議会報告
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いまウクライナ戦争などにより、物流の混乱、エネルギー需給のひっ迫、原材料・部品不足などが生じ、私たちの暮らしにも物価高騰などの深刻な影響が及んでいます。新年度予算案においては、こうした県民の実態にこたえるものにならなければなりません。
しかし編成されている新年度予算案の中心は、大企業優遇を強める産業立地補助事業の拡充、大阪万博にむけた誘客促進への過剰な対応、県の大交流圏を支えるという高速道路ネットワーク事業などを促進し、知事が掲げる1人ひとりに寄り添った施策、未来を切り拓くための子どもや教育への施策については、不十分です。円安・物価高にあえぐ県民の暮らしや中小企業支援等はほとんどなく、脱炭素化事業については、効果のわからない水素事業が中心となっています。新型コロナウイルス感染症対策については、5類移行が前提となっており、施策も後退しています。
日本共産党県議団は、県提案の2023年度予算案を県民の立場からチェックするとともに、県民の願いにこたえる予算として、23年連続となる予算組み替え動議を提案しました。
《予算組み替えのフレーム》
組替えでは、まず全体の規模は、一般会計で見直しが必要な事業70項目、合計391億円(約1.7%)を減らし、そこから生み出された一般財源、特定財源など約132億円を、子育て・教育の充実、中小企業・小規模農業支援、ジェンダー平等施策、再生可能エネルギー施策、コロナ対応施策、災害対策など25項目の増額に充当しています。
また、県債の発行額を、一般会計と1つの特別会計で、209億円抑制しています。
《予算組み替えの主な内容》
1.子育て支援・教育充実
- 中三までの医療費無償化(拡) 53億円
- 国民健康保険料子ども(18才まで)均等割減免(新) 10億5000万円
- 母子家庭等医療費助成費(拡) 2億円
- 小学6年生までの少人数学級制(拡) 15億6800万円
- 小学校給食半額補助事業費(新) 24億円
- 兵庫県高等教育修学支援制度(新) 3億6000万円
- 高等学校生徒用貸与端末等整備事業費(拡) 7億7000万円
- 県立夜間定時制高等学校夜食事業実施費(拡) 373万円
2.医療・福祉、コロナ対策
- 老人医療費助成制度(復活) 1億7000万円
- 高齢者補聴器購入補助事業費(新) 4000万円
- 重度障害者児医療費補助(拡) 7700万円
- 難病その他特定疾患医療費(拡) 3500万円
- 看護師学生就学資金支援金制度(新) 3000万円
- 健康福祉事務所職員費(拡・保健師11人増員) 7700万円
3.中小企業、小規模農家支援策
- 県内企業人材確保支援事業(拡) 2100万円
- ジェンダー平等促進中小企業支援事業費(新) 1億円
- 中小企業店舗リフォーム助成事業 2000万円
- 住宅リフォーム助成制度 1億円
- 小規模農家サポート事業 5000万円
4.気候危機対策
- 石炭火力発電所廃止促進事業費(新) 300万円
- 再生可能エネルギー普及総合支援事業費(新) 1億9000万円
5.災害対策
- ひょうご住まいの耐震化促進事業費 1億5000万円
- 土木管理事務職員費(拡・13人増員) 9100万円
6.主な見直す事業
- 産業立地促進補助 △約16億円
- 基幹道路・高速道路事業 △約128億円
- 万博関連事業 △1億9000万円
- 水素関連事業 △9400万円
- 元町周辺再整備事業費 △6300万円
- 病床削減予算 △17億円
- 空港事業 △約11億円
- マイナンバー推進事業費 △6億円
- 同和行政事業 △4億8000万円
- 県議会海外視察費用 △440万円
以上