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2007年(平成19年)度決算特別委員会 杉本ちさと
2008年10月7日

「財政の状況」について

県民のふところをあたためる財政運営を

1 県民のふところをあたためる財政運営を
 (1) 県民税について
 (2)アメリカの金融破綻をどうみるか
 (3) 法人関係税について
2 「地方財政健全化法」・4指標、県債残高について
 (1) 「地方財政健全化法」のとらえかた
 (2) 4指標の問題点について
 (3) 将来負担比率ワースト1位、実質公債費比率ワースト2位について
3 国追随、起債だのみの財政運営の転換を
 (1) 「有利な起債発行」で進めてきたムダ、過大な投資事業について
 (2) 県民本位、福祉充実など地方自治の本来の立場に


■杉本ちさと■ まず最初に、県民の懐を温める財政運営を求めてという項である。
 まず、歳入欠陥についてお聞きする。法人税が見込み違いであったとか、地方交付税の削減など、歳入が不足したことが言われている。9月途中で620億円の歳入欠陥に陥ったおそれがあるということだが、総務省が地方債の発行抑制方針を打ち出したことによると県は説明している。
 具体的には、地域再生事業債が当初239億円を予定していたものが、決算でも46億円にしかなっていない。県は、執行留保、事務的経費の節減、翌年度以降への繰り延べなどに取り組んで、やりくりをしてきた。それで、この総務省の地方債発行抑制方針は、いつ出されたのか。

■太田財政課長■ 地方財政計画の中で一定の金額というのは前の年度に見込まれていたが、具体的な運用取り扱いについては、年度に入ってからというふうに記憶している。

■杉本ちさと■ 3月末に通知が出ている。3月31日付で総務省自治財政局地方債課長の通知が出ているが、こういう通知が出ておきながら、きちっと答弁していただけないのは、非常に困ると思う。3月末に既に通知が出ていると。内簡では1月にもわかっていた。そういう状況で、4月には200億円の歳入不足が既にわかっていたと思うが、実は公表したのが9月であった。
 実質公債費比率が、ちょうどそのころワーストツーとかスリーとか、非常に大きく取りざたされる状況の時期であったと思うが、そして行革へと方向づけが進んだ。この時期と偶然にも一致すると思うが、そのあたりは、公表を9月まで延ばしていたというのは何か理由があったのか。

■太田財政課長■ 私ども毎年、年間の財政需要を見込む作業というのをおおむね7月の中旬ぐらいから担当レベルで始めて、最終的には9月の上旬に年間でどの程度の歳入が見込まれるか、そして歳出の追加需要が見込まれるかというまとめをしている。これは毎年のことである。19年度においても同じような作業をする中で、歳入の見通しが大体420億程度落ち込む、さらに財源対策として見込んでいた県債が200億程度落ちる、トータルで620億の歳入欠陥が生じるということが、この作業の中で明らかになったということで、緊急的な対策として取りまとめて、9月中旬に発表させていただいたというところである。

■杉本ちさと■ 620億円の歳入欠陥という問題を、財政悪化を非常に強調する材料に使って、県行革へ進んだのではないかと思う。
 県税収入について、お聞きしたいと思うが、県税収入はふえている。県も指摘しているように、個人県民税の大きな伸びは、税源移譲等税制改正によるものがほとんどであるが、県民の所得がふえて県税の収入がふえているというわけではないと思うが、それについてはどうか。

■西上税務課長■ 個人県民税の状況であるが、19年度には2,199億9,200万円、前年度と比べて約923億余りふえている。この内訳については、税源移譲の影響額が837億4,300万円あるほか、18年度に行われた税制改正により、新たにその影響額が出てきたものが56億ほどある。また、それ以外の所得の影響に伴う増加分としては、税制改正等の影響を除くと1,029億2,700万円、18年度に比べて101.6の伸びがある。

