サイト内検索
メニューをスキップするTOPページへ本会議へ予算決算特別委員会へニュースへ政策見解へスケジュールへリンクへ
2003年度予算特別委員会総括部審査 筒井もとじ
2003年3月3日

住宅再建支援法の成立のために

■質問■筒井委員: 震災の当日、私は、わずか10数秒、20秒足らずのあの激震で自宅が全壊し、瓦れきの中からはい出した一人である。家を捨て、避難所を転々として回りながら、救命・救援活動を続けたものである。そして、この県議会が臨時で開かれた。私は、仮設住宅を、希望する被災者全員に提供するかと知事に言った。私は、県会議員として一番最後に入れてもらう。知事、私まで与えるかと聞いた。満場はシーンとなった。いまだにあのときの光景が頭に残っている。
  本当に大変な大震災の後、私は、仮設住宅が大量に建設されたのを見て、たった一つ後悔したことがあった。それは被災者のもといた近くに建てるかということを知事に言わなければならなかった。被災地からはるかに離れた地域に仮設が大量につくられた。土地の関係もあるので、やむを得なかったと思う。しかし、被災者は、コミュニティを無視して、そういうところに入らざるを得なかったわけである。
  復興公営住宅がつくられた。立派なものができている。しかし、それもまたコミュニティを無視して、被災者がもといたところに戻りたい、もとの生活に戻りたいという素朴な、しかし当然の期待が外されたわけである。若い人は結構である。新しい新天地を求め、どこへ行っても次の新しいあすへ向かって前進できる。しかし、高齢者ほど、自分のもといたところで、もといた人たちと一緒に暮らしたいと、このささやかな願いがいまだにかなえられていない。私は、このことをまず指摘を申し上げておきたい。
  本当に復興は順調なのか、復興したのか。これは何も県だけの責任とは思わない。しかし、震災の教訓ということでいえば、鳥取県の片山知事が「どこかへ行く人には上げないけれども、そこで家を再建するなら300万円出そう」と、これは一つの英断だったと思う。もちろん規模も違う。人口の規模も違うし、災害の規模も違うから、それをそのまま当てはめよと言っているわけではないが、そういう人間の本来の住まいというものに対する基本的な考え方、そして地域に対する考え方を私たちはしっかりと受けとめていかなければならない。これが一つの震災の大きな教訓ではなかったかと思う。
  さて、15年度予算で住宅再建支援制度の検討に調査費300万円が計上されているので、私は、これに絞って質問する。
  被災地では、持ち家の高齢者が自宅再建の資金の調達ができないとか、持ち家の若年層の中には住宅ローンが二重ローンになって、なかなか再建の余力が持てないという人たちがいる。中には借家の方がよかったと、住宅に対する考え方が変わったという人もあるぐらいである。借家の人は自立支援金をもらって家具ぐらいは買える、復興公営住宅も当たっている。しかし、せいぜい金融公庫のローンの利子補給をしてもらったぐらいで、何にもしてもらってないという不満が持ち家の人たち、とりわけ復興の中心になるべき階層の人たちの中にいまだに強く残っている。
  さて、住宅再建支援については、旧国土庁に設けられた「被災者の住宅再建の在り方に関する検討委員会」において、住宅は個人財産であるが、社会的財産の面もあるとの報告がなされ、県でも共助及び公助の仕組みが必要であると訴えてきた。
  そこで震災から8年余り経過した今日まで、住宅再建支援制度が実現しないことの原因は何か。生活再建支援法は不十分だという不満もあるし、改善しなければならないという問題点も今出てきているが、少なくともできている。しかし、一方で住宅再建支援法が今日までできなかった理由を簡潔に、長く言うと幾らでも理由があると思うが、一番のポイントだけはっきり述べていただきたい。

▼答弁▼藤原復興推進課長: 簡潔にということであるので、三つ考えている。
  一つは、私有財産の形成に対して公費での支援はできないとする政府の考え方が根強いこと。二つには、災害の頻度から来る地域間の意識に格差があること。さらに、共済制度については、負担金の徴収をめぐって、全国市町村から膨大な事務負担あるいは事務費がかかるという主張があること。この3点が考えられる。

■質問■筒井委員: 阪神・淡路大震災の5年後に鳥取西部地震が起きたが、先ほども少し言ったように、鳥取では県が毎年1億円ずつ、それから市町が1億円ずつ、25年間で50億円の基金を造成し、住宅再建に300万円の支援を行う制度を創設している。最初に思い切ってやったことを、きちっと続けている。鳥取県だけではなく、参加するところもあれば、参加してほしいという呼びかけもされたと記憶している。
  鳥取県と兵庫県では、そういう点では全然規模も違うというのは先ほど言ったが、知事は、全国的な支援制度が実現しない場合、県単独の支援制度も検討すると言われた。そこで、住宅再建支援に対する県の基本的な考え方を伺いたい。この制度では、当然公的な支援も必要だと考えられるが、県、市町による公的支援はどの程度行うべきと考えているのか。さらに、全国制度に向けて国に対しどの程度の支援を求めていこうとしているのか、伺う。

