サイト内検索
メニューをスキップするTOPページへ本会議へ予算決算特別委員会へニュースへ政策見解へスケジュールへリンクへ

2002年度予算特別委員会農林水産部審査 増井きみえ
2002年3月18日

市民農園の条件整備と施設整備支援を

■質問■増井委員
 まず兵庫型市民農園整備事業について質問します。「自然の中での農林水産業の作業体験、自然環境・地域との共生を通じ、ゆとりとやすらぎが実感できるライフスタイルの実現を図るため」として「アグリライフ推進費」の中に「市民農園倍増作戦推進費」が予算化されています。
 そこで、本県における市民農園の現在の箇所数と、面積はどれぐらいで、それを倍加するということになればどうなるのか、まずお聞かせください。

▼答弁▼廣田総合農政課長
 現在の市民農園の箇所数は、平成13年現在で38農園、総面積が90ヘクタールと7979平方メートルです。5年後に倍増ということになると、面積的には170ヘクタールと想定しております。

■質問■増井委員
 いただいた資料を見ると、市民農園の数も面積も、阪神・東播磨・西播磨が圧倒的に多いようですが、これは利用するものにとって利便性が求められているということではないかと思います。そこで丹波の春日町で15年前に大々的に宣伝して開園した「遊農園かすが」は、当時の貝原知事も野菜を栽培されていた農園ですが、現在の利用状況を見ると、4割を切って38.4%になっています。宿泊所、トイレ、駐車場、倉庫もあって、道具立ては整っている農園だと思うが、どういったところに問題があるのかお聞かせください。

▼答弁▼廣田課長
 「遊農園かすが」は、昭和63年に自治振興事業等を活用して作られた、農家が自主的に作る農園利用方式という市民農園です。開設当初は170区画ありました。ピーク時には約200区画まで増加したが、13年度の県民調査によると現在150区画で利用率は38.4%となっています。この状況について、春日町役場に聞き取り調査をおこなったところ、設立当初は、市民農園は極めて不足していたこともあり人気が高かったが、県下の市民農園の数が増加してきたこと、あるいは阪神間から車で1時間から1時間半程度の距離のあること、あるいは宿泊施設が共同であり何回も申し込みが必要なことなどから人気が落ち込んでいると聞いています。同時に、開設10年以上経過して、管理者・指導者の高齢化が進み、60区画程度の利用が管理できる適当な規模ではないかということから積極的なPR、あるいは募集もおこなっていないということです。今後の検討方向としては、こういう農園についても、全体的な14年度市民農園の市町の整備計画づくりの中で、今後の進め方について相談・支援できる場面があるかと考えます。

■質問■増井委員
 高齢化でたいへんだということが一つの大きな要因かと思うが、私の住んでいる地域の方も含めて、市民農園を経営する方に話をうかがったが、お客さんを受け入れる農家や、地域の集落の住民の方達は、いろんな御苦労をされているわけです。例えば利用者の中には、鎌で草刈りの作業中、自分の足を切ってしまった人もいるなど、農機具の使い方に慣れていない人達もやってくるわけです。また、あるときは人工呼吸が必要になったこともあったと聞きました。こうした場合、農園の管理者に責任や不備が問われることも出てくると思う。また週1回あるいは2回程しかこないお客さんや、無農薬・減農薬でやっているお客さんに虫がわくと他のお客さんや近隣の農家の畑にも害をおよぼします。陰になり日なたになり畑の世話もしなければならないなど気苦労もあると語っておられました。しかし、いただいた資料を見ますと、管理人が不在である農園は55%、指導員が不在である農園は64%もあります。都市と農村の交流をすすめていくというのであれば、借り手である都市の方達のニーズにこたえるのも大切かもしれませんが、受け入れ側の農家の方達が、高齢化と後継者不足の中でも頑張ろうとされているわけです。この頑張りを支援することが求められている。そこで、今度の市民農園倍増計画では、指導員の確保や安全対策についてのお考えがあるのかどうか、あればどうしようとされるのかお聞かせください。

