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2011年(平成23年)度 決算特別 健康福祉部審査 いそみ恵子
2012年10月11日

介護保険料と財政安定化基金の活用について

■いそみ恵子■ 日本共産党県会議員団のいそみ恵子である。
 介護保険についてご質問する。
 ことし4月、改正介護保険法が施行されると同時に、2012年度介護報酬改定が行われた。施設から在宅へを名目にして24時間対応型の訪問サービスの新 設、老人保健施設への追い出し加算などが行われる一方で、特養ホームなどの施設系や通所サービス・訪問介護などで効率化による削減が行われた。
 中でも利用者に深刻な影響があるのが生活援助、訪問介護の時間短縮と保険料の値上げである。多くの自治体で第5期の介護保険料が引き上げられた。民主党 政権がめざす社会保障と税の一体改革を先取りするように行われたこの介護保険の見直しは、高齢者に負担増を押しつけながら介護現場に大きな混乱と利用サー ビスの切り捨てをもたらし、県民から兵庫県への保険料についての不服審査請求は、10月5日現在で264件から440件へと前年の倍近くに膨れ上がっている。
 既に65歳以上の第1号介護保険料は、兵庫県で基準月額が4,312円から15%アップの4,982円となり、私の地元西宮では4,947円となった。 年金暮らしの高齢者の負担も、本当に限界を超えている。現在、70歳の独り暮らしのTさんは、年金暮らしで年収は106万4,598円から106万 2,530円と、前年に比べて2,068円減少した。にもかかわらず、介護保険料は3万6,800円から4万4,500円と、7,700円も増えている。 医療費の窓口負担も加わり、これ以上の負担などできないと訴えておられた。本当に大変な負担だと思う。
 そこで、このことを当局はどう受け止めてしているのか。保険料が高いと思うが、いかがか、お答えいただきたい。

■高齢社会課長(伊澤知法)■ 平成24年度から26年度の間の第1号の介護保険料については、県平均であるが月額で4,982円となっている。しかしな がら、実際の保険料は6段階に分かれており、低所得者に対しては低い保険料とできるので、最も低所得者の方に対する第一段階の保険料は基準保険料の2分の 1となるなど、低所得者に配慮した保険料としているところである。

■いそみ恵子■ 私は、その保険料が本当に高いという具体例を挙げてお聞きしたが、そういう答弁がなかった。それで介護保険は、給付に必要な財源 のうち公費は半分だけ、それから残り半分はこの保険料で賄う仕組みである。介護サービスの利用が増えれば、高齢者全員の保険料が際限なく上がる。高齢者に とっては本当にむごい制度だと、私はこんなふうに思う。
 だからこそ、さすがの厚労省も、今年度に限り県財政安定化基金を取り崩し、保険料の抑制に活用するとしたのではなかったのか。
 それで今回、県は、基金残高約122億円のうち72億円を取り崩し、そのうち市町拠出分24億円について保険料抑制に使い、1人当たり月額約50円が引 き下げられた。県分について、24億円の半分は保険料抑制に使わずに、介護給付費県費負担金に充当して、残り12億円についても地域振興基金に積み立て、 高齢者の在宅生活支援に使うというふうにしている。
 でも私は、こういう使い方ではなくて、一般財源に組み入れた12億円を含む、この県拠出分24億円についても、さらに財政安定化基金に残した49億円についても保険料軽減に充てられるよう、私は改めて求めたいと思うが、いかがか。

■高齢社会課長(伊澤知法)■ ご指摘いただいた24億円については、2月の県議会での議決もいただいて、24年度の予算として は、取り崩しのうち、2分の1の12億円は介護給付金負担金として充当させていただいており、残りの12億円は地域振興基金として積み立てさせていただいているところである。
 また、安定化基金に残されている49億円については、基金本来の設置目的に必要なものであり、保険料軽減に充てることを目的としており、取り崩すことは市町における介護保険財政の安定的運営を目的とする基金制度の趣旨には反してくるので、なかなか難しいと思っている。

