サイト内検索
メニューをスキップするTOPページへ本会議へ予算決算特別委員会へニュースへ政策見解へスケジュールへリンクへ
2013年度予算特別委員会病院局審査 きだ結
2013年3月7日

県立こども病院のポーアイ移転の撤回を

■きだ 結■ 日本共産党兵庫県会議員団のきだ結である。
 私からは、県立こども病院の移転についてお聞きする。
 県立こども病院が全県的に果たすべき役割、位置づけから見て、ポートアイランド、神戸市立中央市民病院の近くへの移転は、防災面、そして県下の小児医療、小児救急、周産期の地域バランスから見ても問題があると、これまでも指摘してきたところである。私がこの問題にこだわるのは、阪神・淡路大震災を体験した者として、被災の記憶を風化させてはいけないという強い気持ちからである。
 まず、改めて防災面の1点目として、アクセスの問題をお聞きする。
 これが地続きの内陸部であったら問題にならないけれども、海を隔てたこの人工島にあるということだからお聞きをする。
 今回の本会議で、我が党の一般質問に答えて、神戸大橋は阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、東南海・南海地震や内陸直下地震に耐え得る補強がなされているといった答弁がされた。
 私は何度も申し上げているけれども、橋そのものの耐震性だけを問題にしているのではなくて、橋そのものが揺れに耐えても、橋の取りつけ部の地盤が液状化すれば、取りつけ部が側方流動を起こして、結果、橋に損傷を与える。現に18年前、こういった事態が起こった訳である。橋そのものの損傷と、そしてずれによる損傷が原因で、神戸大橋は通れなくなった。18年前の事態では、半分の車線でやっと通行できるようになったのは、震災から2ヵ月半たった4月1日であった。復旧に非常に時間がかかって、震災直後はもちろん、この期間でさえ神戸市中央市民病院での受診の妨げになったということである。
 今後予想される東日本大震災と同型の南海トラフ地震が起きれば、ゆっくり揺れる長周期地震動は、特に液状化に大きな影響を与えると言われている。つまり、またあの事態が再現される可能性は極めて高いということである。
 しかし、そんな事態にならないと答弁するけれども、まずその根拠をお示しいただきたい。もう1点、港島トンネルが整備されて複数ルート化されたという説明だけれども、これも何度も申し上げているが、現行の2倍想定の津波が来れば、港島トンネルも、そして神戸大橋も、周りより低くなっている入り口とおり口周辺が浸水する。これは県の基本計画で書いてあるとおりだけれども、そうなればアクセスが途絶えるのではないだろうか。これに対してもお答えいただきたい。

■企画課長(齊藤芳樹)■ ポートアイランドヘのアクセスの件については、先ほど委員からご指摘があった、補強された神戸大橋、これに併せて、新たに港島トンネルの開通によってアクセスの複数ルート化が図られているなど、大規模災害リスクを想定した上での対策が既に講じられていると考えている。
 また、津波による浸水については、現在、県が実施している津波浸水シミュレーション結果を踏まえて、神戸市と連携して必要な対策を講じるとともに、先ほど委員からご発言があった側方流動や長周期地震動の影響については、また新たな知見が示されることになれば、神戸市において必要な対策を講じていくこととしている。
 加えて、アクセスについては、ドクターヘリや海路による輸送システムを構築するなど、万全を期すこととしているところである。

■きだ 結■ 今ご答弁いただいたように、いずれにしても、二重、三重の対策が必要だということである。液状化は繰り返し起こると言われているし、18年前のようにアクセスが途絶える危険性は今も何ら変わらないということをまず指摘しておきたいと思う。
 防災面の2点目として、ライフラインの確保についてお聞きしたいと思う。
 ライフラインについても、耐震化などで大規模災害を想定した対策を講じていると説明がされている。そこで、特に医療機関にとって重要な水の確保についてお伺いする。
 医療機関にとって断水の影響というのは、単に飲料水だけではなくて、血液透析や人工呼吸器、蒸気を必要とするような消毒装置や冷却水を必要とする自家発電装置など、病院機能の根幹に関わるものである。18年前の震災時には、地盤の液状化もその大きな要因となって、配水管の損傷をもたらして水道は途絶した。現在、水の確保という点で、防災面の問題がないのか、お聞きしたいと思う。

■企画課長(齊藤芳樹)■ 防災上の問題点として、ライフラインの確保、特に水道の関係である。
 これについては、阪神・淡路大震災以後、電気、ガス等も含めて各供給業者のほうにおいて、強靭化あるいは複線化等が図られていて、大規模災害リスクを想定した上での対策が既に講じられているというように聞いている。
 加えて、新しいこども病院においては、最新の免震構造を採用するとともに、水や燃料等についても3日分以上の備蓄をすることとしている。したがって、病院機能に支障が生じることはないのではないかというように考えているところである。