▼答弁▼廣田課長
 市民農園を運営あるいは開設するときに、特定の開設者の方々だけではなく、特に周囲の農家の方とか住民の方々との交流を通じて、できるだけ特定の方に負担がかからないようにすることは非常に重要だと考えます。現に、今年度から始めている兵庫型市民農園の中でも、地域間での交流といったことを必須条件として整備しているわけです。一方で、どうしても農作業の面とか、技術の面等で、現段階で人材の不足があるという側面はあるので、県としては、今後アグリライフリーダー2000人を育成する中で、実際に農作業の指導のできるアグリライフインストラクターを、5年間で600人育成していきたいと考えています。このアグリライフインストラクターを育成・登録する際に、アグリライフスクールをおこなうわけですが、この中のカリキュラムとして、体験活動の安全対策について、例えば体験指導中の安全対策、あるいは緊急時の対応の実技といったものをこのカリキュラムの中に組み込むことにより、このような方々ができるだけ県下の中で広く活躍できる場の整備をあわせて進めてまいりたい。

■質問■増井委員
 ぜひ条件整備をしていただきたい。それと合わせて、受け入れ側と利用者の交流を深めていくという仕組みづくりも大切だと思うので検討していただきたい。
 つぎに、市民農園の設備について質問します。現在、513箇所の農園につくられている施設は、給水施設が78.4%、トイレが11.5%、休憩施設は5.2%であるとうかがっています。これについては、必要な施設・設備が不十分なのではないかということです。野菜づくりや花づくりは、水はどうしても必要となってきます。トイレも欠かすことはできません。最低でもこれだけの施設整備は必要だと思いますが、この倍増計画の中に入っているんでしょうか。

▼答弁▼廣田課長
 委員指摘の通り、市民農園の中で作業をやるときに一番大事な、たとえばトイレ、あるいは給水施設について、地域において若干のばらつきがあるのは事実で、給水施設が78.4%で一番多いわけですが、県としてこのような農園を作る時に、兵庫ふれあい農園整備マニュアルを平成3年度に作っておりますが、その中でも、できるだけそういったものを合わせて基本的な必要な施設という形で設置をお願いしています。今後、兵庫型市民農園自体の整備の中で、こういったものも合わせてやっていただくということも考えていますが、14年度にこの倍増作戦を遂行していくにあたって、全市町に調査をかけて意向を把握しますので、その中でそのような状況、例えば利用者からの不満とかを踏まえ、その調査結果によって、今後5年間の中であわせてそういったものについての整備のあり方についても検討してまいりたい。

■質問■増井委員
 トイレ・給水施設、こういった施設を必要最小限ということで設置をお願いしていると言われましたが、私が質問したのは、この倍増計画のこの予算の中身です。受け入れ側の農家の方達の負担ということではなかなか進まないと思う。この予算の中に、トイレあるいは給水施設が含まれているのかどうかとお聞きしたかったわけです。そのこともぜひお願いします。

▼答弁▼廣田課長
 給水施設なりトイレについては来年度の倍増作戦の具体的な費目の中には入っていません。ただ、兵庫型市民農園の整備事業というものがありますし、国庫の補助整備事業もあり、その中でこういったものについて必要があれば設置していただくといった指導はできると考えています。


農業の観光化でなく農家への価格保障・所得保障こそ必要

■質問■増井委員
 ぜひ農家の方たちの負担が大きくならないように、そのことも含めて検討をお願いしたい。
 この質問の最後に、市民農園のあり方と本来農業はどうあるべきか、この問題について質問したい。
 農村の持つ多面的機能については、このところ大きな関心が寄せられているところです。食料の自給そして安全な食料を保障するというのはもちろん、国土の保全やあるいは環境の保全、そしてゆとりとやすらぎを与える、そして子どもたちへの教育力など本当に懐の深いものがあると思います。これらの機能に浴したいという要求が高まる中で、市民農園への要求も強まっていることは事実だと思います。しかし高齢化している農村において、農家の方達が自分の力にあった作物を作り、それが少しでも生活に役立つような保障が必要だと思います。価格保障、所得保障が県独自でも必要だと考えますが、この点についていかがでしょうか。

