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2005年度予算特別委員会総括部審査 杉本ちさと
2005年3月15日

台風被災者の住宅再建支援の現状

■杉本委員■総括部の予算特別委員会審査としては、今年で最後になります。本部体制の廃止、総括部が改組されたとしても、被災地としての責任、特に公的な住宅再建支援の従充実はますます重要になっています。そのような立場から質問をいたします。
  まず、昨年の台風被害者への住宅再建支援についてお伺いします。台風23号をはじめ相次ぐ台風で県下では大きな被害を受けました。元の生活への回復、生活再建の基本は住宅再建であることは、阪神大震災の重要な教訓です。今、各市町で説明会や申請の受付など被災者への住宅再建への支援がはじまろうとしています。現在市町から来ている支援金の支給見込みはどうのようになっているのでしょうか。

■常松復興推進課長■支給見込みについてでございますけれども、昨年の11月の県議会の予算を補正していただいた時点で、直近のその時点での被害世帯数を用いて所用見込額を、まず居住安定支援制度の他に事業で約7億円、住宅再建等支援金で約22億円、あわせまして29億円を県からの所要額と見込んだところでございます。その後全市町から1月末時点での執行見込みの提出を受けまして精査をいたしました。居住安定支援制度の補完事業の見込額につきましては、11月補正分も含めましてトータルで約13億5千万円あまり、それから住宅再建等支援金につきましては約23億8500万円余り。これら制度に基づきく県の負担額の所用見込額は約37億円となったところでございます。なお11月補正時点からの増額分につきましては、2月補正で先にご既決措置をいただいたところでございます。

被災地の公的支援は「歯抜け」状態

■杉本委員■申請と審査が終わっていないので正確な件数はでていないと思いますが、例えば豊岡市では3月3日現在で被災者生活再建支援法の申請件数が327件、県の助成金支援金が941件の申請で811件が決定されましたと報告されています。赤穂の宇根地域では被災対象者231人の内、相談に来られた市民が174名審査が終わったのが80件となっており、街道沿いのほとんどの家屋が背丈を超える床上1メートル以上のひどい被害を受けました。その中で公的支援を受けることのできる世帯、できない世帯がうまれています。つまり被災地では公的支援が「歯抜け」のようになっているのです。それは、前年の年間所得の制限が800万円以上の人は公的支援が受けられないからです。同じ災害を受けて大きな被害になっているのに隣の家は公的支援がありそしてその隣はないということ。これは被災者にとってたいへんつらいことです。割り切れない思いがします。コミュニティの再生形成にとっても大きな障害になってしまうのではないかと思いますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。

■藤原総括部参事■制度として設けた。そしてその制度で支援をするのかしないのかという基準を設けた以上、基準にあう合わないと言うことがでてくるのは、しかるべしでありまして、そのことがけしからんというのであれば制度としてはなかなか組にくい、仕組みとしてつくりにくいということになるんではないかなというふうに感じます。

■杉本委員■制度としてけしからんというふうに決めつけていっているのではなくて、その制度そのものが実態にあっているのかどうか、よくみんなで考えていきたいというふうに思います。
  例えば但馬に隣接する京都でも大きな被害を受けていますが、全ての被災者がなんらかの公的支援を受けることができています。それは京都府独自の住宅再建支援では所得制限を設けていないからです。
  私たちが所得制限の撤廃を要求しますと、井戸知事をはじめ県当局はよく「高額所得者にも同じような支援をするのか」と言われますが、被災地にそのような高額所得者どれほど一体おられるのでしょうか。今回、支援を受けられない人は、公的支援を受けなくてもいいような高額所得ではなく、ごく普通の家庭であり普通の仕事をなさっている方です。担当者に800万円の年収基準の根拠はなにかとお聞きをしますと、平成11年の全国消費実態調査を言われます。そこでお聞きをしたのですが、世帯の総数の中での800万円以上の年収世帯は28%になっていますが、その中で持ち家世帯また住宅ローンのある世帯では年収800万円以上の世帯何%を占めているのでしょうか。

■藤原総括部参事■今委員ご指摘の全国消費実態調査の数字と理解をしておりますが、全世帯で28%が800万円以上の世帯であります。さらに、持ち家層で行きますと800万円以上は36%さらにその内ローンをお持ちの方の数字は51%というのが全国消費実態調査のこれ11年度でありますが数字であります。

■杉本委員■住宅ローンのある世帯で800万円以上は51%、5割以上もあるわけです。つまりローンを抱えている人にとって800万円の年収は平均的なものであり、この方たちの半分が切り捨てられるということになります。ローンを抱えた方は災害によるダブルローンになる可能性が高いと思われますが、その51%の人が全く公的支援が受けられない。復興10年検証では、中堅層への支援の不足という厳しい指摘もされましたが、そのこととも反することになるのではないでしょうか。年収800万円以上の被災者に公的支援が全くあたらない事態を放置していいのかどうか、もう一度お答え下さい。

