議会報告

  • 2020年06月17日
    本会議

    第349回本会議 請願討論 入江次郎

    請願第16号、請願第18号、請願第19号について採択を求めて討論を行います。

    まず請願第16号 公立公的424病院への「再検証」要請の撤回を求める意見書提出及び地域医療の充実、保健行政の強化を求める件についてです。

    公立公的病院を統合再編する具体的対応方針の「再検証」通知に至る議論の中では、本会議の知事答弁でもありましたが、ガンや心筋梗塞など9診療科目の診療実績のみが評価基準とされ新興感染症の議論は全くされていません。

    わが党の一般質問でも指摘をしましたが、地域医療構想のワーキンググループの構成員として議論をすすめてきた中川俊男副会長は「新興感染症に対する医療提供体制の確保という視点が欠落していた」「現在の医療計画「5疾病、5事業」に新興感染症を加えて、「5疾病、6事業」にすべきだと思っている」。「病床の確保」については、「統合再編の対象病院とされた公立公的病院を病棟単位で空いているケースは、そのまま空けておくのも一つの在り方ではないか」と述べています。

    県が確保した新型コロナウイルス感染症病床についてはその多くが公立公的病院で確保され、統合再編の対象病院とされた複数の医療機関では、県からの要請によって帰国者接触者外来を設置し、陽性患者の受入病床を確保し、コロナ患者を受け入れている医療機関へ医師の派遣をするなど、新型コロナ感染症を経て改めて公立公的病院の役割と真価を発揮しました。

    次に保健所についてです。兵庫県では2004年と2017年を比較すると、2004年には25カ所の保健所が設置され171人の保健師が配置されていましたが、行革による職員3割削減方針に基づいて、13カ所132人まで削減されました。コロナ禍による保健所の疲弊は連日報道等でもあった通りです。本県のコロナ対応による補正予算編成では保健所体制の強化に予算が充てられていますが、内訳は4カ所の保健所に会計年度の看護師が8名配置されることに留まっています。保健師の抜本的増員が必要です。

    新型コロナウイルス感染症を経て、改めて公立公的病院の役割と真価が発揮され、保健所の体制強化と負担軽減が急務となりました。

    以上の理由により、公立公的病院の統廃合を推進する「具体的再検証」通知の撤回、保健医療体制の充実・強化を求める本請願に賛同し採択を求めます。

    次に請願第18号 新型コロナ感染を防止し、子供たちが安心して学校に通うために、少人数学級の実現を求める意見書提出の件、請願第19号新型コロナ感染を防止し、子供たちが安心して学校に通うために少人数学級の実現を求める件についてです。

    6月15日から通常登校、通常授業が始まりました。

    ところが、その学校で、感染防止の三つの基本のうちの一つである「身体的距離の確保」ができないという重大な問題に直面しています。

    新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、「新しい生活様式」として、「身体的距離の確保」を呼びかけ、「人との間隔はできるだけ2メートル、最低1メートル空けること」を基本としています。文科省が5月22日に発表した衛生管理マニュアルによると標準的な8.3m四方の教室での「40人学級」では、子どもと子どもとの距離を2メートル空けることはおろか、1メートル空けることも不可能としています。ただ、文科省は「座席の間隔については一律にこだわるのではなく、柔軟に対応するようお願いします」との考えを示し、専門家会議の云う「身体的距離の確保」と大きく矛盾する対応となっています。

    国立成育医療研究センターが緊急事態宣言発令中に全国の小中高の子供たちを対象に「コロナ×こどもアンケート」を実施し、「こどもたちが相談したいこと」の1位は「コロナにかからない方法」となっています。「40人学級」に教職員も子どもも保護者も不安の声を上げています。「身体的距離の確保」を「新しい生活様式」の重要な一つとして社会全体で、そしてこの議場でも取り組んでいる時に、教室を例外とすることは重大な問題です。

    今後、第2波・第3波が発生したときに40人学級の過密状態のままだと再び長期間にわたる学校休業を余儀なくされます。長期間の休業は学力の遅れだけでなく、保護者や子供たちに多くの不安やストレスを与えました。第1派の教訓を生かし、Withコロナというのであれば学校を子どもたちにとって最も安全な場所にするための感染防止対策が必要です。

    以上の理由によって、国及び県に対し小中高校の少人数学級を求める本請願の趣旨に賛同し採択を求めます。

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