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2002年度決算特別委員会病院局審査 つづき研二
2003年10月30日

県立病院の役割を逸脱した「診療科別収支分析」

■つづき県議■「県立病院改革」の一環として行われている診療科別収支分析にかかわって、現場の問題も含めて質問したいと思います。
 県は、診療科別収支分析を昨年度おこない、今年1月に報告書をまとめているが、その報告書では、「今後この資料を基に、経営の健全化に取り組む」としている。そこでは、一般会計からの繰入金や補助はいっさい考慮せず、収入と費用の比較検討がなされている。
 しかし、医療には、収入のあがりやすい診療科目と、人手でのかかる割に収入が大きくない分野もある。昨年度の検討の視点には、そういった点は一つも考慮されていない。医療の安全性への取り組みには、人でも経費もかかるが、そういうことは考慮されていない。支出を抑え、収入を増やすことだけが目標になっている。このような経済性だけの比較検討が医療機関としてあるべき比較なのか。わたくしは、医療の本来の目的、特に県立病院の目的・役割から逸脱した方向だと思う。
 今回の診療科別の分析結果表を見ますと、たとえば、小児医療は医業収支比率が平均を下まわっていると指摘されています。しかし、小児医療も小児救急も、県民が切実に充実を求めている医療分野ですが、民間ではなかなか採算がとれないということで、公立あるいは県立病院の役割は大きくもとめられています。その分野に採算性を要求するのは、県立病院が果たすべき方向とは逆方向になるのではないか。

■岩崎経営課長■診療科別収支分析は、病院みずからが経営状況を的確に把握し、各診療科ごとに問題点を明確にし、各診療科の責任者を実行責任者として目標管理をおこない、それによって、病院全体の目標達成をする経営手法であります。多数の診療科をもつ総合病院にとって、その業務遂行結果を分析するひとつの方策であると考えています。
 
■つづき県議■あなた方は、「経営の健全化をはたすために、目標管理をおこなっていく手段だ」と明記され、まさに「目標管理」というのは「経営の健全化」採算性をとっていくことになる。
 しかし、小児科・小児救急はそれでは採算がとれないとあきらかな分野です。ここに収支・採算の分析をもちこむことは、現場に大きなひずみをもたらすことになると思う。とくに地方公営企業では困難として小児医療や救急医療への一般会計からの繰り出しを決めている。だから、採算が取れないと認められているところに採算性の向上を強要する。小児医療の現場にひずみをもたらすことになるのではないか。

■岩崎課長■病院事業は地方公営企業法にのっとりまして、採算性の悪い政策医療につきましては、公的な負担を受け入れまして、経営を行なっていくということであります。小児科の診療科別収支分析では、光風病院をのぞく9病院の医業収支比率が、85.5%と全体の平均の86.8%を若干したまわっています。これは、少子化による患者数の減少とか、未熟児などの重症患者の看護が必要であるとか、医業収入にたいする給与費の割合が高いことなどが考えられます。
 診療科別収支分析を経営管理のひとつの指標として活用する一つの方法でありますが、まだ初年度であり、収益を把握する一方で費用の配分について、収支をだしている、完全に確立したものではありません。したがい、一定の算出ルールが確率すれば、時系列的に良くなるか悪くなるか、同じ診療科での他病院との比較など、有用性があるのではないかと考えている。

■つづき県議■そこが問題なんです。結局、採算性をあげる、「目標管理」をおこなって、毎年・毎年収入をあげて支出を抑えることを強要していくことになる。
 たとえば、先ほどの公営企業法の小児科への繰り出し金の規定でも、「小児医療の実施に要する経費」と、採算性のとれない分野と認めている。収支バランスを強要するのは実態にあわない。

■岩崎経営課長■13年度の実績は、小児科は全体の医業収支比率を若干したまわっている。平均を上回っている診療科、あるいは60%台の診療科もあります。しかし、総合病院において補完機能的な役割を果たすこともあり、そういたものは、別の観点から見る必要がある。

