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2005年(平成17年)度決算特別委員会健康生活部審査 筒井もとじ
2006年12月7日

医師不足問題の解決のために

■筒井もとじ委員■ 私は、医師不足の問題について、それを中心に質問をさせていただきたいと思う。
 先日、八鹿病院で出産対応を4月から取りやめることが報道された。3月末には産科の医師2人が大学に引き揚げるため、常勤医師が確保できなくなったとのことである。今、県下の至るところで深刻な医師不足問題が起こっているのはご承知のとおりである。今議会、我が党の代表質問に引き続き、この問題で質問をする。
 私は、この問題を考える上で、基本点が大切だと思う点から始めたいと思う。ちょっと大上段で物を言っているようであるが、それは医師の数が国全体では足りている、地域偏在や診療科目の不均衡が問題と、知事もそういうふうに答弁されていたが、果たしてそうだろうかという問題である。国は現在、医師の需給に関する検討会を行って、7月末に報告書を出された。この医師の需給の見通しでは、必要医師数が何人で、現在の医師数が何人とされているのか、答弁をお願いする。

■山本医務課長■ 「医師の需給に関する調査報告書」によると、平成16年、2004年において、医療施設に従事する医師が25万7000人、医療施設に従事する必要医師数が26万6000人と推計され、その差は9000人とされているところである。

■筒井もとじ委員■ 差し引き9000人をふやせば将来にわたり十分足りるという計算になっている。知事も言われた、国全体では足りているという根拠もここにあると私は思うが、この見通しには大きな問題がある。一つは、現場の実態が反映していないという問題である。国の医師の需給見通しの前提として、勤務時間は週何時間で計算されているのか。

■山本医務課長■ この推計に当たって、通常は勤務時間とはみなされない休憩時間や自己研修の時間を除いた診療、教育、他のスタッフへの教育、その他会議等の時間を医師の勤務時間と考え、これを週48時間までに短縮するのに必要な医師数から求めたものと伺っている。

■筒井もとじ委員■ 国の検討委員会の議事録を読むと、「ある委員の作文だ。どう公平に見ても27.7万人ありきの報告だ」など、厳しい批判の意見も出されている。現場の医者がこんな勤務状態を続けていると、本当にこういう状態でやれるというふうに思っておられるのか、私も不思議に思って仕方がない。大変な労働強化というか、過重労働というか、そういうことをやっているのが実態ではないか。国の報告書の「全体として足りている」というのは、そのような議論も出されている数字だということを認識する必要があると思う。
 私の旧制中学の同級生は8人が医者になった。ちょうど終戦直後だったので医者不足で、たくさんなった。今、生きているのはそのうち3人である。弁護士や、あるいは司法書士や教師の寿命はもっと長い。医者が何でこんな短いのだということが問題になったと聞いているが、こういうような過重な労働をやっている。
 さらに、この報告書には、国際的比較の観点が欠落していることも問題である。OECD平均と比較すれば、1970年代には10万人当たり日本は110、OECD平均で120とほとんど変わらなかったにもかかわらず、その後、差がぐんぐん開き、90年には170人と230人、2005年には200人対310人というふうに開いている。引いた数、差を見ると、35年で10人から110人、10倍以上に広がっている。これは80年代以後の政府の医学部定員の抑制、医師数の抑制の政策の結果であることは明白であると思う。このようなさまざまな議論や問題点がある国の医師数の需要見込みについて、県としても、少なくとも勤務医の実態を反映したものにすべきと、国に対して意見を上げるべきではないか。どういうふうに考えられるか、答弁願いたい。

■山本医務課長■ この推計によると、厚生科学研究の調査に基づき、例えば、現在20代の男性病院勤務医師の平均従業時間が57.4時間となっているが、これを週48時間まで短縮するのに必要な医師数を求めたものと伺っている。
 平成29年――2017年ごろから医師供給数が必要医師数を上回ると推計した平成10年の需給見通しが、医療法によって定められた患者当たりの標準となる医師数を基準として検討されたのに対して、今回の需給見通しは、実際の医師の勤務状況を調査し、これと将来の医療需給の変動推計をあわせて検討し、実際の医療現場の状況により反映したものであるとされているところである。
 なお、諸外国の比較のお話があったが、OECDの中で一番高いのはイタリアであり、イギリスは日本よりも若干低くなっている。医師数と医療内容が必ずしもパラレルということでなく、各国の医療制度等によるもので、単純な比較は困難と考えている。

