議会報告

  • 2022年03月03日
    本会議

    第357回本会議 反対討論 いそみ恵子

    私は、日本共産党県会議員団を代表して、上程中の令和3年度補正予算、追加議案の内、第171号議案、第172号議案、第174号議案、第178号議案、第191号議案、第198号議案、第199号議案、第201号議案、第202号議案、第211号議案~第215号議案、以上14件について反対し、以下主な理由を述べます。

    まず、第171号議案 「令和3年度一般会計補正予算(第9号)」に関連し、第172号議案「令和3年度「兵庫県県有環境林等特別会計補正予算(第1号)、第174号議案「令和3年度兵庫県公共事業用地先行取得事業特別会計補正予算(第1号)」第178号議案「令和3年度兵庫県公債費特別会計補正予算(第1号)」についてです。

    本議案には、昨年12月の条例改正で、約6万人の職員の期末・勤勉手当の年間支給月数が4.45月から4.30月へと0.15月引き下げることと合わせ、以下の理由で反対するものです。

    これらの議案には、小野市市場用地64.3ヘクタールを一般会計補正予算からの繰入金7億8810万円と、県有環境林取得事業債70億9210万円を起債し、合わせて78億8020万円で公共事業用地先行取得事業から県有環境林として取得。県有環境林特別会計からの売り払い収入78億8020万円を公共事業用地先行取得事業特別会計から公債費特別会計に借金返済のための財源として繰り出しています。

    この環境林として取得される小野市市場用地は、長年にわたって塩漬けとなっていた小野長寿の郷構想地域の一部です。これまでの構想がなぜ失敗したのか等、過去の先行用地取得の経緯や、未利用地の時価評価について、県民に明らかにしないまま進めるのは、問題で反対です。

    また、三木中里用地取得の起債の償還のため運用利息の不足を公債費特別会計に繰り出すもので認められません。 

    次に、第191号議案「令和3年度兵庫県地域創生事業会計予算」についてです。

    本議案は「ひょうご小野産業団地」として、残る5区画16.2㏊のうち4区画12㏊を新たに分譲しようとするものです。

    地域創生整備事業に含まれる小野長寿の郷構想は、住民、医療・福祉事業者、自治体らが検討委員会を立ち上げ、そこでの議論の上で出来上がった構想です。それにもかかわらず、十分な議論もされないまま、構想区域の一部を産業団地として事業変更をしていることは問題であり認められません。

    第198号議案「阪神高速道路株式会社が行う兵庫県道高速大阪池田線等の事業の変更についての同意」についてです

    本議案は阪神高速湾岸線西宮浜と甲子園浜の両料金所について、現行の現金レーンとETC

    専用レーンのそれぞれについて2カ所ともETCレーン専用にしようとするものです。両料金所は阪神高速全体のETCレーン専用化の先行実施事業として行われます。

    阪神高速は両料金所のETCレーン専用化の効果として「料金所渋滞の解消」「料金所閉鎖リスクの低減」「管理コスト削減」を挙げています。しかし、両料金所は現行でもほとんど渋滞はしていません。また、その他の料金所についてもETCレーン専用化の大幅な普及によって現金レーンがあるからといって渋滞が発生している料金所は皆無になっているのではないでしょうか。

    阪神高速のETCレーン利用率は未だ95.8%であり、自動車保有者のETC機器設置率はそれをはるかに下回ります。事業者のコスト削減だけを目的とした全面ETCレーン専用化ではなくドライバーの立場に立った高速道路整備こそ必要です。以上の理由で反対します

    次に、第199号議案 「ひょうごビジョン2050の策定」についてです。

    今回の21世紀兵庫長期ビジョンの改定は、「ひょうごビジョン2050」を県政の基本指針として位置づけ、2050年頃の将来像を共有しながら、地域ビジョンとともに、各分野の基本的な計画に反映するとしています。中でも最も総合的な計画である「地域創生戦略」をビジョンの主たる実行プログラムとしています。