■杉本ちさと■ 先ほどの答弁の数字は、個人県民税と法人県民税を合わせたものではないかと思うが、その点はどうか。

■西上税務課長■ ただいまの数字は個人県民税のみである。

■杉本ちさと■ 国税庁の実態調査でも、労働者の賃金は9年連続マイナスとなっている。正社員が減らされ、派遣や請負・契約社員に置きかえられて、不安定雇用が広がっている、格差と貧困が拡大しているという点で、今大問題になっているが、賃金は2分の1か3分の1にしかならない。また、年金の収入も下がる一方ということで、県民の所得、庶民の所得は下がる一方である。一方で、定率減税の廃止とか各種控除の引き下げ、あるいは社会保障の削減等による負担増で、県民の暮らしは大変厳しいのが現状である。
 しかし、その一方で、決算の内容を見てみると、所得が大きくふえているのは、輸出関連の大企業だと思う。電機、自動車などが顕著にあらわれていると思うが、この大企業に対して、国は減税をして、そしてまた県民には、懐が冷え込んでいるにもかかわらず増税をするという政策を行っている。
 今、アメリカのサブプライムローンの焦げつきで始まった金融危機が世界を震撼させているが、公的資金を投入する計画もされているが、非常に大きな事態だと思う。このアメリカの金融危機を県はどのように考えているのか、またどのような影響があると考えているのか。

■杉原産業政策課長■ 本県経済は、平成14年ごろから好調な輸出や旺盛な設備投資に支えられて着実に成長してきたが、このたびのアメリカのサブプライムローン問題に端を発する国際経済不安、あるいは従前からの原油・原材料価格の高騰が実体経済に広範な影響を与えている。9月の日銀短観では、景況感が「よい」と答えた企業の割合が全産業で6月の前回調査から4ポイント低下をしているほか、雇用面でも昨年度0.97倍まで回復していた有効求人倍率が0.8倍を切るまで低下をしている。また、倒産件数も増加の傾向である。このように、本県の経済・雇用情勢は弱目の動きが見られ、減速をしているところである。
 このため、本県では、緊急の経済対策として、消費者相談窓口の継続設置、あるいは生活福祉資金貸付金の融資利率の低減などにより、県民生活の不安を解消するとともに、中小企業に対しては経営円滑化貸付の融資限度額の引き上げなどの資金繰り対策の拡充、新技術・サービス創造資金貸付の融資割合の引き上げによる業種転換への支援などを実施しているところである。
 今後は、国の緊急総合対策や本県の経済・雇用情勢を見据えて、さらなる経済対策の充実を検討していく。

■杉本ちさと■ 三菱UFJフィナンシャル・グループは、アメリカの大手証券会社モルガン・スタンレーに約9,500億円出資したりするなど、大手銀行は海外へ資金を流している。税金は国、県にどれほど納税しているのかと調べてみたら、三菱東京UFJ、三井住友、みずほなど、大銀行グループ13行の申告所得の合計額は約2兆9,200億円である。ところが、納税額は1,169億円しかない。率にしたら所得の4%にしかならないわけであるが、これは法人税の引き下げとか、先ほどの見込み違いの中の理由にも挙げられていたが、欠損金の繰り越し控除制度が5年から7年に延長されるなど、大銀行を救済するための優遇税制がつくられてきた。海外に向けるお金があるのなら、中小企業融資の拡大や利用者へのサービス向上、また国民に回してほしいという声があるのは当然だと思う。
 先ほどから言っているように、大もうけをしている大企業に対して減税をしたり、欠損金の繰り越し控除制度の延長など、大企業優遇税制をしているわけであるが、そうではなくて、きちんと応分の負担を求めることで、国民や県民の暮らしを守ることができると考えるが、それについてはどう思うか。

■西上税務課長■ 法人課税のあり方については、政府税調などにおいても、経済のグローバル化等の経済・社会の構造変化に適切に対応するとともに、我が国経済の国際競争力を強化し、その活性化を図ることが重要な課題とされているところである。
 また、今後の税制を検討するに当たっては、19年度の政府税調の答申でも、そのほか少子・高齢化などの背景、社会保障の安定的な財源確保、格差問題、成長力の強化といった国民的課題を解決するために、中長期的な視点に立って、税体系全体のあり方について抜本的な見直しを行っていくことが求められていると言われている。
 また、そのときの視点としては、国民の安心を支える税制、経済とか社会・地域の活力を高める税制、国民・納税者の信頼を得る公正な税制という三つの視点が必要だと言われている。今後の税制については、このような視点を踏まえて、国において十分議論されていくものと考えている。

