議会報告

  • 2022年03月08日
    予算・決算特別委員会

    2022年度予算特別委員会 <健康福祉> きだ結

    ○きだ 結委員 日本共産党のきだ結である。

    まず、新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いする。

    オミクロン株の感染力の強さから第6波の感染拡大は収束せず、感染者数、死亡者数が兵庫県でも高止まりしていることを非常に危惧している。

    第6波の人口10万人当たりの新規感染者数は、3月3日時点で、全国平均は2,713人だが、兵庫県は3,650人で、全国平均の1.3倍の多さになっている。更に兵庫県の第6波の死者数は、3月5日までの累計で489人、人口10万人当たりの死者数は、2月26日時点で兵庫県は7.01人で、大阪府9.04人、奈良県8.38人に次いで、ワースト3位となっている。現状分析が必要である。

    そこで、まず、今回の第6波で亡くなられた人数を年齢層ごとにお答えいただきたい。そのうち高齢者施設で亡くなられた方の人数をお伺いする。

    加えて、第6波のCCC-hyogoの調整件数をお答えいただきたい。併せて全国平均より死亡者が多い要因をどう分析されているのか、お答えいただきたい。

    ○感染症対策課長(西下繁樹) 兵庫県における死亡者は委員ご指摘のとおり、全国でも高い状況にあると認識している。

    そこで、この第6波、便宜的に1週間平均患者数が上昇続けた12月20日を仮に起点として、2月末日までの新型コロナウイルス感染症患者の県内の公表死亡者数は414人である。そのうち県所管分は90人、政令中核市分は324人で、神戸市分が181人、姫路市分が29人、尼崎市分が25人、西宮市分が65人、明石市分が24人となっている。

    また、死亡者の年齢層ごとの人数については、40代が1人、50代が5人、60代が13人、70代が55人、80代以上が263人、公表ベースで、年代非公表が77人となっている。

    死亡の場所のほうであるが、まず、感染者情報の公表については、国の公表にかかる目的である感染症の蔓延を防止すること、個人情報の保護することの考え方に沿って進めているところであるが、死亡場所については、感染症の蔓延防止に直接寄与しない情報であると考えていて、政令中核市も含め、非公表としておるような状況である。

    福祉施設、高齢者の施設で亡くなられた方が何人かということについては、直接の人数はお答えできないが、福祉施設でお亡くなりになっておられる方はおられる。

    次に、新型コロナウイルス患者の入院においては、保健所での調整を基本としつつ、各保健所では対応困難な場合にCCC-hyogoが調整を行っている。併せて無症状者や軽症者などのうち、神戸市を除く保健所で、宿泊療養が適当と認めた者の宿泊施設での調整も行っており、この期間における調整件数は、入院調整が359件、宿泊療養調整が3,433件である。

    本県の死亡者数が他府県より多い原因については、全国平均よりも人口当たりの感染者が多いこと、特に高齢者の罹患率が高いためと考えている。本県の死亡者の約8割が80歳以上であり、高齢者は基礎体力がなく、多くの合併症を有する者が多いため、高齢者の死亡が多くなっていると考えている。

    ○きだ 結委員 高齢者施設で亡くなられる方の人数は答えられないということで、蔓延防止に余り関係ないからということだったが、やはりどこが目詰まりしているのかということを私たちは知る必要があると思ったので、それを請求をした。できれば、この委員会として、個人情報はもちろん特定もできないし、どこの地域でということもないので、再度資料をお願いしたいと思う。

    ○委員長(浜田知昭) ただいまの発言でありますけど、委員個人としての資料じゃなくて、委員会としての資料請求ということでよろしいですか。

    それでは、各委員にお尋ねしたいと思います。

    先ほど、きだ委員から要求のありました資料の取扱につきましては、理事会に一任願いたいと思いますが、これにご異議ございませんか。

    もう一度、資料の内容について、内容説明お願いします。

    ○きだ 結委員 第6波で亡くなられた方のうち、今、福祉施設で亡くなられた方もおられるということだったけども、そのうちの福祉施設、高齢者施設、あと障害者施設での感染が分かって、そこで亡くなられた方という方の人数ということである。

