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2007年度予算特別委員会健康生活部審査 筒井もとじ
2007年3月2日

被爆者の認定問題について

■筒井もとじ■ 昨日、アメリカの水爆実験によるビキニ被災からの53年目を迎えた。ノーモア被爆者の訴えがビキニデー集会として今年も行われた。また、昨年5月12日午後2時、傍聴席がいっぱいになった大阪地裁202号大法廷は、原爆症認定集団訴訟のトップを切って、近畿の原告9人の訴えを認める判決を下した。全面勝訴。国の認定制度を批判したのである。この弁護団の一員に私のおいがおり、弁護士が判決を聞いて涙を流すというような場面はめったにないと思うが、そういうことがあった。そこで、被爆者医療、被爆者の問題に限って質問したい。
 被爆者の健康手帳というものがある。これは、県が認めるものである。被爆者である証明にもなり、健康状況を記録する意味も持っている。つまり、被爆者だという認定である。もう一つ、原爆症の認定がある。これは、より手厚い手当が出されるわけであるが、国が認定する。原爆放射能に起因して起こった病気であり、現にその治療が必要であるかどうかということで認定がされるが、被爆者全体の0.8%しか認定が行われていないことから、裁判まで起こっている。
 被爆者手帳の申請要件について、まず県の問題としてお聞きする。県が認定を行う被爆者健康手帳の交付を申請するには、被爆当時の申請者の状況を証明することが必要であり、3親等以内の家族を除く第三者の証人2名が必要とされている。原爆投下より60年余りが経過し、被爆者の高齢化が進む中で、当時の状況を証明できる証人を親子、兄弟ならともかく、第三者で2名も確保することは困難であるとの話を聞いている。
 被爆者としての認定には、当時の状況を客観的に担保できるものがあれば十分であり、第三者の証人までは必ずしも必要はないと考えるがどうか。

■細川健康局長■ 被爆者健康手帳認定の申請の要件については、一つには、当時の罹災証明書等公的機関の発行する証明書、二つには、当時の書簡、あるいは写真等記録書類、三つには、市町村長等の証明書のほか、これらがない場合に、先ほどご指摘のあった第三者、3親等以内の親族を除く2人以上の証明書をご提出願うようにお話しをさせていただいている。
 ただし、これらの書類がいずれもない場合には、本人以外の者の証明書または本人において当時の状況を記載した申述書という書類に誓約書がついているので、この二つの書類があれば受け付け、県において他府県や関係機関との間で事実関係を確認し、その補充を行っている。

■筒井もとじ■ 随分被爆してからたつわけであり、なぜもっと早く申請しなかったのかということについては、ご承知のように、被爆者であるということで就職がしにくかったり、結婚ができなかったりというようなことがあったために、ずるずると延びてきている人たちがまだ依然としておられる。そういう意味でも、この認定を積極的に進めていただきたいと思う。
 本県における平成17年度の被爆者健康手帳の申請却下件数は10件となっている。これらがどのような理由で却下されたのか伺いたい。

■細川健康局長■ 被爆者健康手帳の申請却下の理由は、先ほど申し上げたような交付申請がなされたものの中で、申請者が被爆したという事実、先ほど事実の確認の補充を県で行うと言ったが、客観的に確認できない場合は、やむを得ず却下することとしている。
 具体的な却下理由としては、証明人、これは申述書の一部にあるが、証明人等の被爆当時に一緒に行動した人の被爆者健康手帳申請時の供述と申請者の申述内容が矛盾する場合や、本人の証言しかなく、県で問い合わせをしたり、あるいは確認をしたときに客観的に証拠が確認できない場合など、本人の申述を裏づけるものがない場合にそういった対応をしている。
 県としては、申請書に添付された本人の申述に記載があるものの、証明書、記録書類等が付されていない場合にあっては、1つには、申請書に記述のある関係機関への事実確認を行っている。二つには、申請書に記述のある親族等関係者の申請内容の関係都道府県への照会等を可能な限りの手段を尽くして事実の確認に努めている。それでもなお、証明等が得られない場合においては、やむを得ず却下をさせていただいている。

■筒井もとじ■ そのような却下の理由は、本人にははっきりと文書で通知をされているのかどうか。また、納得せずに改めて書類が出されるというような件数があるのかどうか、もう一度伺いたい。

■細川健康局長■ 県が申請者の方に、却下の決定をすると文書で回答させていただいている。その上で、申請者の方は不服を申し立てることができることになっている。そういう方が、今現在で9名おられる。

原爆被爆者の福祉対策の充実について

■筒井もとじ■ 原爆被爆者の福祉対策の充実について次にお尋ねする。
 原爆被爆者相談室というのを県庁内に置いていただいている。現在、原爆被爆者相談室は、本庁1号館の2階に設置され、3名の職員が勤務されている。一方、原爆症認定を求める集団訴訟の名古屋地裁判決が昨年大阪、広島地裁に続いて出され、厚生労働大臣の認定却下処分を取り消すとの判定に対し、国は控訴をしている。
 このような状況の中で、原爆症認定等に関する原爆被爆者からの相談件数の増加が見込まれることから、相談体制のさらなる充実が必要であると考えるがどうか。

■細川健康局長■ 原爆被爆者の相談室についてであるが、この相談室は、被爆者やその関係者からの被爆者健康手帳申請など各種の申請手続の問い合わせと受け付け、被爆者の健康管理及び医療等の相談等に対応するため、昭和39年11月に設置した。
 現在、同相談室に3名の相談員を配置している。その3名で、県下の被爆者などからの相談に応じている。相談件数は、窓口相談、電話相談、書簡による相談の3種類をまとめると、平成16年度で延べ7,238件、17年度で延べ8,756件、18年度1月末現在で延べ6,164件となっている。1日当たりで見ると、来客相談が2件、電話相談が15件程度であり、現在の体制で対応できていると考えている。