    今後の社会変化の潮流として、(1)人口減少・超高齢化(2)地球からの警鐘(3)テクノロジーの進化(4)世界の成長と一体化(5)経済構造の変容(6)価値観と行動の変化の6つを挙げ、未来社会で営まれる生活や社会経済活動のめざす姿をビジョンで描いています。 

    しかし、ビジョンで描く夢は、果たして実現できるのでしょうか。

    例えば、(1)の人口減少問題で言えば、ビジョンの中で、最も総合的な計画に位置付けられている「地域創生戦略」で取り組まれてきましたが、戦略目標の大きな柱である自然増対策・社会増対策ともに目標指数を大きく下回っています。これまでの大企業呼び込みと大型開発推進では、東京一極集中は、是正されませんでした。地域の一次産業や中小企業をしっかり支援し、若者や子育て世代への直接支援を大幅に拡充する地域創生戦略への抜本的転換が必要です。

    これまで日本共産党県議団は、総合計画や21世紀兵庫長期ビジョンに対し、県民の声や実態を反映し、県民が主人公の立場で地方自治の本旨に基づき、県行政の公的責任を後退させないようにすべきと主張してきました。

    いま、県民の実態は、本当に深刻です。ビジョンでも大きな社会変化により先の見通しがますます難しくなっている。コロナ禍でも社会の様々な課題が浮き彫りになった     としていますが、解決するための県行政の役割や展望を開くどころか、国の医療改悪に加え、県独自の福祉医療の改悪まですすめ、コロナ禍のもと、今また、県政改革方針実施計画案で県民の暮らしに直結する福祉事業、老人クラブ活動強化推進事業、バス対策費補助、商店街の活性化策等々を廃止見直そうとしています。

    県民の暮らし応援の県政を今こそ県民参加で進めるときです。しかし、今回提案されている「ひょうごビジョン2050」は、国の経済対策や大型開発などにそって、さらに「行革」を後押しする内容となっており賛同できません。

    次に、第201号議案「まちづくり基本方針の改定」についてです。

    本議案は、ひょうごビジョン2050を踏まえ、今後概ね10年間のまちづくり分野における基本的な方針を制定しようとするものです。

    改定案では、それぞれの地域について、農山漁村の集落や市街化調整区域内に点在する集落を「多自然地域の集落」、平成の合併前の市町の中心市街地とその周辺の街を「地方都市」、阪神地域から姫路市にかけて連なる既成市街地区域を「都市中心部」等としてそれぞれ位置付け、今後10年のまちづくり方針を示しています。

    反対の第一の理由は、人口減少と高齢化を理由にコンパクトシティの名のもと多自然地域を切り捨てる案になっているからです。

    案では多自然地域について「コミバスや自主運行バスなどで地方都市を訪れ、スーパーで買い物や、診療所への通院をするなど便利な生活を送っている」としています。これは、県の今後10年のまちづくり方針として多自然地域については買い物や診療所機能を維持・充実させるのではなく、それらの機能については地方都市までバスで移動してもらうことにほかなりません。

    さらに、小規模集落については「場合によっては、居住地を集約し、ゆるやかに縮退させることも視野に入れた取り組みを進める必要がある」としています。県の今後10年の街づくり方針に多自然地域をこうした位置づけにすればますます定住者は減少するばかりです

    反対の第二の理由は、案では地方都市の役割について「大型ショッピングセンターや病院、図書館など日常生活に必要な施設が充実し、多自然地域の集落を含めた住民の暮しを支える地域拠点となっている」としています。しかし、他の県個別施策や民間動向を見ても日常生活に必要な施設等は地方都市においても効率を最優先に、充実どころかすでに縮小・統廃合を進めようとしているからです。

    例えば地方都市の賑わいの中心ともなっている県立高校や公共施設を統合再編する計画が進められようとしています。さらにはここでも効率を最優先に地域医療構想と言う名のもとで地域の中核的病院の統合再編が既に進められています。

