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2015年度 予算特別委員会 健康福祉部 宮田しずのり
2015年3月5日

介護報酬の引き下げの影響について

■宮田しずのり■ 私は介護の問題についてお伺いする。
 まず、介護報酬引き下げについてお聞きする。政府が介護サービス提供事業者に支払われる介護報酬の4月からの改定額を公表した。2年連続のマイナス改定で、全体で2.27%引き下げ、介護職員の処遇改善加算の上乗せ分を除くと4.48%と、過去最大規模の引き下げ幅となっている。特に、特養ホーム、デイサービスなどの施設への報酬は大幅にカットする方針で、施設の運営と経営を直撃するものとなっている。
 私は、尼崎のある社会福祉法人で聞いたのであるが、特養ホーム、デイサービス、訪問介護事業所等を有している法人であるが、試算したところ、特養ホームだけで年間1,000万円の減収、合計で3,500万円も減収になる見込みとのことであった。
 そこでお聞きするが、施設の経営悪化で、県内のサービスの提供体制が危うくなるということも考えられるが、県は介護報酬引き下げが県内の介護施設の経営に与える影響についてどのように見ているのか、お聞かせいただきたい。

■介護保険課長(齊藤芳樹)■ 今回の介護報酬改定の影響についてであるが、特別養護老人ホームの場合、多床室及びユニット型個室とも6%減となっており、例えば定員50人以下の比較的小規模の場合については、年間で500万円から800万円程度の減収、また、訪問介護は4%減で、事業所の規模にもよるが平均で年間120万円程度の減収が見込まれるところである。
 しかし、安定的経営に必要な利益が確保できるよう、各サービスの収支、また、施設の規模、それから、地域の状況等に応じてめり張りも付けられているところである。特に、介護福祉士が多いなど、良好なサービス提供体制を整備する事業所であるとか、地域に密着した小規模事業所への加算措置により、国は、介護サービス事業者全体で平均4%の利益率を確保できる見込みとしている。
 県においては、事業の安定性の確保であるとか、サービスの質の向上が図られるよう、各種加算の取得をはじめ、安定的な事業運営に係る助言・指導等を行っていくこととしている。

■宮田しずのり■ いろいろと加算があるから大丈夫だということで、これは国もそういう説明をしている訳であるが、加算にはいろいろな条件があり、使えない事業所も非常に多い。先日、私も聞いたところであるが、例えば、通初介護では、現行の個別機能訓練加算1やサービス提供体制強化加算、これは理学療法士などが確保できたり、介護福祉士などの比率が高いところでないと使えないもので、5割から6割の事業者しか使えていないという話である。今年度の中重度ケア体制加算、あるいは、認知症加算についても軽度の高齢者の受け入れが非常に多い事業所は使えない。だから、幾ら加算があるといっても、基本的な報酬が下げられると事業者へのマイナスの影響は避けられない。
 そこで、介護報酬の引き下げが施設整備にも影響することが心配される。東京都北区では、報酬引き下げで赤字が必至ということで、事業所が特養ホームの建設を見合わせたという事例も出ている。特養ホームは待機者が全国で52万人、兵庫県で2万8,000人に上っている。先日、私が訪問した施設では、200人が待機をしているという話であった。しかも相談の一つ一つがこのままでは家族が共倒れになってしまうといった非常に深刻なものが多いという話でもあった。私の地域の阪神南地域では、高齢者1,000人当たりのベットの数が12.9床と県内でも最も少ないところであるが、来年度からの老人福祉計画案でも計画的に増床を図っていくとなっているが、全体的にも不足は明らかである。
 そこで、お尋ねするが、報酬引き下げにより、特養ホームなど施設の整備にブレーキがかからないのかどうか、かからないようにする対策はどう考えているのか、そこをお聞かせいただきたい。

■介護保険課長(齊藤芳樹)■ 特別養護老人ホームの基本報酬であるが、先ほどもご答弁申し上げたとおり6%の減となっているが、今回上乗せされた介護職員の処遇改善加算であるとか、従来からの日常生活継続支援加算などの各種加算制度を活用して、良好な施設サービスを提供することによって、国は、介護サービス事業者全体で4%程度の利益率は確保できると見込んでいるところである。
 こうしたことから、今回の介護報酬改定は事業者の新規整備への参入障壁とはならないのではないかと考えている。
 県としては、引き続き、特別養護老人ホームの施設の整備費であるとか、開設準備の経費を助成することによって、来年度からの第6期介護保険事業支援計画に基づき、着実に整備を図ることとしたいと考えている。

介護の職場の給与の改善を

■宮田しずのり■ しっかりとした対策を行っていただきたいと思うが、次に、処遇改善の問題について質問する。
 ケアや認知症に加算を付ける一方、特養ホームへの入居を原則要介護3以上に限定する改悪が行われた。これも事業所でお聞きしたが、入所者が目の離せない重度や、あるいは、認知症の人ばかりになると、介護職員の労働負荷が重くなる。そうすると、処遇が低いのに仕事の負担が重くなり、また、離職も増えてくる。そうすると、残った人の負担がますます重くなるという悪循環になるのではないかと心配をされていた。ただでさえ深刻な介護労働者の人出不足に拍車がかかるのを防ぐには、介護労働者の処遇の改善が鍵になると思う。介護報酬全体の引き下げは、結局、人件費へツケが回り、処遇改善につながらないことになりかねない。
 そこで、介護職員の処遇を改善する取り組みを強化する必要があると考えるが、その点についてはどうであるか。