■筒井もとじ■ この相談室は、以前、被爆者団体協議会の副会長をなさっていた副島まちさんという方がボランティアでここに詰められて、いろんな被爆者の来られた方とも懇談ができるというようなことで、被爆者の心に慰めになるような部屋だったと承知しているが、残念ながら副島まちさんは昨年亡くなられ、また被団協の方々もみんな高齢になってこられ、簡単にそこへ詰めるというようなこともできないというような状況で、今はいわゆる役所の窓口ということに終わってしまい、そういう点では、非常に被爆者からは残念がられている。
 随分こういうことに皆さん熱心に取り組んでいただいているが、3人のうちの1人の方は、日々雇用というような身分になっている。こういうような点からも、もう少し改善が必要ではないかと考えている。
 次に、1972年、故副島吉雄大阪大学名誉教授夫妻、この奥様は副島まちさんであるが、当時の坂井知事に対し、被爆者救援の基金にしてほしいと1,000万円の私財を寄附をされた。しかし、被爆者の健診費用などに使われたとされているが、坂井知事は、何とか被爆者の方々の意思を生かしたいとして、友愛基金から1,000万円の果実相当分を出して被爆者の墓参費用を毎年支出するようにされた。貝原知事のときに、1991年、222回定例会で私は、この基金がどうなっているかをお聞きした。これに対して、「県の友愛基金に1,000万円の基金を設定している。私の代になって削ったことはない。利子運用が低下しているため墓参費用は減っているが、今後この基金の有用な運用について工夫を凝らしてまいりたい」と答弁をされた。
 井戸知事になって、この基金はどのようになっているのかお尋する。

■細川健康局長■ ご指摘の基金に係る原爆被爆者団体連絡協議会への助成については、現在のところ、兵庫県社会福祉協議会における友愛事業助成において団体から申請をいただき、一つが、被爆地墓参、平和式典への参列事業、二つが、雇用相談事業、研修会事業に対して助成されている。
 ちなみに、交付決定額は、平成17年度で合計45万7,000円、平成18年度では合計43万8,000円となっている。

■筒井もとじ■ 1,000万円といえば基金としては小さな基金であるが、個人から見ると、1,000万円というのはなかなかのお金である。しかも、公金になっているわけである。こういうものをなし崩しにしてしまうようなことは、寄附者の意思を無視したりすることになる。この辺のところを明確にして、基金を移した福祉団体に伝えること、また、被団協への助成金がだんだんと減ってきている。高齢化してくる中で、墓参その他の費用が減ってきているのかもわからないが、だんだんと減ってきている傾向にある。これは、一貫して減ってきているが、こういうことについては、助成金を減額させるようなことのないような配慮をしていただきたいと思うがどうか。

■細川健康局長■ 交付決定額の経年的な減額についてであるが、平成15年の交付決定額が52万8,000円、平成16年が47万円、17年が45万7,000円、18年が43万8,000円となっている。
 この決定額の仕組みについては、まず初めに申請をしていただき、それで交付決定額を決定している。その上で、実際の交付額を見てみると、平成15年が、先ほど52万8,000円と言ったが、40万3,000円、17年で45万7,000円の交付決定額であったが、実際の交付額は43万1,000円。先ほど委員もご指摘になったように、高齢化が進んでおり、ことしこそ墓参に行きたいとか、あるいは式典に参加したいというご意向があって申請を出され、その後に予定をお取りやめになったという形でこういう交付額になっていると理解している。
 もう一つ、先ほどの果実としての運用の面で、それぞれの歴史は長いが、その途中で利率が、昭和58年の段階では利率が8.1%であったが、近々のところでは5%近くまで落ちており、そういう意味での減少という面もある。両面だと受け取っている。

■筒井もとじ■ 被団協に対する補助というのは、墓参とか、そういう特定のもの以外にもいろんな被団協としての行事などに対する補助の意味もあるので、減らしていくということはぜひ考慮していただきたい。
 果実でやるということだけではやっていけないのは当然であり、崩すか、あるいは別の形で補助をするかしかないわけである。県の関連の福祉団体のボランティア基金の中に入れてしまうと、全部ごちゃまぜになって、本来の趣旨が、その団体では忘れられてしまい、金に色はないので、全部一つになってしまい、どう使ったかわからなくなる危険性がある。ぜひその点は、福祉団体にもそのことをきちっと、こういう趣旨のものであるということを改めて確認をしておいていただきたいことを要望しておく。
 ここ平和公園の慰霊碑にある「過ちとは何でしょうか」こういうことを河野洋平衆議院議長は、05年8月6日の平和式典で述べられた。過ちは二度と犯さないという有名な慰霊碑の句である。一つは、明治維新以来原爆投下の日までアジアの中で進路を誤り、戦争への道を歩んだことがその誤りである。アジア諸国の独立と民主主義の戦いに連帯するという選択肢もあったにもかかわらず、実際に歩んだのは欧米列強と同じ帝国主義の道であった。この帰結の一つが原爆投下だったのである。私たちが繰り返してはいけないもう一つの過ちは、核兵器という非人道的な兵器を同じ人類に対して使用したという事実である。人類と核兵器は共存できない。私たち日本人には、このことを世界に伝える使命があると河野洋平議長は言われた。そのとおりだと思う。この言葉は被爆者の共通の願いでもあり、国民の願いでもあろうと思う。被爆者を守り、核廃絶への取り組みをさらに強めていく決意をして、質問を終わりたい。

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