▼答弁▼上田総括部長: 本県としては、阪神・淡路大震災の教訓を生かした自助・共助・公助が相まった住宅再建支援制度の必要性を主張してきたところであり、本来、全国的な制度の実現が急がれると認識している。ただ、現状では、その検討が着実に進んでいると言える状況にはないということである。
  そこで全国的な制度化の起爆剤になることも期待しつつ、本県単独での制度化の実現可能性について、来年度調査会を設置して検討することとしている次第である。どういう方向性で検討していくかということについては、調査会設置後、それを含めて検討していただくことになるが、本県がこれまで主張してきた自助・共助・公助が相まった制度が一つのたたき台として検討の素材になると考えている。
  質問のあった公的支援についてであるが、順序が逆になるが、まず全国制度については、自然災害議連の法案骨子に示された共済が2分の1、国庫が2分の1を負担するという考え方を本県の案でも踏襲しているが、その後示された自然災害議連の全額公費案においては、公共団体が応分の負担をするという案になっている。いずれにしても、国と地方の分担については今後十分議論していく必要があると考えている。
  一方、県単独制度をつくった場合に、公的支援はどうあるべきかということについては、来年度の検討の中で制度設計に係るシミュレーション等を行い、どの程度の支援が必要なのかということを含めて検討していきたいと考えている。

■質問■筒井委員: 共済部分を成立させる上で、軽負担で、できるだけシンプルな形をとらなければ、加入者の納得が得られないと思う。
  県の考え方として、負担金は年2000円程度の掛け捨て方式で、再建のための最低限として定額600万円程度ということも考えておられるやに聞いたが、これは非常に理解されやすいシンプルな形だろうと思う。しかし、こういうことを考えている中には、どの程度の被害状況、被害額での対応を想定して考えられたものか、その点をお聞きしたい。

▼答弁▼藤原復興推進課長: ご指摘の負担金2000円、支給額600万円は、自然災害議連が平成12年10月に法案骨子を発表した際のシミュレーションを用いたものであり、あくまで全国制度における試算である。
  具体的には、阪神・淡路大震災を含む1900年から1999年の100年間の自然災害による被害をカバーし、将来の100年間も同様の被害が発生するとの前提で、金額的には総支給額が100年間で27兆円になると試算されているところである。
  この試算をもとに、余り膨大となる関東大震災クラスの被害の大部分は国庫が負担するとした上で、残り16兆円の2分の1を公的支出、2分の1を共済部分として、共済部分は全国の住宅約4000万戸すべてが定額負担するとして、1戸当たり2000円という試算をしたものである。
  支給額600万円については、住宅の自力再建の十分なインセンティブのある金額として、建築費用の平均単価を全国の住宅の平均床面積に乗じて算出したものであり、自然災害議連が27兆円という試算をしたのも、この600万円という数字である。

■質問■筒井委員: 大体説明でわかったが、自助というのは、民間の保険を掛けろということであるから、そんなことを一々言わなくても、ほっといてくれと。一番大事なのは、国や自治体がどれだけ出してくれるのか、それから実際の持ち家の者が共助という形でどれだけ出して、果たして本当に安心が得られるのかというそこが問題である。であるから、きれいに整理をするような形で言われるが、問題のポイントは、公助と共助がどういう割合で、どの程度やれるのか。しかも、それがきちっとなるかという問題である。
  共済制度の問題点としては、発生頻度や損害の度合いの統計的把握が困難である。支払い能力を超える被害が生じた場合、共済のシステム全体が破綻するのではないか。地震の危険を強く感じる人だけが加入して、加入しない人ができるのではないか。これは和久さんが震災直後に共済制度でシミュレーションされたときの中に出てくる言葉であるが、確かにそうだろうと思う。
  居住者全員の強制加入にするのかどうか、発足時の準備金をどうするのか、制度の運営はどのような団体が当たるのかなど、これから要綱設置の調査会がつくられるようであるから、今、余り突っ込んだ質問は差し控えたい。それ以上のことを言うと、またいろいろ差しさわりも出てくるのではないかと思うので言わないが、被災10年以内に共済ができなければ、県の独自案は成立できないのではないかという心配をしている。鳥取県のように県と市町の公費によるものからでも、まず出発させる決意はないのかどうか。
  本当にこれでは片方が落ちたままである。生活再建支援金は不十分ながらできている。しかし、県が言っていた全国にも呼びかけた住宅再建支援の法案はできないままで、これで本当に復興ということになるのか。教訓が生かされたということになるのかということである。記念事業を計画したり、あるいは人と防災未来センターという立派なものができている。しかし、ソフト面のことがきちんとできない限り、兵庫県の責任は私は免れられないと思う。であるから、被災者という言葉が消えて震災が終わったということにはならない。私は、そのことを申し上げたいわけである。そういう点での県の決意はどうなっているのか、最後に伺う。

▼答弁▼藤原復興推進課長: これまでから本県が主張しているとおり、あくまで全国的な制度として、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえた自助・共助・公助、三位一体の制度が必要であると考えている。
  一方、県単独制度を考える場合においても、共助の考え方は欠かせない要素であると考えており、公助だけによる制度では、阪神・淡路大震災の教訓を生かせないのではないか、また、住宅所有者と非所有者の不公平の問題により、県民の理解が得にくいのではないか、さらには、十分に自力再建のインセンティブになるような支給額を確保できないのではないかといった問題があると考えている。
  いずれにしても、来年度調査会での多面的な検討の中で適切な制度の提案がいただけるものと期待している。

■質問■筒井委員: 調査会の責任ではなく、調査会の意見はもちろんいい意見を出していただいて、それを採択していくようにしていかなければならないが、これをやる責任は県当局自身にある、県知事にある。知事は途中でやめられた。市長も次々10年以内に震災が終わっていないのにおやめになっている。これはそれぞれの事情があるが、私は、議員として、この震災が終わる10年間は、議員としては責任があると感じている。県は、場合によったら県独自でも住宅再建支援法案をつくるという決意を出された以上、不十分なものでも、そこから出発点として始めるということをぜひやっていただくことを最後に強く要望して、私の質問を終わる。

前のページへ戻る このページの上へ
Copyright(c)2001-2017 日本共産党兵庫県会議員団