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2007年(平成19年)度決算特別委員会健康福祉部審査 杉本ちさと
2008年10月9日

国保の無保険をなくし、収納向上による交付金をやめること

1 国民健康保険について
(1) 保険料について
(2) 収納対策の問題と県調整交付金について
(3) 健康保険証の発行について
2 救急医療について
(1) 姫路の救急医療体制の問題について
(2) 地域救命救急センターについて


■杉本ちさと■ 社会保障制度として発足した国民健康保険に対して、国は市町の収入に占める国庫負担の割合を5割から3割に下げ続けてきた。国民健康保険料が高くて困る、ことしもまた大幅な値上げになった、払いたくても払えないという声が今たくさん出ている。そして、高過ぎる保険料に多くの県民が苦しんでいる。滞納世帯数がふえ続ける中で、県下では19万6,629世帯もある。加入世帯の約2割にもなるわけであるが、これだけ滞納世帯がふえ続けているのは、なぜだと県は考えているのか。

■森 医療保険課長■ 国民健康保険においては、収納率の低下が近年叫ばれてきたところであるが、昨今、各市町の取り組みもあり、収納率が若干上がっている。したがって、滞納世帯数の数字のみで国民健康保険がどうこうというのは言えない。総論としては、いわゆる無職者、年金のみの収入の方がたくさんおられるということや、被用者保険、社会保険というサラリーマンの方のグループで会社を失職、退職されて国民健康保険に入ってこられる。その瞬間所得が少なくなっているので、そういったことが要因ではないかと思っている。

■杉本ちさと■ そのとおりで、滞納している人は悪質な人ばかりではない。保険料が高くて、払いたくても払えない、苦しい事情の人がたくさんいる。県下の国保加入者の所得は、9年前から22万円も下がっているのに、保険料はどんどん上がり、姫路市では所得200万円の4人家族で32万3,710円にもなる。介護分も入れれば38万8,860円にもなるが、200万円といえばワーキングプアと言われる所得である。4人家族、夫婦2人と子供2人と仮定すると、子供たちにも食べさせなければならない、教育費も必要である。生活費だけでも足りないという所得で、これだけの保険料が払えるだろうか。払える保険料にするということが本当に必要だと思う。
 我が党の一般質問の答弁では、法令に基づく負担金や国庫減額分を対象とした補助金等の支援をしていると言われたが、保険料の引き下げにはつながっていない。引き下げにつながる県の補助が本当に今必要だと思うが、どうか。

■森 医療保険課長■ 国民健康保険制度については、市町が運営責任を持っており、県は広域自治体として、法令に基づき制度運営に係る技術的助言と財政支援を行うこととされている。
 このため、県は国保財政の安定化や保険料軽減のため、法令に基づく保険料軽減の4分の3を負担するとともに、県単独の助成制度として国庫負担金の減額分に対する補助金等により必要な支援を行っている。
 そういったことから、引き続き市町に対して、財政支援や制度運営に対する助言を行うことにより、国民健康保険制度の適正な運営の支援に努めてまいりたい。

■杉本ちさと■ 引き下げにつながる県の補助を改めて強く求めていきたいと思う。
 保険料税の徴収率を上げるために、市町ではこれまでにも増して収納率対策を強め、厳しい対応をしている。県は必要な場合には減免もある、きめ細やかな対応を助言しているなどと答弁をしているが、実態は違う。
 姫路市で建設業の仕事をしている人の話であるが、心臓が悪くてカテーテルが5個も入っている。ことし2月には心肺停止で一時意識がなくなったこともあったそうである。この人は、保険料が払えずに滞納になって、正規の保険証を取り上げられていた。毎月保険料を分納するという対策を立てられ、保険料と引きかえにようやく1ヵ月の短期保険証が発行されるということになっている。
 それが、この夏に姫路市から毎月の納付額を引き上げるように迫られ、これ以上払えないと言うと、払えなければ保険証は出せない、帳面を持ってくるようにという、増額を迫られることがあった。心臓が悪くて、病院にいつも行かなければならない人の命綱の保険証を取り上げようとする。こういうふうに保険料を取り立てるやり方を、きめ細やかな対応をしていると県は考えるのか。