▼答弁▼廣田課長
 まずアグリライフというか、市民農園というか、そういう土に触れていただく機会をきちんと作ることにより、農業の実態あるいは農作業の実態を広く分かっていただくことは、県の農政全般を推進していく上にあたって一番基本となる極めて大事なことだと思います。一方で、特に勤労者世帯においても、ここ数年所得が減少しており、認定農業者を中心とした担い手の所得の確保については頭を痛めています。ただ、いろいろな認定農業者の育成ですが、平成12年度の3月末で1064人で、平成13年度の3月末の1年後には1058人と落ち込んでいましたが、やはりこういう形で仲間を作って、いろいろな事業・融資を活用していこうという形で各庁まわり、直近の2月末の数字では、1125人と増えています。こういう中で、このような方々を対象として、経営安定対策をやることについては、現在国が調査をすすめるということもあり、やはり各県全体あるいは全国的なものとの比較、あるいは稲作農業における米の生産調整のあり方、そういったものとからめて、ここ数年間の検討が必要かと考えます。

■質問■増井委員
 施策が大規模農家、認定農家に重点をおいているということがはっきりしたと思うが、圧倒的多数の兼業農家も含めて、本県の農業を支えている家族経営が成り立っていくよう抜本的な施策を求めたい。
 生物の育成に携わる農業は、自然のさまざまな制約を大きく受けて、価格の変動は予想の範囲を超えることもありますし、たとえ機械の導入によって省力化をはかって労働時間を短縮しても、1年間でたとえば耕うん機は1週間、田植機は5日間、収穫機は10日間の利用というように大変効率が悪いわけです。工業製品と比べて、過剰投資になるというのは、これは必然的なものだと思います。農業に市場原理や競争原理を持ち込んで、経済性や効率性が優先されれば、コストの低い輸入農産物の増加に簡単に結びつくと思います。農家の努力だけでは限界があります。特に食の安全ということが問われている時です。大消費地を抱えた兵庫の農業が自給できる農業に、そして安くて安全でおいしいという、理想的な農産物の生産に一歩でも近付くよう、最大限の努力をしていただきたいが、いかがでしょうか。

▼答弁▼北原農林水産部長
 特に輸入農産物への取組みについては、一つは商品の差別化ということで試験研究機関を通じて、その感応評価、あるいは味覚評価、あるいは安全性の評価等に取組んでいます。また、輸入野菜あるいは農産物の消費者県民への情報提供は大変重要になってきますので、それらも、できるだけ収集し分析をして、県民の分かりやすいかたちで情報提供していきたいと思っています。そういうことを通じて、全般的に本県農林水産物の消費拡大あるいは農林水産業の活性化につないでいきたいと思っています。


間伐材と県産材の利用促進をはかれ

■質問■増井委員
 県が推進する「アグリライフ」は、ともすると農業を観光産業にしていくのではないかと危惧しています。農村の持つ多面的機能が本当に発揮され、環境問題の解決や、真の豊かさに結びついていくためにも、そこに住んで生産している農家が希望をもって暮らしていけるようにしてこそ、後継者の育成につながると思います。県当局のみなさまの奮闘をお願いして、次の質問にいきたいと思います。
 つぎに林業の振興について質問します。
 「森は素敵な海の恋人」を合言葉に、漁師の家族の方達が山の手入れに参加される所が増えています。これは、森林がもたらす様々な栄養が川を下り、海の生物を育てることから、その源である森林の手入れをしようという運動です。本県は、およそ25年前から森林の荒廃が始まったといわれています。戦後の林業政策は杉・桧などの特定の収益性の高い経済林に植え変えていった、そのことだと思います。しかも、戦前は1ヘクタールあたり2000本から2500本だったものを、3000本以上の密植造林へと政策誘導されてきました。当然、除伐、間伐など継続的な管理は前提であり、これらの経費をまかなうためには、その商品化が必要条件となります。この間、林業振興に向けた支援策をおこなってこられたが、その結果はどうでしょうか。