■いそみ恵子■ 今、ご答弁があったが、相変わらずやはり同じ答弁だったと思う。
 それで県の拠出分については、保険料軽減のための市町への交付金とすることが可能ということで、厚労省の方もこのことを言っている。
 それで、この基金に残した49億円については、その3分の1の約16億円は高齢者の保険料そのものである。それで、私はこれも保険料軽減に充てるべきだ と思っている。国も、この問題では今年度に限ると言ってる訳であるので、補正をしてでも高齢者の皆さんのためにもぜひ実現していただきたいと強く要望する ところである。
 既に述べてきた介護保険制度は、財源的に給付を抑えるか、保険料を引き上げるのか、この根本矛盾を抱えている。それで、国レベルでの国庫負担を増やさない限り事態の解決は困難だと思う。
 現状でこの保険料を抑えるためには、市町の一般会計からの繰り入れを行う以外にない。しかし、国が3原則、こういうふうに言って否定的な立場をとってお られるので、市町が積極的に行う状況にはなっていない。であるから、この際この繰り入れを積極的に行えるようにすべきではないかと私は思うが、いかがか。

■高齢社会課長(伊澤知法)■ 介護保険制度は、介護を社会全体で支えるという観点から、社会保険方式という形が採用されており、介護サービス利用者の1 割負担を除けば、公費と保険料で2分の1を負担する制度となっている。したがって、県としても、介護保険の財源として一般会計の繰り入れを行うということ は、介護保険の趣旨に反するというように考えているところである。

■いそみ恵子■ それでは、この一般会計からの繰り入れに対して、ペナルティーというのはあるのか、お答えいただきたい。

■高齢社会課長(伊澤知法)■ 厚生労働省から技術的助言としての通知はあるが、ペナルティーというものはない。

訪問介護の生活援助のサービス切り捨て問題

■いそみ恵子■ 今、答弁があったように、やはりこのペナルティーというのはないということが国会で既に答弁がある。一般会計繰り入れが絶対だめだという訳ではないことを確認しておきたいと思う。
 それで兵庫県として、高齢者の保険料軽減のために、ぜひ知恵を絞っていただきたい。このことを強く私は要望しておく。
 次は、訪問介護における生活援助の時間区分再編によるサービス切り捨ての問題について質問をさせていただく。
 改定介護保険法、改定前は訪問介護の生活援助の時間が60分程度と90分程度の2区分であった。それがそれぞれ20分から45分程度と、それから60分 から70分程度に圧縮されて、利用者の生活に大きな影響が出ている。大変批判が強いので、国の方は60分あるいは45分掛ける2ということで90分の提供 も可能と、こういうふうにしている。
 ところが、事業所によっては一律に60分とか45分とかに切り下げて、もう従来どおりできなくなったというふうに利用者さんに説明しておられる事業所が特に大手の中でかなりあると聞いている。
 従来どおりの提供が可能であるということを事業所に兵庫県は周知しているのか、この点についてお聞きする。

■高齢社会課長(伊澤知法)■ 平成24年度の介護報酬改定により、サービス提供実態を踏まえ、訪問介護における生活援助サービスの提供時間の時間区分が90分以上から70分以上、また60分以上から45分以上に見直された。
 県では、国から通知もいただいており、その通知の趣旨も踏まえ、一つ目には、見直しはあくまで介護報酬上の評価の変更であり、これまで提供されてきた サービスを利用者の意向などを踏まえずに新たな時間区分への適合を強いてはならないこと、二つ目には、適切なアセスメントとケアマネジメントに基づき、利 用者のニーズに応じたサービス提供を行う必要があること、三つ目には、利用者や家族への十分な説明を行う必要があること、こういった点を本年3月に全事業 所を対象とした介護報酬改定説明会において、説明資料に明記するとともに指導も行ったところである。

■いそみ恵子■ 今、ご答弁があった。
 本年3月の説明会で説明もしたし、それから資料も出したということであるが、私が先日お訪ねした事業所の所長さんは、通知をやっぱりご存じなかった。で あるから、やはり国もそういう通知を出されている訳であるので、一律の削減ではなくて、利用料は上がるんだけれども、従来どおりのサービス提供も可能であ るということをやっぱり利用者の皆さんに丁寧に説明するように、事業所にその通知を徹底していただきたいということで、この点について再度ご答弁いただき たいと思う。

