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2014年度 決算特別委員会 企画県民部 きだ結
2015年10月14日

土砂災害からの避難について

■きだ結■ 日本共産党のきだ結である。早速質問に入らせていただく。
 災害危険からの避難対策、特に、近年多発している豪雨による土砂災害危険からの避難対策などについてお聞きする。
 まず、避難対策、勧告のあり方についてである。
 災害時の避難計画は、各自治体の地域防災計画に必ず位置付けられて、避難場所の指定や情報伝達設備の整備、避難訓練などの事前準備が進められている。住民には、避難場所の確認、そして、訓練への参加、非常持ち出し品の準備などが呼び掛けられ、日頃から備えが十分だと考えられがちな分野である。
 しかし、洪水や土砂崩れ、津波などで自治体による避難勧告や指示の遅れ、あるいは避難勧告などが出されていたにもかかわらず、避難する住民が少ないなどの問題がたびたび指摘をされている。
 最近の例を挙げると、今年7月17日、台風11号に伴い、24時間雨量が246ミリと観測史上最多を記録した神戸市で初めて市内の土砂災害警戒区域全域に対して避難勧告が発令された。対象世帯5万1,300世帯、市民約11万人が対象になった避難勧告であった。
 しかし、報道されているように、実際に緊急避難場所に避難をしたのは272人であった。このことによって幾つかの課題が浮かび上がってきたと思う。
 まず、こういった事態について、県として評価、分析、そして、どのような課題、お考えがあるか、聞かせていただきたい。

■災害対策課長(北本 淳)■ 本年7月の台風第11号災害では、避難した人が少なかった原因として、避難勧告発令の対象者が多かった神戸市を例にとると、一つとしては、市内の土砂災害警戒区域ごとに広範囲に避難勧告を発令したこと、二つ目として、対象区域内に住んでいることを日頃から承知していない住民がいたこと、三つ目として、住民が避難場所の確認に手間取ったこと、四つ目としては、住民が自分は逃げなくても大丈夫だと思ったこと、こういうことが考えられる。
 対象世帯についての実際の避難者数、いわゆる避難率が低い状況は、今回に限らず伊豆大島や広島市の災害をはじめとして全国的に見られる現象である。大事なことは、行政側が時間的余裕を持って、避難情報を正確かつ確実に伝え、受け手の住民が自ら安全な避難行動を積極的にとる、このことにより安全な避難を完了して、一人の犠牲者も出さないことであると認識している。
 現在、これらの観点から、県の避難勧告等の判断、伝達マニュアル作成ガイドラインの見直しを進めている。

■きだ結■ 今、お答えいただいたことかと思う。市内全域という非常に広域でかつ一律に出されたという点がやはり大きかったと思う。私も山際にほど近い警戒区域に住んでいるが、そこの地域と指定区域にぎりぎり入るという南の地域では、当然、避難を始めるタイミングというのは時間差が生じて当然だと思う。土砂災害警戒区域の中でも、更に小さいエリアで危険度を精査して、いざ避難勧告、あるいは指示を出すときには、地域を絞って、例えば、何丁目が避難してくださいというように、ちょっと危機感を持たせて発令するということも大事じゃないかと思う。今、ガイドラインの見直しを進めているということであるので、やはり河川や急傾斜地、そして、砂防対策を広域に行っている県が日頃からできるだけ細かい地域の危険度を把握しておくこと、今もしていると思うが、それで大雨などで災害が起こりそうな事態には、その危険度を迅速に判断して、情報を市町に提供できるようにぜひしていただきたいと思う。お伺いする。

