議会報告

  • 2021年03月10日
    予算・決算特別委員会

    2021年度予算特別委員会 産業労働部 入江次郎

    ○入江次郎委員 それでは、日本共産党の入江である。早速質問に入る。

    労働委員会委員の任命については、ジェンダー平等と多様性の視点をということでお伺いする。

    今、兵庫県の労働委員会は、公益の代表者、労働者の代表者、使用者の代表者の3者からそれぞれ7名ずつ計21名で構成されている。

    公益委員は7名中2名が女性委員であり、労働者委員と使用者委員は現在は全て男性だと伺っている。労働者委員及び使用者委員に女性がいないのはいつからいないのか、お答えいただきたい。端的な答弁でお願いする。

    ○労政福祉課長(津吉一弥) 兵庫県労働委員会は地方労働委員会として、昭和21年から設置されているが、平成3年に任命を行った第32期までは推薦書に性別表記がされていなかった。性別の確認が可能な平成5年に任命を行った第33期以降の使用者委員、労働者委員については女性の委員の任命が行われていない状況である。

    ○入江次郎委員 平成5年から女性の委員はもう一人もいないということなんで、これは改める必要があると思う。ご存じのとおり、世界の潮流はもうジェンダー平等ということになっているし、兵庫県でも様々な取組が始まっている。例えば、この労働委員会と同じ独立機関である教育委員会は教育委員の任命に当たっては、委員の年齢、性別、職業等に著しい偏りが生じないように配慮することが必要である。こういう独立機関の教育委員会もこういう規則を掲げている。県の審議会でも女性委員の比率を高めるようにというこういう要綱を用意している。ですから、ぜひこの労働委員会の委員の任命についても女性の比率を高めるような、そういう何か打ち出しが必要だと思うが、お考えを聞かせていただく。

    ○労政福祉課長(津吉一弥) 労働委員会委員は、労働組合法に定められているとおり、使用者委員は使用者団体、労働者委員は労働組合の推薦に基づき、その中から知事が任命することとなっている。

    県では、ひょうご男女いきいきプラン2020において、働く場面における女性の活躍の一層推進を掲げ、企業や地域活動団体における女性の方針決定過程への参画を促進しているところである。労働委員会委員についても、先ほど委員がおっしゃったように公益委員は、使用者委員と労働者委員の同意を得て2名の女性委員を任命している。

    労働委員会の使用者委員や労働者委員への女性登用の前提となる、労働組合や使用者団体における女性の役員への登用が課題と考えている。直近の労働力調査における女性の就業者が45%に対して、労働組合調査における女性の組合員は34%となっており、女性の役員比率についても低い状況となっている。

    そのような中、経済団体では女性の役員・管理職登用に関する自主行動計画を策定しているところである。また、労働組合においても自主計画を策定して役員や基幹会議の女性参画率の3割達成の実現に向けて取り組んでいるところである。

    これらの経済団体や労働組合の取組により、女性の活躍が推進され、労働委員会委員への推薦にもつながると考えている。

    ○入江次郎委員 最後何やった。

    ○労政福祉課長(津吉一弥) これらの経済団体や労働組合の取組により、女性の活躍が推進され、労働委員会委員への推薦にもつながってくると考えている。

    ○入江次郎委員 それだったら、経営者側と労働組合側にもうお任せするということになってしまう。だから、兵庫県の公報でまず公告を出す。公告を出して、その公告に応じて労働組合が委員を推薦する。その推薦に応じて知事が任命するということになっているが、この公告を出すときに女性の比率を高めるようにとか、ジェンダーの視点を取り入れるようにと、そういうことをこの公告のときに県が自ら打ち出さないと、それだったら経営者任せ労働組合任せになってしまう。もちろん、労働組合とか経営者の中でもそういう取組が始まっているのは分かるけれども、委員を推薦する際にはそういう視点が必要だろうということを、県が積極的に打ち出さないとなかなか改善しないと思うが、もう一度答弁をお願いする。

