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2007年度予算特別委員会歳入審査 筒井もとじ
2007年2月28日

「三位一体改革」の影響 交付税の減額について

■筒井もとじ■ 三位一体改革の影響について、まずお尋ねをする。
 国庫負担金の削減である。
 この4年間、全国ベースで5兆2,000億円が削減された。このうち1兆円は、事業そのものの廃止・縮小である。残りは、財源移譲に3兆円が住民税へ移される、交付金化されたものが8,000億円、残りは表向きは事業に支障がないように地方交付税で手当てするものとしているが、次第に縮小されるおそれがある。削減された国庫補助負担金は、義務教育、国保、保育所など、暮らしに直結するものが多いが、その後どうなっているかが問題である。財源移譲された3兆円は、2006年は所得譲与税として配分され、2007年度は直接地方の税収となるが、この不足分を補う地方交付税規模が縮小されようとしている。
 そこで、お尋ねをする。07年度地方財政計画では、全体として総額確保と言われているが、本県の地方交付税全体では534億円の減となっており、国庫負担金改革1,068億円、税源移譲986億円と、差し引き約80億円で、形の上では、一応、交付税措置となっているが、実際は交付税削減となっている。このことはどのように見ているか、伺う。

■小谷財政課長■ 三位一体による国庫補助負担金の改革に伴う本県への影響については、先ほど内匠屋委員の質問にもお答えし、今、筒井委員からもご指摘あったとおりである。
 国庫補助負担金の削減によるものが1,068億円、税源移譲分については、本年度に限り地方交付税で措置されることになった約120億円を含めて約986億円となっており、80億円分が地方交付税で措置されるということになっているところであり、制度上は、国庫補助負担金の削減額に見合う財源措置はなされていると考えている。
 一方で、地方交付税であるが、本県の平成19年度県税収入については、好調な企業業績等を反映して大幅な増収が見込まれる一方で、地方交付税については、地方財政計画の歳出抑制等により、税収増に連動して減額になる以上に減少すると見込んでいるところである。
 この19年度の地方交付税を見込むに当たって、事務的な話になるが、国から示されている伸び率は、1月22日に国の方から通知を受けている。それによると、基準財政需要額のうち、新型交付税及び地域振興費に係る経費については前年度と同額程度、公債費、事業費補正については所要額とした上で、それ以外の経費については、介護給付費負担金、老人医療費負担金、障害者自立支援法の全面施行に伴う経費等の個別に所要額を見込むこととされた数項目の経費以外については、一律3.0%程度の減とするという厳しいものであった。
 この一律3%程度の削減の影響であるが、今、基準財政需要額で見ている約200億円程度になるのではないかと見込んでいるところである。

■筒井もとじ■ 今もお答えがあったように、交付税削減は、地方財政計画が基準財政需要額の伸び率を人件費などの経費で総額3%抑制している。また、給与関係費で、退職者増に対して、定員削減、給与引き下げを迫る形となってあらわれてきていると思うが、これにどのように対応しようと考えているのか。

■小谷財政課長■ 今、委員からご指摘あったとおり、人件費等でさらなる削減努力をしないと追いつかないということになるかと思う。職員数の減、それから、昨今よく言われているのは地域手当等、そういった給与水準の是正等に取り組まなければいけないというのは当然かと思う。これについては各団体それぞれで努力をする必要があるかと思う。
 それから、各団体の努力だけではなく、地方交付税については、先ほど部長から答弁したが、学校教育、社会福祉、消防、警察等、こういった基本的な行政サービスは、日本全国どこでも、財政力にかかわらずちゃんと提供していくために、非常に大事な、重要な、必要不可欠なものである。その地方交付税の総額確保は必要不可欠だと考えている。
 地方が国を上回る歳出抑制や収入確保の努力を続けているにもかかわらず、一般財源総額を固定するということで、大幅な税収増があった場合、地方交付税が自動的に減っていくといったことでは、地方の努力が報われない。こういったことは断じて許されるべきではないと考えている。
 従来から、地方交付税の総額確保や地方共有税の創設等、全国知事会などを通じて国などに対して積極的に働きかけを行ってきた。平成19年度においても働きかけをしてきたが、今後も引き続きこういった厳しい態度で国の方が臨んでくると思われるので、地方交付税の総額確保について、都道府県だけではなく、市町村との連携、それから、当然、県議会とも連携しながら、本県で設けている自治体代表者会議なども通じて、引き続き国に働きかけていく、まずは、夏の国の基本方針の策定に向けて、強く働きかけていかなければならないと考えている。
丸 県税について