    ○委員長(浜田知昭) それでは今の資料につきまして、扱いにつきましては理事会に一任願いたいと思いますが、これに異議ございませんでしょうか。

     (異議なし)

    ご異議ないと認め、さように決します。

    それでは、明日の理事会でお諮りしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

    きだ委員。

    ○きだ 結委員 12月20日から3月2日までの兵庫県内クラスターによる感染者は8,934人、そのうち高齢者施設等福祉施設は209件、3,884人です。昨日の時点でも、入院できずに福祉施設等で留め置きされている方は484人ということである。

    感染者、死亡者とも突出している大阪府では、高齢者、障害者施設でのクラスターが2月17日時点で426施設と多発して、大阪府新型コロナウイルス対策本部会議の資料によると、医療介入があった施設は37%にとどまり、同会議では、専門家から早期に医療介入が行われず重症化する、あるいは亡くなるといった悪循環が起こっている。十分に治療介入できた結果の死亡率ではない、早期介入、早期治療の徹底が重要と厳しい指摘が出されていた。

    保健所機能の逼迫が感染発生時の対応の遅れ、他の高齢者への更なる感染と症状の悪化につながり、死者数を押し上げる大きな要因となったと推察されている。これと同じことが今兵庫県でも起きているのではないかということで資料請求した。

    地元東灘区の複数の高齢者入所施設にお伺いした。感染者が出て入院をお願いしたけども、酸素飽和濃度が80%を切っても入院させてもらえなかった。老健だが施設で見てと言われて、酸素毎分10リットル入れて、やっと42%までしか上がらない人で、やっと入院させてもらえたけども、2日後に亡くなられたなど、医療機関でない特養や老健など高齢者入所施設で感染者を見ること、そして苦しみながら、目の前で亡くなられていくことに耐えられない、堪えているとおっしゃっていた。

    このことから、先ほどの資料を請求する。

    そして2番目に、入所高齢者の医療を保障すべきだと思う。

    高齢であることがそもそも感染、そして重症化のリスクである。そこで感染を広げないことと、早めの医療介入するために入所高齢者は優先的に入院できるようにすべきではないだろうか。やむを得ず施設内で療養する場合にも、早期に医療介入し、治療成績が優れているといわれるゼビュディなど中和抗体薬を発症7日以内に使い、重症化を抑えることが決定的だと思う。併せて入所者、従事者へのワクチン3回目接種を進めること。

    そしてまた、3月4日の記者会見で、こうした高齢者施設等への支援の強化が出されたが、これによって、こうした施設への対策がどのように改善されるのか、お伺いしたいと思う。

    ○高齢政策課長(田畑 司) 高齢者施設などにおいて、やむを得ず待機、療養を行う新型コロナウイルス感染症患者については、従来から、感染管理認定看護師等の派遣による感染拡大防止対策の実施であるとか、酸素濃縮装置の貸与、往診を行う医療機関を支援すること等により支援を行ってきたところである。

    また委員ご指摘の厚生労働省が特例承認した新型コロナウイルス感染症における治療薬であるゼビュディなどについても、円滑に施設で利用いただけるように、利用に関する手続であるとか留意事項等についての情報を施設に対し提供しているところである。

    更に、このたび蔓延防止等重点措置実施期間中の高齢者施設等への支援を強化するため、施設からの相談に応じて、患者に対する福祉的・医療的ニーズを整理し、往診については、県医師会の協力を得ながら、円滑な支援につなげていきたいと考えていて、現在調整を進めておるところである。

    こうした取組を総合的に進めることで、高齢者施設内の医療提供体制を確保していきたいと考えているので、どうぞよろしくお願いする。

    ○きだ 結委員 先ほどの高齢者施設等への支援の強化で、政令市含めてぜひ強化されるようにお願いしたいと思うし、先ほどのゼビュディなどは、やはり発症から早く使わなければ、7日以内であるとか、軽症・中等症1までとされているので、もう重症化された後には使えないので、ぜひ早めの早期介入を強く要望しておきたいと思う。