    さらに案では地方都市について「鉄道や路線バスに加えコミバスやデマンド型交通を組み合わせるなど便利で快適な移動手段が整っている」としています。しかし県はこれまでの県行革でも今回の県政改革案でもバス対策補助を削減し地方都市を結ぶ広域路線への支援を縮小してきました。また、JR西日本は2月16日、輸送密度2000人未満の線区について、4月にもその経営状況に関する情報を開示するとしています。輸送密度が低いローカル線の便数減少や廃止などが危惧されています。これについて東洋経済は「ローカル線見直し対象線区はどこか」と題して輸送密度が2000人未満~200人の線区を挙げています。県内では加古川線の厄神~谷川間、播但線の和田山~寺前間、姫新線の播磨新宮~上月間、上月~津山間、山陰本線の浜坂~鳥取間、城崎温泉~浜坂間、を挙げています。合併された市町にある地方都市駅も含まれています。

    これまでの効率と利益を最優先する街づくりでは早晩地方都市も衰退していくのは明らかです。

    反対の第3の理由は「都市中心部」地域を民間の利益を追求する場にしようとしているからです。

    明石公園など県立都市公園をパークPFI化し、県民共有の憩いの場である県立都市公園を民間の利益追求の場にしようとしています。さらには播磨灘、大阪湾ベイエリアの活性化推進策として海岸線の高速道路整備を推進しようとしていますが、開発型の大型公共事業を推進しても地方の人口減少はますます加速してきたことはこれまでも述べてきた通り反対です。

    次に、第202号議案「兵庫県住生活基本計画の改定」についてです。

    住生活基本法に基づき、兵庫県が住民の住生活の安定確保や向上の促進に関する基本的な計画を策定するもので、前回の改定から5年目を迎え、今後10年間の計画に改定するものです。

    良好な住環境を作るうえで大きな課題となっている空き家対策や、マンション管理の適正化、脱炭素社会に向けた省エネ改修の促進、県営住宅への入居における同居親族要件の廃止など改善点が盛り込まれています。

    一方で、近年、自然災害が頻発・激甚化する中、市街化調整区域内での被害が多発していることから、市街化調整区域の開発許可を厳格化する都市計画法の改正が行われましたが、兵庫県は、国では原則認められなくなった特別指定区域内にあるイエローゾーンでの開発ができるようにするための住宅の安全基準を策定することや、県営住宅の供給目標量について、県営住宅の管理戸数を52000戸から45000戸に削減したことを前提にしていることは、認められません。

    最後に、第211号議案「主要地方道加古川小野線東播磨道北工区国道175号AB-1ランプ橋上部工事請負契約の締結」、第212号「主要地方道加古川小野線東播磨道北工区国道175号Dランプ橋上部工事請負契約の締結」、第213号「主要地方道加古川小野線東播磨道北工区室山高架橋上部工事請負契約の締結」、第214号「主要地方道加古川小野線東播磨道北工区宗佐第二高架橋上部工事請負契約の締結」、第215号「一般国道178号浜坂道路Ⅱ期新釜屋トンネル(仮称)建設工事請負契約の締結」に反対します。

    本議案にある東播磨道、浜坂道路はともに全国総合開発計画に位置づけられた高規格道路です。全総計画の目的は一貫して東京一極集中是正と地方の人口流出抑制が目的でした。しかし大型開発では東京一極集中は是正されるどころかますます加速していることが今や明らかです。

    さらに本議案にある東播磨道工事案件4件すべてが橋梁上部工事を伴う契約となっています。橋梁上部工事は特殊技術を必要とするため受注業者は全て県外に本社を置く事業者になっており、提案されている4件の橋梁上部工事の契約額総額42億4千万円全てを県外企業が受注しています。これでは地域創生が求められている中で、地域の建設業者を育成し支える立場にもある公共事業の役割が果たされません。

    以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。

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