大企業への減税について

■筒井もとじ■ ぜひ頑張っていただきたいと思う。新型交付税は自治体間競争や政府政策への誘導を激しくするものと考えているが、そういった面も十分考えていただき、先ほど決意みたいなことで言われたので、これ以上の質問は差し控える。
 次に、未曾有の利益を上げている大企業などを含む法人関係税について伺う。07年度税制改正での減税額の99%を占める減価償却制度の見直しによる法人税の減税である。
 07年度の税制改正で、法人の減価償却資産償却可能限度額95%及び残存価格、つまり取得価格の10%の制度を廃止する、耐用年数を経過時点で備忘価格1円まで償却可能とする、06年度までに取得した減価償却資産については、償却可能限度額まで償却した後、5年間で1円まで均等償却できる、こういうことになる。プラズマや液晶などフラットパネルのディスプレイ製造設備などの法定耐用年数を縮小するということも行われる。つまり、今までより、より前倒し損金算入ができ、法人所得の減税などになるわけである。
 平年度ベースでの減税額は、国税で5,110億円、地方税で2,251億円と見込まれているようだが、本県の影響額は幾らと見込んでいるか。

■宗野税務課長■ 法人課税における減価償却制度は、償却可能限度額の見直しが行われた昭和39年度以降、本格的な改正が行われておらず、この間に、国際的にも格差が生じてきているところから、国際的なイコールフッティングの確保のために、今回の見直しが行われたところである。
 具体的には、委員ご指摘のとおり、これまで95%とされていた償却可能限度額の撤廃、そして10%の残存価格の廃止、償却率の見直し、一部の設備についての法定耐用年数の短縮が行われたところであり、これらの改正はすべての法人を対象に実施されたところである。
 その19年度における影響額については、法人2税で8億5,400万円、内訳としては、法人県民税が1億2,200万円、法人事業税が7億3.200万円を見込んでいる。
 なお、影響が平年度化される20年度以降については56億5,600万円程度で、内訳としては、法人県民税が8億300万円、法人事業税が48億5,300万円程度の影響があると試算をしているところである。

■筒井もとじ■ これまでの法人関係税の本県への影響額は、07年では564億円もの大幅減税をした上で、さらに今回の減価償却資産の減税である。この恩恵は、多額の設備投資をして減価償却資産を保有する大企業が主として受けるものである。化学、機械、製造、運輸、通信、電気、ガスなどの大企業優遇は、ここまでしなければならないのかというふうな感じがする。
 このことについては今ちょっとだけ触れられたが、もう一度お答えをいただきたいと思う。

■宗野税務課長■ 今回の減価償却資産に係る制度の改正については、我が国の経済の持続的な成長を実現するためには、設備投資を促進し、生産手段の新陳代謝を加速することにより、国際競争力の強化を図る必要があるとの考え方に立つものであり、グローバル化した経済社会の中で、諸外国との国際競争に勝ち抜くためには必要な改正であると考えている。
 なお、この減価償却制度は、投下した資本を費用化するために行うもので、この見直しは課税の繰り延べとなることから、単純な減税とは性格を異にするものである。したがって、先ほど答弁したように、当面は法人関係税収への影響が発生をするが、今回の制度の見直しの前後では、法人税法上の損金となる総額は変わらないことから、資産の除却までの期間全体で見れば、法人税収としての減収にはならないと考えているところである。

■筒井もとじ■ 耐用年数という点でいえば、イギリス、ドイツよりも日本の今の耐用年数は有利になっている。また、改定すれば、アメリカ、韓国より有利になる。
 プラズマパネル・液晶製造設備は、耐用年数を10年から5年に短縮の上、償却方法も変わり、二重の減税になる。プラズマは松下が独占、液晶はシャープ、ソニーが独占的である。
 松下尼崎工場は、新年度は2,800億円の投資をしている。これまで第3で950億円、第4で1,800億円、合わせると5,500億円の設備投資をするが、単純に減税規模を試算すれば、今後、500億円以上の減税見込みと見られる。
 損金算入が前倒しされると、当面は減税になり、前倒し分は将来の損金が減り、将来増税となるというふうに説明があった。毎年繰り返し設備投資をし資産規模を拡大すれば、減税は長期にわたって続くのではないか。前倒しすることで資産購入代金を早く取り戻せることができ、利益になるのではないか。その辺のところはどういうふうに見ているか。

