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2014年度予算特別委員会 健康福祉部審査 いそみ恵子
2014年3月6日

【国民健康保険料の軽減について】

■いそみ恵子■ 日本共産党のいそみ恵子である。早速質問に入る。
 国民健康保険の問題についてである。「高過ぎて払えない、国民健康保険料を引き下げて」の声は本当に切実である。国保加入世帯の7割は非正規労働者を初 めとする被用者と、年金生活者などの無職の方々で、県内の保険者1人当たりの平均所得も57万2,271円と、低所得化が進んでいる。
 これまで県当局も、この現状に対して、所得に対して保険料が高いということは認めているが、払えないほど保険料が高くなっていることが問題であり、保険料を引き下げることがどうしても必要である。
 県として保険料軽減のための低所得者対策についてどう取り組むのか。2014年度から新たな国の対策もあると聞いているが、どうか。

■医療保険課長(福田庸二)■ 国保保険料は能力に応じて負担することとされており、低所得者には、全国共通制度としての軽減制度のほか、市町が条例で定 める減免制度がある。本県では、平成24年度で被保険者85万4,889世帯のうち、軽減・減免で延べ48万9,233世帯、57.23%の方々が対象と なっている。
 また、低所得者の負担についてであるが、65歳以上の年金収入153万円以下の方で、お一人の場合、この方の保険料負担は、最も高い市町で月額1,800円程度、最も低い市町で1,000円程度となっている。
 県では、国保財政の安定化、保険料軽減のために、低所得者の保険料軽減策である保険基盤安定負担金166億円に加え、平成26年度の当初予算案では、高 額な医療費が発生した場合の高額医療費共同事業負担金、各市町の財政を調整する調整交付金など、市町に対する財政支援として約500億円を計上している。
 県としては、市町に対し必要な支援を行っているところであり、今後も連携を強化し、国保制度の安定運営を推進していく。
 なお、お尋ねのあった国の低所得者制度の拡充であるが、簡単に説明すると、今回、保険料の軽減判定所得の基準を引き上げるということである。国保では均 等割に、2割・5割・7割という軽減の制度があるが、この軽減対象を拡充するという見直しである。具体的には、2割軽減については、給与収入で3人世帯の 場合、現行223万円の収入を266万円に、また5割軽減については、147万円を178万円に引き上げて対象を拡大しようとするものである。本県の影響 見込みとしては、新たに2割の軽減になる方が8万2,000人程度、2割から5割軽減になる方も8万2,000人程度と見込んでいるところである。

■いそみ恵子■ 今、答弁があった国の新たな低所得者対策の中身であるが、5割軽減、2割軽減の対象者は、今回の軽減対策でそれぞれ約8万 2,000人増える見込みということである。しかし、保険料1人当たり約1万4,200円ほどの引き下げであり、ある市では、4人家族で所得200万円の 場合、介護分を入れると、約39万円もの高い保険料となり、1ヵ月の収入以上が保険料で飛んでしまう。こういうことでは、今回の引き下げというのは本当に 焼け石に水だと思う。
 それで根本的には、国保料を引き下げるために、減らされた国庫負担をもとに戻すよう、このことを求めるということが必要である。そして、ここが大事なの だが、県としても保険料引き下げにつながる財政支援を増やすことがどうしても必要と思う。先ほど、約500億円の各市町に対する支援も行っているというお 答えがあったが、この点についてもう一度重ねて答弁を求める。

■医療保険課長(福田庸二)■ 先ほど答弁で申し上げたが、国保の負担率の問題については、現在、国保の税率負担が32%で、県の調整交付金が9%という 形になっているが、公費全体での負担が5割という形は基本的に変わっていない。これに加え、保険基盤安定制度などの税を投入し、実質的には7割近い負担を しているというのが現状である。
 また、県の財政支援であるが、現在約500億円程度を実施しており、低所得者の方については、月額が1,000円から高い市町でも1,800円という負担の状況であるため、現時点で低減対策として県の財政支援をすることは考えていないので、よろしくお願いする。

