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2009年(平成21年)度決算特別委員会健康福祉部審査 星原さちよ
2010年10月12日

児童虐待対策の強化を

■星原さちよ■ 兵庫県も含めて全国で起きている児童虐待の死亡事件のニュースには、何ともやりきれない思いをどなたもお持ちだと思う。一般質問でも複数の方が取り上げられたが、その問題点がどこにあるのか、こういう視点に立って質問をしたいと思う。
 まず、こども家庭センターの専門員の増員についてである。こども家庭センターに対する相談は、特に虐待の数が年々増えている。10年前の平成11年に 375件、5年前の平成17年には744件であったのが、21年には1,176件になっている。実に10年前の3倍以上である。この間、県は川西こども家 庭センターの独立設置などに取り組んでこられた。しかし、現場の状況は、なお非常に厳しいものがある。虐待の問題は、一面的ではなく複雑化し、対応が難しいケースが増えていることから、児童福祉司や心理判定員の負担が増大しているのが現状である。
 兵庫県は、児童福祉法施行令第2条に定める、児童福祉司の配置標準を何とか満たしているが、大きな都市を幾つも抱える県としては、相談件数に応じた児童 福祉司の増員が必要ではないだろうか。また、心理判定員の役割は、子供と親の支援にとって、非常に重要性が増してきている。厚生労働省の「今後の児童家庭 相談体制のあり方に関する研究会」が2008年にまとめた報告書では、児童福祉司と同数を配置すべきとしている。
 しかし、兵庫県の心理判定員は35人で、児童福祉司の半分以下である。児童福祉司、心理半定員ともに大幅に増やすべきときではないか、いかがか。

■児童課長(竹内良二)■ こども家庭センターでは、尼崎市での虐待死亡事件を踏まえた取り組みの一環として、平成14年4月から児童福祉司の専門職員採 用を再開している。本年度までに35人を採用し専門性を高めるとともに、国の交付税基準を、おっしゃったように上回った配置をしている。
 さらに、心理判定員についても、発達障害児への対応強化のため、必要な職員の増員・配置に努めてきたところである。
 今後とも、こども家庭センターの業務の運営に支障を来さないよう適正な人員配置に努めていきたいと考えているので、よろしくお願いする。

■星原さちよ■  標準を超えているということであったが、5万人から8万人というのは標準ぎりぎりである。ほんのちょっとだけ上回っているという ぐらいなんで、国の基準はそれでも人口当たりという基準になっている。しかし、英米の方では、児童人口に応じて配置する。これは、専門家の間でも常識に なっている問題である。命がかかる問題である。優先的にこの体制をもっと強化すべきであるということを申し上げて、一時保護所の拡充に質問を変えたいと思 う。
 県は、1993年に県下4ヵ所にあった一時保護所を中央こどもセンター1ヵ所に統合した。そのために、児童と面談するにも阪神からだと半日かかる、但馬 からだと1日がかりだということで、児童福祉司、心理判定員などの負担がさらに大きくなっている。何よりも子供が住んでいたところから離されて、在所期間 が長くなれば、学校にも行けない状況も起こっている。また、一時保護所では夜間、5人体制で臨んでいるということであるが、無断外泊もあるようである。つ まり、5人体制でも十分ではないということではないだろうか。21年度の一時保護人数であるは、中央こどもセンター担当で146人に対して、西宮と川西の 担当の合計では226人と、阪神間が中央の1.5倍になっている。全国的にも、保護人員、平均在所日数ともに増加傾向にあるが、実際に中央の一時保護所で も対応し切れなくて、一時保護委託が229人にもなっている。親から離れた子供たちが不安を和らげられるように、阪神間や西播地域に一時保護所を設置すべ きだと考えるが、いかがか。

■児童課長(竹内良二)■ こども家庭センターの一時保護所については、専門性が高い行動観察や対応が求められたこと、また児童の行動観察に必要な集団の確保、夜間の管理体制の確保のために、中央こども家庭センターの1ヵ所に統合したものである。
 また、一時保護所の利用については、平均が1日当たり29.9人ということであり、定員が40名ということであるので、現在のところ、保護所で十分対応 できていること、また遠隔地ということもあるが、交通状況の改善により迅速に輸送や連絡ができるということもあり、現在のところ、一時保護所を新たに設置 する必要性はないというふうに考えている。
 よろしくお願いする。

