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2007年(平成19年)度決算特別委員会病院局審査 杉本ちさと
2008年10月17日

1.「新行革プラン」と県立病院について
・ 塚口病院と尼崎病院の「統合・再編」問題
・ 西宮病院のネットワーク化、等
2.病院構造改革推進方策(改訂版)について
3.「県立病院改革プラン」について


県民の命と医療を守る公的な 責任を果たす県立病院を

塚口病院と尼崎病院の「統合・再編」問題など

■杉本ちさと■ 早速質問に入らせていただく。
 まず、塚口病院の決算についてお伺いする。
 医業収益と費用の比率である医業収支比率が、平成15年には89%、16年85.7%、17年88.7%、18年78.3%、19年80.4%となって いて、17年度から18年度、そして19年度にかけて80%前後に比率が落ちているが、県はその原因をどのように考えているか。

■井上経営課長■ 医業収支比率、これは分子を医業収益、分母を医業費用とした比率である。まず、その分子である医業収益、これは15年度と19年度 を比較すると約4億1,000万円減少している。その主な要因は、入院患者数がその期間で2万7,000人減少したことによるものである。
 他方、その分母である医業費用のほうは、逆に1億600万円増加している。その増加した要因であるが、材料費は収益の連動により約2億4,000万円 減っているが、退職給与金が1億4,600万円増加するとともに、医師の給与関係経費が約2億400万円増加したことによる給与費の増加、これにより、分 子である医業収益が減少したにもかかわらず分母の医業費用がふえたということで、医業収支比率が低下したところである。

■杉本ちさと■ 塚口病院の医業収支比率が悪くなったのは、診療科が再編され、塚口病院から尼崎病院に呼吸器と脳神経外科が移ったことによっ て、もともと診療点数で15%も占めていたものがなくなったからであり、塚口病院の収益が悪くなるのは当然だと思う。
 また、医業収益に占める職員給与費の割合比率、人件費比率であるが、これは、17年度が65.4%から19年は75.7%と上がっているが、塚口病院の 給与費は、総額で36億円から37億円へと余り変わっていないのが現状である。医業収益の方が53億円から47億円へと大きく下がっている。
 人件費比率の指標が悪くなっている原因は、給与費よりも医業収益が減っていることが大きな要因と考えるが、県はどのように見ているか。

■井上経営課長■ 人件費比率が上昇していることのご質問である。委員ご指摘のとおり、分子である人件費は、17年度と19年度、診療機能を見直す前 の金額で比較すると、約1億5,000万円増加したところである。その増加した原因は、医師の給与関係経費が9,700万円、退職金が6,400万円増加 した。また、法定福利費の負担率が上がっていることによって3,600万円増加したことによるものである。
 他方、分母の医業収益は、入院患者が2万7,000人減少したということで、医業収益が5億3,000万円程度減少したことにより、先ほどと同じよう に、分子である給与費が増加したにもかかわらず、分母の医業収益が減少したことによって人件費比率は上昇したと考えている。

■杉本ちさと■ 答弁にあるように、人件費が少しふえているが、大きな要因は医業収益が減少したことによるということである。やはり国の医療構 造改革や県自身が進めた診療科の再編などによって、塚口病院の医業収益が落ち込んだ、経営指標が悪くなったということは明らかだというふうに思う。
 新行革プランでは、総合的な診療機能が低下しているとして、塚口病院と尼崎病院を統合再編する案とし、小児、周産期を支える麻酔科や内科、整形外科等の 医師不足で十分な救急対応がとれないと、行革特別委員会の答弁でも説明されているが、塚口病院を総合型病院から高度専門の病院に特化させたのは、県みずか らが進めた基本方向によってであり、それが十分な救急対応をできなくさせているのではないか。