【保険料の滞納処分について】

■いそみ恵子■ とても冷たい、本当に残念な答弁である。
 先ほど約500億円の支援と言われたが、法令で定められた交付税措置のあるものがほとんどで、県独自の支出は6億2,700万円に過ぎない。一方、市町 は高い保険料を引き下げるために、一般会計からの繰り入れ合計で、約80億円入れて努力をされている。それに対して県の支援がわずかだということを私は指 摘し、ぜひ県の財政支援について、もっと踏み出すこと、増やすことを求めたいと思う。
 次に、国民健康保険料が高く、払いたくても払えないため、滞納額が増えて、預貯金などの財産が差し押さえられている世帯は、2012年度県内で 5,332世帯、差し押さえ金額は25億4,613万円余り。西宮市でも134世帯、7億990万円余りとなっている。滞納処分に当たっては、生計に欠か せない費用や児童手当の給付など、差し押さえ禁止財産が定められていると思う。
 しかし、これらが口座に振り込まれて、預金化した途端に差し押さえてしまうというケースが増えている。県はこのことについて、どう考えているのか。差し押さえ禁止財産が口座に振り込まれ、預金の形になったら、市町が差し押さえてもいいと考えているのか。

■医療保険課長(福田庸二)■ 国民健康保険は全ての加入者が、能力に応じ、保険料、税を負担することを前提としている。滞納処分については、負担能力があるにもかかわらず保険料を納付されない場合に、市町の判断に基づき実施されるものである。
 国民健康保険料も保険税も、法律の規定により、最終的には国税徴収法に規定する滞納処分の例により、対応することとされている。差し押さえ禁止財産の取 り扱いについては、県の所管部局から市町担当部局に周知されていることから、市町ではこうした通知を踏まえ、適切に対応されているものと考えている。
 県としては、滞納処分を行うに当たっては、法令に基づき適正に行うこと、保険料を滞納しているという事実のみで差し押さえを行わないようにすることを助言しているところである。

■いそみ恵子■ もうご存じだと思うが、鳥取県での事例については、児童手当が口座に振り込まれて、わずか9分後に差し押さえたという問題が裁判 で争われ、昨年11月に出された高裁判決では、児童手当によって大部分が形成されている本件預金債権を差し押さえた処分は、実質的に児童手当を受ける権利 自体を差し押さえたのと変わりないから、児童手当法15条の趣旨に反するとして鳥取県の違法を認定し、児童手当分の支払いを命じた。
 つまり、児童手当が振り込まれて預金化さえすれば、差し押さえ禁止財産の性質を失うということにはならないということを認定したものである。よって、国保料、税の滞納整理の問題でも、この趣旨を徹底していただきたいと思う。
 鳥取県は、この判決を受けて滞納マニュアルを改正されている。差し押さえた預金が差し押さえ禁止債権と確認できた場合は、その金額は控除して差し押さえ る。また、差し押さえた後でも、差し押さえ禁止債権と確認できた場合は、差し押さえを解除、取り消すなどとしている。ぜひ兵庫県としても、市町にこの旨を 徹底する通知を出していただきたいと思うが、いかがか。

■医療保険課長(福田庸二)■ 県では、というか医療保険課長としては、保険者である市町が国税徴収法に基づかない滞納処分などを実施した場合、あるいは 逸脱した処分をした場合に、国民健康保険法に基づき指導・助言をする立場である。国税徴収法に基づく滞納処分の取り扱いについては、私は有権解釈する立場 にないので、ご理解をいただきたいと考える。

【一部負担金の減免について】

■いそみ恵子■ 解釈する立場にないということではあるが、ぜひ鳥取県のケースにも学んで、県として、市町に対してこの旨を徹底する通知を出していただきたいということを要望しておく。
 次に、高過ぎる保険料の問題とともに、窓口で支払う医療費負担が重く、十分な治療が受けられないという人が増えている。
 日本共産党は、特別の理由がある被保険者で、保険医療機関等に一部負担金を支払うことが困難であると認められる者に対して、一部負担金の減免、または徴 収猶予の措置をとることができるとする国保法第44条に基づき、窓口負担の減免を市町が積極的に行うよう、県にもその徹底を求めてきた。
 しかし実際には、減免は十分に行われていない。2012年度の市民団体による県内全ての市町へのアンケート調査では、減免の実績は10市町で214件し かない。ある市では、3ヵ月以内で治る病気の場合にしか制度が使えないという説明をし、申請させないという事例もあった。もちろん制度が使えない基準が示 されている訳ではなく、市として実施すればいい訳であるが、3ヵ月を越えて減免を行う場合、国が補助を行う条件をかなり厳しくしているので、財源を気にし ているのかなと思う。しかし、医療を受ける権利の問題であるため、市町にやはり頑張ってもらわなければならないし、国や県はもっと支援をすべきだと思う。
 市町が10万円以上の減免を行えば、県の特別調整交付金による補填も行われる訳で、財源措置をするということを市町にも徹底していただき、この国保法第44条減免の活用をもっと促進していただきたいと思うが、いかがか。