■高齢社会課長(伊澤知法)■ 実は現在、介護サービス事業者に対する集団指導をまさに行っているところであり、そういった中でも生活援助サービスの時間 区分の見直しは介護報酬の評価を行う際の時間区分の変更であり、必要なサービス料に上限等を設けることではないことを再度周知しているところである。

■いそみ恵子■ 再度、ぜひ丁寧に対応していただきたいというふうに思うので、よろしくお願いする。
 しかし、介護報酬の時間区分の45分はそのままで、ところが報酬額も大幅に下がるということで、ヘルパーの事業所はどうしても1時間以上のサービスを避けるようになり、利用料も上がるということで、利用者さんも90分提供の利用が少なくなってきているところである。
 実際、厚生労働省がこの間、大手事業所での調査で、従来90分の援助を受けていた利用者のうち60分から70分に切り下げられた、そういう人が9割に上るということ、大多数の方々が時間短縮されたということを明らかにしている。
 兵庫県では、県内の実態について把握しているのか。そして、県として利用実態をつかむべきだと思うが、いかがか。

■高齢社会課長(伊澤知法)■ 利用者のお声を聞く場として、介護サービスの内容や質に関する苦情といった相談の窓口として、介護保険法に基づき県の国民 健康保険団体連合会に窓口が設置されており、こちらの方にもこういった状況があるか聞いてみたが、今のところ生活援助サービスの時間区分に係る相談についてはまだ聞いていないということであった。

■いそみ恵子■ 窓口の利用者さんからの相談は、今、受けていないということであるが、改定前と改定後でこのように提供時間が減らされており、事 業者さんにどんなふうに影響が出ているのか。それから、利用者さんについても、先ほどないとおっしゃったが、やはり高齢者の皆さんはそんなふうに改定されたのかとはなかなか分からないと思う。であるので、ちゃんとやっぱりその影響について、県としてぜひ実態調査を求めていきたいと思う。
 それで、訪問介護、生活援助というのは、ただの家事援助ではない。心身を健康に保って、介護度が上がるのを防ぐ、そういう専門的な仕事である。利用者が在宅生活をする上で欠かせないものだというふうに思う。
 今回の報酬改定で、これまで1時間で区切られてきたヘルパーの生活援助、掃除や洗濯、それから調理や買い物などの家事支援が45分とされて、介護報酬も切り下げられて、大きな反発と反対の声が厚労省にも殺到している。
 先日、私がお訪ねしたヘルパーステーションの所長さんからも、この時間では洗濯は時間ぎりぎりでできても、洗濯物そのものが利用者さんに代わって干せな いんだと。それから、認知症や精神疾患の利用者さんが大変増えているそうである。それで、これまで以上にやっぱり目と目を合わせてコミュニケーションを とっていくのに、その一番大事な時間が削られている。一緒にお料理をすることで症状が保てていたのに、時間がないので一緒にすることができないということ で、そういう苦情が寄せられている。
 兵庫県も国と同じように、施設から在宅へという方針で進められているが、在宅生活に欠かせないサービスが減らされるやり方を県はおかしいと思わないのか。お聞きしたい。

■高齢社会課長(伊澤知法)■ 今回の介護報酬改定については、介護報酬改定は国の方で行われるが、国の給付費分科会などでも、 生活援助サービスの利用の大半を占める掃除、調理、洗濯等に要する平均時間が、おおむね45分未満であったことなど、サービス提供の利用実態や利用者負担 軽減の観点から見直されたものというふうに承知している。
 したがって、現時点では、県として国に対して時間区分の見直しについての要望を行うことは考えていないところである。