■森 医療保険課長■ 県では、各市町に対して滞納者対策としてきめ細かな対応ということを助言しているところである。したがって、そういった個々の事例については市町がその方の所得、財産等々、個々の実態に即した対応をしているものと思っているが、もし各市町で不適切なものがあれば、適切にするように助言してまいりたいと考えている。

■杉本ちさと■ 姫路市の例を言ったが、とてもきめ細やかな対応をしているとは言えない実態を申し上げた。姫路では、滞納世帯に対して短期保険証を2,354件、医療費の全額を窓口で払わなければいけない資格証明書を2,097件も発行している。全県では資格証明書の発行が9,570件であるから、そのうちの22%を姫路市で占めているということは大変問題だと思うが、全体としてこのように滞納者に対する厳しい対応は、保険料の収納率を上げなければ交付金がカットされ、市町の国保財政運営がますます厳しくなるというのが背景にある。
 県は、市町の収納率向上を県調整交付金の配分の条件にして、市町にペナルティーをかけている。例えば、加入者10万人以上の自治体は、神戸市、西宮市、尼崎市、姫路市の4市であるが、収納率を競わせて、平均以下になれば交付金をカットするという仕組みをつくっている。平均以下になるとカットされるので、幾ら全体で徴収率が上がっても、平均以上と平均以下になる。必ず平均以下になるとカットされるという、際限なく収納率を引き上げるための仕組み、競わせる仕組みをつくっている。
 18年度の収納率でいうと、このような仕組みが、さっきの例のような病気の人にまで命綱である保険証を取り上げてしまう事態をつくり出しているのではないか。県調整交付金の配分のあり方、際限なく強制させ、収納率でペナルティーをつけるというやり方は改めるべきと考えるが、どうか。

■森 医療保険課長■ ご指摘の県の調整交付金については、三位一体改革の一環として国庫負担金の一部が県に移譲されたことに伴い、平成17年度に創設されたものである。
 ご指摘の減額措置については、普通調整交付金において実施しているところであるが、特別調整交付金では収納率実績に応じて、その分また加算をしている。したがって、際限なくではない。十分その収納率の増減により加算、減算、両面で交付しているものであるので、ご理解賜りたい。

■杉本ちさと■ 加算もしているとおっしゃるが、この調整交付金のあり方そのものが、過度な取り立てを市町に押しつけているという実態を直視していただきたいと思う。改めて考え直すべきだと思う。
 とりわけ、保険証を取り上げられてしまった家庭の中で、子供たちに必要な医療が受けられない事態が広がっていることが、今、大きな社会問題になっている。
 我が党が独自調査を行い、県下に判明しただけで398人の無保険状態の子供がいることがわかった。世論に押されて、厚生労働省も資格証明書の発行についてや発行数、また発行前に滞納者に接触したのかどうか、子供のいる世帯に配慮しているかどうか、特別の事情があるのか等も含めた調査を始めた。調査票の提出期限が9月末で締め切りだったと思うが、県下で資格証明書を発行されている子供は何人いるのか。

■森 医療保険課長■ 国調査による数値が昨日、神戸市の記者発表を受けてやっとそろったわけであるが、その数で中学生までということで回答させていただくと、781人である。

■杉本ちさと■ 781人ということがわかった。このうち姫路市は聞いてきたが、165人いて、これも全体の2割を占めていて、大変問題だと思っている。ある小学校では、野外活動を行うときに保険証のコピーを持たせた。プライバシーを守るために封筒に入れて出させたが、あけてみると、現金でお願いしたいというメモが入っていたことがあった。お聞きすると、多分保険証がないのだろうと。そしてまた、ぐあいが悪そうな子供に、学校からお医者さんに行くようにと言っても、何年も前にもらった薬を飲んだと言って、お医者さんに行っていない子供もたくさんいるという実態が報告されている。
 国民健康保険証の取り上げは、子供の診察抑制につながり、子供の育成に重大な支障を来す問題だと考える。これだけの人数の子供が保険証を取り上げられていることについて、県はどのように考えておられるのか。