■藤原総括部参事■先ほどお答えをいたしました。全国消費実態調査によりますとローンのない方の800万円以上は28%、従いまして72%が800万円以下で支援対象になるということであります。先ほど委員ご指摘のローンありですと49%が対象になるということでありますが、私が申し上げましたのは、単に所得の層がそのぐらいあるといったことでございまして、この全国消費実態調査からすると49%の方が800万円という基準を上回る収入、比較していいますと高い収入をお持ちだとこういうことだと考えます。
  さらにこういう公的支援の制度でありますとやはり生活再建支援法第1条に定めてますように、経済的基盤の弱い方を対象に支援するということでありますので、現在定められております800万円全世帯で72%という世帯が800万円以下というデータでありますので、この800万円ということを直ちに引き上げなければならないという議論は今の状況ではできないのではないかとこのように考えております。

共済制度によって、公的支援の後退をすべきではない

■杉本委員■納得できるものではありませんが、質問を次に移ります。
  私が兵庫県の姿勢としてさらに問題があると思いますのは、今議会に提案されている住宅共済制度ができたら、県が昨年上乗せしました住宅再建等支援金をなくしてしまうということです。これではせっかく全国に広がった公的支援金の増額、床上浸水被災者を支援する流れとは逆行して、実質上公的支援の後退になってしまうのではありませんか。
  共済では床上浸水は支援の対象にされていません。つなぎの制度といわれますがつなぎどころか県民から見れば差し出した支援の手を引っ込めることになるのではないでしょうか。お答え下さい。

■小西総括部長■被災者の住宅再建につきましては、いわゆる貯蓄とか地震保険への加入によります自助努力が原則であると考えておりますけれども、これには自ら自ずと限界がございます。従いまして公助による支援が必要になるわけでございますが、これにもやはり住宅非所有者との公平性の確保、あるいは大規模災害時の財政負担などから支給水準には一定の限界があります。これらを補うために住宅所有者間の相互扶助によります共助の仕組みである住宅再建共済制度の創設に現在取り組んでおるところであります。昨年の一連の台風によります風水害ではこの共助の仕組みができていなかったことから、その災害実態や被災地域の実情等を踏まえて住宅再建等支援金を設けて可能な限りの公助によります支援を暫定的に行ったところでございます。従いまして来年度に自助、公助を補います共助の仕組みとして共済制度が9月からスタートをすることになりますと本年度暫定的な制度として実施した住宅再建等支援金の制度は終えるものと考えておるところでございます。

■杉本委員■公的支援を暫定的に行ったというお答えですが、非常に納得のできないところです。
  仮に今年同じような台風災害が起きるとすれば、被災者は昨年並みの支援が受けられなくなります。県民からすれば支援制度の後退と言わざるを得ません。
  県は共済制度を強調されますが、個人補償・公的支援とはその性格も位置づけも全く違うものです。県が予測している加入者は10年後に50%程度であり、共済制度である以上加入者だけが対象になるのは当たり前ですから、10年経っても加入者以外の5割の人は支援が受けられません。
「共助」共済制度では5割の加入者しか支援が受けられず、「公助」公的支援では持ち家ありの世帯の半数が所得制限で何の支援もない。これでは十分住宅再建への支援体制があるとは言えません。
  昨年の災害や大震災のように、災害は突然やってきます。突然やってきた災害にもここまでは公的に支援しますというのが、個人補償・公的支援です。中心に公的支援がしっかりと座らなければ県民は災害が起きても安心できるということになりません。
  共済制度は公的支援の替わりを果たせないものと思います。このように考えますと共済制度ができたら県独自の上乗せ分はやめますでは、県民に不安を与えることになります。兵庫県の住宅再建等支援金を止めてしまうのではなく来年度以降の災害にも適用することを強く要望したいと思いますが、もう一度ご答弁をお願いします。

■常松復興推進課長■住宅再建等支援金の実施をした考え方につきましては先ほど部長がご答弁を申し上げたとおりでございます。
  それから住宅再建共済制度これは住宅所有者間の相互扶助でありますから、これは住宅所有者全員の加入というのが本旨であるということで制度作りをすすめているところでありまして、県民の安心につながるよう誰でも入れる仕組みとして創設をするものでございます。来年度は初年度でありますことから本県の地震保険の加入率12.9%も勘案をいたしまして15%の加入率を見込んだものでございます。10年後には50%というご指摘でございましたけれども、何も50%に限ったことでございませんで、できるだけ多くの方に加入をしていただきたい。50%以外の方を切り捨てたり50%以下の方が加入できないという制度ではございませんので、その点なにとぞご理解をいただきたいと思います。
  それから公助を基本としてというご指摘ございました。先ほど来ご答弁申し上げておりますように住宅再建の基本は、自然災害で住宅を失った方の再建の基本はまず自助だと思います。ただ、経済的理由等によって自立再建が困難な方に対しまして、公助としての公的支援があるわけでございます。その公的支援の構築につきましては、本県、阪神淡路の経験を踏まえて全国の先頭に立って取り組んできたところでございます。
  その充実に今後とも努めてまいります。その上でこれに加えまして共助の仕組みとしての住宅再建共済制度を今年の9月からスタートをさしていただきたいと考えておりますのでご理解をいただきますようよろしくお願いいたします。

被災者生活再建支援法の「改正」を

■杉本委員■考え方は変わらないということですが、兵庫県独自の住宅再建支援金止めてしまうのではなく来年以降も適用することを強く要望いたします。
  最後になりますが、国会では我が党も提案者になっている被災者生活再建支援法の改正を求める野党案が提出されています。この野党案の成立によって住宅本体への支給、支援金の増額などを実現するために兵庫県の積極的な取り組みを強く求めて質問を終わります。

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