであって、協力いただいた方に対して補聴器購入費用を支援するものであった。

    恒久的な制度化については、加齢性難聴が全国共通の課題であるため、広く全国に適用される制度として、国において対応されるべきものと認識している。この調査結果を活用して、国への制度提案を行っていきたいと考えているところである。

    なお、補助額については、県内市町の補助金額を考慮して設定したものであって、適切なものであったと考えている。

    ○いそみ恵子委員 回答、やはり同じ回答かなというふうに思った。

    それで、そもそもこの制度をつくり、拡充を求めているのは内閣府の高齢社会白書によって高齢化率が2025年には全国で30%になると、それで兵庫県は30.8%と、全国を上回ると、高齢者が増えれば難聴者も増えることになる、難聴が進めばコミュニケーションが衰え、何も対処しなければ高齢者の皆さんは社会的に孤立をする。会話ができないので社会活動が減少し、認知症や鬱が進行し、脳も委縮し、生産性も低下をしていく。介護度が高くなり、医療費の支出も増えていく。様々な問題が起こる。これは優に想像できると思う。だから私は聞こえの支援に補聴器が有効なのに利用者には余りにも高額で手が出せない。だから県民の皆さんは支援をと求めている。都道府県レベルで初となったこの兵庫県のこの制度、その継続、そして、補助金の増額、これはどうしても私は必要だと考えている。ぜひ県民の皆さんの声に応えていただきたい、この点については再度答弁を求める。よろしくお願いする。

    ○高齢政策課長(田畑 司) 繰り返しになるが、加齢性難聴については全国共通の課題と認識しており、本来は県や市町独自の対応ではなく、広く全国に適用される制度として国において対応されるべきものと認識している。

    ○いそみ恵子委員 繰り返しの答弁であった。それで、私やはり地方自治体の本当の本来の仕事というのは市民の暮らしと福祉の増進を図るというのが地方自治法に基づいてこれをしっかりとやっていただくという、本来の仕事があると思う。

    沖縄県の難聴福祉を考える会附属診療所で長年の診療と研究を行う琉球大学の名誉教授の耳鼻咽喉科の野田寛医師は既に医学雑誌、これは2017年の論文に十分なエビデンス、これが確認された。九つの認知症発症者の発症のリスク要因のうち、一番大きな要因として難聴が挙げられていると指摘をされておられる。

    先日、70代の方が補聴器を買われた。その方は今でも自分は働いているから思い切って買えたが、年金暮らしのお友達は買えない。聞こえるというのは仕事や暮らしが楽しい。おしゃべりが楽しい。補助金があったらもっと友達も買えるようになるのにと語っておられた。県民の幸せのために聞こえは人権という、こういう観点からも県の制度の補助をこれを増額し、継続していただき、そして、制度の恒久化、これをぜひ進めていただきたい、実現していただきたい、このことを強く求めて終わる。

    そして、福祉部への最後の質問である。

    保健医療部に後ほど高齢者施設のコロナ感染対策についてお聞きをするが、福祉部には高齢者施設の感染予防とクラスター発生の対応での支援強化についてお聞きをする。

    この問題では、高齢者施設の皆さんから要望をお聞きをしている。

    例えば施設でコロナ感染が広がり、陽性者の療養期間に発生した新たな人件費は補填があるが、パルスオキシメーター、吸引機、自動噴霧器、強力空気清浄機等々が必要になっても助成がないこと、そして、夜勤は2人交代で一つの仮眠室をこれまで使用してきたが、コロナ感染対策のために特別に急遽倉庫を改造し、仮眠室を設置して補助申請をあげたが、認められず、その費用は法人の持ち出しになったなど、新たな支出が必要となった。コロナ感染で併設したデイサービスの利用者が激減したことによる損失補填なども含めてぜひ支援をという、こういう声がたくさん寄せられている。こうした損失補填のその支援を強化する、このことを強く求めるが、いかがであろうか。

    ○高齢政策課長(田畑 司) コロナ禍による高齢者施設・事業所の減収や費用の増加に対しては、これまでから財政的支援など様々な支援を行っているところである。

    基本的には、介護施設等については、コロナ禍でも事業継続が前提ということになっているので、一つには、介護報酬算定での特例的対応である。感染者等への対応により、例えば一時的に基準を満たせないような場合には運営基準等の柔軟な取扱により相応の算定が可能となっている。

    また、通所介護等で利用者が減少した場合については基本報酬の3%加算、またはより報酬単価の高い小規模な事業所区分の特例適用などにより、安定的なサービス提供を支えてきているところである。

    二つには、サービス継続支援補助金である。こちらについては、利用者や職員に感染者が発生した高齢者施設等に対して、サービス継続に必要なかかりまし費用の一部等を支援するものである。

    三つ目については、事業者の資金繰り支援である。こちらについては、独立行政法人福祉医療機構で新型コロナの影響により収入が減少した事業者に対する経営資金の優遇融資等が実施されているところである。

    国においては、現在、5類移行に向けた検討が進められているところであるが、高齢者施設等に対する支援については、引き続き国の方針を踏まえながら対応していきたいと考えているので、よろしくお願いする。

    ○いそみ恵子委員 時間が来た。ぜひ現場の皆さんの声がきっと県にも届いているというふうに思っているので、ぜひそういう損失補填も含めて、このことも教訓にしながら支援を強めていただきたいということを求めて終わらせていただく。ありがとうございました。

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