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2005年度予算特別委員会産業労働部審査 杉本ちさと
2005年3月15日

被災業者の実態は復興にはほど遠い

■杉本委員■私は、金融面についてお聞きをしたいと思います。阪神淡路大震災から10年、先日、財団法人阪神淡路産業復興推進機構が「産業復興10年のあゆみ」として検証報告書を出版いたしました。
この中で、西宮商工会議所会頭の辰馬章夫氏は、「震災直後に受けた低利融資の返済に四苦八苦する事業者も多いようで重荷になっている。対象は中小業者や地場産業が中心なのでよけい厳しい観がある。
産業活性化は自助努力が基本だが自助努力の域を超える部分は行政がしっかり支援していくべき」と述べています。また淡路の北淡町商工会会長の粟田友之氏は、「管内中小零細企業の収益は減少し経営は弱体化した。金融支援は救済措置となったが、現在もその返済が高負担となっている。企業は疲弊しており今後も産業復興への取り組みが必要」と述べております。実態調査でも7割の事業所が震災前よりも売上や利益が減少していると回答し、運転資金や返済期限の延長等の金融支援が必要とあげています。
  兵庫経済研究所、各新聞社の調査でも同様の結果が出ています。中小の被災業者が今なお震災から立ち直れず復興はほど遠い厳しい実態であることが明らかであると思いますが、県はこのような被災業者の実態をどう見ておられるのでしょうか。

■藤原産業政策担当課長■産業復興の現状ですが、全体の景気回復とあわせて被災地域の経済状況最近改善をして来ております。それぞれの中小被災企業におきましては、特に地場産業等におきましては従前からの構造的な問題等もあって業種あるいは企業によって復興がまだ十分すすんでないという業界・企業等がございます。ただ、全体としまして兵庫経済の再生ということで現在復興という視点だけじゃなくて兵庫経済の再生という視点で経済雇用再活性化プログラムのとりくみあるいは新しく産業雇用再生加速プログラムという現在取り組んでおりますのでぜひ復興をさらに進めていくよう今後とも努力をしてまいりたいと思います。

緊急災害復旧融資の延長を国に求めるべき

■杉本委員■先ほどご紹介しましたように新聞社の世論調査でもそして財団法人の新産業復興推進機構の調査でもなかなか厳しい状態だと言うことが出ております。その現実について認識を改めていただきたいと思います。そして県は産業復旧支援融資の据置期間と融資機関の延長措置の打ち切りを昨年12月早々と発表しました。なぜ国に対して延長措置を求めることを止めてしまったのでしょうか。
  昨年の我が党議員の本会議質問に対して井戸知事は延長措置は国に求めるときっぱりと言明しました。
  ところが昨年6月の政府への要望には延長を求めていますが、12月になって弾力的運用に変わり、延長を具体的に求めていません。延長の文字が消えてなくなっています。なぜ県自ら延長を取り下げたのか明確な理由をうかがいたいと思います。

■足立経営支援課参事■緊急災害復旧資金の据置及び融資期間の延長要望については、これまでの現在の延長内容、現在では毎年7回の据置期間および融資期間の延長が身ともめられまして現在融資期間は17年度以内最長平成24年まで、うち据置期間10年以内最長平成17年までとなっております。
  現在の延長内容を実現した経過におきましても特に震災から10年を迎えるこの2、3年においての延長については、非常に厳しい情勢の中での要望活動であり要望の実現であったわけでございますけれども、依然として被災中小企業者を取り巻く環境は厳しいものがあることの認識のもと国の方に要望を続けてきたところでございます。国の方ではこれまでの7回にわたる延長措置により当初の融資期間と同期間の措置期間となっていること融資残高が当初融資額の1割程度まで償還が進んでいることなどから昨年末にこれ以上の延長措置は応じられないとの連絡があった次第でございます。県としてもこれまで結果にいたるまでは、昨年4月から4回にわたり被災地の現状はご説明し協議を重ねてきた結果国として判断されたことであります。