■星原さちよ■ これだけの面積を持つ兵庫県である。保護所が1ヵ所というのは、やっぱり無理が出てくると思う。そこに働いている人たちにお聞き すると、いろんな問題点があるということが指摘されている。やはり、一時保護所をもう1ヵ所、2ヵ所どうしても必要ではないかということを申し上げて、次 に移る。
 市町との連携の強化についてである。
 2005年から児童虐待への対応の一時的役割を担うようになって5年になる。その間、県と市町との連携の努力がなされてきたようであるが、まだ手探りの 面もあるようである。ある市のこども家庭支援センターでお聞きすると、市の担当はこれまで非常勤が4人で、児童福祉司の資格がないということであった。そ のため、ケース会議で判断できないことがある。ぜひ、県からも出席していただきたい、こういう強い要望があった。
 ケース会議というのは、一人一人の子供たちの実情を把握し、具体的な支援計画を立てる会議である。専門家の意見が必要であることから、要保護児童対策地域協議会や実務者会議だけでなく、ケース会議にも県から出席すべきだと思うが、いかがか。

■児童課長(竹内良二)■ 現在、児童相談の一義的な窓口は市町ということになっており、市町においても人員の確保とか質の向上には努めていただいている ところであるが、委員おっしゃったように、嘱託であるとか人員が少ないということもあって、こどもセンターの方では人員の確保の働きかけや、また市町の職 員を対象とした専門研修などで、資質向上に努めているところである。
 さらに、各要保護児童対策地域協議会のケース会議には出席しており、そこで個別の処遇の検討をしながら、資質の向上に努めているところであるが、さらに、各市からの要望があれば、個別ケースの検討など、アドバイスも今後やっていきたいというふうに考えている。

■星原さちよ■ 市の方から要請があればということであるが、市の方は原則としてというか、必ずとまでは言わないけれども、原則として参加してほ しい、それでなければ、自信を持った方針を立てることができないという不安な状況というのもある。積極的に参加できるような体制を作っていただきたいと思 う。
 それでは、学校との連携強化についてである。
 学校からの受け付けは、21年度で全県で283件あった。この前年、前々年などもかなりの数であるが、数年前の件数の中に、実は宝塚で放火事件を起こし た女子高校生の1件があったそうである。この事例の発端は、女子生徒が中学生のとき、学校から市のこども家庭支援センターに通告があって、それを県にも通 告したが、その後そのままになっていた。その結果、事件が起きたわけであるが、こういった事例というのはたくさんあると思う。そして、事件になって改めて 「ああ、あのことか」というふうなことというのもあると思う。
 こういう点から考えれば、特に学校からの通告に対しては、県から再度「どうなっているか」という打診というものをしていく情報の交換というのを綿密にやっていく必要があるのではないかと思うが、この情報交換をする体制を作ることについては、いかがか。

■児童課長(竹内良二)■ 学校との連携については、学校から直接こども家庭センターに通告や相談があったケースについては、緊急な保護を要する場合もあるので、センターとしても速やかな対応をしているところである。
 また、市町どまりのケースについても、各市町の方で要保護児童対策地域協議会において情報を共有しているところであるが、委員おっしゃったように、この 宝塚の事例について、こども家庭センターには事前に学校の方から、子供が帰りたがらないということもあって、学校訪問するという情報は入っていた。ただ、 学校の判断としては、在宅の養育困難ということではなくて、一時保護に消極的であり、また在宅での養育は可能ということで、こどもセンターの方としても一 時保護を要するような緊急な状況であれば、センターへすぐに連絡するようにということで指示を行っていったが、その後、相談や通知はなかったというふうに 聞いている。
 なお、こういったケースについては、文部科学省の方からも学校の方に対して、虐待の早期発見なり通告、また関係機関との連携、情報交換、また要保護児童 対策地域協議会への積極的な出席等について、通知がなされているので、今後、積極的に情報交換を進めていきたいというふうに考えている。よろしくお願いす る。

■星原さちよ■ 学校の場合は、卒業していくので、卒業していったら、もう本当にそのままというケースが多くなると思う。そういうことでいうと、 やはり特に学校から通告があった場合には、家に帰らせて様子を見るということであったとしても、その後の対応というのを怠りなくやっていくという体制を 作っていただきたい。今、前向きな答弁をいただいたが、さらに頑張っていただきたいと思う。
 次に、母子保健の強化と保健所の役割についてである。
 21年度に、市町の保健センターで実施した乳幼児健診の未受診率を見ると、全県の乳児で3.5%、1歳6ヵ月児で4.8%、3歳児で6.6%という数字 が出ている。この受診しない事情というのはいろいろあると思うが、その中に、ひょっとして虐待が潜んでいるのではないかと、こういう観点から今問題になっ てきていると思う。
 そこで、県は、市町に対して、虐待防止の観点からも未受診児対策をすべきではないかと思うが、いかがか。

