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2013年(平成25年)度 決算特別委員会 産業労働部 ねりき恵子
2014年10月10日

ルネサス北伊丹事業所閉鎖問題について

■ねりき恵子■ ルネサス北伊丹事業所閉鎖問題についてお伺いする。
 県下では、昨年3月、尼崎のパナソニック社が撤退し、最高時には2,600人と言われる労働者の大多数が解雇され、さらに、今年の7月には、西脇市のタワージャズジャパンの閉鎖で888人の解雇、さらに、伊丹市のルネサスが来年9月30日で北伊丹事業所を閉鎖し、関連会社を含む1,600人が関東への転勤か、応じなければ解雇に追い込まれる事態となっている。わずか2年間の間に名立たる大企業の経営方針によって5,000人からの労働者と家族が生活設計を狂わされている。
 ルネサス北伊丹事業所では、今年初めには1,600人いた労働者のうち380人を高崎工場に転勤させる計画であったが、会社側から労働局に8月27日、提出された再就職支援計画によると、ルネサス本体だけで89人が早期退職に応じ、関連会社も含めると百数十人が早期退職になったと言われおり、今現在こういう状況ではないかと思っている。
 この中で、障害者に対する事実上の退職強要の実態が明らかとなっている。聴覚障害と知的障害を持っている30代の男性は、上司からの個別面談で関東の武蔵事業所への転勤を命じられたが、家族から離れるのが不安で行けませんと答えると、行かないのなら再就職支援センターで2回まで仕事をあっせんすると言われた。それを断ると、早期退職制度が適用されず、自己都合退職扱いにされてしまった。
 早期退職制度は、異動の対象者であり、一定の申請期間に申し出ることで制度を利用できるが、会社は、その条件に当てはまらないため自己都合退職になったと説明している。
 しかし、この障害者の男性は、これから早期退職制度の募集が予定をされている武蔵工場への異動対象者であるにもかかわらず、募集期間でない6月に上司が個別面談をし、関東への転勤を求めた。これは労働基準法や労働契約法などに違反するもので、しかも、体に障害があるがゆえに家族と離れて1人で生活するには極めて困難な状況であるのに、異動を命じられて嫌気が差して退職に追い込まれた。まさに退職強要ではないか。
 同事業所には、ほかにも六、七人の障害者が働いているようだが、このような退職強要が行われないか、県としても独自に実態を調査し、是正を求めるべきと考えるので、お答えください。

■しごと支援課長(大谷俊洋)■ ご質問の事案については、私どもでも自己都合による退職と聞いている。障害者雇用促進法の規定によると、障害者を解雇する場合は解雇が1人であっても届け出の義務がある。一般の従業員の場合は30人以上の場合に大量離職届が出るが、障害者の場合は1人でも届け出が義務づけられているので、ご本人がこれは実質的に解雇であるとハローワーク等に申告をされれば、届け出義務違反として調査を開始することになると私どもは認識している。

■ねりき恵子■ この方は障害を持たれていることで、判断がご自分でしにくい状況があったと思っている。障害を持っている方に補助員をつけずに重要な事項を説明したことも大きな問題があったのではないかと思っているし、早期退職者の募集内容、募集期間などは労使の協定で決められているものであるので、募集期間以外に個々に労働者と面談をしてはならないという規定もあると思うので、こういった障害をお持ちの方へのきめ細かな対応をお願いしたいと是正を求めて、次の問題に移る。
 ルネサスは、来月、11月から新たに個人面談を開始して、12月10日から19日の間に関東武蔵事業所への転勤対象者1,000人に希望退職を募る予定となっている。また、再編、配転強要に併せて、100億円の人件費削減の賃下げ提案がされており、これに納得できない、生活を破壊するものだなど、労働者と家族から4,900件にも及ぶ意見、要望が出されている。
 母子家庭や家族の介護、子供の教育の関係など、さまざまな事情で遠方へ転勤できない、やむなく退職に追い込まれる労働者が相当数に上ることが予測される。このように、会社の一方的な合理化計画によって、これまで真面目に働いてきた労働者を犠牲にすることは許されない。
 そこで、県として、労働局や伊丹市とも連携し、ルネサスに対して、転勤できない全ての労働者に退職強要することをやめ、雇用確保に責任を果たすことを求めるべきだと考えるので、お答えください。