■宗野税務課長■ 先ほど答弁したように、今回の減価償却制度の見直しについては、グローバル化した経済社会の中で、国際的にイコールフッティングの観点から必要な改正であると考えているところである。
 制度そのものについては、先ほど申し上げたように、単純な減税とは違い、課税の繰り延べとなるものであり、長期的に見れば、その増減収は変わらないということであるが、委員ご指摘のように、設備投資が非常に早期に行われるような状況が続けば、一定の減税の効果は出てこようかとは思う。
 ただ、最近の状況を見ると、設備投資の状況が、例えば、設備年齢が直近15年間で3.5年老朽化しており、12.7年に達するというような答えもあるし、生産能力は2006年10月の時点で2000年の約93%まで低下しているという状況もあるので、こうした状況を考えれば、先ほど申し上げたように、この減価償却制度については、今回、早急に導入を図る必要があったと考えているところである。

■筒井もとじ■ 県としても、減税により県税収入が大幅に減っているということで、さきの代表質問でも指摘したが、史上空前の利益を上げた大企業に減税をするのではなくて、応分の負担を求めることが必要であることをぜひ指摘をし、当局の皆さん方も、口では言いにくいだろうが、その気持ちは持っていただきたいものというふうに思う。
 減税や規制緩和で企業の活力を高め、それをてこに経済成長を高めるという上げ潮路線を行くのが安倍内閣の考え方であるが、レーガン政権の政策の焼き直しである。それはレーガノミックスと言われていたが、レーガノミックスは成功したのか。成長率は想定したほど上がらず、財政赤字は拡大し、国際競争力は後退している。やらなければ国際競争力で不利になるというのが企業減税の理屈になっているが、企業の実効税率が国際競争力にどれだけ影響をするのかという実証はない。研究開発・IT減税など1兆円の政策減税は既にしており、先進大企業の実効税率は24%ぐらいという見方もある。企業減税の先に何があるのか、不透明ではないか。ツケは消費税など国民負担に回るのではないかという心配をしている。
 これは部長か局長に答えていただきたいと思うが、こういうことについてどういうふうにお考えか。

■荒木企画調整局長■ せんだっての決算委員会で申し上げた答弁になるかもわからない。
 今、法人課税をとらまえてのお話を伺ったところであるが、税制を考えてみると、大きく分けると、所得のあり方がどうなるのか、資産に対する課税がどうなるのか、消費に対する課税がどうなるのかというふうなことの中で、法人税制をどうするのか、個人税制をどうするのかというトータルの議論だろうと思う。
 税制の動きを見ても、今お話があった平成10年の法人課税の見直しの中で、実効税率が50%あったものを引き下げた。その次に、同時に、所得税制についても、個人住民税と県民税の全体を50%引き下げた。
 そのときの経済情勢を考えてみると、一つには、消費が低迷をしていた。さらに、もう一つ、先ほど税務課長も申し上げたが、グローバル化する中で、法人税制をどうするんだという議論がなされた。そうした中で、国際水準などすべて勘案をした中で、法人税制を見直され、所得税制も見直されたところである。
 今回の減価償却の見直しについても、委員の方から、一部の部分をとらえて国際水準の有無を言われたが、そのことも含めて、トータルとしての議論が引き続き続くものだというふうに考えている。そうした中で、消費税の議論も当然出てくるし、どこにいわゆる課税客体を求めるのかということだと思う。
 なお、我々地方の立場に立つと、法人課税において外形標準課税をつくった。これは、当然のことながら、法人税の応能課税ではない。我々は、応益課税の観点から、景気が悪いときであったとしても、一定程度の応益を受けている企業の中から税金をいただくという形の税の安定性を求めて改正をしてきたわけである。当然のことながら、いろんな議論がなされるが、地方の立場としては、地方税源が充実されるよう、法人のみならず、所得課税、消費課税も含め、その努力は引き続き続けていきたいと考えているところである。

金持ちへの証券等優遇税制について

■筒井もとじ■ 大変大きな話をして恐縮であるが、こういう議論も歳入の審査の中ではしているということを記録に残しておきたいという気持ちもあって、質問を続ける。
 税制改正でのもう一つの優遇は、大金持ち減税である。
 証券優遇税制の1年延長がなされることになった。これは2003年に創設されたもので、株式配当所得と株式譲渡所得への課税の10%軽減である。もともと株式配当課税は、他の所得と合わせて総合課税するのが原則であるはずであるが、高額配当の場合は、最高税率が適用される。それを2003年には20%の分離課税に変更、08年まで10%に軽減されることになった。また、株式譲渡所得の売却益は、所得税、住民税合わせて26%の税率を20%に下げた上、さらに2007年12月まで10%に軽減される。
 これによる本県への影響は、配当割、株式等譲渡所得割、それぞれどのくらいの減税だと見ているか。