■災害対策課長(北本 淳)■ 本年8月に改定された国の避難勧告等に関するガイドラインについて、内容では、同じ避難勧告の対象地域でも、それぞれの住民がとるべき避難行動が異なるということから、発令対象地域については受け取った住民が危機感を持つことができるよう適切な範囲に絞り込むことが望ましいとされている。
 本県のガイドラインにおいても、発令対象地域を土砂災害警戒区域とか、土砂災害危険箇所等の被害想定区域、又は同一の避難行動をとる地区単位などとしている。
 しかしながら、現在提供される気象情報の精度とか、地域の絞り込みに時間を要することからも、気象の切迫度合いにもよるが、避難勧告等の発令エリアを小さく設定することは、状況によっては適切ではない場合もあると考えている。
 このたびの本県のガイドラインの見直しに当たっては、これらの点を十分に考慮して、市町が避難勧告を適宜適切に発令し、住民の的確な避難行動、それと、安全確保につなげることを支援する内容としていきたいと思っている。

■きだ結■ 今、お答えいただいたように、内閣府に出された避難勧告の判断、伝達マニュアル作成ガイドラインの今年8月の改定内容に、受け取った住民が危機感を持つことができるように適切な範囲を絞り込むことが望ましいということで、今、いろんな気象庁などのそういう整備も準備もあるということであるが、できるだけやはり絞り込んだ情報を発信していただくように準備をいただきたいと思う。
 次に、日頃からの啓発の課題である。
 神戸市、今申し上げたように、7月17日に土砂災害警戒区域全域に避難勧告が発令されたが、その直後から先ほどもあったように、うちは区域に入っているのかという問い合わせが殺到をしたという。神戸市では毎年1回、区役所からハザードマップというのが配布はされているものの、土砂災害警戒区域など、色付けがされた危険予想箇所図は字や線が小さ過ぎて自宅が該当するのかどうか分からなかったという住民も少なくない。
 私の地元では、区役所から配布されているハザードマップを、これは例えば、東灘区であったら区単位であるが、これをまた校区だけ、小学校区だけ取り出して、土砂災害警戒区域が何ヵ所かあるので、それを何丁目版、何丁目版というふうに細分化して地図を作り、拡大したものを分かりやすいものにして、各戸に配布しようと、自主防災組織の方が作業を進めておられる。この作業を進める上でも、住民自ら危険な場所を見て回って、共通の認識にしていくと、こんなこともされていて、私も何度か行かせていただいたが、やはり非常に重要な作業だと思う。行政はこのような活動にやはり積極的に支援していただくとともに、実際の危険度がはっきりと認識できる地域版のマップ、これはやはり行政の責任で作っていただきたいと思う。先ほど紹介したマップは手作業である。このマップをまたコピーをして、カラーコピーでは写らないので、それをまた塗り直す。ただ、これをやられている方は土木の専門家であるので、そういうことができるのかなと思うが、そういったものである。
 これは一例であるが、例えば、高知県では、土砂災害危険箇所の更なる周知を図るために、高知県土砂災害危険箇所マップというのと、土砂災害に備える冊子というのを県が作成している。これは本当に冊子であるが、これをプリントしただけであるが、土木部防災砂防課作成ということで、今年4月から県内全35万世帯への配布を開始されたそうである。このマップは1万5,000分の1の縮尺で、等高線も大きく非常に見やすい、谷筋も分かるということで、そういう点では優れているのかなと思う。このマップは地域ごと、県内を18エリアに分けて18種類作って、それぞれに配布している。備える冊子は、過去の土砂災害の事例や地すべりの前兆現象などを知らせた、これも冊子になっている。もちろん一例である。
 先ほども申し上げたが、やはり県がこういうことを行うという意味は、一級河川の指定区間や二級河川を管理している、あるいは土砂災害警戒区域や特別警戒区域の指定を行っている、この都道府県であるので、やはりその知見とデータを生かして、全世帯向けの啓発物をぜひ作っていただきたいと思うが、いかがか。

■防災企画課防災計画参事(河本 要)■ 土砂災害に関するハザードマップについては土砂災害防止法、洪水に関するハザードマップについては水防法に基づいて市町が作成義務を有している。これらのハザードマップの周知についても、一義的には市町が対応すべきだと考えている。
 なお本県については、これら市町の取組に加えて、土砂災害や洪水等にも対応した、兵庫県CGハザードマップを県ホームページで公開し、スマートフォンでも利用していただけるような仕組みとしている。防災部門としても、多様な機会を生かして、兵庫県CGハザードマップや市町のハザードマップの周知を図っていく。