■森 医療保険課長■ 資格証明書の交付対象に子供さんがおられるという部分のみでもって、資格証明書を交付するか否かを判断するのは適当ではないと思っている。資格証明書は、あくまでも特別な理由もなく滞納されている方ということであるので、私どもとしては、市町に向かい、その家庭の、その滞納者の実態を個々に判断して、個々によくお聞きしてやっていただきたいというふうに助言しているところであるので、引き続きそのように助言していきたいと考えている。

■杉本ちさと■ 本当に血も涙もない答弁で、子供がいるということが特別な事情に入るということを、私は申し上げたいと思う。先ほどから、払いたくても払えない実態があるんだ、所得がどんどん減っているということもお認めになっている。そのような中で、子供がいるからということが資格証明書発行の理由にならないというのは、余りにもひどいではないか。
 保険証がないと、自治体の乳幼児医療も事実上受けられない。781人の中には、乳幼児もたくさんおられる。県は、全県的にも高水準の乳幼児医療と言っているが、一方で受けられない子供がいることを、もっと深刻に受けとめるべきだと思う。全国的にも、東京都の足立区、荒川区、江東区など10区、また群馬県前橋市など、子供の医療費の無料化施策とあわせて、滞納世帯の子供にも保険証を交付していると報じられているし、県下にも福祉医療の対象者には資格証明書は発行しないとしている自治体もある。県として、すべての子供に保険証を発行するように、市町に働きかけるべきだと改めて思うが、答弁をお願いしたい。

■森 医療保険課長■ 現在、資格証明書の交付世帯は滞納世帯の5.6%である。各市町では、滞納者世帯の個々の実態を踏まえた形で資格証明書を交付しているという点が1点ある。
 さらに、先ほど来、子供の話が出ているが、私どもは子供がいるだけでその世帯の状況を判断するのでなく、子供がいることによって経済状態が大変だという方もいらっしゃるので、そういった形で特別事情の有無を判断していただきたいということである。

■杉本ちさと■ 改めて物が言いたい答弁だと思う。県が保険料の取り立てや滞納対策を強めていることで、保険証取り上げが広がり、必要な医療を受けられない県民や無保険の子供が多数生じていること。これを放置して、本当に子供がいるということだけでは資格証明書の発行の条件にならないというのは、子供を育成する責任の一端があるという自治体の責任を放棄したものではないか。自治体本来の福祉の心を忘れたやり方だということを主張して、抜本的な改善を主張して、私は次の質問に移る。

姫路の救急医療体制の問題について

■杉本ちさと■ 次は、救急医療体制についてお聞きする。
 姫路の救急医療体制の充実について、2月の一般質問でも私は取り上げた。その際に指摘したように、3次救急医療体制の責任は県にある。また、県自身も、県保健医療計画の中で姫路を含む中播磨圏域では、重篤患者、外傷患者などの受け入れ体制が不十分であるとして、早急に対応体制の充実が必要とうたっていた。その点で、県はこれまでどのような整備をしてこられたのか。

■毛利医務課長■ 姫路の救急医療体制であるが、委員からご指摘のあったように、課題があるということで、現在その対策について検討しているところである。その中で、現在、昨年の姫路市での事件を受け、県としても姫路市が実施している救急医療のあり方検討会議に参画し、地域救命救急センターの設置を含めて、中播磨、西播磨を含めた広域的な救急医療体制について議論を行っているところである。
 このあり方検討会での検討状況を見守りながら、広域連携を視野に入れた関係機関との調整を含めて、当該地域における救急医療体制の充実に向けて支援を検討してまいりたいと考えている。