■宗野税務課長■ 委員ご指摘のとおり、上場株式等の譲渡益に係る株式等譲渡所得割、そして配当及び収益金の分配に係る配当割の軽減税率については、平成15年度の改正において、それまで総合課税であったものを、源泉徴収で納税が完了する、いわゆる申告不要制度を導入することによって税の簡素化にも資するという点もあって、5年間は10%とする優遇税率が適用されたものであり、これがこのたび1年間延長されたところである。
 そうしたことから、特に、その影響額は平年度ベースであるので税収ベースではないが、仮に、この本則の20%に戻った場合は、平成19年度の当初予算額ベースで見ると、配当割が83億7,200万円、株式等譲渡所得割が82億2,800万円の額をもとに計算すると、軽減税率の延長がない場合、3%から5%に住民税の税率が戻るので、配当割で55億8,100万円、株式等譲渡所得割で54億8,500万円、合わせて110億6,600万円の増収となるということになる。
 しかし、その場合においても、この税収については、その5分の3が市町に交付されるという制度になっているところである。

■筒井もとじ■ 市町も含めて自治体に110億を超える金が、入るべきものが入らない。この問題は、金持ち減税の批判があり、さすがの政府税調自身も廃止の答申をしていたが、自民党税調が、廃止すると、株を売り急ぐ人がふえて株式市場に影響が出るなどと、さらに1年延長したものであるが、配当・譲渡所得も10%と低いし、欧米などにもないもので、アメリカでさえ20%である。超金持ち減税と言わなければならない。
 庶民の預貯金には20%、働いて得た所得には所得税と住民税合わせて15%、金を動かすだけで得た利益がなぜ10%なのか、当局の見解をもう一度お尋ねする。

■宗野税務課長■ 委員ご指摘のとおり、配当割、株式等譲渡所得割の軽減税率の適用期限の1年延長については、与党税制調査会において、その廃止が株式市況や経済情勢に影響を与え、景気の腰折れを招く懸念があると考えられたということが大きな要因である。
 この措置については、平成19年度の与党税制改正大綱においては、1年間の猶予期間を設けて、その間に金融証券税制全般のあり方を幅広く検討し、新たな制度の導入につなげていくとされているところである。
 なお、配当割、株式等譲渡所得割の軽減税率が、資産家に対しての優遇措置であるという指摘であるが、こうした措置は、1点は、「貯蓄から投資へ」という政策目標を受けたものであるということ、また、株式投資は、インターネットを介した取引の普及により資産運用の方法として広く普及しており、さらに配当割の対象である公募証券投資信託も、低金利が続いた預貯金の代替商品として、小口からでも始められる資産運用の方法として普及してきていることから、必ずしも金持ち優遇税制との指摘には当たらないと考えている。
 なおかつ、先ほど申し上げたように、この制度の導入に当たっては、総合課税から、源泉徴収の申告不要制度とすることで税制上の簡素化にも資するという趣旨もあって、軽減税率が導入された背景もあるところである。

■筒井もとじ■ 「貯蓄から投資へ」と、リスクの多いそういうところへ投資をさせること、国民の投資意欲をどんどんふやすということが経済成長につながるのかという心配をするが、この減税で恩恵を受けているのは一体だれか。
 国税庁の統計では、全国20万人弱で1兆3,570億円の譲渡所得の申告をしていると言われる。その6割以上の金額は、所得5,000万円以上の金持ち7,525人が申告をしている。1人当たり平均1億1,555万円の譲渡所得を得ているわけである。そして、20%から10%への軽減を受け、1人当り1,155万円の減税を受けていることになる。こんなことが1年延長され、その結果が1兆円の減税となる。これは全国の話であるが、本県ではどのように把握しているか。