兵庫県の現状と取り組みについて

■筒井もとじ委員■ 非常に実態を見ないというか、国の言うとおりに一生懸命説明するという、そういう姿勢がうかがわれると思う。私は、これでは、医師の偏在は確かだが、それだけではない、絶対数が足りないのだということを申し上げている。
 次に、兵庫県の現状と対策について伺う。
 兵庫県は、9月に医療確保対策推進本部を設置され、研修医師の県採用の確保を初め対策を打ち出された。対策は、六つほどいろいろ挙げられているが、すぐに役に立つというか、差し当たり非常に有効であると思われる目玉となる研修医師の県採用について10月末まで募集が行われ、その後も募集が年末まで延長されている。募集状況について伺うと、延長しているとしか言われないが、実際に応募の現状はどうなのか、まず、その点からお答えいただきたい。今の現状で結構である。

■山本医務課長■ 専攻医の県職員採用については、1年間は研修期間であるので、直ちに勤務に就くのではないが、募集開始後、問い合わせが40件あり、他の募集機関と競いながら、1人でも多くの確保をめざして年内の募集期間としているところである。

■筒井もとじ委員■ 問い合わせと、やりますというのとでは全然違う。問い合わせというのは、あっちにも問い合わせ、こっちにも問い合わせていると、それが40件あるから、5人ずつの専門的な研修医を、25人だったか、確保するのはできそうに思うというのであれば、もう打ち切ったらよいわけである。ところが、打ち切れないということは、どうなるかわからないと、ほかの病院に行ったりしてしまうという可能性が非常に高くて、はっきりしないということを意味しているのではないか、そんなことで果たして確保ができるのかという心配をする。対策の目玉がなかなか困難だというふうに思う。
 さらに困難となっているのが研修医師の定数の問題である。国へ医学部定員数の枠外にしてほしいと特区申請を出されたが、断られた。国の断った理由はどういうことなのか、教えていただきたい。

■山本医務課長■ 本年8月31日、国の「新医師確保総合対策」の中で、平成16年度の人口10万人当たりの医師数が200未満かつ同年の100平方キロメートル当たりの医師数60以上の県を除外という二つの条件を満たす10県について最大10人、期間は平成20年度から10年間に限り、当面、当該県内における医師数の養成の上乗せをする暫定的な調整がなされたところである。
 県としては、広大な県土を有し、圏域の実情も多様であるから、2次医療圏の10圏域のうち、5圏域がこの国の基準に該当する。当該圏域に派遣する医師について、現行定員とは別枠の定員にするよう、特区の申請をしているところであるが、国の方は、上記1、2の要件を満たし、特に深刻と認められる県について、県の養成の上乗せをする暫定的な調整を容認したものとの回答である。

■筒井もとじ委員■ 結論として、国が特区申請を認めなかった。それは医師数、医学部定数をふやさないという国の方針になっているからだと思う。実際、国の新医師確保対策でも、医師の定数については、平成9年の閣議決定で、医学部定数の削減に取り組むという文書が出てくる。この方針を変えないと医師不足問題の解決、突破口は開けないというふうに思う。
 特区申請について、県と国との間の数回のやりとりの中で、国の再回答にこういう文書がある。「文科省としては、医師の需給に関する検討会などの意見を踏まえつつ、厚生労働省とも連携をしながら、医師不足地域における大学医学部の入学定員増を認めるかも含めて、医学部入学定数のあり方について検討していきたい」、こういう言葉がある。結局、医師需給の見通しの問題である。やはり、国の見通しを医療現場の勤務医の実情を反映し、正しいものにしていかないと、国の方針は変わらないということであろうと思う。本会議でも、医師数の抑制ではなく、増加、充実を国に強く求めることを要望したが、医師の需給の見通しの問題も含め、県として、この姿勢を国に要請すべきであると思うが、部長の見解を伺いたい。

