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2013年(平成25年)度 決算特別委員会 農政環境部 きだ 結
2014年10月14日

六甲山のイノシシ対策について

■きだ 結■ 日本共産党県会議員団のきだ結である。
 私からは、六甲山山麓市街地でのイノシシ被害対策についてお聞きする。
 六甲山市街地でのイノシシ被害の問題は、行政の長年の課題となっている。今、猟友会の協力のもと、有害個体の捕獲のほか、1990年代後半からは市役所、区役所と連携した地域挙げての、例えば、ネットをかぶせるなどのごみ出しルールの確立、餌づけはやめようなどの取り組みが行われてきている。
 神戸市においては、2002年からイノシシへの餌付け禁止条例が施行され、さらに一昨年、神戸県民センターによって、中央区の山裾の国有林の所に防護柵が試験的に設置されるなど、防護、捕獲、普及啓発を3本柱とする対策が進められてきている。
 しかしここ数年、特に昨年、今年と神戸市街地で目撃、人身事故が急増している。特に私の地元東灘区では、人身事故が本当に多発してる。ご承知のとおりだと思う。東灘区役所に連絡が入ったものだけでも、年推移で見ると、2012年度には12件、2013年度には24件、2014年の4月から8月までだけで、既にもう37件報告されている。
 被害の事例だが、いずれも午後7時半から11時半の間に起きているとの連絡が入っており、一例を申し上げると、5月28日、帰宅中の20代の男性が後ろから追突されて臀部を負傷。6月16日、スーパーの袋を持っていた40代の女性が追いかけられ、左足のふくらはぎをかまれる。6月17日、帰宅中の40代男性が左足のつけ根をかまれる。この6月15日から18日は4夜連続で、岡本という地域で住民が襲われている。これ以降も7月、8月、9月とずっと頻発をしている。
 兵庫県立大学の准教授で、森林動物研究センター主任研究員の横山真弓先生に、この間お世話になっているのだが、こういった神戸市のような大都市において、大型の野生鳥獣、イノシシというのは猛獣なのであるが、これがいるのは世界でも珍しく、珍しいというか異常だとおっしゃっている。また、イノシシを介したと考えられるマダニの感染症も神戸市で確認されている。被害が深刻化していることから、これまで以上に抜本的に対策を強める必要があると思う。
 そこで、六甲山のこうしたイノシシ被害の原因は何だと考えておられるのか、そして今後の対策をお聞きしたいと思う。

■自然環境課長(中谷康彦)■ 六甲山のイノシシが増加した原因については、イノシシに対する餌やりが大きな原因と考えている。本来、イノシシは臆病な性質のものであるが、餌づけによって人慣れし、行動が段々と大胆になり、市街地へ出没するようになったと考えている。
 今後の対策については、先ほど委員からもお話があったように、県と神戸市で、市街地に出没するイノシシの捕獲を猟友会に委託し、実施してきている。これに加え、神戸市では、パトロールの強化のため、民間会社に委託し、人身事故が発生した地域や発生する危険性の高い地域に警備員を派遣、配置し、注意喚起などの警戒活動を実施している。併せて、市のイノシシ条例に基づく餌づけ禁止の取り組みを徹底することとしている。
 また、市街地に出没するイノシシの個体数を減少させる方法として、追い払いをモデル的に実施し、その効果を検証の上、方策を研究することとしている。
 一方県では、これも先ほど委員から話があったが、防護柵を設置し、そこにカメラを設置して、イノシシの行動調査を実施している。その結果を見て、また検証することによって、今後の対策につなげていきたいと考えている。

■きだ 結■ 今お答えいただいたように、私も根本的な原因は、やはり餌づけによって人慣れした個体が、繰り返し降りてきて被害を及ぼしているということだと思う。こういった餌づけの禁止は、当然行き渡らさなければいけないし、神戸市では、餌づけ禁止条例の強化で、今後、勧告に従わない人の名前を公表するということで、これも一定の抑止が期待されるところだと思う。
 この餌づけ禁止の普及啓発について、1点だ要望しておきたいのだが、今、餌づけ者というのは、ほぼ行政で特定されているとお聞きしている。であれば、やはり個別に餌づけをしている方について、説得をしていただきたいと思う。一般的に餌づけ禁止といっても、私たちも含めて、大多数には身に覚えがないことである。本当に頑張って、ごみ出しもちゃんとネットをかけており、意識的に餌づけなんかほとんどの方はされてない。ただ、本当にごく一部にそういう方がまだ残っているということで、そういう方については、やはり個別的な説得をぜひしていただきたい。また、神戸市ともそういう話し合いをしていただきたいと思う。
 対策については、今おっしゃったとおり、パトロールとか有害個体の捕獲、追い払いなども最近始めているということで、ぜひこのことも強めていただきたいと思う。
 同時に私は、イノシシの頭数が増え過ぎてるのではないかということも、ちょっと考えている。市街地に出没する個体群の生態や活動範囲の調査、研究、そして適切な頭数管理も必要ではないかと考えるが、いかがか。