▼答弁▼村田林務課長
 林業の振興については森林の荒廃等、従来から人工造林いわゆる生産性の増大ということで施策があったわけですが、最近の環境問題等によって人工造林の拡大も昭和60年代に入って一段落して、さまざまな環境問題等の配慮した施策に転換してきました。この背景には戦後、いわゆる木材需要の増大があり、これが国内産だけでは需要に対応しきれなくなったということがあり、外材の輸入が昭和39年を境に増えてきたという背景があります。この中において、指摘の植栽の本数の変遷ですが、これは2000本3000本ということですが、現在は3300を標準にして、これに基づいて現在の標準の植栽本数を決めており、これによると、優良な材を作るためには、当初3000本ぐらいを植栽し、それから80年100年に持ってくる時に、800本600本という形に間伐・除伐をしていく。その間の必要性に応じてそれぞれの施策がなされてきた。こういうことですので、必ずしも3000本が過密とは考えていません。優良な材をつくるためには、やはりその程度植えて、間伐をくり返してやっていくということです。そのためにいろんな支援策を現在やっているということです。

■質問■増井委員
 外材の圧力もあるということもおっしゃいました。確かにそのことが大きな要因だろうと思いますが、もう一つには、国土の保全の復旧造林として造林助成制度というものがあったが、しかしそれが融資制度に変えられてしまいました。外材の圧力をまともに受ける上に、造林補助の削減という二重の要因によって、保育間伐事業の停滞につながったんではないかと思いますが、この点はどうでしょうか。

▼答弁▼村田課長
 従来の補助金の制度が融資制度に変わったということですが、現在も森林整備に関する植栽から除伐、間伐、枝打ちすべて補助体制でやっています。一応、農林事業金融公庫の融資制度はありますが、それは補助が融資制度に変わったということでは認識をしていません。ですから、補助体制としては従来からの形で継続してやっているということです。

■質問■増井委員
 本県の14年度の間伐計画は、8750ヘクタールとなっていますが、そのうち6250ヘクタールが切り捨てで、搬出は1500ヘクタール、地元利用は1000ヘクタールと聞いています。圧倒的多数が切り捨てということになるが、切り捨てられた木材からは、逆に二酸化炭素を排出するといわれています。地球温暖化を防止するための京都議定書に反してすすめるということにもなるかと思います。今度の計画は、国の政策として紙・パルプこういう業者等に安価に提供することなども含めて、もっと活用を強めるよう国に要求すべきだと思います。また、この県産材の活用を進めていくためにも、療養効果も期待される病院や医療施設、あるいは介護保険の導入で特別養護老人ホーム、こういう建設が待ったなしの要求ですし、待機児童の急増で保育所の増設が緊急の課題となっています。老朽化した学校や県営住宅の改修などにも、県産材を利用することなど、知事自ら農の時代といわれているのですから、本腰を入れて各部局にも強く働きかけをするよう求めますが、いかがでしょうか。

▼答弁▼北原部長
 木材産業が林業を支え、林業の振興が農山村を活性化するという一つの構図があります。その中でなぜ県産材かということになると、県産材を利用促進することにより、伐採、植栽、保育という林業生産サイクルが円滑に回り、ひいては県下の森林の健全育成、あるいは県土の水を貯えたり、災害を防止する多面的機能の維持向上につながり、ひいては県民の暮らしをまもることになります。そのために、県産材を利用した公共施設等の整備基準を作り、現在県民局ごとにも地域推進協議会を設置して鋭意取組みを進めているところです。

■質問■増井委員
 農林水産業に従事されているみなさんや消費者である県民のみなさんの願いに応えて、全力で頑張っていただくよう心から願って私の質問をおわります。

前のページへ戻る このページの上へ
Copyright(c)2001-2017 日本共産党兵庫県会議員団