■杉本委員■私がおたずねしましたのは、県自らが延長の要望を取り下げているという事実です。それに対するお答えはありません。これは、本当に今震災を受けた被災業者が厳しい実態であるという認識が一致するのなら、また県知事の県民に対する公約でもあります。延長を求めるということについて県自らが取り下げています。そのことについて国からの返答がある以前に取り下げていることについてどうなのか、もう一度お聞かせ下さい。

■足立参事■先ほど申しましたように、これまでの国の延長を認めてもらう段階におきましてもなかなか厳しいものがございまして、一昨年度7回目の延長で先ほど申しましたように保証期間と融資期間がいっしょになるとことでございましたけれども、そういった中で今回の延長につきましても4回も重ねて国の方に協議をしました。県が取り下げたということでございませんで、要は、緊急災害復興資金につきましては、国との協調融資で成り立ったものでございます。県独自で制度を運営できない状況でございますのでいろいろ協議をしていく中でそういった判断を出された。こういった国との協議を重ねる中で県としましても被災地の中小企業を取り巻く環境は厳しいという状況から県独自の対策としまして借り換え貸付であるとかあるいは条件変更等個別の中小業者の経営状況返済計画等に沿った対応をしていくことによりきめ細かい対策となると判断したものでございます。

■杉本委員■全然県自らが取り下げたことに対するお答えにはなっていません。災害復旧融資は兵庫県と神戸市で3万3551件の被災業者が利用しました。そして10年を経過した今1万5037件が返済中もしくは据置中です。代位弁済を差し引くと51%の被災業者がまだ返済を完了していないのです。先ほど融資残高が1割程度に減少したと申されましたが、その額の残高から比率を計算してみましても小規模な被災業者がまだ返済ができていない厳しい状態にあるということが言えると思います。県は殆どの方が返済し、もうわずかになったからと、いわゆる延長措置を終了してしまいましたがこのことによって今被災地の中小零細業者がたいへん大きな困難に直面しています。この問題で被災業者は国にも要請書を出し延長措置を求めていますが、紹介議員に我が党はもちろんのこと民主党や社民党の議員などの賛同も寄せられているところです。
  復興融資を借りた半数がまだ返済できていない。この厳しい実態をよく見ていただき延長措置の打ち切り撤回を再度国に求めていただきたいと思いますがいかがでしょうか。

■足立参事■先ほど答弁しましたように国の判断でこれ以上の延長措置は講じられないと言う判断を受けまして県としましても国の判断を踏まえましてこれ以上延長はせず、われわれとして出来る借り換え貸付であるとかあるいは条件変更等によって被災中小業者の円滑な償還に向かった対応をしていきたいと考えております。

被災県の責任として独自に震災融資並の条件とすべき

■杉本委員■国に対して求めないと言う本当に厳しい冷たい返答であったと思います。私は具体的に神戸市で食堂を営む被災業者にお話を伺いました。被災当時4店舗で営業していましたが、1月17日一瞬にして2店舗が全壊しました。あとの2店舗も被害はありましたが、とにかく店を開けよう地域の人達に元気になってもらおうと努力をし2店を再開しました。それまで800円だった定食を500円で提供して地域の人に大いに喜んでもらったそうです。地域に根ざした中小業者の貴重な役割が震災の時にも発揮されたのです。
  震災前からの借金がある上に震災で新たな借金をしてそして家族総出で10年間働き続けてきました。
震災融資もいくらかは返済できていますがまだ完済できていません。「他の借金もある中でどうしたらいいのか。ここで資金繰りに行き詰まり商売を断念せざるを得ないことになればこの10年間働き続けがんばってきたことは一体何だったろうか。10年前に手を挙げておけばその方がよっぽど楽やったのと違うかと思うこともあります」と言われていました。県は新たに条件変更の弾力的運用と借り換え貸付の適用を発表しましたが個別になればなるほど問題が次々と出てきて役に立っていません。10年間がんばったけど復興に至らなかった。借りた人の半数以上がそうなのです。一律に10年という期限を区切ってそれにあてはまらない人を見捨てる。復興できなかったのは個人のせいだけでしょうか。あまりにも冷たい姿勢ではありませんか。被災県の責任として独自に震災融資並の条件を措置し借り換え融資別枠設定や保証料、利子補給支援など温かい支援を行う事が必要と考えますがいかがでしょうか、部長に答弁をお願いします。

