議会報告
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私は、知事提案の2018年度兵庫県予算案に反対し、日本共産党県会議員団の予算組み替え提案に賛成する立場から討論を行います。
知事提案の予算案は、「行財政構造改革の総仕上げ」とし、最終2カ年行革プランを継続し、福祉や暮らし、教育のカットをすすめるものとなっています。その上、新たに「ひょうご基幹道路ネットワーク整備基本計画」の策定を計画し、名神湾岸連絡線、大阪湾岸道路西伸部、播磨臨海地域道路など不要不急の高速道路建設や、大企業に有利な産業立地補助金を積み増ししています。県民の暮らしよりも、大企業やゼネコンの利益を優先する予算で、県民のきびしい暮らしに寄り添ったものではありません。
一方、日本共産党の予算組み替え提案は、不要不急の大型公共事業を縮減させ、行革でカットされてきた福祉、医療、教育など県民向けの予算を復活させるとともに、県の産業、農業を発展させ、安心して暮らせる環境を守るものとなっています。
以下、具体的な内容についてです。
第一点は、福祉、医療、子育て、教育にあたたかい予算であるということです。国保の都道府県化で、さらなる保険料の値上げ、徴収強化が懸念される中、組み替え案では、高すぎる国保料を引き下げさせる提案がされています。また、行革でカットされてきた老人医療費助成制度の復活、母子家庭等医療費助成費の所得制限強化を解消するなど、対象をひろげるものとなっています。高学費に苦しむ私立高校への経常費補助増額、大学生向けの県独自の給付制奨学金の創設、子どもの医療費中三まで無料化、待機児童解消のための保育士処遇改善などの補助など、県民の医療、子育て、教育を充実させる予算となっています。
二点目は、地域の産業、その中心的な担い手である中小企業、農業を発展させるものとなっています。ワークライフバランスを進める企業への助成、店舗・住宅リフォーム制度の創設など、県経済の基盤となる中小企業への支援を強めれば、地域を活性化させ、経済の好循環をつくりだすことができます。深刻な社会問題となっている過労死対策では、「過労死ゼロひょうご」に向けた取り組みは、ワークライフバランス支援とともに、安心して働ける社会の基盤ともなります。また、新潟方式に学んだ「小規模農家公的サポートモデル事業」は、家族経営などの小規模農家を支え、担い手もつくりだし地域で暮らせる農業支援として大いに期待できるものです。
三点目は、豊かな自然と環境を守り、震災の備えを充実させ、安心して暮らせる兵庫県をつくる組み替え予算だからです。神戸製鋼による神戸市灘浜での巨大な石炭火力発電所増設計画への環境影響評価が行われているところですが、地域の環境、地球環境に大きな影響を及ぼすもので、容認できません。組み替え案では、石炭火力発電所廃止の世界の流れをふまえ、石炭火力発電所の立地禁止を求める政治指針策定を目指しており、脱炭素社会の先頭にたつもので、ただちに実現させることが必要です。また、石炭火力発電とともに、東日本大震災の教訓から原発をやめ、自然エネルギー転換を目指す予算が含まれ、その推進が望まれます。
阪神・淡路大震災から23年、震災の教訓をしっかり生かし、民間住宅の耐震化を促進する予算も組まれています。ただちに耐震化100%を目指すべきです。
以上、日本共産党の予算組み替え提案は、今回で18年連続となり、これまでも子どもの医療費助成をはじめ財源を示しての提案が、県政を動かし、県民の暮らしの願いを実現する一助になってきました。今回の組み替え提案も、県民の、福祉、医療、教育などの切実な願いにこたえ、持続可能な兵庫の経済と環境を促すものと考えます。委員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。