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2005年度予算特別委員会農林水産部審査 杉本ちさと
2005年3月17日

納得できない「県民緑税」

■杉本委員■県は2006年度から県民緑税を導入すると提案しました。個人の場合納税者一人当たり800円ですが、緑税のことを県民はあまりよく知りません。ご存じの方は県民は緑税を負担すれば山がきれいに整備保全されると思っていますが、これで山やきれいになりますか。おたずねいたします。

■三上豊かな森づくり室長■先程来述べておりますように今現在広域的機能に着目いたしまして一つの柱としまして新兵庫の森づくりを展開しております。しかし、今回の台風被害などを踏まえますとやはりまだまだ新たな課題がでてきておる。また、充分でないという点もございます。そういった中で先ほど申しましたように防災林整備また自主防災の森づくりそれから針葉樹と広葉樹の混交林化等々、災害に強い森づくりを計画的に実施していくことによって十分その力は発揮できるものと考えております。

■杉本委員■充分な施策が行われないようであります。知事の本会議答弁でも税収自体は緑の保全体制の施策全体からするとその一部を充足するものと成らざるを得ないとこのようにおっしゃております。
  ほんの一部しかよくならないのなら県民は納得できないのではないでしょうか。緑税導入の最大の理由に森林の荒廃をあげて使い道も主に災害に強い森づくりにあてると言われています。昨年の一連の台風で森林は大きな被害を受けました。これだけ災害に弱い森になった原因は、国は杉や檜のみ密植造林だけに補助金を出して画一的な人工造林をすすめておきながら、外材を輸入し林業がなりたたないようにしたことが最大の原因です。この点では県の責任も重大です。旧造林公社いまの「みどり公社」は2万ヘクタールもの分収造林をすすめてきましたが、木が売れなくなり莫大な借金をかかえています。県自らが拡大造林を積極的に進めて災害に弱い森を作った。この責任をどう考えていますか。

■三上室長■林業をとりまく情勢につきましては先ほども述べましたように戦中戦後非常に乱伐が行われ森林が非常に荒廃したわけであります。そういった中で復旧するというのは最大の課題でございました。
  そしてまた戦後住宅をはじめとした復興資材ほとんど木材でございます。それをいかに増勢していくか、その中で杉、檜という非常に建築用材として世界的にも優れた樹種でございます。また成長も早い。こういったものを一生懸命植えまして戦後のそういう役立てようとしたわけです。そういった中で朝鮮特需というようなことで経済成長がどんどん行われ非常に木材需要が増えていったわけです。そういった中でその当時の昭和36年の朝日新聞の社説にございますように当時物価が4.5%上がった中で木材が30%以上あがったという事実がございます。その中で国民に対してそれでは木材の供給ができないというふうなことで緊急輸入に踏みきったわけです。それが現在木材の輸入の自由化に繋がりそしてまた変動相場プラザ合意において非常に円高になってきた。その中で国内産業が非常に、木材産業が非常に打撃を受けた。
  そういった中で採算性が悪化しそしてせっかくそれを育てていこうとしましたが、採算性の悪化からやはり手入れを怠ってきたというのは事実でございます。そういった中でその時代時代の要請に応じた施策を講じてきたわけでございまして、私たちはそれに対してなんら恥じることは思っておりません。
  ただ、そういう結果としてそういうことになった外的要因もありますが、なったということに対しましては深く反省し、平成6年度から広域的機能に着目したもう一つの柱としてやっていっているわけですのでそういう考え方でございます。

県の「森林管理100%作戦」で多くの間伐が山に放置

■杉本委員■「深く反省をし」というお言葉がありましたが、責任というのはしっかりと受け止めなければいけない。その責任を棚上げにしてということではやはり県民は納得できないというふうに思います。
  県が率先して人工林化を進めてきたわけですが、木材価格が下がって間伐を行っても運搬費用もでなくなった。で間伐がすすまなくなって荒れた山が増えたんですね。今日の森林の荒廃を作り出した責任というのはあります。県は14年度から森林管理100%作戦で間伐を進めていくとしていますが、この実績についてお答え下さい。

■三上室長■森林管理100%作戦につきましては45年生以下の間伐が必要な森林のうち放置されております8万7500ヘクタールを公的管理の充実により間伐を行うものであります。14年度から23年度まで10年間の計画としております。初年度14年度は約7800ヘクタール2年目の15年度には約1万ヘクタール累計1万7800ヘクタールの間伐を実施しております。目標面積に対します進捗率は20%ということで計画通り進んでおります。

■杉本委員■2年間で1万7800ヘクタールということですが、1ヘクタール当たり3000本で2割の間伐を行うとすると1000万本以上の木が間伐されたことになります。この間伐材が利用されたのはどれくらいでどのように活用されていますか。

■島津林務課長■間伐材の利用実績は平成14年度では6万5000立方メートル、15年度では8万2000立方メートルでございまして、その主な用途といたしましては杭ですとか階段等の土木工事用資材、緑化木の支柱それから林地の表土流出を防止するための土台木などに活用しております。