■宗野税務課長■ 委員ご指摘の点については、全国数値なり本県での具体的な対象人数というのは、把握できない制度になっている。というのは、配当割やこの株式等譲渡所得割という制度が、特別徴収という制度になっていることから、株式会社なり証券会社等が特別徴収義務者として合わせて申告をするという形であり、例えば17年度ベースで見ると、この配当割については本県での申告納入枚数が7,972枚であるとか、株式等譲渡所得割が494件の申告がされているというふうに、いわゆる特別徴収義務者単位であるので、そうした数字については具体的な持ち合わせがない。
 ただ、一般的に言われているのは、個人の金融資産に占める上場株式の割合等も、こうした制度によって順調に伸びており、14年度末の5.9%が17年度末では11.8%まで伸びており、英国とかフランス並みにまで上昇してきているということで、一定の政策の効果が出てきているというふうに聞いているところである。

定率減税廃止などによる庶民増税について

■筒井もとじ■ 株式譲渡益や配当など証券優遇税制の1年延長による減税効果は、総額で、全国的に言えば、1兆円を超えると言われている。これに加えて、先ほど申し上げた減価償却制度の見直しによる大企業減税7,000億円を合わせると、定率減税全廃による庶民増税の1兆7,000億円に匹敵する。つまり、庶民には増税、同じ額、金持ちや大企業には減税したという結果になるというのが統計上出てくる数字である。
 株取引は、全国の例でも、金持ちが株取引をしているのが実態である。ここに減税するのは、いかがなものかということを先ほどから言っているわけである。
 一方、サラリーマンは1月から、年金生活者は2月から、定率減税の廃止の影響を受ける。1月からの定率減税の廃止の段階でふえる所得税額は、税源移譲によって減る所得税額の方が大きいため、給与からの天引きはかえって減少するが、6月には住民税の定率減税廃止と税源移譲による住民税の引き上げが同時に実施されるから、住民税が大幅にふえることになる。1年を通すと税源移譲は増減相殺されるが、定率減税廃止分だけは確実に増税となる。先ほど内匠屋委員への答弁があったとおりである。
 昨年の定率減税半減とことしの全廃で、所得税と住民税合わせた増税総額は3.4兆円、平均すれば、国民1人当り2.6万円にもなる。これによる個人県民税の影響をどのように見込んでいるか。
 また、この結果が保育料の値上げなどにはね返り、児童手当の改善分も吹き飛んでしまう。高齢者の住民税など、昨年、大問題になった経過措置も引き上げられ、介護保険料への値上げに連動する影響もあり、高齢者の負担増も心配になる。
 この間の国による税制改悪の影響で、本県の庶民の負担増はどのようになると見込んでいるか、お尋ねをする。

■宗野税務課長■ 委員ご指摘の平成19年度の個人県民税収に影響する税制改正、今、特に定率減税を言われたが、全体としてのいわゆる税制改正に伴っての16年度以降の影響額であるが、個々に言うと、16年度改正では、老年者控除の廃止等で3億2.300万円、17年度改正では、65歳以上の非課税限度額の見直しで8,800万円、18年度改正では、定率減税の廃止などで57億8,300万円、合わせて61億9,400万円ということで、こうした税収上の増収効果があるところである。
 しかし、この制度は、一つには、少子・高齢社会の中で、現役世代のみに過度に負担を求めるということであれば将来の社会活力が失われるというような観点から、年齢に関係なく、一定の能力を持っている人には、低所得者には配慮しながら、負担を求めようという趣旨での改正であるし、定率減税の廃止についても、11年度当時の著しく停滞した経済状況とは大きく変わっているということと、19年度から個人課税が大きく税源移譲等によって変わるという中で、廃止をされたところである。
 これに伴っての県民全体への影響額ということについては、私どもでは試算をしていないところである。

■筒井もとじ■ 2003年からの税制改悪で171億円と県民緑税20億円合わせると、庶民の増税額は、本県では191億円になると私どもは計算している。計算していないということであるから、これが正しいとも、間違っているとも言えないと思うが、結局、逆立ちした税制が一番大きな問題だと思う。
 せめて高齢者などの雪だるま式負担増から暮らしと生活を守るには、庶民にこそ減税が必要ではないか。県として減免制度を求めるが、これに対する考えをお聞かせいただきたいと思う。

■宗野税務課長■ 個人県民税の減免制度については、地方税法の中で、市町にこの賦課徴収が法定委任されていることから、市町が減免をした場合には、自動的に県民税も減免をされるということであるが、県においてその制度を設けるということは、制度的にできないこととなっているところである。