■きだ 結■ こども病院が免震構造を持っているとか、3日間の備蓄があったり、耐震化されているということだけれども、私はこの問題で神戸市水道局に聞きに行った。先ほど、橋の防災面ということも問題にしたが、神戸大橋と港島トンネルに配水管が埋設をされているということだけれども、それまでの間で液状化を起こせばまた寸断される。ポートアイランドの中が100%耐震化されていたとしても、それまでの配水池からの距離が非常に大きな問題になってくる。
 ポートアイランドの場合、新神戸のふもとに位置する熊内配水場と兵庫区の北側にある奥平野浄水場というところから配水をされている。どちらも地図上の直線距離で、ポーアイまで5kmある。この距離が一つの大きなリスクになる。この5kmの間に、地震や液状化で配水管にトラブルが起こる可能性は非常に高まる。このことは、神戸市水道局の方も否定をできなかった。これに対して、現在のこども病院には、わずか500mのところに須磨特1低区という配水池があり、そういった点から見ても、何かあったときに、すぐそこに配水池があるというところから比べると、やはり海を隔てた人工島のライフラインの確保というのがいかに難しいかというのが分かるのではないだろうか。
 この点について、もう一度ご答弁いただけるか。

■企画課長(齊藤芳樹)■ 新しい病院における水の確保という観点になるけれども、私どものほうで、どういうルートを通って、どこからというのを完全に把握している訳ではないが、大規模災害リスクを想定した上での対策が講じられているというように聞いている。
 現在の須磨の地からのほうが、距離は近いのかも分からない。ただ、そういった水の確保ということも重要ではあるが、私どもは医療機能の向上ということがやはりひとつ大きな目的となっているので、そういったことも含めて、総合的にポートアイランドのほうで整備したいというように考えているところである。

■きだ 結■ 神戸市から、そういった耐震化対策がされていると聞いているということだけれども、実際に神戸市水道局に直接お伺いすると、そういう返事が返ってくるのだ。県の病院だから、神戸市任せにせず、そういうところもしっかりと把握をしなければいけないのではないかと思う。
 次に、県立こども病院は、総合周産期母子医療センター、小児救命救急センターを担っているが、この移転が全県の配置から見てどうかということをお聞きしたいと思う。
 県は、周産期医療協議会で、全県には5ヵ所の総合周産期母子医療センターを整備する必要があるとしている。現在の総合周産期母子医療センターは、こども病院のみである。これに準ずる地域周産期母子医療センターは、神戸・三田圏域は中央市民病院など3病院あるけれども、中播磨と西播磨圏域を合わせて姫路赤十字病院の1ヵ所、東播磨圏域、但馬圏域、淡路圏域はそれぞれ1ヵ所ずつで、北播磨圏域、丹波圏域では地域周産期医療センターが空白となっている。小児救急については、小児中核病院はこども病院、神大附属病院などがあるし、地域小児医療センターは、先ほど申し上げた周産期母子医療センターとほぼかぶるような形で存在をしている。
 このような状況の中、全県から見て、総合周産期母子医療センターの新たな整備が待たれていたところである。昨年9月に神戸中央市民病院は、かねてからめざしていた訳であるけれども、総合周産期母子医療センターの認定を県立こども病院に次いで受けることに手挙げをして、神戸市の保健医療審議会でこのことが議題とされた。
 この議論の中でどういった意見が出てきたかというと、こども病院がこの神戸市中央市民病院の近くに移転してくれば、せっかくこの神戸市中央市民病院が総合周産期母子医療センターとして手挙げをして充実させようというときに、重要な拠点病院が一極集中することになって、危機管理に反するのではないか、といった意見や、今、神戸中央市民病院の小児科医不足は非常に厳しいものがあるけれども、県立こども病院を初め、神大病院、県立塚口病院など、阪神間の5病院から応援をもらって、何とか小児救急を回しているという実情を挙げて、県立こども病院を神戸中央市民病院の近くに集積させることより、神戸中央市民病院の小児科の体制を初め、二つの病院がそれぞれに機能を充実させることのほうが、小児医療の充実に資するものになるのではないかといった疑問が多く出された。私は、当然の疑問だと思うんだが、これについていかがお考えだろうか。

■企画課長(齊藤芳樹)■ 本県においては、健康福祉部において、総合周産期母子医療センターを全県で5ヵ所程度整備することをめざして、要件を満たす医療機関の指定を進めていくこととしていて、神戸市中央市民病院については、本年4月に指定されると聞いている。
 こども病院は超低出生体重児への救命に秀でていて、一方、神戸市中央市民病院は、合併症を有する妊婦等の母胎救命に優れた機能を有している。こうした両病院が相互に機能補完することによって、単独では対応困難な救命が可能になるものと考えているところである。
 なお、全県下のバランスであるが、これは医療行政を所管する健康福祉部において検討されているが、県立病院としては、現在整備中の尼崎総合医療センター(仮称)において、総合周産期母子医療センターの機能を担う予定である。