■介護保険課長(齊藤芳樹)■ 平成27年4月より、原則として特別養護老人ホームへの新規入所者は要介護度3以上の高齢者に限定される訳であるが、現時点においても既に入所者の約89%が要介護3以上となっている。
 各施設においては、こうした状況を踏まえ、人員配置基準を超える職員を配置しており、中重度者への支援を強化するとともに、中重度者の受け入れに対する評価がされる日常生活継続支援加算等を活用することによって、安定した経営を行っているところである。
 今回の介護報酬改定では、現行の介護職員1人当たり月額1万5,000円相当の処遇改善加算に、新たに月額1万2,000円相当が上乗せされることとなっており、介護職員の処遇改善と安定的な職員確保に資するものと考えている。
 加えて、県としては、医療介護推進基金を活用して、特別養護老人ホーム等への自動排せつ処理機の導入支援であるとか、介護職員等が産休を取得される際の代替職員費補助の実施などにより、労働環境の改善に向けた取り組みを行うこととしている。

■宮田しずのり■ 確かに今回、処遇改善加算の引き上げがされる訳であるが、現行の処遇改善加算でも算定をしていない事業所が15%ある。それは、加算が打ち切られると一旦給料を上げてもまた給料を下げないといけないとか、いつどうなるか分からない加算は使いにくいという理由からである。
 また、2期連続の報酬引き下げのもとで、今も処遇改善加算は行われている訳であるが、介護労働者の賃金の改善には決して結び付いていないと言えるのではないか。
 介護労働安全センターの介護労働実態調査というものがあるが、それを見ると、県内の介護労働者の平均賃金は処遇改善交付金のあった平成21年から23年度の間には、22万2,065円から22万9,279円に7,214円上がったのに対して、処遇改善交付金が廃止され、加算が創設された平成23年度から25年度の間は22万9,279円から22万9,732円と453円しか上がっていない。これを見ても、やはり加算では賃金が上がらないということを示していると思う。
 そこで、国に対して処遇改善交付金の復活を求めるということと、併せて県としても独自に直接介護労働者の給与を増やす処遇改善支援制度を設けるべきだと思うが、この点はどうなのか。

■介護保険課長(齊藤芳樹)■ 現行の介護職員処遇改善加算については、国において、社会保障審議会の介護給付費分科会の検討を踏まえ、交付金のような一時的な財源措置によるものではなく、事業者の自主的な努力を前提とした上で、安定的・継続的な事業収入が見込まれる介護報酬において対応することが望ましいとして創設されたものである。
 こうした経緯から、処遇改善加算に代えて介護職員処遇改善交付金の復活を要望することは考えておらず、また、今回の介護報酬改定では、現行の加算の更なる上乗せが実施されるといったことから、県独自の賃金引き上げ制度を設ける予定はない。
 今後とも、事業者に対して、処遇改善加算の積極的な活用を働き掛けるとともに、国において、適正な給与水準の確保であるとか、処遇改善の恒久的対策の構築を図るよう、引き続き提案していく。

新総合事業について

■宮田しずのり■ 職員の不足、あるいは、職員の労働条件の悪化というのは、高齢者や家族へのサービスに直結する。ある事業所は新しい施設のオープンを控えていたが、求人広告を幾ら出しても応募が不足して、地元では開設が非常に望まれているが、デイサービスの人数を絞ったり、あるいは、ショートステイの稼働ベット数を予定の3分の1で、事業規模を縮小してスタートせざるを得ないという状況の話も聞いた。低い賃金の引き上げの取り組みを強めるよう求めて、次の、最後の質問に入る。
 次に、新総合事業についてである。
 本会議で我が党議員が取り上げたが、医療介護総合確保推進法のもと、これまでは予防給付として全国一律の基準と単価で実施されてきた。要支援の高齢者の通所訪問介護が市町が実施する新総合事業に代えられる。新たに人員配置や資格などを緩和した基準によるサービスや住民ボランティアによるものなど、多様なサービスを設け、一定割合の要支援者にこれらを利用させるというものである。
 我が党議員が要支援の高齢者が無理やり多様なサービスの利用を押し付けられ、必要なサービスが取り上げられないよう求めたのに対して、県も現在の予防介護サービスの相当するサービスが必要と認められる要支援高齢者がサービスを継続して利用できるよう配慮する必要があると答弁をされた。
 そこで、これは現在、予防給付のサービスを受けている高齢者だけでなくて、これらの介護保険サービスを利用しようとしている高齢者についても言えると思うが、この点はどうなのか。

■介護保険課長(齊藤芳樹)■ これからサービスを受けようとする高齢者についても、地域包括支援センター等が行う介護予防ケアマネジメントにより、現行の要支援者への訪問介護であるとか、通所介護と同等のサービスが必要と認められる場合については、制度移行後の介護予防・生活支援サービス事業において、現行相当のサービスが提供されるものと考えている。

■宮田しずのり■ もう時間がきたのでこれで終わるが、全ての高齢者が介護を受ける権利を侵害されることがないように、県として役割を果たすように強く要望して、私の質問を終わる。

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