■産業政策課長(境 照司)■ ルネサスエレクトロニクス株式会社の北伊丹事業所の閉鎖については、先ほど委員からもご指摘もあったとおり、兵庫労働局や地元伊丹市とも連携しながら、両者にも参画していただいて連絡会議を開催するなど、常日頃から情報の共有や連携した対策の検討等を行ってきている。
 先ほどお話のあった国への要請等については、現在、ルネサスエレクトロニクス株式会社からは、今回の再編については解雇を前提としたものではなく、希望者全員を武蔵事業所、また高崎事業所に配置転換する方針と伺っている。
 また、家庭の事情等による配置転換を行うことがやむなくできない場合についても、早期退職優遇措置であるとか、就職支援会社による再就職支援を適切に行っていくと伺っている。
 同社においてこうした取り組みが行われている現時点においては、特段の要請を行っていく考えはないが、今後、事業所の閉鎖に向けて大きく状況等が変わるような場合については、その時点において改めて検討していきたいと考えている。

■ねりき恵子■ 再編にあたり、希望者全員を希望どおりにするということだったが、実際は、関東に移転できなければ退職せざるを得ないという厳しい状況にあると思っている。
 100億円人件費を下げることで、生活がやっていけない、それだったら転勤をせざるを得ないだろうかとか、でも転勤をしても、またそこでリストラに遭うのではないかとか、いろいろな思いが、不安な状況が、労働者、そして家族を取り巻いていると思うので、そういったことがないように、雇用の確保に向けて更に手を尽くしていただきたいと強く思っている。
 そして、今、再就職支援に対して就職支援会社を通じてという話があったが、この再就職支援センターを通じて、いろいろとルネサスが再就職支援をされているということだが、支援と言っているが、これは退職強要とセットで行われていると私たちは認識している。いかにも労働者の雇用に責任を果たすかのように聞こえる訳だが、大変疑問である。
 ルネサスエレクトロニクスグループは、労働者の再就職支援については、国の労働移動支援助成金を利用して、パソナ、ランスタッド、リクルートキャリアコンサルティング、マンパワー、チャレンジャー・グレイ・クリスマスの5社に委託をしている。労働者はこれらの会社の開くセミナー、相談会への参加を命じられ、これらの会社があっせんする再就職先に良い条件で再就職できるかのような説明を受けるが、実際の求人情報は、退職届を出すことと引き換えに再就職サービス利用申し込みをしなければ、その情報を得ることができない。民間会社を使った再就職支援が早期退職に追い込む仕組みとして使われている。
 これらの再就職支援会社には、委託されるだけで国から1人当たり10万円の労働移動支援助成金が支払われ、転職支援により最大60万円が支給される。いわば国の助成金を使ってリストラ、雇用破壊が進められている訳だが、このことについて県はどのようにお考えか。

■しごと支援課長(大谷俊洋)■ ご質問にあった再就職援助計画に出された人数についてであるが、ご質問の中で89人プラスアルファというふうにおっしゃったが、ルネサスエレクトロニクス株式会社で36名、ルネサスシステムデザインで49名、ルネサスエンジニアリングサービスで4名の計89名が提出されている。
 この労働移動支援助成金制度については、事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者に対して、その再就職を実現するための支援を民間の職業紹介事業者に委託して行う事業主に対して助成をするものであり、労働者の再就職の促進などで、労働者の支援を目的とするものと本県も理解をしている。今回の対応についてもこの目的に沿って実施されていると考えている。