■山本医務課長■ 本県が求めている暫定の拡大は、あくまで医師確保と連動した緊急対策であるので、総体としての医師需給見通しについては、別の議論と考えている。

但馬地域の医師不足問題について

■筒井もとじ委員■ 医師全体の問題を国に求めないで、地域や診療科の偏在だけの要望では、国の医師抑制の間違った方針は変えられないと思う。国に対して、住民の声、医療現場の声を代弁して、そういう立場に立って迫っていくことが求められていることを強く指摘をして、次に移る。
 国の打ち出した対策で、医師不足地域として、医学部定数増の地域にならず、兵庫県の研修医師の県採用もなかなか大変だということで、医師不足の深刻な地域の住民にとって安心の状態にはならない。特に、すべての公立病院で医師が不足している但馬地域において、但馬医療確保対策協議会を一番初めに立ち上げられたが、議論されているこの協議会に、県として、どのようにかかわっておられるのか、お尋ねをする。

■山本医務課長■ ご指摘の医師不足問題については、但馬全域で医療を確保する観点から、「但馬の医療確保対策協議会」が設立された。各病院の機能分担や連携のあり方など、将来にわたり、継続的かつ安定的に医療を確保するための方策の検討が行われるに際し、県も、医療政策上広域的な調整の立場から参画を求められ、県民局とともに参画しているところである。

■筒井もとじ委員■ 委員として2人出ておられる。要綱では6条の2、兵庫県は医療政策の観点から必要な検討素案の提供を行うとなっている。協議会議事録を見ると、事務局として、豊岡病院組合の3人とともに県3人の職員の名簿が上がっている。豊岡病院のホームページでも、県とともに協議会の事務局をさせていただいていると書かれている。事務局的役割と、指導と助言する役割と、県は両方の役割を担っておられると思う。
 そこで、議論が今、但馬地域で問題となっている。協議会は7月に第1回目が公開で行われ、第2回目が今月9日に予定されているそうであるが、一方、具体的な議論をされているワーキンググループというのがつくられている。一切公開されておらず非公開である。ここで住民に知らされないまま議論されているのが問題である。
 事務局としても、指導、助言する立場としても、ワーキンググループも全面公開すべきと提起されてはどうか。メンバーは全員公的な方ばかりである。合意は得られると思うが、いかがか。公開のための提起をしていただけるか、お尋ねする。

■山本医務課長■ ワーキンググループの公開・非公開は協議会で決定されるべきものであるので、県としてコメントする立場にはない。

■筒井もとじ委員■ 指導して、事務局まで送って、実際上、イニシアチブをとって進めておられるのは県である。それで、ワーキンググループをつくって実際の仕事をさせている。これを公開させるかどうかを皆さんに諮ってくれたらどうですかと、こういう提案をしているのに、そういう立場にはないなどというのは、これはだれが聞いたっておかしい答弁である。本当にこういうことについては、参画と協働というのなら、こういう医療というような大切な問題で、住民の合意なしに一方的に進められないことははっきりしており、公開していくことは必要だと思う。
 この間、ワーキンググループは3回開かれて、積極的な議論が行われているワーキンググループであるが、この公開を求めたのは、そこで但馬の公立病院の病床数の変更まで論議されているという情報があるからである。但馬の市会議員と町会議員が先日署名と要請を部長さんのところへ届けに来た。そこで病院関係者から聞いたという話がある。香住病院102床を50床に、浜坂病院110床を50床に、出石病院55床を19床以下の有床診療所にする。村岡病院55床も有床診療所にする。朝来の梁瀬病院50床は0床とする。こういうようなことが言われたということが漏れてきている。八鹿病院の療養病床も55床をなくす。これは医師不足問題に対応する集約化・重点化として論議されているということである。これは事実であるか、確認したいと思う。

■山本医務課長■ ワーキンググループについては、協議会における検討素案の準備作業を担っているものであり、先ほど申し上げたとおり、非公開とされているところである。明後日、12月9日には第2回の協議会が開催されることになっており、協議の内容は公開されることになっている。

■筒井もとじ委員■ ワーキンググループで決めてしまってから協議会に出して、協議会がそれを発表する。こんなことでは寝耳に水ということになってしまう。協議会で決めることと、こういうふうに言われているが、この提案に県がかかわっているのは、協議会の先ほどの規定からも明らかであり、関係がないとは言えない。
 これらの病院は、国や県の支援はあるが、但馬の住民が自分たちの町でつくってきた公立病院である。協議会やワーキンググループには村岡や梁瀬病院の院長などの関係者は一切入っていない。それなのに自分たちの病院の病床をなくすことが議論されている。驚くのは当然である。知事が本会議の答弁で、「安全・安心の医療供給体制が構築されていくよう支援する」と言われているが、病院のベッドをばっさり削ることが安全・安心の医療体制になるのか、どうなのか。
 現状の中で、医師を送り込むことこそ県の責任ではないか。現状を明らかに住民にしながら、結果としてこうならざるを得ないというような説明があるのなら住民もわかる。肝心の医師を県は何もしないで、こんな対応をしていると言うだけで、県立病院が、例えば1人の医師でも送り込んでいるというのなら、これは非常に努力をしているということになるが、そうじゃなく、病床を削ることから始まる。こんなことに住民が納得するだろうか、ちょっとお答えいただきたいと思う。