住民の避難行動への支援について

■きだ結■ 第一義的には市町の役目ということであるが、作るのはもし市町だとしても、このような詳しい地図ができるようにぜひまた支援をしていただきたいということと、CGハザードマップであるが、政調会のときもちょっと申し上げたのであるが、実際、今どうなっているかという、本当に暴風雨で勧告が出されるかどうかというときに、アクセスが集中して見れなかったという事態もあるので、ちょっとぜひその辺はまた改善をしていただきたいと思う。
 次に、避難場所までの住民の避難誘導、避難行動に対する具体的支援についてである。
 住民避難対策に関係する避難指示等の伝達、避難場所の指定や整備、避難所の運営管理、避難所等の環境整備については、地域防災計画に項目が記載されているので、その必要性と重要性についてはほぼ認識されているところだと思う。そして、避難場所までの避難誘導についても行政の役割は規定されている。
 例えば、兵庫県地域防災計画の風水害等対策計画の中の避難対策の実施の項では、避難誘導について、市町は消防機関、県警察本部、自主防災組織等の協力を得て、組織的な避難誘導に努めるなど、こういった記述がある。しかし、こういうふうに書かれているが、実際、避難誘導の体制が構築されているところがほとんどないんじゃないかと思う。例えば、また自分の地元の話で恐縮であるが、この7月の大雨のときに、避難勧告を出されて、もうやむにやまれず自治会長さんが土砂災害警戒区域に入っている住宅、自治会内の住宅に1戸、1戸インターホンを押して、暴風雨の中であるが避難勧告が出されたと。やはり中には独居で体が悪くてとても避難できないだろうなという方ももちろんいたので、避難所までもし大変だったら車で送るのでということを1件1件声を掛けていかれた。これは本当にやむにやまれずそういう行動をとったと。後日、区役所に行くことがあって、避難情報発令の後の対応というのをちょっと考えないといけないんじゃないかということを区役所の方に投げ掛けたところ、区役所の職員の方は、我々は避難所に来られた方への対応はするが、避難するかどうか自己責任であると、非常に冷ややかに言われたということで、すごくちょっと憤っておられたわけである。今回、自治会長さんとしての責任感でこういう行動を起こされたわけであるが、これと区役所の今の方の言葉というのは非常に温度差があって、私、この自治会長さんだけでなくて、今回の大雨のときに複数の地域の自治会の方から同じことをお聞きした。この区役所の方が特別悪かったわけではなくて、やはりその背景には住民が災害危険から避難、危険地域から立ち退きする時点ではまだ被災者じゃないという、災害救助法による救助の対象ではない、だから、避難場所までの避難、あるいは避難誘導については住民の自助、共助、自己責任という考えがあるんではないかと思う。しかし、やっぱり自治体は避難指示等を発すれば、あとは避難所で待っていて、避難者を受け入れるだけでいいのかということがやはり問われていると思う。
 避難誘導における行政の責務については、国の防災基本計画で地方公共団体は発災時には、人民の安全を第一に地域住民等の避難誘導を行うものとすると明記されている。また、災害救助法施行令第1条第1項第4号では、災害救助法の対象について、多くのものが生命、又は身体に危害を受け、又は受ける恐れが生じた場合と書いてあって、被災する前の段階も対象とされている。被災後だけに限定するのではなく、危険からの立ち退き者、現に救助を必要とするものとして救助法の対象にすることは当然であって、避難行動対策への積極的な取組が求められていると思う。
 そこで、兵庫県地域防災計画の中で、こういう避難誘導の事項があるので、これに沿って市町に具体化の支援を強めていただきたいと思うが、いかがか。