■つづき県議■繰り出し金をのぞいて収支分析をしているのは、明らかに実態とあわない状況、問題を起こしていると思う。
 この問題にかかわって、今回、尼崎病院で重大な医療事故が起きた。この事故は「採算性優先の病院経営でいいのか」という問題を提起していると思う。
 今回の医療事故は、直接的には職員個人の責任も非常に大きく、いかなる理由があろうとも許されるべきものではない。しかし、県立病院側としては、ただ単に個人の責任で終わりとするのでなく、医療体制としてどうだったのか、今回の事故を起こした要因をあますところなく、検討すべきである。
 一つはまず、薬のチェックがなぜきちんとできなかったのか。
 尼崎病院では、薬局の調剤関係が、医薬分業で外部に一部回る中で、今年は、部長と次長除く20名ほどの職員中、2名の職員を残し、残りのほとんどの職員が、収益のあがる入院者の服薬指導にあたっていたと聞きますが、その点が事実かどうか。
 そして、平成13年度は服薬指導で12,564件、約4,397万円の収入を上げ、さらに14年度は、15,828件、約5,539万円の収入を上げ、収入を25%も増大させている。しかし、薬の調合とそのチェックは、初めて尼崎病院にきた職員を含め、2名だけでしか態勢しかとっていなかった。服薬指導は確かに大切で充実がされねばならない分野だが、収益のあがる服薬指導には力を入れるが、薬の調合やチェック等基本的体制が不十分なまま進んでいたのではないのか。
 また、退院後の治療指導という点でも、解明すべき点がある。亡くなられた子どもさんと親は、退院後通院し、嘔吐などの異常を訴えておられたのになぜ、治療に当たった医師と看護士がその異常に気づかなかったのか。また、その患者さんが病院を退院する時、「劇薬である」ということを親に伝える指導はきちんと行われたのか。
 このような問題がわたしは大変疑問に思うわけですが、この3点について、お聞きしたい。

■岩崎課長■服薬指導は、院外処方をすることによって、外来の対応をしていた職員の余剰力・時間をさきまして、患者へのサービス向上に考慮しまして、服薬指導を実施している。尼崎病院におきましての人員配置は承知しておりません。医療事故との関連は、今後「医療事故調査委員会」で、ご指摘の質・量の問題、医師の問題を含め、検討していくことにしております。

■つづき県議■議会でもマスコミでもこれほど大問題になっている事故について、「実態はわかりません」ということでいいのか。先ほど後藤管理者が「調べて、資料も提供して取り組んでいる」と言われましたが、肝心の実態については答えられないというのは、どういうことか。今回の事故にたいし、深刻な自己分析を病院として本当にやっているのか。どうなんですか。わたしの指摘して具体的な3つの点、解決策の検討は、こういう点についての実態抜きのものではないんですか。

■垣内病院局長■事実関係につきましては、現在把握につとめております。書類関係等が警察に押収されておりまして、現任できない。職員から口頭での当日の職員の配置状況など聞いております。ただ、それが現任できていないので、先ほどの答弁になりました。

■つづき県議■わたしの指摘した3点を、調査の対象としてやるとうことはどうですか。

■垣内局長■3点につきましても、当然われわれとしては十分承知のうえで、調査するべきであろうと考えております。

■つづき県議■ぜひしっかり調査・検討し、あらためてもらいたい。
 この問題にかかわって、今回の診療科別収支分析を、わたしは、大きな危惧をいだく。一般会計の繰入金がまったく一般会計からの繰り入れや補助を全く無視した比較だが、尼崎病院内では、小児科の損益額が2番目に多く、また、6病院の小児科部門の中でも、尼崎の小児科の損益額が一番大きいと報告している。このモデルの検討は尼崎病院が実験台とされて、モデルが作られたが、そのため、収益向上に尼崎病院全体が追い立てられ、今回の事故の背景となっていないのか。その点をわたしは危惧するわけですが、その点はどうですか。

■岩崎課長■収支分析で、収益面では、その他医療外収益といたしまして、補助金・負担金について加味をしております。したがいまして、補助金・負担金を受けた上での医業収支比率でございまして、努力も必要であると考えている。

■つづき県議■繰り出し基準を考慮せずにしている収支分析をしていることが、こうゆう異常な問題を病院に起こすということを指摘して、全面的に再検討を求めておきたい。

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