■中島企画課長■ 県立病院は広域自治体立病院として、高度専門・特殊医療を中心とした政策医療の提供及び他に中核となる医療機関がない地域における 地域医療を確保する、こういう役割が求められているところである。
 その中で、塚口病院については、委員ご指摘のとおり、平成17年2月に策定をした「県立病院の基本的方向」に基づき、成育医療を中心した病院へ診療機能 を充実することとして、地域周産期母子医療センターの指定、あるいは小児救急輪番日の拡充、さらには阪神圏域小児科2次救急の後方支援など、小児医療、周 産期医療等の充実を図ってきたところである。
 しかしながら、全国的な医師不足あるいは偏在という状況の中で、麻酔科医やその他の関連診療科の医師が減少し、救急や合併症への対応には課題が生じてき ている。
 医師については、今後の確保も非常に難しく、また施設の老朽化、狭隘化等の問題もあり、小児医療や周産期医療等の高度専門医療のより一層の充実を図ると いうことが困難な状況になってきているところである。これは、診療科を再編統合したことによるものではなく、全国的な医師不足の中で起こってきたものだと いうふうに考えている。
 そのため、尼崎病院と塚口病院の統合再編を行うことで、麻酔科医師の活用あるいは関連診療科との連携による安定的な小児救命救急医療を24時間実施でき る体制の構築、あるいは合併症を持つ母体への総合的な医療の提供など、小児医療、周産期医療の充実を図り、県立病院としての役割を果たしていきたいと考え ているところである。
 なお、この問題に関しては、今後外部委員会で慎重に検討していただくということにしている。

「県立病院改革プラン」について

■杉本ちさと■ 統合先とされる尼崎病院でも医師が余っているわけではない。麻酔医でも足りなのが実情である。統合再編しても尼崎病院への負担 がふえるだけで、診療機能が充実するわけではない。充実するという根拠や保証はどこにもない。
 塚口病院、尼崎病院の統合再編案は、県民の立場に立って地域医療の状況をよく検討して、県民参加で振り出しに戻って検討すべきと考える。
 先ほど、今後、外部委員会で検討していくというふうな答弁であった。これから検討されるかのように言われるが、実際はそうではない。国の「公立病院改革 ガイドライン」に基づき、今年度中につくる予定の県立病院改革プランの検討部会が、ことし2月に発足し、各県立病院の改革の方向性や、再編・ネットワーク 化や経営形態の見直し、各病院長や管理局長にヒアリングするなど、そこで既にいろいろと議論がされている。
 部会長などメンバーはどうなっているか。また、会議はこれまで何回開き、住民に公開されているのか。

■中島企画課長■ 県立病院改革プランの策定に当たっては、専門的かつ慎重に検討を進める必要があることから、県立病院の運営状況に熟知をされている 方、あるいは病院経営の専門家等の方から助言、指導を求めることとして、県内医療機関関係者や大学関係者などから成る検討委員会を設置し、これまで5回協 議を行い、各病院の果たすべき役割であるとか、経営の効率化、再編・ネットワーク化等の観点から検討を行ってきていただいているところである。
 県立病院改革プランは現在検討を行っている最中であり、いわゆる公開等の問題であるが、県の内部における審議、検討または協議に関する情報であり、公に することにより率直な意見の交換もしくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある場合、これについては公開しないことができるという県の情報公開 条例の規定に基づき、委員会の審議内容については非公開の取り扱いにするということにつき、当該委員会でそのように取り決めをしているところである。

■杉本ちさと■ メンバーについてお聞きしたが、部会長は前の病院事業管理者の後藤氏である。この部会では、各病院ごとにプランを決める会議を しているので、当然、新行革プラン二次案に盛り込まれた塚口病院の統合再編なども議論されているはずである。
 また、県立西宮病院と西宮市立中央病院、芦屋市立芦屋病院のネットワーク化や役割分担なども議論されていると考えられるが、このような県民にとって大変 重要なことが非公開の会議で議論されているのは大変問題だと思う。
 しかも、責任者である後藤氏は、もとの病院事業管理者であるから、これまでのみずから進めてきた方向、県立病院の診療科目の特化や再編などによって生じ た問題点を県民の立場からチェックするということができないのではないか。以前に後藤氏が進めた県立病院のあり方検討懇話会も、県民に非公開、密室で議論 がなされ、「県立病院の基本方向」がつくられた経緯がある。
 今度も、医療の問題がこれだけ社会的問題になっているときにもかかわらず、県民の命と健康にかかわる重要な県立病院の問題を、またしても県民に公開せず 進めていることは、改めるべきと考える。
 これまでの会議の資料や議事録、今後についても公開を原則にすることを求めるが、どうか。

■中島企画課長■ 検討部会についての公開ということであるが、先ほど答弁申し上げたとおり、検討部会で現在検討を行っている最中である。これについ ては、委員会の決定において非公開と取り扱いを決めているところである。
 なお、最終的には、これから改革プランとして策定されるに当たり、最終的にはパブリックコメント等の手続を踏むことになるので、その際には皆様から広く ご意見をいただけるというふうに考えているところである。