■江木産業労働部長■先ほど半数以上の方が苦しんでおられるとおっしゃいましたけれども、8割の方が完済をされておられます。のこり1万5000の方が現在償還中、まだ残額がございますが、この内75%の13,650件が厳しいながら返済をされているかたでございます。残りの25%の1387件が据置中の方です。大半の方が努力をされている状況でございまして、もう一方で一度も返したことのない方もいらっしゃいまして、非常の努力の仕方がかなり違っておりますし、われわれも今一度中小企業の方々の努力を個別相談の中で保証協会、金融機関の相談の中で十分見極めて対応していきたい。そういう中で国の方が10年の据置をさらに伸ばしていくことが果たして中小企業の方にとって本当にいいのだろうかという、厳しい状況も分かっておりますけれども、反対に厳しい中で頑張っていただくことがかえって中小企業の再建につながるんではないかという苦渋の決断をされて、私どももこれに従って国に延長を要望しない。ただ、厳しい状況は実態としてございますので、国への要望はしませんけれども県として出来る限り今の貸付期間の中での弾力運用そして今年から借り換え融資をさらに充実をいたしましてこれまで借り換え融資は真水の投入はできませんでしたけれども一定の要件がございますけれども事業の運営の中で必要な場合は真水も投入させていただくという制度改善をさせていただきました。こういった取り組みの中で中小企業の本当に努力をする中小企業の方には資金面でご迷惑をかけない。こういった取り組みを県として精一杯努力をしてまいりたい。このように考えております。

間違った現状認識はあらためよ

■杉本委員■江木部長からの答弁でございましたが、認識に大きな違いがございます。一つは、事実に基づいて精査をしていただきたいと思いますが、33,551件の被災業者が利用しました。そして今返済中か据置中が15,037件です。先ほど8割の方が返済しているとおっしゃいましたがそれは返済残高の金額が7割・8割という意味です。
  小さな業者が半数以上この借りた方の中から残っているという事実は、この認識はしっかりと見据えていただきたいというふうに思います。私はその点から改めて質問させていただいておりますのでよろしくお願いします。

台風被災業者への融資は、真に利用出来るものにはなっていない

■杉本委員■次に台風被災業者についてお尋ねをいたします。まず、地場産業と振興資金貸付金の内、カバン業者を対象にミシンを貸与するとした産地組合向け災害復旧貸付制度についてお伺いをします。この制度の利用はゼロと聞いていますが、我が党はこの制度導入の時に産地組合を窓口としていることについて被災した全ての個人事業者への周知が難しいまた組合に加入してないいわゆる内職などには組合に相談に行きにくいので利用しにくい。現場からの声を反映して縷々指摘をしてきました。ところが組合とよく相談して作った制度だし下請け零細業者の設備の復旧は図られると自信をもって言われました。ではなぜ利用がゼロなのでしょうか、その理由を分析しているのかお尋ねいたします。

■足立参事■産地向け災害復旧貸付では特に豊岡カバンのミシン加工をされている被災内職事業者の支援を想定して仕事を発注している元請け企業からミシンを再貸与する制度として創設したものです。
この制度の地元の利用をはかるため組合加盟業者のみならず非組合員を含めた事業者に対して貸付案内、パンフレット等貸付申請用紙を直接郵送し制度PRに努めましたが結果的に申し込み実績がなかったものでございます。利用実績がなかったことに対しまして地元のカバン業界からは災害直後に業界ぐるみでミシンをはじめとした被災設備の復旧を最優先に取り組んだと。ミシンメーカーの修理要員が多数地元に常駐して被災ミシンを補修対応してくれたこと、元請けメーカーの保有していました遊休ミシンを内職事業者に融通したこと等予想より早い段階で被災前の生産能力を回復したと聞いております。このような状況から当制度の実績が結果として出なかったのではないかと考えているところでございます。

