議会報告

  • 2022年03月08日
    予算・決算特別委員会

    2022年度予算特別委員会 <病院局> きだ結

    ○きだ 結委員 日本共産党のきだ結である。

    昼夜分かたずコロナ感染症対応に従事されていることに心から敬意を表する。

    私からは、新型コロナウイルス感染症対応を踏まえた病院運営の在り方について、2点伺う。

    県立病院では、加古川医療センター、尼崎総合医療センターなどを中心にコロナ患者を受け入れておられ、2月16日の厚労省の新型コロナウイルス感染症対策に係る各医療機関内の病床の確保状況、使用率等の報告によると、県立病院だけで確保病床数245床、即応病床数226床、入院中が158人となっている。まさに最後の砦としての役割を今も日々果たしていただいていると思う。

    一方で、新型コロナの感染者は今も高止まりが続いており、病床使用率も全体で高止まり、県立病院においても病床の使用率が急増し、加古川医療センターでは三次救急が原則停止されるなど、一般医療を止め、医療逼迫が起きる事態にも陥っている。

    最後の砦となる県立病院においては、こうした非常事態に備え、急性期病床などを十分に確保し、感染症にも一般医療にも十分対応できるようにしていくことが求められていると思う。

    しかし、この10年来、地域医療構想による病院統廃合や病床機能転換などが行われ、県立病院でも病床削減が行われている。

    そこで伺うが、ここ10年間で病院の統廃合、病床機能転換などにより、県立病院において、急性期病床、高度急性期病床の削減はどのくらいあったのか、病院ごとにお答えいただきたい。

    ○病院局企画課長(三宅隆之) 県立病院の統合再編に伴う病床の変遷状況というところでご説明申し上げる。

    まず、我々が数多くの病院整備をここ数年続けてやってきたが、最初に整備したのは、加古川医療センターで平成21年の整備である。このときに病床数は旧の病院が400床であったところ353ということで47床の減となっている。

    それから続いて、25年、淡路医療センターの移転改築である。こちらは452から441で11床の削減となっている。

    その次が27年の尼崎総合医療センター、これは旧尼崎病院と塚口病院の統合ということになるが、両病院合わせて900床あったところ、730床ということで170床の減となっている。

    その次の28年5月、こども病院の移転については、290床から290床で変更なしである。

    丹波における柏原病院と日赤病院の統合、丹波医療センターであるが、令和元年の7月、両病院合わせまして402床であったところ320床ということで82床の削減となっている。

    このたび、間もなく開院する播磨姫路総合医療センター、こちらは姫路循環器病センターと広畑病院合わせまして742床の病床であったが、統合後は736床ということで6床の減である。

    さらに令和7年に予定しております西宮総合医療センター(仮称)、これも現在の両病院合わせて657床のところ、552床ということで105床の減となる。

    がんセンターの建替えについては、現在の病院が400床であり、これは新病院の開院を待たず、がん治療の傾向の変更を踏まえ、今回の2月県議会で40床の前倒し削減を提案させていただいているとおりである。

    なおこれらと合わせて、精神病床を各総合医療センターに設けた関係でこころの医療センターが33床の削減となっている。

    ○きだ 結委員 今、全ての病床というか、県立病院であるので、その多くが急性期・高度急性期、この分類は最近のことであり、なかなか言いがたいのかなと思うが、事前にいただいた資料によると、高度急性期と急性期合わせて、この10年間で今おっしゃった病院の統廃合とか、あと病床削減によって、播磨姫路などの予定も含まれているが414床、高度急性期と急性期病床が減らされるということになる。

    しかし、このコロナ禍の対応を検証するならば、地域医療構想における急性期病床、高度急性期病床の削減路線というのは破綻していると言わざるを得ないのではないか。

    新型コロナにおいてもいつ収束するのか、今見通せない状況であり、更には今後こうした新興感染症の発生は繰り返されるおそれも十分ある。

    2021年4月に病院局による病院構造改革推進方策実施計画では、コロナウイルス感染症対策の課題等については今後十分に検証し、それらをもとに病院運営における必要な見直しを行っていくと書いておられるが、急性期病床等の病床を減らさず、増やしていく方向での見直しが求められているのではないか。

