議会報告
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○いそみ恵子委員 日本共産党県会議員団、西宮選出のいそみ恵子である。よろしくお願いする。
兵庫県立大学の入学金の負担軽減と廃止について質問する。
コロナパンデミック、物価高騰等の影響で経済的に困難を抱えた学生が増え、こうした学生への食料支援などが日本民主青年同盟兵庫県委員会をはじめ様々な団体が全国で、また県内で取り組んでいる。
その中で、様々な声が寄せられている。例えば奨学金借りればというふうに言われるけれど、将来のリスクを考えると借りれない。その分、バイトのシフトに目いっぱい入っている。もちろん食費も削って、もう限界とか、入学金の負担が本当に重い。世界では入学金制度そのものがなかったり廃止されているのに、なぜ日本にはあるのかという、こういう声も寄せられた。
兵庫県立大の場合、入学金は、県内出身の学生が28万2,000円、これも高いところだが、県外出身の学生の場合、42万3,000円と、とんでもなく高いと率直な声が寄せられている。こうした学生の経済的苦境について、まず当局の認識をお聞きする。
○大学振興官(森本 昌) まず、高等教育機関である大学での教育機会確保に向けた学生への支援については全国的な課題であり、一義的には、国が適切に対応すべき課題であると認識をしている。
また、ご指摘のあった入学料の設定であるが、令和4年度のデータでは、全国の公立大学96校あるうち、兵庫県立大学と同様に地域内からの入学者の入学料を標準額である28万2,000円と設定している大学がほぼ半数の47校に上っている。また、そのうち地域外からの学生の入学料を増額している大学が41校あるので、県立大学の入学料の設定が他の大学と比較して極端に高いという認識は持っていないところである。
また、学生の経済的負担への支援であるが、国では修学支援新制度、令和2年度から実施していて、年収380万未満の世帯の学生については、授業料の減免に加えて、給付型奨学金が支給されているという状況である。また、こちらの制度については、令和6年度に向けて国のほうでも中間所得層への対象範囲の拡大といったものも検討されているところである。
また、兵庫県立大学においては、この国の支援制度に加えて、県内、県外の居住地を要件としない独自の授業料減免制度も設けていて、世帯年収が概ね500万円未満の学生を対象にして、収入に応じ、全額または半額の授業料減免も行っているところである。
○いそみ恵子委員 今ご答弁をいただいた。第一義的にはやはり国だというふうに思う。それで、その中で、国の様々な支援制度も拡充されてきた。県独自のいろいろな減免だとか、そういうことも含めてしていただいているということは、よくよく承知をしているところである。ただし、やはり所得制限というか、そういうものもあるから、大変実績も取らせていただいたけど、例えば国のほうの入学金減免で見ると、令和3年度、兵庫県立大の場合、減免件数が83名とか。それから授業料の減免についても、これは1,222人ということであるけれど、でもやっぱりまだまだ、その対象範囲が狭いということと思っている。だから、ぜひそういう点では、もう世界では大学の入学金制度そのものがないという状況である。入学金そのものを大幅減額、廃止することが必要と考えている。
この問題は、先ほども申し上げたけれど、国の決断が必要と考えるが、私も昨年10月27日、文部科学大臣に宛てて要請してまいった。入学金が学生、保護者にとって大きな負担となっていること。そもそも根拠が薄弱なこの制度で、子供たちの学びを阻害することは不当であり、大幅減額、廃止する。こういうことを求めてまいったけれど、国の担当者は、大学の収入として得られているので、そこを大幅減額、廃止することは考えられないと、こういう本当に残念な回答だった。でも引き続き、国に求めていきたいと思うし、県としても公立大学法人運営費交付金のこの増額、ぜひ国に求めていただきたいと思っております。
そこで、県立大学の入学金だが、先ほども県内・県外、それぞれの出身者の具体的な金額を申し上げたが、県内・県外とも公立大学の平均額よりやっぱり高い、そういう設定になっている。それで県内出身者の入学金について引き下げていただくこと、それから県外出身者の入学金についても文科省の国立大の標準額28万2,000円に引き下げていただきたい、これについてはどうか。
○大学振興官(森本 昌) 先ほどもご指摘があったとおり、入学金についても大学の収入の中では大変大きなウエートを占めている。
本県としても、兵庫県立大学に対しては、令和3年度の決算額で約80億円の運営費交付金を交付している。また、入学料の収入についても、全体で約6億円を見込んでおる数字なので、この部分について、先ほどのご質問にあったように、金額を下げるということになると、本県でも一定の財政負担が生じてまいるので、特に県の厳しい財政状況を勘案した場合には、こういった点についても一定慎重な検討が必要になってくるかと考えているところである。
○いそみ恵子委員 昨年11月18日、知事に対する要望で、私ども日本共産党県会議員団として提案をさせていただいた。それでそのときにもお話申し上げたが、例えばお隣の岡山県立大学では、県内出身者については18万8,000円、県外の出身者の学生については28万2,000円、こういうことで実施されている。県内出身者、そのときにもお話されておられたけど、県内出身者優遇というのであれば、もうぜひ兵庫でも実現していただきたいということで、ぜひお願いしたいと思うが、いかがか。
○大学振興官(森本 昌) 繰り返しのご答弁になるけれども、やはり公立大学法人の収入として学生から徴収する入学料、また授業料というのが大変大きなウエートを占めておるところである。
先ほども申したように、県からの運営費交付金が約80億円ある一方で、入学料、それから学生から徴収する授業料、そして入学検定料、これら含めた額が40億円ある。こういった財務状況のウエートから考えると、やはり学生から徴収する金額を見直すということは、本県の財政状況との兼ね合いでの検討というのがやはり必要になってまいるので、こういった点の検討も引き続き必要になってくる問題であると認識をしておるところである。
○いそみ恵子委員 重ねてご答弁いただいた。なかなか難しい問題だと、こんなふうに思う。
それで岡山県立大の話はした。調べてみると、島根県立大学、県内やっぱり18万8,000円、県外28万2,000円、高知県立大学も県内14万1,000円、県外28万2,000円、山口県立大学も県内14万1,000円、県外28万2,000円と、厳しいそれぞれ財政状況の中でも努力されているということも紹介をしておく。
それでは、県立大学の入学金をこれを無償にした場合、その県費は幾らかかるのか、これについて、また、授業料合わせた学費の個人負担を半額にした場合の県費は幾らか。それぞれ試算されていると思うので、その点についてお答えいただきたい。
○大学振興官(森本 昌) お尋ねの金額であるが、令和5年度当初予算で見込んでいる数字に基づくと、県立大学の入学料を全額免除した場合の影響額は約5億6,600万円、また、県立大学の授業料を半額にした場合の影響額は約15億7,400万円と見込んでいる。
○いそみ恵子委員 今ご答弁いただいた。それで、齋藤知事は新年度予算の目玉として、教育投資の強化、これを掲げていらっしゃる。県立大学の入学金を無償にした場合の県費は、今答弁があったように5億6,600万円、それから授業料含む学費の個人負担、これ半額にした場合、15億7,400万円、こういう答弁であった。
それで兵庫県は、一般会計で約2兆4,000億円、こういう予算規模を誇っている。だから、その中で、やはり無駄を削ったりして様々な工夫の中でこれは実現できる、特に大学の入学金5億6,600万円ということなので、ぜひ教育への投資というのであれば、ぜひこうしたところにこそ力を注いでいただきたいということを申し上げて、私からの質問を終わる。
以上である。