■自然環境課長(中谷康彦)■ 六甲山のイノシシの推定生息数についてであるが、イノシシは個体数変動が激しい動物であるので、自然増加率の推定範囲が非常に大きいということもあり、全県的にも、まだ生息数の推定ができていないという状況である。ただし、被害額的に極端な増加傾向がないという現状では、全県的に生息数が大きく増加しているとは考えていない。今後も状況を注視していきたいと考えている。
 2点目の調査、研究の関係であるが、森林動物研究センターでは、イノシシの出没被害を抑制することを目的として、六甲山イノシシの生息環境と被害出没要因の解析等について、現在取り組んでいるという状況である。対策強化するルートの注視や、出没抑制方法を検討していくということなので、この研究成果を踏まえて、今後の対策につなげていきたいと考えている。

■きだ 結■ 頭数の推計方法が確立されていないということだが、今、六甲山で調査を行いつつあるということなので、ぜひこれは強化をしていただきたいと思う。総合的な対策としては、後でも触れる。
 先ほど追い払いの話もあったが、実際の対策として急いでいただきたいこと、住民が願っていることについては、イノシシは夜行性なので、先ほども申し上げたように人身事故は夜に起こる。野生では60sぐらいが大人のイノシシだと聞いたが、私たちが目にするイノシシというのは100s級で、本当に大きなイノシシである。それが今、ちょうどウリ坊を連れている時期なのだが、ちょっと離れていても人慣れしているので、近い距離でも相手は逃げない。こちらが、何とかそろそろ逃げるという感じなのだが、これは男性でも恐怖を感じるということである。
 地元住民の切実な要望は、住宅地に出没した個体は、できるだけその場で捕獲してほしい、追い払いをしてほしいということなのだが、この点について、夜間、休日など緊急対応も含めて、何か強化されていることがあれば教えていただきたい。

■自然環境課長(中谷康彦)■ 緊急時の体制についてであるが、イノシシが市街地に出没し、住民への危害が懸念される緊急時に対応するため、神戸県民センターが地元猟友会会員をイノシシ緊急対策協力員として配置している。
 通常は、神戸県民センターや区役所から出動を依頼しているが、夜間、休日などで警察が通報を受けた場合については、警察から区役所と併せて直接協力員にも連絡することによって、緊急時に対応が速やかに図られるような体制を作っているところである。

■きだ 結■ 今、緊急対策協力員のご説明をいただいた。7月2日には、神戸市、県、県警がイノシシ対策会議ということで、今の話の延長にもなるが、警察が夜間や休日など、緊急時には区役所を通さず、直接猟友会に出動要請することができるように体制を整えることが確認されたということである。それが、どれだけ円滑になっているかは分からないが、住民としては、本当にこういう体制を求めているので、ぜひ、円滑にできるようにお願いしたい。
 次に、今後のイノシシによる被害根絶を進めるための、県の体制についてお聞きしたい。
 県としての六甲山イノシシ被害対策は、森林動物研究センターが専門的な研究や技術的な助言を行い、実際の施策は、神戸県民センター神戸農林振興事務所の林業課の所管となっている。森林動物研究センターからは、この間も六甲山のイノシシ被害を重く見て、現地調査にも随分入っていただいていることも聞いている。
 神戸県民センターは猟友会に委託をして、先ほどのイノシシ緊急対策協力員の設置や猟期外捕獲、防護柵を設置などをしていただいている。
 一方で、ほかの地域でこういった問題がないのかと言えば、例えば阪神南県民センターでも、市街地でのイノシシ被害の発生を受けて、有害個体の捕獲事業を行っている。
 強く求めたいのは、問題が広域化していることから、市街地でのイノシシ被害対策を一県民センターだけの仕事にしないでほしいということである。神戸県民センターは、今申し上げたように、林業課が本来業務のほかに兼務をしておられる状態である。予算は、何にでも使える地域の夢推進費、今年はふるさとづくり推進費であるが、たくさんの事業の中の一つとして、このイノシシ被害対策に充てているということで、非常に予算が限られているという現状がある。
 本庁の仕事として、もっと前に出ていただきたいと思うが、いかがか。