    そこで病床を削減せず、拡大するという点、また、現時点で検証し、検討している見直し状況などお答えいただく。

    ○病院局企画課長(三宅隆之) 現行制度下においては、病床数は事業主体の意向のみで決定できるものではなく、地域の医療機関と地域内での役割分担等を議論した上で承認されるものである。

    先ほどの西宮総合医療センターの病床、今計画されておるものであるが、こちらについても今後の人口動態等を踏まえ、利用病床率を85%と想定して580床規模での計画を当初提示したところであるが、地域での議論を踏まえ、90%利用をとすべきということで552床という結論に至ったところである。

    県立病院としては、こうした地域の医療機関等との対話を踏まえながら、結果として病床削減という形になっておるところであり、その点はご理解いただきたいと思う。

    その上で、新型コロナウイルス感染症への対応の中でどのような工夫をしていくかということになっているが、新型コロナウイルス感染症の対応に当たっては、感染症病床だけではなくて、もう通常医療の一般病床を使用しなければ現状の感染者数に全く対応ができないような状況である。

    そういう意味では、一般病床、つまり通常医療に一定の制限がかかるところはやむを得ないものと考えている。

    確かに病床については、お金と時間をかければ臨時病棟や専門病院というようなものが整備可能かもしれないが、そこで働くスタッフについては、これは病床を増やしたからといって一朝一夕に増やせるものではなく、あらかじめ余剰の人員を抱えておくということも、これも経営の観点から、あるいは余剰となる職員のモチベーションという観点からも、なかなか難しいところがある。そうしたことを考えると、一定の通常医療に制限を生じながら、もちろんこの制限は少ないにこしたことはないが、最後の砦となるのは県立病院であるという覚悟のもと取り組んでいくより仕方ないと考えている。

    その上で新規整備する病院については、コロナといったようなこういう対応も見据えた計画変更なり整備内容を付け加えて、今後整備していこうとしておるところはご案内のとおりであり、個人防護具の着用等の標準予防策を徹底して、基礎を大切にしながら、現場で臨機応変な対応をして最善を尽くしてまいっておるところであり、よろしくご理解のほどお願い申し上げる。

    ○きだ 結委員 先ほどの八木副管理者の答弁の中で、どこかの県立病院でマンパワーが日々急がれていると。だけど最後の砦として頑張るんだというふうな話もあった。

    もちろん医療従事者というのはそういうぎりぎりのときに本当に頑張るし、だけどやっぱりそれは非常時のことであって、そんなに長く続かせてはいけないものだと思う。

    先ほど病床数を増やしたからといって、すぐ人数が、でもそれ当然のことで、やっぱりふだんから病床を確保する、病床を確保するというのは、そこに従事する医療職員をちゃんとスタッフを確保していくということであり、そういうものとして捉えていただきたいと思うし、地域医療構想ではもちろん地域の中で話して、だけど表向きというか、やはり地域の自主的な取組、それから事業主体のみでは決められないんだっておっしゃったが、事業主体が、いやうちはこれだけの病床が要るということはもちろん言えることであり、地域での役割分担と考えたときに、この加古川医療センターの先ほどもいった一般医療を制御して、今受け入れていただいている、これは本当に大変なことだと思うが、じゃあそれでほかの救急を違う病院に診てもらわないといけないというようなことがやっぱり起こるわけで、その地域で役割分担を考えたときに、やはり県立病院、そんなに簡単に病床を減らすということはしないでいただきたいと思うし、今後その地域医療構想で役割を果たしていくためにしっかりと病床を確保するという立場にぜひ立っていただきたいということをお願いし、私の質問を終わる。ありがとうございました。

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