■杉本ちさと■ 国言いなりの答弁が繰り返されたが、先ほどのアメリカの金融資本の大きな揺らぎというのは、県税の収入の大きなウエートを占めている外需頼みの経済運営であり、ここが大きく揺らぎ始めていると見ていいのではないかと思う。
 県民の所得をふやして、社会保障をふやしていく、一人一人の県民の暮らしが安定すること、安心することに経済運営の軸足を転換することが今こそ求められているというふうに思う。徴税の強化や消費税の増税を当てにするのではなくて、県民の懐を温める、県民の立場に立った財政再建をすべきと主張して、次の地方財政健全化法について質問をする。
 先ほどから、将来負担比率とか実質公債費比率が兵庫県はワースト1位、2位と議論されているが、まず、そもそもこの財政健全化法について、どのように考えているのかということが大事だと思う。
 国は、地方分権と言いながら、三位一体改革で地方交付税を大幅に削減した。国の歳出削減のために、地方がひどい目に遭ったわけであるが、今度は財政健全化法で4指標で行革を強制し、自治体のリストラを国の歳出削減のために進めているというふうに思う。また、財政健全化法は、国による行政的統制の強化につながるものと危惧をするわけであるが、県はどのように考えているか。

■古川財政企画参事■ 地方財政健全化法では、すべての地方公共団体は健全化指標について毎年度監査委員の審査を受け、議会に報告し、公表することとされている。これにより、行政、議会、住民が情報を共有し、住民みずからが行財政運営のあり方を考えための共通基盤が制度化されたものであり、自己決定、自己責任による行財政運営という地方自治を支える枠組みが整備されたと評価している。
 また、同法は、従前の地方財政再建促進特別措置法の準用とは異なり、国の関与による再生を行う再生段階に加えて、地方公共団体の自主的な改善努力による財政の健全化をめざす早期健全化段階として、財政破綻に至る前の予防措置が整備されているところである。この点からも、地方公共団体による自主的、自立的な財政健全化をより重視した制度となっていると認識している。

■杉本ちさと■ その点は認識が全く違うわけであるが、財政健全化法は、地方分権に逆行して、国の統制的な性格が強いというふうに思う。それは、4指標にもあらわれている。
 例えば、将来負担比率で見ると、早期健全化基準として導入したが、算定項目が非常に多岐にわたっており、また算定の複雑さ、裁量的要素もあるだけではなくて、例えば、県の行政職、警察、教員など、全職員の6万200人が2007年度末に一斉に退職したとしての退職金を算入するというようなことも入っている。全員が退職することなどあり得ないわけだが、この負担額を計算に入れるということは、大変問題だと思う。
 さらに、この負担比率を引き下げるためには、人員削減や給与引き下げが行われていく、そういうことに連動させるもので、問題があると考えられるが、その点はいかがか。

■古川財政企画参事■ ご指摘のとおり、将来負担比率の算定に当たっては、多岐にわたる項目になっている。
 その中で、先ほど退職手当の支給に係る普通会計の負担額が入っているわけであるが、今回の将来負担比率の項目に当たり、各研究会等で研究を重ねる中で、どういった項目が県として、都道府県にとっての将来負担に影響を及ぼすのかということをいろいろ検討していく中で、当然、企業会計的な退職引当金的要素、こういったものは従来の公的会計にはなかったものであるから、各都道府県の公的会計においても、各企業会計における退職引当金的要素を加えるべきだということで、今回入っている。
 算定に当たっては、今言われた各職員のそれぞれ年齢別における給与を勘案し、現時点における退職金を見込んでいるところである。

■杉本ちさと■ この指標は、自主的に財政運営を行うためのものではなくて、国が将来負担比率の指標を設けて、そしてこれを引き下げるために、将来は人員削減とか給与引き下げを目的にしてつくられた指標だというふうに改めて主張しておきたいと思う。
 そのような指標の問題点を踏まえた上で、本県指標が非常に悪いわけであるが、その原因は借金が非常に多いことにあることは言うまでもない。我が党が一般質問でも取り上げたが、全会計の借金は、1987年、20年前は1兆2,000億円であった。それが2007年、20年後、去年の末では4兆2,000億円に膨れ上がっている。
 この間、借金をたくさんふやしてきたが、県は震災によって悪くなったと繰り返し主張しているが、では震災を除いた場合の将来負担比率は幾らかというと、県が出した指標によると272.3%だと言っている。類似府県の9団体の平均が出ていると思うが、何%か。

