政策・見解・議員団活動
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新型コロナウイルス感染症対策に、昼夜を分かたず対応されていることに心から敬意を表します。
現在のコロナ第7波は、感染力の強いオミクロン株のBA.5系統等が猛威をふるい、これまでに経験のない感染急拡大となっています。発熱外来や保健所がパンク状態となるなか、すぐに検査が受けられない状況や感染が拡大した時点では軽症者と診断されても急変し、診療・治療が受けられず自宅や高齢者施設で亡くなられる方も少なからずおられ、死亡者数も第6波を超えるものとなっています。
兵庫県では、60歳未満で基礎疾患ない等の方が、抗原検査キットでの自己検査や無料検査で陽性だった場合、「自主療養」の登録を勧めていますが、感染者として登録されず健康観察も行われない状況をつくっています。政府は、24日、全数把握見直し方針を表明し、各都道府県の判断で、発生届対象者をさらに限定できるようにするとしています。
政府はその後、全国一律での実施方針を示しましたが、全数把握をやめて、感染者の多くが感染症法に基づく患者でなくなれば全体を把握できず、病状が急変する等の重症化した方を見逃す危険性や、感染者が行動し感染をひろげること等が懸念されています。
また、現在コロナ患者の重症度分類は、呼吸器症状を中心に評価されていますが、現場の医師からは、全身状態の評価が必要であることがかねてから指摘されています。
こうした実態を踏まえ、コロナから命を救う取り組みをおこなうには、感染者を早期に発見し、診断、治療に早期に結び付けていく体制をつくることが必要です。
兵庫県は、国追従の対応をあらため、医療・検査・保健所等の体制強化に真剣にとりくむべきです。「第7波」から県民のいのちを守るために、危機感をもって以下の対策を行うよう強く申し入れるものです。
記
1.医療・保健体制などについて
〇発熱外来の箇所数増、臨時検査センターや臨時医療施設の設置と医師・看護師の派遣など、早期診断・治療のために必要なあらゆる手だてを講ずること。
〇自己検査で陽性になった場合も感染者として発生届につなげ、オンライン診療などで適切な対応をおこなうこと。
〇「全数把握見直し」については、重症者を見逃し、感染者を拡大することなどにつながることから行わないこと。
〇家庭内感染などを防ぐために陽性者の保護を抜本的に強化するため、宿泊療養施設のさらなる確保と稼働率の向上をおこなうこと。
〇高齢者等への感染を防御するために、医療機関、高齢者施設、障害者施設などで、頻回PCR検査を全額行政負担で行うこと。高齢者施設等への抗原検査キット配布は、週1回から少なくとも週2回に拡充すること。
〇夏休みが明ける学校や保育所、事業所等をつうじ、抗原検査キットを県民全体に配布し、風邪症状などがある場合の積極的な活用で、感染の早期発見を呼びかけること。
〇今年度の診療報酬マイナス改定、また新型コロナ対応の診療報酬の段階的減額は、医療機関の体制強化に逆行しており、早急に見直すよう国に求めること。10月以降の病床確保料など、新型コロナ感染症緊急包括交付金の継続を早急に示すこと。
〇コロナ感染などによる影響の大きい病院、高齢者施設への運営費補助を、国、県の責任でおこなうこと。
〇ひっ迫している保健所については、当面、医師、保健師などの専門職員を臨時的に増員すること。
〇保健所の増設、正規・常勤の人員増、施設・設備の拡充など抜本的な体制強化を行うこと。
2.事業者支援などについて
〇国の事業復活支援金受給が要件となっている県の「原油価格・物価高騰対策一時支援金」は、予算を増やし、支援額や対象事業者の拡大をおこなうこと。
〇物価高騰・コロナ感染拡大等の影響を受けている事業者への直接支援をおこなうこと。
以 上
兵庫県知事 齋藤 元彦 様