■健康増進課長(柳瀬厚子)■ 平成21年度の乳幼児健診の受診率は、委員ご指摘のとおりであるが、いずれも高いレベルにある。これらの健診未受診者は合 わせて7,324人となっている。これらの未受診者に対しては、市町の保健師また民生児童委員等が家庭訪問し、受診勧奨を行っている。また、医療機関から の情報提供等を合わせると、その95%、6,932人は状況を把握している。このうち、養育上支援が必要な親子については、市町保健師の訪問により、継続 的な支援を行うほか、県こども家庭センターなどの関係機関につないでいる。さらに、健康福祉事務所においては、未熟児や親が精神疾患を抱える乳幼児等、養 育上支援が必要な親子への家庭訪問を行うなど、市町と連携しながら児童虐待防止に努めているところである。
 今後も市町に対しては、未受診児の状況把握と受診勧奨の強化を働きかけるとともに、養育上支援が必要な親子について、医療機関からの情報が早期に市町へ 提供されるよう、関係者を集めた会議を開催して、ネットワークの強化の検討を進めるなど、未受診児への対応を含めた児童虐待防止に努めていきたいと考えて いる。

■星原さちよ■ ぜひ、しっかりと市への指導も行っていただきたいと思う。
 この虐待防止についての最後の質問である。
 家庭訪問事業についてであるが、子育ての孤立化を防ぐために、乳児のいるすべての家庭を訪問する「こんにちは赤ちゃん事業」というのが全市で取り組まれ ている。子育てに不安を抱えている家庭、そして育児支援が必要となっている家庭に対しては「養育支援訪問事業」というのが行われているが、これは30市町 だけで、未実施が11市町ある。これも、何が原因なのかというのは把握できていないが、この問題もやはり重要視していかなければならない。これも虐待防止 の観点から、全市町で実施できるように、例えばそのための研修を県が責任を持って行うなどすべきだと思うが、いかがか。

■健康増進課長(柳瀬厚子)■ 児童虐待防止のための養育支援訪問事業については、育児支援が必要な家庭に保健師等の専門職やホームヘルパーが訪問し、育 児支援や家事援助を行うものであるが、県下で30市町が実施しているが、そのうち、保健師またはホームヘルパーの片方のみが実施しているところが16市町 あるので、今後は専門的支援と家事援助の両面から対応を働きかけていきたいと考えている。
 また、未実施の市町については、11月中に市町に出向いて、実態を詳細に把握し、事業開始に向けた助言指導を行うこととしている。
 さらに、養育支援訪問事業に従事する保健師を対象として、児童虐待防止について研修を実施するほか、親が精神疾患を抱える事例等については、健康福祉事務所の保健師が同行訪問を行うなど、引き続き、市町を支援していきたいと考えている。

■星原さちよ■ この問題もぜひよろしくお願いする。
 この虐待の問題は、その背景がいろいろ複雑だと思う。雇用の問題、そして貧困や地域での孤立の問題など、さまざまな問題が潜んでいると思う。そういう意 味では、行政だけで解決はできないという課題があるのは明らかである。その行政と地域が一体となった取り組みがぜひ必要だということであるが、現場の視点 に立てば、やはり何といっても人を増やすというのが重要ではないかと思う。
 その点、県がしっかりと主導していただきたいということを申し上げて、次の問題に移らせていただく。

被爆者援護について

■星原さちよ■ 次に、被爆者援護の問題である。
 多くの被爆者は、65年たった今も、がんを初めさまざまな病気を発症し、死の恐怖におびえながらの生活を余儀なくされている。原爆症認定訴訟を通じて、 政府が解決を約束したが、原爆症と認定されるのは被爆者のほんの一握りで、大量の申請却下が続いている。政府の対応が問われているが、県としても被爆者の 支援に一層力を入れるべきときではないだろうか。
 原爆症認定が行われているのは、被爆者健康管理手帳を持つ人の数%にすぎないが、さらに手帳さえも持っていない被爆者が多く残されていて、最近、支援団 体に手帳を申請したいという相談が増えている。それは、さまざまな病気を抱えている被爆者が昨今の医療費負担増に耐えられず、医療費免除を受けたいと考え たり、差別や偏見から家族のために被爆者であることを隠してきたけれども、65年たった今、その必要がなくなった、こういうことのためではないかと思う。
 県の被爆者相談室への相談件数も07年度の7,664件から、昨年度は9,638件に増えており、手続、医療に関するものが多いことからも、そのことがうかがわれる。
 県が手帳の審査、認定をするとき、疑わしきは被爆者の有利にという立場で行ってほしいのであるが、そうなっていないと思われるケースが発生している。
 ある被爆者は、親族が既に手帳を取得していて、先に申請した親族の申請内容に記憶違いがあると思われる内容が含まれているのに、それと矛盾するとして却 下された。また、ある方は、軍歴記録を持っていて、当日、爆心地へ入ったことが記されているのに、確認がとれないとして却下された。ほかにも同様の却下事 例が発生しているが、これらの中には、本人の話を詳しく聞けば、被爆の事実は明らかだと思われる例がたくさんある。
 そこで、審査会の際、書類だけでなく、本人が証言する場を設けていただきたいと思うが、いかがか。