■杉本委員■山の中で活用されているのを含めると2〜3割の利用ということですが、事前にお聞きしたところによりますと山から搬出され利用されたのは1割程度。1割に満たないということです。そうすると900万本もの間伐材が山に放置されていることになります。人工林というのは適切な間伐が行われて下草が茂るようにし、手入れが続けて行われてこそ保水力のある土壌の強い森になります。しかしこれだけの間伐材が放置されていれば手入れのよい災害に強い山になるわけがありません。
  また間伐を行って高齢の木を育てても売れる見込みがなければその木は切って持ち出されることがなく、新しい木が保育されることもありません。循環が断ち切られてしまうわけです。これでは災害に弱い森の問題は何も解決しないのではありませんか。こういう状況を放っておいて災害に強い山をつくるからと県民に増税を要求しても理解は得られないのではないかと思いますがいかがですか。

■島津林務課長■森林は伐採、植栽、保育といった林業生産サイクルが円滑に循環することによって再生するものでございます。特に間伐等の保育ですとか木材の利用を推進することをはかることが重要であると考えております。このため杉檜の木材生産機能を重視した従来の林業生産に加えまして川上では経済情勢の変化の中で広域的機能に力点をおいた森林管理100%作戦を実施しておるわけでございます。
  また、川中においては木材の供給流通システムの改善をはかる必要がございますことから素材性産業や製材業が一体となった品質の向上ですとか流通改善の取り組みを指導支援しているところでございます。
  さらに川下においては、兵庫の木造木質作戦として県立施設木造木質か20%作戦や県産木造住宅に努めているところでございます。このような取り組みをすすめることによって森林の循環をすすめてまいりたいと考えております。

林業振興のための県産木材の活用促進を

■杉本委員■ほんとうに災害に強い山や森をどうつくるのかというのが問題だと思います。始めに述べましたように人工林全体の内対象となるのはわずか数%にすぎません。その他の90%以上の山は荒れたまま放置されることになるのではありませんか。そのような山をきちんと整備するために林業生産活動のサイクルが成り立つような支援こそ災害に強い山づくりの上でどうしても欠かせません。そこで林業の振興についてお尋ねします。県はその施策の一つとして公立施設の木造木質化作戦をすすめていますが、県産材がどんな施設にどのように使われてきたのか把握しておられますか。

■島津林務課長■木造施設につきましては平成16年度では県施設につきましては木造化については野外CSRの施設ですとか集会所それから駐在所、木質化施設については県立高校、特別養護老人ホームそれから西播磨養護学校等県営住宅を含めましてそういうようなところに木造木質化をしております。また、市町施設などにつきましても伊丹市における大鹿交流センターとか朝来町におけます温泉プール等に活用しているところでございます。

■杉本委員■他の部局での活用状況については数量のみしか把握しておられない。木造木質化の全庁的推進には木材利用推進会議が設けられていますが、各部局に活用をお願いするというだけでは結果は量の報告しか求めないというのでは県産材の利活用を引き上げるのは難しいのではないのかと思います。
  やはり各部局できれば市町の状況も含めてどこにどのようなかたちで使われたのか、もっと活用を増やす余地はないのかなど、そういう知恵を出し合う場が必要だと思いますがいかがでしょうか。

■島津林務課長■公共施設の木造木質化につきましては、いまお話ありましたように推進会議の方で全庁的にとりくんでおりますし、また市町につきましても公共施設等の重点実施プランというのを平成16年度から策定いたしまして、それぞれ市町にもお願いしておりますし県については各部局そういう推進会議の中で利用をはかってまいりたいと思っております。またそういう実施プランを立てまして平成15年度公共施設で1万立方メートルのものを今後3割増の1万3千立方に拡大していきたいと考えております。

育樹祭こそ見直すべき

■杉本委員■いずれにしても林業を抜本的に振興させることなしに県下の山を災害に強くすることはできません。県は緑税の充当事業のメニューをいろいろ上げていますが、今まで述べてきましたように問題を脇に置いたままで県民緑税をとることを前提にした事業を上げるべきではありません。数年来の災害に備えるといいますが必要な事業なら予算の見直しこそ行うべきではないか。このように思います。例えば育樹祭に4億円もつぎ込んでいます。これこそ見直すべきではないかと考えますがいかがですか。

■黒田農林水産部長■先程来からご答弁申し上げておりますように山の保全、森の保全に対しては様々な切り口からその大切さというものを訴えてまいりました。従って全国育樹祭に多額の経費を要するというご指摘ですけれどもこれについても県民総参加の森造りということを基本的な考え方の中に秘めたなかでの行事でございます。そういった意味でわれわれとしては防災に強い森林整備あるいは林業の生産サイクルと先ほどお答えしましたが、伐採からそして植栽、保育どの切り口からやっていかなければならない課題だと思っています。今後ともわれわれとしては森の整備山の整備について全力を上げて取り組んでいく所存です。

■杉本委員■最後になりましたが、県の森林政策は県民が緑税を払うことを納得できるものではないことを改めて表明しまして質問を終わります。

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