■自然環境課長(中谷康彦)■ 本庁では、全県にまたがる問題を施策として取り組んでおり、各地域の個別の問題は、県民センターが取り組むのが基本であると考えている。
 六甲山のイノシシ被害は、地域特有の問題であり、神戸県民センター等が主体的に取り組んでいる。なお、本庁としては、神戸県民センター、また森林動物研究センターと連絡を密にして情報を共有・整理し、必要な対策を指導・助言しているところである。

■きだ 結■ 六甲山特有の地域課題だということであるが、先ほども言ったが、神戸市のほか西宮、芦屋なんかでも起こっている問題である。よって、やはり広域的にもっと対応をして、統括するという機能が要るのではないかということである。
 市の役割が第一義的だとおっしゃるかもしれないが、神戸市はもちろん予算を付けているが、県のように野生動物の専門的な職員がいる訳ではなく、区役所での担当課はまちづくり課である。
 これは私のイメージであるが、例えば、本庁の課に市街地イノシシ被害対策専任の職員を配置してほしいということである。各県民センターの事業を掌握して、全県的に経験を普及する。また、森林動物研究センターとの情報交換を密にして、各県民センターに普及する。市町との連絡会議などにも出席し、全県的に市街地のイノシシ被害対策を推進してほしいということである。
 予算についても、本当に限られた中で防護柵の設置なんかも含めてされている訳である。これも、市街地イノシシ被害対策費として、本庁の本体予算として十分つけてほしいと考えている。先ほど申し上げた防護柵は、今、試験的に設置されており、今年度効果の検証がなされているところであるが、この防護柵は、一般的には被害の未然防止という点と、適切に行えば、鳥獣の個体数抑制にもつながるとされている。恐らく、効果ありと出ると思うが、そのときに、じゃあもう少し伸ばそうとか、東灘区、灘区にもつけてほしい、つけたいと思っても、なかなかそのときの予算が確保されないと思う。年度をまたいでということで、長い目で見ていられるような問題でもない。もう本当に早く対策をしていただきたいということであるので、こういった予算も含めて、きっちりしていただきたい。
 さらに申し上げると、来年5月から施行される鳥獣法の改定に向けて、中央環境審議会が出した答弁では、都道府県の役割について、農林被害対策はもちろん、市街地、住宅地での被害対策として、個体群管理、生息環境管理の目標設定と目標達成に主導的・主体的に実施することを求めている。したがって、県は住宅地被害対策を含めて主導的、統括的な役割をとることを求められているのではないかと思う。兵庫県は森林動物研究センターの研究実績もあり、専門員も養成してこられているので、条件は十分に整っていると思う。
 やはり、県民センターの一部署にだけに兼務させるのではなく、予算もしっかりつけて、必要な人員も配置して、役割を果たしていただきたいと思うが、いかがか。
 また、少なくとも森林動物研究センターの機能を更に生かして、六甲山の調査を進めているということであったが、それを継続的に行えるだけの調査の予算を、県として十分につけていただきたいと思うが、いかがか。

■自然環境課長(中谷康彦)■ まず1点目の体制についてであるが、本庁にも自然環境課があり、その中に野生鳥獣班ということで、野生鳥獣に対する担当の班を置いている。また、森林動物研究センターには、森林動物専門員を配置し、この専門員は、全県的に対応して活動できるという立場にある。特に専門的知識を持っているので、こういう者が対応していくことで、地域の課題にも取り組んでいきたいと考えている。
 次に、柵の予算の関係であるが、現在の国の事業等のうち農林水産に係る防護柵の予算については、対象があくまで農林業被害の防止という観点が採択要件となっている。このため、現在の人身被害に対する防護柵の設置については、県民局の予算で対応しているのが現状である。今後、柵の効果も検証し、必要があるのであれば、国の事業等のもっと有効な活用の仕方を国に要望するとともに、県としても考えていきたいと考えている。
 住宅地に出没するイノシシ等の対策については、法改正を踏まえ、県としてもしっかりしていくべきではないかというお話であったが、現在、イノシシについても、保護管理計画というものを作っている。その中で、県としても餌づけ防止等についてはきちっと対策をしていくことを定めており、それについては、神戸県民センターを中心に対応している状況である。
 引き続き、このような体制を持って、県としても取り組んでいきたいと考えている。

■きだ 結■ 県として、地域の課題にも取り組んでいきたいという前向きな答弁もいただいた。予算については、国の対策が農林被害が主となっているので、やはりそこはどうしても県単独の予算をお願いしたい。
 市街地で、イノシシに住民が襲われるということがないよう、ぜひ、県にも力を尽くしていただきたいということを強く求めて、私の質問を終わる。
 ありがとうございました。

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