■ねりき恵子■ 問題は、退職届を出さないと実際の詳しい求人情報が見ることができず、それを国の補助金を使ってやっていることが問題だと思っている。
 この制度であるが、もともと安倍政権が今年度の労働移動支援助成金の予算を昨年度の150倍に増やしている。この政策を主導している政府の産業競争力会議には、再就職支援会社パソナの取締役会長でもある竹中平蔵氏が議員として参加しているし、立場を利用し、自らの会社を含む人材ビジネス業界の利益につながる仕組みづくりを政府に作らせている訳である。
 このような税金を使ってリストラを後押しし、地域経済を破壊する策を認めるべきではないと思うし、実際に労働局やハローワークが企業に入って支援を今まで、パナソニックでもタワージャズでもやってきたと思うので、そういった行政のかかわった丁寧な支援策を求めて、次の質問に移りたいと思う。
 もともとこのルネサスの北伊丹事業所を設立したのは三菱電機である。社員の大半は元三菱の社員である。その後、日立製作所やNECと統合合併し、現在に至っているので、転勤できない人は三菱が引き受けよという声が上がっているのも当然である。
 三菱電機の内部留保を調べると、1兆5,595億円あるので、その一部を活用して、転勤できない労働者を引き受け、雇用に対する社会的責任を果たすことは十分にできると考える。また、三菱電機は県内だけでも尼崎、神戸、三田、姫路などに七つの事業所を持っており、それぞれ多忙で、人手不足と言われている。この点からも、三菱でルネサスの労働者を受け入れるということは可能ではないだろうか。
 先立っての伊丹市議会における我が党議員の質問に対し、市当局は三菱電機について、以前のリストラのときには受け入れの実績はあるものの、今回の撤退で受け入れるかどうかは、ルネサス側からも、三菱本社からの指示もない状況で、未定という答弁である。ルネサスも三菱電機もいまだ本気で全労働者の雇用に責任を負うという立場は感じられない。
 ルネサスは、この年末までにはほぼ全員に対し転勤か退職を迫ろうとしている状況のもとで、様子を見ているという段階ではないと思う。そこで、県としても伊丹市、労働局と連携をして、ルネサスと三菱電機に対し、転勤できない全ての労働者を三菱電機が引き受けるよう強力に求める必要があると思うが、ご答弁ください。

■しごと支援課長(大谷俊洋)■ ルネサスエレクトロニクスは、産業革新機構が約70%の株式を保有する法人であり、三菱電機とは別の法人である。このため、三菱電機はルネサスエレクトロニクスの離職者の採用などの再就職支援に係る責任を負うべき立場には基本的にはない。
 なお、5月に伊丹市が三菱電機を訪問した際に、伊丹市から三菱電機に対して、ルネサスの離職者の受け入れについて協力を依頼されたことも承知している。伊丹市は三菱電機に対して、今後も離職の状況に応じて再就職の支援を働きかけていくことをおっしゃっており、県としてはその動向を的確に把握した上で、労働局とも連携しながら適切に対応してまいりたいと考えている。

■ねりき恵子■ いずれにしても、三菱が母体であることには変わりはないので、伊丹市も市の今後の状況を見据えて、三菱電機に依頼をしているということなので、県としても三菱で受け入れをしていただくよう力を入れていっていただきたいと思っている。
 今、ご答弁あったように、産業革新機構から7割出資されている話に関連してであるが、やはり今回のリストラ策の大きな道筋は、国主導のリストラ計画であると思う。
 2013年12月にアベノミクス第3弾として成立した産業競争力強化法に基づいて、国が95%出資をして、投資ファンド産業革新機構が設立された。ルネサスはこの産業革新機構から1,385億円の出資を受けている。今、おっしゃったように、ルネサスの筆頭株主は出資比率69.15%、約7割を占める、国が作ったこの産業革新機構である。
 ルネサスは、今述べた関係からも明らかなように、国主導のもとに、国際競争力強化を理由に、大規模な人員削減、事業所閉鎖などを強行し、労働者を犠牲にして地域経済に大きな影響を与えている。このような安倍内閣の経済政策のもとでリストラが進められていることを見過ごすことはできない。
 そこで、県として、国に対しても県民の雇用と地域経済を守るために、こういったリストラ策をやめるよう、政策の転換を図るよう求めるべきだと思うが、ご答弁願います。