■山本医務課長■ 第1回の協議会において、但馬地域の医療機能を確保するため、引き続き医師の確保に努める一方、急性期・慢性期の医療機能を分担するとともに、地域の状況に応じた思い切った集約化・重点化を図り、連携して医療を守ることが不可欠であることが当初確認され、この検討作業に入ったところである。引き続き僻地医師の確保に努めるとともに、医療機能の集約・重点化を図り、将来的な医療提供体制を整えようとする考えである。

■筒井もとじ委員■ 口だけではだめである。県の保健医療計画の但馬版では、「但馬圏域は人口が少なく、面積が広大であるため、県民が身近なところで治療できるためには、少なくとも全県値(人口10万対)以上の保健医療施設の整備が必要である」と書かれている。この見地に立てば、但馬の病院を基本的に維持することが当然ではないか。ワーキンググループでの議論は逆さになっているのではないか。住民無視の集約・重点化ではなくて、医師数をふやす立場で国に迫ることも含めて、医師不足対策を改めることを強く求めたいと思う。
 国の医師の需給に関する検討委員会の委員でもある全国自治体病院協議会会長小山田氏は、新聞のインタビューで、「当面の緊急対応として集約化するとしても、こうした連携は住民の理解がないと成り立たない。だから、将来的には医師を確保するという展望を持ちながら、病院と医師、自治体、住民が崩壊の危機に瀕している地域医療をいかにして守るかという観点で信頼と合意を形成し、進めることが欠かせない」と強調している。住民の信頼と合意こそ、医療を守るために必要という立場で議論を尽くすべきであろうと思う。本当に但馬の過疎地の住民の方々の不安、医療に対する期待、こういうものを無視してはならないというふうに思う。
 今の協議やワーキンググループでの検討は「信頼」ではなく、住民を置き去りにして、「疑い」になっている。ヘリコプターで運ぶとか、いろんな方法まで言われているが、それは第2、第3段階である。今の現状をどれだけ、全県の力を集めてでも解決の方向に一歩でも踏み出す。その上に立っての集約でなければ、国はあらかじめ医療費を削減するために療養病床を半分にするとか、病床数を減らすとか、そういうことばかり考えてやっている。そのお先棒を担ぐことになるのである。
 私は、何も国を悪く言って、攻撃するためにこういう問題を持ち出しているのではない。但馬の医療を本当に守る。きょうの但馬は明日の丹波で、明後日の北播だと、私は、そのことを強く訴えたいと思うが、最終的に、部長、お考えをお聞かせいただきたい。

■中瀬健康生活部長■ 先ほど来、課長から丁寧にお答えしているつもりであるが、医療の確保については、国の研修医師制度、そういういろんなもろもろの影響がある。ただ、我々は今、地域の偏在と診療科目の偏在について、県として、持てる力を全力で尽くす、そのために本部を置いて、各圏域、それぞれの地域で具体的な対応をとろうと、その第1段が但馬の圏域の協議会である。圏域の協議会でいろいろ議論される、それに対して、県としてできることは最大限支援する。そのための準備のために参加してくれ、そういうことであるので、現在参加している、そういうことである。
 明後日、具体の検討作業があって、協議会の中で、各開設者であるとか、地域のいろんな医療機関の方々、ご参加になって検討されるので、その検討を待って、県としてできることをやっていきたいと考えている。

■筒井もとじ委員■ 発言を終わるが、私は、大震災のときに思った。医療人というのは、自分の診療所がつぶれていても、そこに患者がいるならば駆けつける。こういう人たちが多かった。残念ながら県立病院は、物すごく奮闘した病院もあるが、当日、閉めてしまった病院もある。医療人に訴えて、県立病院も挙げて、但馬の今の医師不足の問題を全体で検討して、少しでも応援する。その間にちゃんとした医者を探す。こういうことも含めた努力を強く要望して、私の質問を終わる。

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