    続いて、事業継続のための支援も今大切になっている。定期的PCR検査や症状が出たときにすぐに検査ができる体制などが必要である。連携している医療機関があるとか嘱託医の方もおられるけれども、すぐに対応できないということも往々にしてあるので、ぜひ、そういうようなところを目配りをしていただきたいということ、それから発症などが出てきたときに簡易抗原キット、やはりこれ事前に施設に配布をしておいていただきたいということが改めて施設側からも要望もあった。

    それから感染者が出ていない施設も感染防止のためにぎりぎりの精神で事業を継続されておられるので、かかりまし経費については、感染者が出ていない施設についても、支援の対象とすべきだと思うが、これらの継続のための支援についていかがか。

    ○高齢政策課長(田畑 司) 高齢者入所施設等において、病床逼迫等によりやむを得ず施設内療養することとなった場合、施設内療養の質及び医療・介護体制が確保できるように、手厚い支援体制をとっておるところである。

    一つには、サービス継続支援事業の補助として、割増賃金、手当の支給だとか、施設内消毒等感染防止に必要なかかりまし経費の支援のほか、施設内療養1人当たり15万円、緊急事態措置または蔓延防止等重点措置適用期間中は、更に15万円の上乗せ措置を行っておるところである。

    また、二つには、感染した入所者の健康管理体制の確保に必要な医療職等の確保のための感染症発生時支援事業による支援であるとか、県から施設への衛生資材の直接の配布、更には職員不足が生じた場合の職員の応援支援など、施設内療養を余儀なくされている高齢者入所施設に対し、支援を行っているところである。

    なお、行政検査の対象外と判断された場合のPCR検査については、サービス継続支援事業の補助の対象となるため、当該補助の活用について助言を行っているところである。引き続き高齢者入所施設において、入所者や職員が感染してもサービスが滞ることのないよう、必要な情報提供とか支援を行っていきたいと考えている。

    ○きだ 結委員 先ほど、感染者がいない施設についても経費をということで、介護サービス事業所、施設における感染防止対策支援事業というのが10品目の補助対象品目で、マスク、手袋とか、あとパーテーションなど、10品目に限られているものだけども、これ10月から12月までの分ということで、施設さんからしたら、もうこれ使えないということになっているので、ぜひ、先ほど感染が起きないように頑張っている施設に対しても、こういう補助をもう一度していただきたいということ、重ねてお願いをしておく。

    次に、補聴器購入補助についてお伺いする。

    我が会派は、高齢者の健康的な生活のために補聴器購入補助を求め続けてまいった。世界で高齢者の難聴率は変わらないものの、日本補聴器工業会調べで、日本の補聴器使用率は14.4%、に対してイギリス47.6%、フランス41.0%と、非常に各国の補聴器使用率が日本より高いのは、各国では何らかの補助制度があるからである。

    補聴器の価格帯は、3万円から30万、40万円と、非常に高額なものである。必要性を感じてもなかなか手が出ず、我慢しているのが多くの高齢者の実態である。来年度当初予算に高齢難聴者の補聴器購入補助が盛り込まれ、県民も非常に期待しておられる。都道府県レベルでの補助事業というのは全国で初めて、私も誇らしく思う。

    そこでまず、効果検証の調査事業について、何点かお伺いする。

    一つ目に、この募集の期間だが、4月、5月という、非常に短期間の募集である。3月末に予算が本決まりして、そこからどうやって広報するのか。十分な募集期間になるには、もう少し募集の期間を延ばす必要があるのではないだろうか。

    二つ目に、先ほどの価格帯を考えると、上限2万円の補助は少なく、増額すべきと考える。更に明石市など補助制度を持っている自治体の住民は、制度と併用ができるようにすれば、更に購入しやすくなると考える。