■荒木企画調整局長■ 少し補足して答弁をさせていただきたいと思う。
 先ほどから、事業税を中心とした法人の話があった。ただいま県民緑税の超過課税のお話を伺ったところである。
 県においては、超過課税という形で、法定税を中心として超過課税をしている。今、筒井委員の方からは、県民緑税が取り上げられたが、兵庫県においては、法人に対して超過課税をしているところである。その歴史は古く、昭和47年からやっている。法人に、国が定める制限税率の範囲内で超過課税をお願いし、産業の振興はもとより、勤労者に対するCSR活動をやってきたところである。
 また、県民緑税については、県土を守るという観点から超過課税をお願いしているところであるので、法人にも超過課税をしていることを、ぜひともご理解を賜ればと思う。よろしくお願いする。

■筒井もとじ■ それでは、税の賦課徴収を定めたもので地方税法で定めている減免対象は、火災、震災などその他特別の事情のある人、貧困により公私の扶助を受けている人が減免対象になることができる、たしか市町が第一義的に条例で定めればできるということになっている。
 しかし、県として、県税部分については県に権限があり、条例で定めれば運用できるはずである。ぜひひとつ研究・検討してほしいと思う。貧困など格差是正の上でも大事な視点であるが、ひとつ考えて研究してみていただけないか。

■宗野税務課長■ 先ほど申し上げたように、法制度として、この個人県民税については、減免は県において制度化できないということになっている。そして、市町におけるその減免制度の適用については、単に災害等の場合のみならず、具体的には、例えば、前年度から大きく所得が半減したような場合、また、離職等した場合については、減免が行われており、極めて幅広く減免制度が適用されているので、そうした点からも、必要なものについては対応できる状況になっていると考えているところである。

投資事業を見直し県債発行抑制を

■筒井もとじ■ ぜひひとつ、県としても検討を要望しておく。
 次に、県債についてお聞きする。
 税収が大きく伸びたのは税源移譲や庶民負担増によるものであり、全体として収入が大きく伸びたわけではない。私が初めて県議会に加わった1987年当時はバブル期だったが、当時の県の起債残高は一般会計で7,491億円であった、そういうふうに承知している。それが、07年度予算では3兆3,181億円、4.4倍にまでふえ続けている。県債発行額が851億円から2,423億円と2.8倍になっている。歳入規模は1兆941億円から2兆883億円と1.9倍である。財政規模の伸びは1.9倍、地方債発行が2.8倍、起債残高は4.4倍、つまり財政規模は2倍にも伸びていないのに、借金だけは4倍になったというわけである。
 普通会計ベースで見ると、基準財政収入額に対する県債発行額は、当時28%、05年度決算では71%にも達している。07年度の見込みも同じように推移している。これは、つまり収入を起債に頼って仕事をする、そういう体質に変わっているのは明らかではないか。なぜこんな県の体質になったのか、お伺いする。

■小谷財政課長■ 本県の県債発行額である。昭和62年度の決算では、起債発行額は840億円となっている。一般会計の歳入総額に占める割合は7.7%となっている。20年たった平成19年度予算の県債発行額は2,423億円と約3倍になっている。歳入総額に占める割合も11.6%となっており、3.9ポイント上昇しているところである。
 一方、地方財政計画における同様の割合を見てみると、昭和62年度については9.9%、平成19年度については11.6%となっており、本県の水準というのは地方財政計画の水準とほぼ同様となっている。標準的な水準ではないかと考えているところである。
 一方で、県債の残高については、昭和62年度末と比べると4.4倍となっているが、まず、委員ご指摘あった3兆3,000億円の県債残高の中には、国の地方財政対策により発行を余儀なくされた減税補てん債、減収補てん債、臨時財政対策債などが約1兆1,000億円と、全体の約3分の1を占めている。国の政策によって県債残高が増加している。これは全国の都道府県共通する傾向である。
 また、震災分、やはり本県の場合はかなり多くなっている。県債残高について、この震災分の影響を除いて人口とか規模などが類似の府県と比較すると、平成元年度と比べると、大体、本県の場合は2.8倍ということで県債残高が膨れているが、類似府県については3.5倍となっているので、それを下回る水準にあると考えている。