■医療保険課長(福田庸二)■ 一部負担金の減免については、一部負担金の支払い義務を負う世帯主が、災害・失業等により生活が著しく困難になった場合に おいて、世帯主からの申請により各保険者が判断し実施する制度となっている。県としては、この制度を活用していただくために、減免の基本的な考え方や要領 の参考例などをこれまでから市町に示し、取り組みを促してきたところである。この結果もあり、現在県内全市町において、要綱等による減免基準を規定しているところである。
 また県では、市町が行う一部負担金の減免を支援するため、平成24年度より、災害や所得激減等の適用理由、あるいは入院・通院の別を問わず、市町が一部負担金減免取扱要綱などに基づき減免を実施した場合には、国庫補助分を除いて県の特別調整交付金で全額助成をしているところである。

【広域化について】

■いそみ恵子■ ぜひ積極的に進めていただきたいと思う。
 国保の次に、広域化の問題である。大きな問題である。国は、現在市町単位で運営している国保を広域化、都道府県単位化する方向を出してきたが、これは国 保の抱える問題の解決にならないことを日本共産党は指摘し、反対してきた。全国知事会も反対しているが、社会保障改革プログラムが作られ、国民健康保険の 広域化もその行程に書きこまれ、国はいよいよ動き出そうとしている。
 当面、2012年の国保法の改定で、2015年度に保険財政共同安定化事業の対象が、1件30万円以上から1円以上と拡大することが決められている。重 症患者を多く抱えるなどの自治体の負担を軽減するために、高額レセプトに限っての市町同士の助け合いの制度であったが、これが1円以上となれば、実態上、 県単位の保険に変わってしまう。そして市町の拠出も、被保険者数や被保険者の所得に応じて出す方向が示されている。これでは、医療費が多い少ないにかかわ らず、頭割りで市町がお金を出し合う制度に大きく変質してしまう。しかし県内には、大都市もあれば郡部もあり、医療費の実態はそれぞれ千差万別である。医 療機関が少ないために医療費が少ない地域もあれば、公害で慢性的に医療費が多くかかる患者をたくさん抱える地域もある。また従来から、検診にとても力を入 れて、助成事業などで早目の受診に誘導することで、医療費を抑えるといった努力をしている市町もある。拠出について決めるだけでも、非常に私は無理がある と思うが、保険財政共同安定化事業を1円からとすることについて、市町の納得が得られたのであろうか。

■医療保険課長(福田庸二)■ 保険財政共同安定化事業については、市町間の保険料の平準化や財政の安定化を目的として、1件30万円を超える医療費に係 る交付金事業に充てるため、県内全ての市町の拠出により負担を共有する共同事業として実施している。財政運営の都道府県単位化を推進するため、平成24年 の国民健康保険法改正により、平成27年度から制度が恒久化され、事業対象を全ての医療費に拡大することとされてたところである。
 また、拠出金の算定方法については、各市町の被保険者数に応じた部分が50%、医療費に応じた部分が50%とされており、医療費を一部反映したものということが言えるのではないかと考えている。
 県では、この保険財政共同安定化事業や高額医療費共同事業において、国・県負担金を含めてもなお拠出超過が生じる市町に対しては、県の調整交付金を活用 し、超過拠出分全額について補填することとしている。そういったことから、現時点では、この事業についての市町での理解を得ている状況にある。

■いそみ恵子■ 現時点では理解を得ているということだが、大変なことだと思う。
 たとえ、共同安定化事業の拠出について何らかの決着はついても、広域化、都道府県化では、矛盾が広がるばかりだと思う。国は国保財政を安定化させると 言っているが、もともと国保財政の悪化、国保料の高騰を招いたのは、国が国庫支出金の大幅削減をやったためである。これをもとに戻すということが必要であ るが、それについては何も約束をしていない。今、それを補うために、市町は一般会計から繰り入れを行い、実情に合わせて保険料を抑制するという努力をして いる。
 したがって、広域化になった場合、市町の繰り入れがなくなることになり、保険料はさらに上がって、高い保険料を払えない人が増えて、国保財政はますます 悪化し、また保険料が上がる。今起きているこういう悪循環の問題は、国保の広域化、都道府県化によって解決しないと私は思う。
 この問題では、全国知事会でも反対をされているので、ぜひ、その姿勢を貫いていただきたい。国民健康保険は社会保障及び国民保険の向上に寄与することを目的とする制度である。社会保障制度として、ぜひ充実させることを求め、質問を終わる。

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