■産業政策課長(境 照司)■ 先ほども答弁させていただいたとおり、ルネサスエレクトロニクス株式会社の今回の再編については、解雇を前提としたものではなくて、まずは全員を配置転換し、それから、どうしても家庭の事情等により配置転換を行うことができない場合には、再就職支援を適切に行っていくと伺っている。
 また、国の政策として行われている産業革新機構等を通じた今回の政策については、その中で行われているものであり、また、同社が現在こうした取り組みを適切に行っている状況においては、現時点では国に対して要請を行うことは考えていないが、今後、来年9月末の事業所閉鎖に向けて、再就職支援等が適切に行われないなど、状況が大きく変化するようであれば、その時点において改めて検討を行っていきたいと思っているので、よろしくお願いしたいと思う。

8月豪雨災害での中小企業への支援について

■ねりき恵子■ いずれにしても、ルネサスがやっていること、そして国の政策が労働者を退職や解雇に追いやっている事実がある訳であるから、そういった事実をしっかりと見ていただいて、県としても労働局や伊丹市と力を合わせて、ルネサスや国にもしっかりと物を言っていただきたいと強く要望して、次の質問に移る。
 次は、被災中小企業への支援強化についてである。
 これまで、災害で被害を受けた中小企業に対する県の支援は、経営円滑化貸付金の災害復旧枠の適用など制度融資によるものが中心である。しかし、多くの中小企業が既に資金繰りのため融資を借りているもとで、これ以上借りたくても借りられないというのが実態で、営業を再建するために新たな借金を背負うのは非常に困難である。
 例えば、佐用町などが大きな被害を受けた平成21年台風9号では、店舗、工場、その他の事業所の被害は、事業所数で726、被災額で47億8,000万円に上っているが、経営円滑化貸付の災害復旧枠の貸付実績は65件、約9億円にしか過ぎない。平成23年の12号、15号台風でも12件、昨年の淡路地震でも39件となっている。
 地域の復興、まちのにぎわいを取り戻すのに被災者が生業を取り戻すことが重要であることは言うまでもない。融資のみの支援では不十分だと考えている。そして、今年の8月豪雨でも多くの店舗や事業所が被災し、いまだに事業を再開できず、生活の糧が失われている。
 私の地元、宝塚武田尾でも大きな被害が出たが、ある商店では、床上浸水で大型冷蔵庫や什器などが全て水に浸かって、やむを得ず買い替えた冷蔵庫が届いた翌日の8月16日にもう一度大きな被害を受けた。それでも、ここで営業を続けたいと思っていらっしゃるが、10年前にも水害に遭っており、これ以上お金を借りようにも借りようがないと嘆いておられる。
 また、丹波市でお聞きした話では、1点100万円単位の設備が全て水害の被害に遭い、被害額が1,000万円を超えていると言い、1ヵ月以上たってもまだ再開のめどが立っていないのに、壊れてしまった食洗機や冷蔵庫のリース料を払い続けておられる。被災地ではこのような困難な状況が続いている。
 8月豪雨災害で、京都府では、設備再建支援事業として上限100万円、補助率15%、浸水による機器等の修繕に上限10万円、補助率2分の1などの営業再建のための直接補助が設けられている。兵庫県としても、災害で失った設備への補助やリース料の負担など、融資だけでない支援制度を設けるべきだと思うので、お答えください。

■経営商業課長(法田尚己)■ 被災中小企業の復興については、県もこれまでより被災企業の皆様のニーズも踏まえながら、融資制度を中心に経営支援策を講じてきてた。先ほど委員からもご指摘があったが、一定の成果があったと県としては考えている。
 今回の8月豪雨災害についても、融資に係る貸付利率や保証料率の引き下げ、貸付限度額の拡大に加え、無料の現地経営相談会や専門家派遣、被災地域元気回復支援事業を行っている。
 工場設備などの事業用資産については、基本的にはその資産で利益を得るのが目的であるため、現時点で、直接公的な助成をするのは、対応としては難しいと考えている。したがって、融資や利子補給、税制上の特例等で対応していくものと考えている。
 したがって、被災した設備への直接補助については、引き続き慎重に検討する必要があると考えている。京都でそういった支援制度ができたことについても、支援目的や効果等について勉強しながら、引き続き慎重な検討が必要と考えている。

■ねりき恵子■ ぜひ実態を見ていただきたい。改善策を要望して、質問を終わる。ありがとうございました。

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