■いそみ恵子■ 本当に大変冷たい答弁だと思った。
 それで、ヘルパーステーションの所長さんにお聞きすると、目と目を合わせて利用者さんの健康状態、それをまずやっぱり見る。その時間がとても大事であ る。だけどこの45分では、とりあえず洗濯物を洗濯機に入れて、それを回しながら食事も作る。利用者さんの方も、本当にお話を聞いてほしいということで待 ちかまえているが、そういう時間がとれないというのは、私はやっぱりこの問題は本当に深刻だと思う。
 それで、介護報酬改定は実施されたが、現場での混乱というのは今なお続いている。それで、介護サービスの当事者である利用者さんの生活が脅かされている ので、時間短縮の原因となっているこの介護報酬の時間区分切り下げを撤回し、そしてもとの報酬に戻すよう、私は国に働きかけていただきたいと思うが、いかがか。

■高齢社会課長(伊澤知法)■ 繰り返しになって恐縮であるが、国の方で科学的なデータも集めながら議論した結果というふうに今の段階では受け止めているので、私どもの方から、今、国の方にそういった要望を行うことは考えていないところである。

■いそみ恵子■ 国の方には働きかけないということでご答弁をいただいたが、私、先ほど、実態をつかむべきだと、ちゃんと実態調査しなさいよとい うことも言ったが、その点については相談窓口もあるからそれでいいんだということだが、やっぱり現場の実態を調べずにそういうことを言うべきではないと思 う。
 調べれば、この報酬改定の内容がどんなにやっぱりひどいものなのか、利用者さんの生活を脅かしているんだということが分かるはずである。ぜひ県内の実態を調査して国に求めていただきたいということを強く要望しておく。

介護職員によるたんの吸引等について

■いそみ恵子■ それで、最後の質問であるが、改定介護保険法で、たんの吸引などの医療行為の一部が介護職員に解禁されることになった。もともと重大事故につながりかね ない可能性を指摘する声、それから介護職員の労働強化を招く心配があることから、慎重な対応を求める声があったにもかかわらず、そうした不安に十分応えな いまま制度が決められてしまった。拙速に制度をスタートさせているために、今、現場では混乱が起こっている。職員の研修が間に合わないのである。それで、 利用者さんの本当に必要なサービスをやりたいんだけれど、利用者さんの受け入れを断らざるを得ない事態も起きている。
 県の行っている研修事業の件数等を見させていただいた。昨年度で申込者数1,854人に対して募集は150人で、今年度は1,941人に対して募集 423人と、研修が全く現場の声と同じように追いついていない。それで基本研修、その後の実施研修の指導要員さんもやっぱり足らないので、これを増やして 研修回数も大幅に増やして十分な研修を保障すべきだと思うが、いかがか。

■高齢社会課長(伊澤知法)■ 介護職員などによるたんの吸引等の行為が円滑に実施できるよう、県は平成23年度から兵庫県看護協会に委託し、養成研修を実施している。
 平成23年度は、厚生労働省からの実施通知が10月となり、期間が非常に短かったことから、県として努力はしたが、在宅における特定の方を対象とした研 修は50人、それから入所施設等での不特定の方を対象とした研修は100人の募集人数にとどまり、確かに希望者の多くが受講できないという事態であった。
 この状況を踏まえ、24年度は特に希望の多かった特定の方を対象とした研修の募集人数を240人と約5倍に増やすとともに、本年9月には西宮市内の法人を新たに特定の方を対象とした研修の実施機関として指定し、さらに特別支援学校教員向けの研修体制の充実も図っている。
 今後とも、研修機会や受講しやすい研修体制の確保に努めたいと考えている。

■いそみ恵子■ 今、ご努力はしていただいているということだが、やっぱりまだまだ足らない。現場の方も、本当に必要な、特に重症の方への対応は、もう本当に早くしてあげたいんだけれど、なかなかやっぱりできない。
 だから、研修が追いついていないということで、利用者さんをもっと事業所の方も受け入れてあげたいんだけれど、できていないということである。研修が遅 れているということで、ぜひこれについては県として、今、ご答弁もあったが、実地研修の指導要員さんも増やしていただく、それから回数もやっぱりもっと増 やしていただいて、十分な研修を保障していただくということで、このことを強く要望して私の質問を終わる。

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