■杉本ちさと■ 現在は姫路赤十字病院とか新日鐵広畑病院、国立病院機構姫路医療センター等々連携をして3次医療救急体制をとっていると、知事が答弁されているが、病院に対して補助とか支援とか、今現在3次救急に対して不十分だということをお認めになっているので、連携している病院に県はすべきだと思うが、その点は今現実、どうなっているのか。

■毛利医務課長■ 先ほど具体的な名前の挙がった病院に関しては、現在中播磨圏域においては2次救急を担当していただいているところである。この2次救急医療に関しては、病院群輪番制によって現在実施しており、中播磨圏域においては20病院が輪番制に参加しているところである。
 この輪番制に対する補助については、平成17年度から三位一体の改革によって市町への税源移譲がされている。ただし、小児救急については病院群輪番制に参加する病院に対して、国3分の1、県3分の1、市町3分の1の小児救急対応病院群輪番制運営費補助金を実施しており、平成19年度決算では、国庫分を含めた6,642万3,000円を県から補助している。

■杉本ちさと■ 市町に支援が国から直接行っているということであるが、3次救急に対する責任を持つ県として、今の状態でいいのかという疑問を私は持っている。
 とりわけ、先ほどお話があったように、あり方検討会では、姫路市で亡くなられた事件を契機にして、3次救急医療体制については、本当に今、兵庫県が県立姫路循環器病センターを脳と心臓に特化してしまったために、これ以外の重篤患者を引き受けることができない、そのことが3次救急体制を不十分なものにしているという議論がなされている。そうなればこそ、本来県の責任でどうするのかということが非常に問われていると思う。
 姫路市のあり方検討会の推移を見守ってとおっしゃるが、県が率先してこの3次救急に対しては責任を持たなければならないという立場からすれば、県が十分な支援を行うということを表明すべきではないか。そして、国へも強力な働きかけを行うべきだと思う。もう一歩前に進めた県の責任ある姿勢が必要だと思うが、どうか。

■毛利医務課長■ 現在、3次救急の体制においては、先ほどご指摘があったように、近隣の病院との連携において実施しているところである。
 新たな3次救急病院の整備については、現在姫路市の救急のあり方を検討する会議の中でも、設置に向けて具体的な検討が進んでいるところである。ただ、これに関してはやはり対応していただく医療機関の問題がある。この医療機関における体制確保等についても、まだ現状すぐにできるという体制にはなっていないのではないかと考えている。ただ、医師確保等について、県として支援のできる部分については今後協議しながら検討を進めてまいりたい。

■杉本ちさと■ 改めて求めたいと思う。この地域救命救急センターの設置については、手を挙げたいと名乗り出ている病院もある。行政の助成を求めているのである。
 制度では、開設した医療機関に3分の1の財源負担が必要になっている。これの軽減が課題になっていると思う。県が3次救急に責任を負う立場として助成を行うということになれば、実現できる可能性が高まる。医療機関分の負担をなくす財政支援を求めるが、どうか。

■毛利医務課長■ 地域救命救急センターに対する補助については、民間病院の場合には施設整備について国の0.33の補助制度が、また運営費については国3分の1、県3分の1の補助制度がある。
 仮に、10床規模の地域救命救急センターということであれば、施設整備費としては9,300万円、また運営費としては6,500万円の補助がなされることとなっている。これに上乗せの県独自の補助制度の創設については、現在、新行財政構造改革推進方針、新行革プランを策定し行革を進めている中であるので、その必要性については十分吟味してまいりたいので、今後の研究課題としたい。

■杉本ちさと■ 今後の検討課題ということになったが、新行革プランで財政を削減しなければいけないということが前提で、県民の救急医療に対する責任も放棄するということになっては、本末転倒だと思う。命にかかわる問題、3次救急が大変今お粗末な状態だということはお認めになっているので、ぜひとも独自支援も含めて検討を前向きにしていただくように主張し、私の質問とする。

兵庫県議会のサイトからこの発言の録画をご覧いただけます。

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