    ○労政福祉課長(津吉一弥) 労働委員会委員のうち、使用者委員と労働委員については、繰り返しになるが、労働組合法に定められているとおり、使用者委員は使用者団体、労働者委員は労働組合の推薦に基づき、その中から知事が任命を行うということとなっている。

    引き続き、ひょうご男女いきいきプラン2020に基づき、企業や地域活動団体における女性の方針決定過程への参画を促進することで、労働委員会委員への推薦につながると考えている。よろしくお願いする。

    ○入江次郎委員 それだったら、何回も言うけども、県の側が女性の比率を高めるという主体性が全く発揮されていない。教育委員会の委員の名簿には、女性の比率のことも掲げられているし、県の審議会でも女性の比率を高めるようにと県が自ら主体的に働きかけている。だから、労働者委員や経営者委員の任命についても、県が自ら女性の比率を高めるようにと公告をして、あと推薦するのはもちろん労働組合や経営者団体の自覚に基づくものではあるかもしれないけれども、まず県が、女性の比率を高めてくださいと、そういう公告を出すぐらい当然のことだと思うが、もう一回答弁をお願いする。

    ○労政福祉課長(津吉一弥) すみません、繰り返しになるが……、

    ○入江次郎委員 もう結構である。

    それは、県の方針にも世界の潮流にも大きく反するんで、ぜひ次の労働委員、経営者委員を公募するときは、そういう視点を公告の中に盛り込んでほしいということを改めて求めたいと思う。

    続けてお伺いするが、労働者委員の委員の定数はこれ7名ということになっている。この7名、現在は連合系の労組が全て独占状態にある。これも調べたら、1989年に連合が結成されて以降、これもうずっと連合独占である。組合員数の比率を出していただいたら、連合7割、非連合が3割、そういう比率ということであった。

    これ過去にも裁判がされている。その裁判判例、当局にもらって私読ませていただいたら、その大きなポイントとしては、候補者の公職率、もう一つが、候補者の所属する労働組合の規模、大きくはここが選考の基準ということになっていた。ただ、この二つは一対の関係になっていて、労働組合の公職に就くパターンというのは、県の審議会でもそうであるが、労働者枠というのは大体一枠ぐらいである。そうなると、大きな規模の組合から委員が選出されるという、そういう一対の関係になっている。

    この裁判の判例は平成19年に出された判決であるが、そこには多様性という考え方がない。この多様性を認め合う、意見の違いを認め合うというのが今世界の大きな流れになっているが、労働委員会のこの年報、これも10年分ぐらい課長に出していただいて僕これよく読ませていただいたが、このあっせんの中身を見ると、多くが所属する組合によって差別されていると、団体交渉に応じてもらえない、あるいはその組合を潰すための支配介入がされているとか、そういう中見の内容がすごく多かった。

    だから、今この労働委員会にあっせんとして、問題として挙げられてる中身は、その多様性を認めないということで、会社の中でもまだそういうことが根強く残っている。労働委員のこの委員の選出にも、私この多様性、労働組合それぞれ方針違うものがあるが、この多様性という観点からも、連合以外の非連合の組合からも委員を選出するような公告の仕方がここでも必要かと思うが、ここでもちょっと答弁お願いする。

    ○労政福祉課長(津吉一弥) 労働者委員は、労働組合法に定められている委員の欠格条項に該当しない者、労働組合法及び労働組合法施行令に定められている都道府県区域内にのみ組織を有する労働組合から推薦を受けた者のうちから知事が任命することとなっている。

    今後も、労働組合法に基づき、労働者一般の利益を代表して活動していただくのに適した方を総合的に判断していきたいと考えている。

    ○入江次郎委員 。

    もう時間来たので終わるが、今世界の大きな潮流として、これタイトルでも掲げたが、ジェンダー平等と多様性、ダイバーシティ・インクルージョン、これが今世界の大きな潮流である。ただ、兵庫の労働委員会を見ていると、これが私十分に反映されているとは思わない。これ大きな世界の潮流ともなっているので、ジェンダー平等と多様性、これがしっかりと反映されるような労働委員会になることを求めて終わる。

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