■疾病対策課長(田所昌也)■ 被爆者健康手帳認定の申請に当たっては、一つに、当時の罹災証明書等公的な機関が発行した証明書、二つには、当時の書簡や 写真等の記録書類、三つ目として、市町村長等の証明書のほか、これらがない場合においても3親等以内の親族を除く2名以上の証明を徴することとなってい る。
 なお、これらの書類がいずれもない場合においては、本人以外の者の証明書または本人において当時の状況を記載した申述書並びに誓約書等に基づき、県においてほかの都道府県や関係機関に事実確認を行い、申請書の補充を行うなど柔軟な対応を行っているところである。
 県では、これらの申請書類について、申請者の当時の状況に係る状況を積極的に確認させていただいた上で、手帳を交付させていただいているところである。
 本人の証言については、申請書等を提出していただくことにより、審査会で活用させていただいているような現状である。

■星原さちよ■ 話は聞いていただいているということだが、問題は、その審査会のときに意見をちゃんと聞いていただきたいということだが、もう一度お答え願いたい。

■疾病対策課長(田所昌也)■ 申請に当たっては、相談室等の職員が申請の書類等、その経緯等について綿密に本人より聴取を行っている。その中で必要な内 容については、申請者に聴取させていただいている状況であり、それらを最終的に判断させていただく場として審査会をさせていただいているところであるの で、事前の聴取において、必要な本人からの申し立てについては、証明書等を活用させていただいているような状況である。

■星原さちよ■ あくまでも審査会では、それはしないというお答えだと思う。ぜひ、今後こういう審査会でも話を聞いていただきたいということを再 度申し上げて、その申述書というのを今おっしゃったが、この申述書というのは、申請書を出すいろんな書類の中にはっきりと書いてあるのか。

■疾病対策課長(田所昌也)■ 被爆者の健康手帳の交付については、申請書等、そのほか証明書に当たるものとして軍歴証明書や在職証明書等を例記させていただいている。
 まずは、これらの申請書を提示していただくということになる。その証明書は必要により本人より申述書等を提出してもらっているような状況である。こちら については、ただ単に申請を受け付けるということではなく、まず、提出された内容を相談室において相談させていただきながら、必要なものをできるだけ補完 していただくよう、本人にご相談、ご支援させていただいているような状況である。

■星原さちよ■ もう一度確認をしたいと思う。
 第三者2人以上の証明というのは条件としてちゃんと書いてあるが、この証人がいなければ、申述書でもいいですよということを明確に書いてあるのかどうか、もう一度お答え願いたい。

■疾病対策課長(田所昌也)■ ひとまずは、被爆者の証明書、そのほか申述書等を提出していただくように受付の方でさせていただいているところである。そ の内容について、必ずしも不足があったら受け付けないというものではなく、まずは相談室の方に相談していただきたいと広く門戸を開けさせていただいて相談 を受け付けさせていただいているところである。
 これらについては、原爆の団体等を通じて、広く周知させていただいているところなので、この手帳についてのご相談があれば、この相談所の方に相談していただきたい、その中で、引き続き、申請についての支援をしていくというふうなことで考えている。

■星原さちよ■ 結局は書いてないということではないか。それをしっかり書いておかないと、その説明だけを見たら、証人がなかったらもうだめかとあきらめる人がいる。だから、それを明確に書いていただきたいということを申し上げておく。
 まだあるがもう時間がない。
 この被爆者の問題、平均年齢が76歳、70代、80代の人がほとんどである。もう後がないという思いが非常に強い人たちばかりである。せめて、この健康 手帳がスムーズに手に入れられるような思いやりのある行政というのをやっていただきたい。それを扱う職員の方も、正規職員を雇っていただいて、本当に詳しい対応をしていただけるような体制を作っていただきたいと思う。

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