■筒井もとじ■ 我が党は、これまで収入に見合った投資事業、体力に合った公共事業を求めてきた。震災や景気対策でやむを得なかったと言われるが、事業そのものが問われているのではないか。県は、実質公債費比率抑制緊急対策でも、阪神・淡路大震災からの復旧・復興事業に取り組むために1兆5,000億円起債を発行したとしているが、94年から新年度予算までの起債発行総額は幾らぐらいになるのか、わかれば教えていただきたい。
 具体的に通告してなかったので、すぐにわからなければ、また後で教えていただきたい。
 県の発行総額は4兆4,000億円を超えている。震災による起債の2倍近い起債発行である。震災以外にも、国の景気対策やアメリカによる公共投資630兆円の圧力などの事業による起債発行も大きなものがある。
 しかも、震災の影響と言っても、復旧事業費の起債発行額は1,283億円と、1兆5,000億円の8.6%にしかすぎない。創造的復興という名のもとに1兆3,700億円、神戸空港、関西空港2期、淡路交流の翼港、山陽道など高速道路の六基幹軸など、震災と直接関係のない大規模事業をどんどん推進するために起債を発行し続け、今日の4兆円を超える起債残高となってあらわれている。
 このことを反省することこそ問われているのではないか。この指摘を真剣に受けとめていただきたいと思うが、部長、いかがか。私どもはずっと言ってきていることである。

■辻井企画管理部長■ 私たち人類が初めて高齢化社会で大都市直下型のあの震災を受けたときに、どのようにこの震災から復興できるのかということで、特別法ということも考えたし、それからまた、このような天災を回復するには一国二制度といったことも必要だといって働きかけてきたが、それはかなわなかった。
 しかし、そのかわり、国はもとより、全国から支援を受けて、そのときに一番我々が考えたことは、これをそのままに戻して、戻ったときに、果たしてこの兵庫の地域が元気な形で戻せるのかと。そういうことから、単に復旧だけでなくて、復興を図っていかなければいけない、そして、その復興は、計画についても、フェニックス計画ということで、プロセスを大事にしながら皆さん方と一緒に復興計画をつくってきた。
 そのときに、確かに今回の起債の総事業費2兆5,000億円、そのうち1兆8,000億円の解釈には、直接復旧に資するものと、そういう関連の事業の復興分をとらえた、例えば、区画整理とか再開発、それも入ってない部分がある。先ほどの空港はもちろん入ってない。例えば、道路とか先ほど言った区画整理等のインフラとか基本的に直接必要なものを復旧し、それとあわせて、生活を確保するための事業とか、産業基盤とか、尼崎臨海、東部新都心という拠点づくりをやってきた。これは今の企業立地にもつながっていることだと思う。単に復旧するインフラ部分のみをもとどおりにしても、それを利活用して人々が元気にならなければ、それは復旧・復興とは言えないのではないか。そういう中で、今、復興事業も含めてやってきたわけである。
 確かに起債、実質公債費比率、全国ワースト3位であるが、これは何もオリンピックの過剰設備投資をしたわけでもなく、イベントで大赤字を出したわけでも決してない。復興しなければ、もとに戻らないという考え方のもとに、やるべきものとしてやってきた結果がこういうことになったわけである。
 その考え方はさまざまであろうと思う。その復興事業のものまで必要でなかったと言われるが、今の状況を見ると、こういう中でやってきたとしても、震災前の状態にGNP、人口は戻ったが、知事が常々言っているように、日本の平均と比べたら10%まだ差がある。だから、そういう中で、選択としては、創造的復興というものをとらざるを得なかった、そういうところをぜひご理解をいただきたいと思う。

■筒井もとじ■ まさにその点では、いろいろと議論もあろうかと思うと言われるように、震災復興についての総括というのは、私はまだできてないと思う。人間の復興という点でもまだできてないと思う。
 これ以上議論を続けると、延々となるので、これはもう打ち切るが、しかし、あの当時、バブルが崩壊し始めたときだから、大阪、関西経済圏の人たちから、兵庫県は焼け太りではないのかと、国からの金を引き出すために、関係のないことまでどんどん手を広げてやっているのではないかという批判の声が出ていたことも確かである。
 だから、確かに復旧の次には復興で、まず復旧が必要だったが、それも人間の復興という点では、復旧も私は不十分だったと思うし、おくれたと思うし、復興はもっと精査されるべきではなかったかと考えている。これはもう議論になるので、これ以上しない。
 借金に頼らない、生活に必要な密着した事業をすべきで、今の3,000億円台にも及ぶ公共投資こそ抜本的に見直して、90年代前半の投資規模、当面2,000億円以下に抑え、社会保障にもっと力を入れ、地方自治の仕事である住民の福祉にこそ力を注いでいただきたいと思う。