■杉本委員■私がお聞きしましたところによりますと、地元で組合での話し合いは行われましたが、組合として借りるという意志決定はなされなかったということです。要するに現場の声をよく聞かずに組合まかせにしてしまったからではないのでしょうか。
  次に、昨年の一連の台風によって県は新たな融資制度や拡充などを行いましたが、これは通常融資とは別枠で利用していただけますと大々的に宣伝をされました。しかし、この間たくさんの借り入れができないという相談がきています。例えば、歯科技工士のSさんの件です。床上浸水によって仕事場の復旧と機械の修理等で保証協会に融資を申し込んだが保証人がダメと一方的に言われただけでどうすれば借りられるのかという相談には全くのってくれず不親切な対応で結局借りることができなかったと大変憤慨しておられました。この方は同じ条件で国民生活金融公庫で融資を受けましたが、災害復旧融資は県は別枠だと言われましたが、実際の保証協会の現場の対応は全く違うという声が数多く寄せられています。県の保証協会は困っている業者をどうすれば営業を続けられるのかということを最優先して融資することが仕事ではないのしょうか。このような苦情とか実態があることを県はご存じでしょうか。

■足立参事■23号等対策につきます経営円滑化貸付災害復旧枠につきましては11月に県会の方でもお認めていただきまして200億円の目標額を別枠で作ったわけでございますけれども、本融資の取り扱いを開始するにあたって大規模災害ということの重要性に鑑み信用保証協会及び金融機関に対して積極的な保証承諾、融資実行をお依頼したところでございます。その結果本融資について高い保証承諾、件数ベースで行きますと95.6%となっているとともに、また保証協会の各支所への特別相談窓口の設置あるいは独自に信用保証料の引き下げを行うことなど積極的に台風対策に取り組んでいるところでございます。
  先ほど言われました淡路の件につきましては、具体的にはお聞きしたわけでございますけれども、個別の部分で先ほど申しましたように件数ベースで95.6%ということでございますから保証協会がやはり個別案件によっては100%保証できるものではないというのはこれは当然のことでございます。結果としてその方につきましては保証承諾が得られなかったということだと思います。

県が直接に融資相談の窓口設置を

■杉本委員■たくさんの実態をご存じないようでございます。県の金融政策や制度について借りたい人が借りられない実態が多数発生しています。融資実績も目標の6割程度です。私は県の制度融資あるにもかかわらず保証協会や金融機関等に丸投げしてしまって行政が県民との接点を持たないところに制度の不備や誤算が出てくる原因があると思います。震災や台風の被災業者をはじめ県内の中小業者の実態がどうなのか良く見ていただきたい。江木部長はよく現場の目線でとおっしゃいますが、本当に現場の目線が全く欠如しているとこに大きな問題があるように思います。そこで、金融政策の抜本的な改善策として県が責任をもって直接融資申し込みの受付をしたり相談をしたりする窓口を創設することを求めますがいかがでしょうか。

■足立参事■県が中小企業対策として融資制度を作っております。この融資制度につきましては、県としては長期固定の金利を保つために預託、金融機関に対してやっておりますし、また保証協会が積極保証するために信用保証残の部分につきまして損失補償をとっておるところでございます。ご案内のとおりこの金融機関の資金融資というものにつきましては、当然のことながら資金の貸し手は金融機関でありまたその保証する所につきましては公的な保証人たる信用保証協会でございます。県がその直接的な直貸しをしているわけではございません。そういった部分でわれわれとしましては中小企業に円滑な資金供給がなされるよう金融機関あるいは保証協会にさきほど申しましたような県がつくった制度融資について積極的に利用がされるよう要請しているところでございます。
  いずれにしましても保証協会の中で個別の苦情等ごさいましたら内部に中立公正な機関でありますお客様窓口というのを保証協会に置いてございますので、そっちの方でご相談いただきたいと考えております。

■杉本委員■時間がきましたのでこれで終わりにしますが、保証協会の特別相談窓口も何も特別にはなっていません。私は先日その相談に行った方からお伺いをしました。「住所はどこですかと聞かれて結局はその地域の担当者が出てくるだけや。そんな特別窓口にはなってない。」ということも聞いております。是非とも現場の声、業者の実態をよくつかんでいただいて金融行政の抜本的な改善を求めて質問を終わります。

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