「病院構造改革推進方策」改訂版について

■杉本ちさと■ 公開を改めて求めたいと思う。
 次に、「病院構造改革推進方策」改訂版について質問を行う。
 2005年に出された「県立病院の基本方向」は、高度専門を担う政策医療を県立病院の役割であると強調して、総合型の病院や地域医療、一般医療への責任 を後退させる方向が出された。
 我が党は、この基本的方向について、案が出されたときから間違った方向だと指摘をしてきた。そのことが、今の医療崩壊という現実の中で一層明らかになっ てきていると思う。
 県民は、安心して医療を受けられる公立病院を求めている。地域医療を総合的に担ってきた病院、塚口病院もそうであるが、その病院が一方的に地域医療の機 能を後退させるようなことがあってはならない。
 今、パブリックコメントがされている「病院構造改革推進方策」の改訂版の病院事業の基本理念の中には、より良質な医療の提供として、高度専門・特殊医療 を提供する他の医療機関との機能分担をうたっているが、前の推進方策にあった「総合型病院」という言葉がすっかり消えている。これは、今後は総合型の県立 病院は必要ないという意味か。

■中島企画課長■ 「病院構造改革推進方策」であるが、平成15年に策定をして以来、病院事業を取り巻く環境に大きな変化があったことから、今回この 改訂版を策定することにしたものである。
 当初の「病院構造改革推進方策」、平成15年に策定したものについては、より良質な医療の提供等の基本理念を掲げている。今回の「病院構造改革推進方 策」の改訂版においても、この基本理念等については変更しているものではない。
 なお、「総合型病院」という言葉が取れているということであるが、これについては、医療法等の改正において、現在「総合型病院」という文言を使用してい ないということから、そういう文言を使用していないということである。

■杉本ちさと■ 柏原、淡路、加古川、塚口、尼崎、西宮などの総合型の県立病院は、地域医療にとって重要な役割を担っており、地元や地域住民、 開業医などは、頼りになる総合型の病院として充実することを切実に願っている。
 次に、改訂版の中には、独立行政法人の問題も、経営形態の検討として書かれている。メリット、デメリットが検討内容として挙げられているが、非公務員型 は、職員給与に能力給与が導入でき、そのため採算性を優先させることはたやすくなる。また、独立行政法人化になれば、公務員型でも人事委員会勧告の対象外 になるため、どちらにしても給与の引き下げが容易になる。
 しかし、公立病院は、民間病院とは違って不採算医療も担うことが求められ、職員も公務員として身分が保障され、住民に奉仕する立場で働いているからこ そ、住民は安心して医療を受けることができる。
 しかし、独立行政法人では、このような公立病院としての役割を果たすことが困難になってしまうのではないか。

■中島企画課長■ 病院事業の運営形態であるが、地方独立行政法人制度のメリット、デメリット等を整理して、他の府県の病院事業の運営形態の状況も踏 まえながら、本県病院経営にふさわしい運営形態の検討を行ってきたところである。
 なお、その中で、地方独立行政法人化のうちの公務員型の問題であるが、これについては、いわゆる医療観察法第16条に基づく指定入院医療機関、この指定 を受ける場合に限り現在設立許可が行われているという状況である。そういった現状から、今回の構造改革推進方策においては、本県病院事業の運営形態として は想定をしていないということである。

■杉本ちさと■ 最後に、構造改革路線、民間にできることは民間に、民間手法の導入などといって、公的サービスの後退が進められてきた。しか し、その路線の破綻がいよいよ明らかになっているにもかかわらず、新行財政構造改革推進方策、県立病院改革プラン、「病院構造改革推進方策」など、兵庫県 は構造改革路線のオンパレードである。国の構造改革、それの医療分野の医療構造改革の流れを変えることこそ今求められている。
 医師会なども含め、世論と運動で医学部定員の削減を撤回させた。今、社会保障費の毎年2,200億円を抑制する政府の方針を撤回させるための運動が広 がっている。県立病院事業を苦しめている原因は、医療構造改革自体と、それに追随している県の姿勢にある。
 一般医療も専門医療も、どちらも県立病院としての役割をしっかりと果たして、充実する方向こそ県立病院再生の道ではないか。県民の命と医療を守る公的な 責任を果たす県立病院をめざすことを改めて主張して、質問を終わる。

兵庫県議会のサイトからこの発言の録画をご覧いただけます。

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