■きだ 結■ これを考えるのは医務課ということと、尼崎・塚口新病院に整備をされるということだけれども、次に問題になっているのは特に西部と北部の体制だと思う。その移転が救急搬送に与える影響というのは、やはり軽く見てはいけないと思うのである。
 私は、この質問を準備するに当たって、各圏域消防本部に、こども病院が移転することで救急搬送にどれぐらい影響を与えるのかを確認し、県立こども病院に搬送された場合の搬送時間と、これは成人も含むけれども、神戸市中央市民病院に搬送する場合の搬送時間がどれぐらい変わるのかということを比較した。
 そうすると、もちろんこれは当然のことだけれども、神戸市内でも、東からの患者さんたちは短縮はされる。しかし、西区、垂水区、須磨区、長田区は、10分、20分変わってくるということで、非常に大きな影響もある。
 一番影響が大きかったのが、東播磨圏域である。これは総体的に搬送数も多いということもある。そして、北播磨、中播磨、丹波、淡路といった遠いところからも県立こども病院を頼って搬送されており、こども病院が移転した場合、中央市民病院に行った場合と比べると、やはり10分、20分、多いところでは40分ぐらいの差が出てくる。やはり、西部や北部は、今本当に医療資源も少ないので、その点から見て、移転ということを本当に軽く見てはいけないと思う。
 近くの垂水養護学校や青陽養護学校からも、授業中に緊急事態になって送られるということもある。こうしたところから見ると、やはりこども病院あっての生活になっているので、移転されると、一体この子たちの命をどうやって守ったらいいんだという先生たちからの声を聞いている。
 もう1点、加古川西市民病院は、東播磨圏域でもこども病院より多くの小児搬送を受け入れているけれども、もしこの移転をした場合、東播磨の明石市、加古川市でのこども病院への搬送が少し遠いから危ないということで、加古川西市民病院に送られてくる数が多くなるのではないかと周辺の病院から懸念が出ている。体制のパンクは大丈夫かという声も出ているし、パンクするほどの受け入れになってしまうと何が起こるかといえば、やはり医師の過重負担が生じ、現場からドクターが立ち去るという本当に悪循環のきっかけにもなり得ると考えている。
 こういった影響について、どのようにお考えか。

■企画課長(齊藤芳樹)■ 県立こども病院は、小児・周産期医療の全県拠点病院としての役割を担っていることから、神戸市西部や播磨地域だけではなく、神戸市東部や阪神地域を初めとした県内各地から救急患者を受け入れている。
 病院の移転によって、病院までの搬送時間が長くなる地域もあれば、短くなる地域が生じるものの、ポートアイランドヘの搬送に当たっては、神戸大橋や港島トンネルの利用のほか、現在の病院ではなかなか難しい、ヘリコプターによる搬送も活用することによって、県内各地からの円滑な救急搬送が可能となることから、本県全体における小児・周産期医療サービスは、低下しないのではないかというように考えている。

■きだ 結■ 救急搬送の時間が長くなる地域もあれば短くなる地域もあるということだったけれども、先ほど申し上げたように、西部、そして北部でやはり特に影響が重大な訳である。そういった、この移転によってどうしようかという声は、本当にここに届いていないのだろうか。やはりそういったこともしっかりと、地域バランスという点でも考えて、もう一回再考を求めていきたいと思う。
 最後に、このこども病院はもともと現地建て替えを検討されていた。国から地域医療再生交付金の提示があって、申請締め切りまでほとんど時間がないという中で、25年度中に着工しなければならず、急遽神戸市と相談してポーアイ2期に決めたと。これは、県の総合事業等審査会で当局が説明をした内容であり、医療的要求から出発した計画ではない。
 交付金を得ながら、用地取得も高くついているし、地盤改良だけでも12億円もかかるという計算になっている。その上、現在のこども病院は、先ほどの質問で少し触れられたけれども、耐用年数を迎える前に処分するということになっているので、病院会計全体には約35億円の欠損金が上乗せされることになっている。35億円の欠損を出しながら、県下の地域医療の疲弊や縮小をもたらしかねない問題だと、私は非常に懸念をしている。移転をやめてほしいという署名が5万筆近く集まって、一度提出もさせていただいたところだけれども、こういった声を無視してこの移転を強行することは、本当に許されないことだと思う。
 政策医療で位置づけた医師確保と適正配置、ここにこそぜひ力を注いでいただきたいと思う。このこと最後に申し上げて、私の質問を終わる。

前のページへ戻る このページの上へ
Copyright(c)2001-2017 日本共産党兵庫県会議員団