    三つに、県内で400人、仮に人口割にすると、市町では四、五人のところも出てくるのではないだろうか。募集人数を広げてはどうだろうか。

    また、この調査事業をどういう視点で効果、検証するのかということもお伺いしたいと思う。

    ○高齢政策課長(田畑 司) 本事業については、補聴器の調査の事業ということで、中等度難聴の高齢者が補聴器を使用した場合、本人の社会参加行動にどう関係するのか等、使用実態について、利用者本人へのアンケート調査により把握をしようとするものである。

    募集期間については、具体的な期間等は今後詰めていくところではあるが、調査に必要な補聴器の使用期間が十分確保できることを前提として、応募しやすい期間となるように検討していきたいと考えている。

    助成対象者数については、地域や性別等で対象者を区分して分析することを想定していて、その際に各区分に必要な対象者を確保できる数として設定したものである。

    補助額については、調査のために必要な補聴器を購入するため助成するものであって、購入への補助が目的としておるものではない。

    また、県内市町の購入の際の助成額も二、三万円ということで、妥当な額と考えている。

    なお市町補助との併用については、本事業が調査のための事業であることも踏まえて、併用の可否については、今後検討していくことと考えている。

    以上、よろしくお願いする。

    ○きだ 結委員 募集の期間は、今後また考えるということであるとか、市でこの制度を持ってらっしゃるところとの併用も今後考えていただけるということなので、よろしくお願いする。

    購入補助だと思う、知事は、実際に使っていただいてどうかということ、ぜひ調査してみたいということだったので、やはり購入という制度だと思うので、ぜひまた補助額の増額も検討をお願いしたいと思う。

    それで次に、制度として創設を求めたいと思う。高齢者にとって、普通に聞こえるということが本当に大事なんだということを先日少し高齢者の方の集まりにいったときに、口々に言われた。認知症になりにくいとか、あと社会的な参加、社会参加がどうとか、いろいろ行動でやったり、何か数値化されるとか、もちろんそういうことも大切だと思うけども、家にいて、例えば家族の話が普通に鮮明に聞こえるとか、テレビの音が家族と同じ音で聞こえるということは、非常に大事なことだというふうに思った。これは人間らしく生きる、人間として生きるということにほかならないということをおっしゃってた方もおられた。そのとおりだと思う。

    また、視覚障害者の方は聴覚を頼りにしておられるので、聴覚が先に衰えるということもあって、こういう補聴器の補助というのは、大変期待しているということも付け加えさせていただく。

    補聴器をつけることで、聴力を衰えさせないようにトレーニングするという意味もある。先ほども申し上げたように、認知症予防はもちろん大事だけども、数値化できるものだけが効果ではないということをぜひ分かっていただいて、補聴器をつけて人と話が普通にできる、外に出て、人と会おうかというような気になる、外出の意欲を維持できるということが補聴器の大きな効用だと思う。

    そこで国に制度化を求めるとともに、やはり県として、高齢者の尊厳を守って、健康的な生活の維持のためにぜひ県として恒久制度とすることを、この1年間で考えていただきたいと思うが、いかがか。

    ○高齢政策課長(田畑 司) 補聴器購入補助の恒久的な制度化については、加齢性難聴が全国共通の課題であることから、本来は、県や市町独自の個別対応ではなく、広く全国に適用される制度として、国において対応されるべきものと認識している。したがって、このたびの調査事業で補聴器の使用が社会参加促進につながるという結果が得られた場合については、国への制度提案の根拠として活用させていただきたいと考えている。

    ○きだ 結委員 繰返しになるけれども、国待ちにせず、必要なことは県として制度化することが大事だと思うので、ぜひ引き続き検討をお願いしたいと思う。聴力の低下は、定期的な聴力検査とか検診による早期発見も大事だと考えるので、この際、特定健康診査等で聴力検査健診を入れていただきたいということも最後に付け加えて、私の質問を終わる。

    ありがとうございました。

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