実質公債費比率について

■筒井もとじ■ 実質公債費比率は、先ほどから質疑があったが、2005年度決算では19.6%、全国ワースト3と厳しいものがある。今回の対策でも、07年度では21.5%、08年以降は、05年度の単年度25%がなくなり、しばらくは改善基調になるのではないか。一方で、知事は、提案説明の中で、今後、このままでは25%を超え起債が制限されかねないというふうに言われたが、今後大きな満期償還が何かあるのか、お尋ねする。

■小谷財政課長■ 実質公債費比率であるが、今回2月補正で、緊急対策ということで認めていただいたこの対策があったおかげで、今回とった対策が具体的にきいてくるのは平成19年度の決算であるが、19年度の単年度の実質公債費比率については、おおむね4%程度引き下げる効果がある。それで、3年間の平均数字で実質公債費比率をはじくので、19、20、21と、今回積み立てた分の効果が3年間平準するころには、単年度のおおむね4%程度というのがずっときいてくることになる。
 平成20年度以降の実質公債費比率の推移については、先ほども答弁したように、仮定に基づく推計でしかないが、今回の対策をとった後も20%を超える高い水準で推移する。最高では一時23%程度になると見込まれるので、仮に積み立てを行わなかった場合には、さまざまな要因があるため単純に計算することはできないが、25%を超え起債の制限を受けかねない状況になる可能性があった。
 満期一括の大きいのがあるかどうかという話である。
 平成17年度、実質公債費比率25%と単年度でなった。これは、一つには、今は満期一括は10年で発行するものが多いが、10年前の平成7年度、これはまさに阪神・淡路大震災からの復旧・復興事業で満期一括債の発行が多かったという事情もある。
 ただ、これはたまたま10年前が震災であったためだけで平成17年度の数字だけが上がったのではない。国の方で、地方債のもとの原資について、政府資金の割合がどんどん市場の方に移行した。市場から資金を導入するに当たり、最初は定時償還方式、抽選で当たった人だけは、ある時期に突然お金が返ってくるという方式でやっていたが、これであると、例えば資金運用などをする面で非常に見込めないような状況になるので、市場で売っていくのに不適当ということで、満期一括、いつ、どれぐらいのお金になるかわかる方式というのに切りかえが進んだ。この切りかえがなされたのがちょうど平成7年度である。そういった事情があって、市場に資金を求めている地方債については、震災関係の事業債以外の分、経済対策によって行われたような分まですべて含めて、市場で資金を調達する満期一括分がふえており、平成7年度に多かったために、特別に17年度の決算で数字が悪化したというわけではない。
 それからずっと市場で満期一括で発行していた地方債は高どまりをしている。これは、先ほど委員からご指摘あったように、地方債の発行がふえているという状況であり、今後も高い水準で推移する。そのために、基金の不足によるペナルティー部分として乗っている部分というのは、毎年、10年前の事情により、でこぼこするが、かなり乗ってくるということになる。
 だから、震災復興が落ちつき、地方債が落ちついてきたから、右肩下がりで下がっていくというものではなくて、10年前、それから、多いものでは20年前の事情により、各年度、でこぼこする。その中で、対策後であるが、一時23%もうかがうような年もあり、今回の対策をとっていないと、ちょっと25%を超えるような懸念もあったということであるので、ご理解いただければと思う。

■筒井もとじ■ 時間が迫ってきた。あとの通知していた特定目的基金の活用、高校授業料値上げの撤回をという問題は省略する。せっかく準備いただいたかもしれないが、お許しいただきたいと思う。
 知事は、県民本位、生活重視、現場主義、このことをしきりに言われている。いい言葉である。確かに、そういうことに徹すれば、県民のための県政になると思う。
 ただ、私どもが今までも指摘しているように、あるいは皆さんも認めているように、減債基金を積み上げるなどの対策は、県の借金体質を改善するものにはならない。これは、応急処置だから、今後の県財政の改善ということが非常にこれからも大きな問題になってくると思う。
 知事のこういう言葉は、私はこれは歳入歳出両面で実施されるべき考え方だと思うので、ぜひひとつその点を心得ていただきたいと思う。
 先ほどから、震災の問題でも、皆さんと一緒に私も苦労したあの当時の苦労のことを思い出しながら言っているが、決して皆さんの努力を軽視しているわけではないし、けなしているわけでもない。一生懸命努力しても、やはり政策的な面でしっかりと取り組んでいただくということが、今後、必要かと思う。
 私の質問はこれで終わるが、本当に、財政、歳入面を担当される皆さん方の責任も重大だと思う。健康に留意しながら頑張っていただきたいと思う。ありがとうございました。


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