■災害対策課長(北本 淳)■ ご指摘のとおり、災害時においては、自分の命は自分で守るという自助意識のもとではあるが、行政も安全に避難できるよう、避難に関する情報を適時的確に伝達して、住民の避難行動を支援する、こういう責務がある。
 また、特に高齢者、障害者等の災害時要支援者に対しては、自助、共助を基本としつつ、市町が中心となって、組織的な避難を図る必要もある。
 平成21年の台風第9号災害では、夜間の避難中に多くの住民が亡くなったこともあり、避難における安全確保対策への取組は重要であると認識している。
 本県の避難勧告等のガイドラインについても、災害が発生するまでに住民避難を終えることを原則とし、早目早目に避難勧告を発令すること、避難路の状況を伝えるなど避難時の安全性を確保すること、また、先ほど委員もおっしゃったように、近所の住民にも声を掛け合って一緒に避難場所に避難することなどを定めている。
 現在、ガイドラインの見直しとか、改正作業を行っているが、その中に一つとして、タイムラインの考え方を取り入れて、避難情報発令の早い段階での住民への予告、それと、居住エリアの危険度とか、避難先・避難経路の住民への日頃からを含めた周知の徹底、住民自らによる情報収集とか率先避難、こういう内容を加えることにより、避難時の安全対策を充実させて、また市町に対してもこういう内容を助言、指導していって、本県の地域防災計画にも反映していきたいと思っている。

消防職員等の体制の強化を

■きだ結■ タイムラインを活用して、早目の情報とか、いろいろ見直しを進められるということであるが、ぜひその中に避難誘導もぜひ検討に入れていただきたいと思う。
 最後の質問である。
 消防職員等の体制についてである。
 災害対策、避難誘導など、住民の命を守る仕事にとって、やはり自治体の役割というのは大きなものがある。東日本大震災でも被災地でそのことが実感されている。
 その中でも特に消防体制の充実が今、求められている。国は3年ごとに消防施設整備計画実態調査を行っているが、市町の整備指針に基づいた算定数と、現在、いらっしゃる体制の比率で、消防職員は兵庫県の平成24年の比率で76%、20万6,044人の算定で15万6,671人の減員となっている。これは全国平均の76.5%より少し下回るという実態である。神戸市の数字を見ると、現在の整備指針で1,625人という整備指針に対して、実数は1,486人となっていて91.4%となっている。しかし、これは阪神・淡路大震災当時は市町の整備指針ではなく、国基準があった。当時、神戸市の消防職員は1,382人で国基準の2,267人と比べて61%であった。国基準から800人少なかったことになる。つまり基準が変わって、充足率の数値が上がったことになる。言い換えると、阪神・淡路大震災から低くなった基準の数値でも100%となっていなくて、全県で76%しか配置されていないことになる。県下の市町でもかなり数値の開きがあるのではないかと思っている。消防職員などの体制充実のために、市町と協力して比率を引き上げることが求められるのではないか。国に財政支援を求めるべきではないかと思う。
 そこで、阪神・淡路大震災を経験した兵庫県でこそ、率先して高い目標を掲げて、体制の充実を目指すべきだと考えるが、いかがか。

■消防課長(森田克彦)■ 消防職員については、委員ご指摘のとおり、総務省消防庁が消防力の整備指針を定めて、これに基づいて各市町が整備を進めているところである。現時点での消防職員数、平成24年度の調査が一番新しいわけであるが、消防庁の整備指針に対する比率、先ほど委員ご指摘のとおり76%ということで、これは全国比較ということで見ると、大体、平均のところであるわけであるが、これは全国で何番目にあるかということを見ると12番目というふうな状況である。近年の消防職員の数であるが、県内全体であるが着実に増えてきているという状況であって、県としては、今後とも県内市町の消防力の整備が更に進展するよう、必要な支援というのを行っていきたいというふうに考えている。

■きだ結■ 着実に増えてきているということであるので、整備を進めていただきたいと思う。今日は避難に限ってお聞きしたが、本来、防災対策の中で避難というのは緊急的な危険回避策である。やはり本来は、避難する必要がないようにハード面の整備が必要だと思うし、もし、避難した場合でも、命が助かったけど、家を失ったということではいけないわけである。だから、総合的に防災対策を進めていっていただくことを強く要望して、私の質問を終わる。ありがとうございました。

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