■古川財政企画参事■ 類似団体として、北海道、埼玉等10団体の平均を出すと、251.1%である。

■杉本ちさと■ 10団体の平均でも251.1%、震災を除いても272.3%であるから、この類似団体よりも非常に高いという実態がわかった。やはり将来負担比率の大部分を占める借金の県債残高が全国から見ても非常に多いということであるが、全国が投資事業をこの間、一定減らしていくというかじ取りに変えてきたわけであるが、財政健全化の流れに持っていったわけであるが、兵庫県は、震災とか兵庫の国体があったという理由で、知事がおっしゃっていたが、投資事業をどんどん進めてきたことが、このような悪い指標をつくってきた原因になっているというふうに思う。新行革プランでやっと削減方針を出したというのが実情である。
 私たちは繰り返しこれまで、財政悪化の二重の原因、その一つは、経済対策として1兆円の投資事業を繰り返し国策によってやってきたこと、もう一つは、創造的復興と言いながら、大型開発事業で繰り返して借金を重ねてきたことだというふうに指摘をしてきた。そして、投資事業の削減を一貫して主張してきたが、知事は、将来への投資とか未来への基盤づくりに必要だったと言って、こういう姿勢に対して反省が全く見られない。交流の翼港などむだな事業のために、県民に将来のツケを押しつけたことになると思うが、その点はどうか。

■太田財政課長■ これまでから本会議でも知事がご答弁申し上げたように、創造的復興をめざす中で、21世紀の交流基盤や産業基盤を構築してきた。これは、やはり将来への投資、未来への基盤づくりであったと私どもは認識している。
 ただ、その中で、震災復興に関連して1兆3,000億円もの県債発行を余儀なくされた。こういうことから、今、多額の収支ギャップが生じている。これを解消して、まさにこれから先の持続可能な行財政構造をつくっていくために、改革に取り組もうとしているという現状認識である。

■杉本ちさと■ 財政悪化の原因、そして責任を改めてきちんと検証することが必要だというふうに思う。
 次は、国追随、起債頼みの財政運営の転換をということである。
 県は、この間、有利な起債の国策に誘導されて、それを細かく研究して、過大な公共事業をしてきた。つまり、県民が何が必要かというよりも、国の方向がどうかということが主眼であった。これが、むだで過大な道路やはこ物ができる理由だったのではないかと思うが、その点はどうか。

■太田財政課長■ これまでから事業の必要性なりを検証する中で、どういう事業を実施するときにどういう財源を使っていくか、最も有利な財源をどのように考えていくかということで、これまで財政運営をしてきたという認識である。

■杉本ちさと■ 非常にいろいろ研究されて、最も有利なものはどれかということなんかもされたと思うが、それがまさに国追随の県政で、国から見れば、優等生だったのではないかと思うが、その結果が健全化財政指標で全国ワースト1位、2位になったのではないか。
 私は、県の姿勢への反省が全くないと、全然改まっていないことは非常に重大だと思う。だから、行革もまた国言いなりで、塩漬け土地対策でも環境林を国の起債メニューを当てにするというようなこともしているのだというふうに思う。これまでと同じように、国の起債メニュー頼みの対策にほかならないと思うが、この起債の見込みも余り立たないのではないかと思うが、どうか。

■太田財政課長■ おっしゃっているのは、県有環境林特会のいわゆる地活債を活用していくというような話だと思うが、これは確かに地方財政計画の中で枠が決まっている。その枠もにらみながら、当然、県有環境林特会の設置に当たっての土地取得に当たっては、まず大前提として財政フレームの枠組みであるということであるので、起債があるからどんどん取得していくわけではなくて、財政収支を十分勘案して、その範囲内で取得するという計画である。

■杉本ちさと■ 起債頼み、国言いなりの財政運営ではなくて、県民本位の地方自治の本来の立場に立つことこそ、新しい兵庫の再生になると考える。国追随の姿勢を改めて、地方自治体本来の役割である県民の福祉向上への県政の転換を主張して、質問を終わる。

兵庫県議会のサイトからこの発言の録画をご覧いただけます。

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