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2002年度予算特別委員会長期ビジョン部審査 いそみ恵子
2002年3月12日

県は市町合併促進の姿勢改めよ

■質問■いそみ委員
 私は市町合併について質問します。まず、県の基本的行政姿勢について聞きます。
 「知事、市町合併推進について意欲表明」、これは先週3月6日の神戸新聞の掲載記事の見出しです。これは知事が本会議において「県としても市町合併にたいし、県としての立場から、積極的な対応をしてまいりたい」ときっぱりと言い切られたことを受けたものです。合併特例法の期限切れを控えて、政府は「全国の3000以上ある市町村数をさらに1000にする、さらに300に」と目標を決め、強権的とも思える施策が押し進められようとしています。しかし地方自治法で明確にしているように、市町村の規模の変更は、市町村の自主性にもとづいておこなわれるものです。だからこそ、知事の市町合併にたいする政治姿勢が大きく問われていると思います。昨年11月「市町経営あり方検討支援会議」から「支援本部」に改組され、知事が本部長となって以来、合併促進の方向にすすめられています。改めてお聞きします。市町合併にたいする県の行政姿勢はどうあるべきとお考えでしょうか、お答えください。

▼答弁▼井筒長期ビジョン部長
 市町合併にたいする県の基本姿勢ですが、昨年1月に今後の市町経営のあり方に関する検討指針を取りまとめました。その中で、改めて地元の市町と住民が、地域の実情を踏まえて十分に議論をして合意形成をはかることが基本であるとしたところです。本会議での知事の答弁でも、知事はその前段で「市町合併の最終判断は、地元市町や住民の当事者として自主的かつ主体的な議論と合意形成の中でおこなわれるべきものである」という認識を明らかにしています。こういった考え方は現在もなんら変わっていません。

■質問■いそみ委員
 確かに、市町合併の最終判断は、地元市町や住民の当事者としての自主的な判断がおこなわれるべき。こういう基本認識はいっさい変わっていないと言われましたが、いまやその言葉は枕言葉になっていると思う。知事は先の本会議質問に答えて、「新年度は地域の議論の場を積極的につくるなど、県としての立場から合併に積極的な対応をしていく」という見解を示しています。市町の自主性を重んじているという態度とは思えない。
 例えば淡路。淡路では、昨年秋から性急ともいえる動きになっています。洲本市、津名郡、五色町で法定合併協議会が立ち上げられました。その後、一宮も加わるのではということになっております。また、三原郡4町の枠組みが組まれるなど、合併の枠組みをめぐって市長、町長の思惑で急変が起きて、市民・町民が惑わされ、置き去りにされているのが現実ではないでしょうか。そういう動きの中で、淡路で創造大学の公開講座が開かれました。500名が参加する盛況なものでしたが、白鴎大学教授の福岡政行氏が、政府・財界の立場に立って「合併促進」の講義をしたわけです。その場で、淡路県民局長が「効率的に考えれば淡路一市が望ましい」こういう旨の挨拶をされたと聞いています。こういった上からの合併ありきの考え方を、市民町民に押し付けるやりかたはいましめるべきだと思います。
 県内で実際におこなわれていることは、知事が示した市町合併の推進の意欲に後押しされているのではないでしょうか。重ねてうかがいます。文字どおり市町の自主性を重んじて、自主的判断が保障されるための県としての役割、これをどう果たすべきだとお考えでしょうか。

▼答弁▼井筒部長
 市町合併については、本格的な地方分権の中でこの問題を考えるべきである。そのことは理の当然として自己決定、自己責任ということです。そういう中で、少子高齢化あるいは人口減少こういった地域構造の変化、あるいは住民ニーズの高度・多様化、これにどう市町村として対応していくのかということがあります。当面する課題として厳しい行財政環境にたいして、どう効率化をはかり、行政能力を向上していくのかといった視点もあります。こういったことを総合的に判断して、市町経営のありかたを巡る選択肢の一つとして地元において真剣に検討がなされているところです。淡路においても、津名郡それから洲本を含めた任意の研究会、そして三原郡の任意の研究会がスタートをし、その後、法定合併協議会が中淡3市そして三原郡ででき、また動きがあるということですが、全て地元の主体的な自主的な議論の中でおこなわれている。そのことにたいして広域的な立場にある県として、合併特例法で指摘をされている県としての助言、情報提供について積極的な役割を果たしていくということです。市町の自主的主体的な議論ということについて、これは県としてなにもしないということではありません。そういったことが議論が展開されるような積極的な支援をしていくことが役割ではないかと考えます。

■質問■いそみ委員
 広域的な県としての役割の中で、助言だとか情報提供を積極的におこなっていくということで、なにもしないというんではないんだと、県の役割を言われました。その中で、情報提供、これは繰り返し言っていますが、メリットとデメリット、このデメリットをきっちりと伝えていただく。こういう姿勢が県として必要なことだと思います。
 それで、合併に関わる財政問題についてお聞きしたい。多可郡加美町の戸田町長が「今の市町合併というのは財政が主導です。果たしてそれでいいのか。とりかえしのつかないことになりはしないか心配です。地方自治体の使命は住民のいのちと暮らしを守り、町土を保全することにあります。合併で地方自治やコミュニティが壊れては元も子もありません。地方自治がどうあるべきかという積み上げの中で議論すべきです」このように語っておられます。さらに「アメとムチの政策をともなって合併がすすめられている。地方交付税の段階補正、事業費補正の縮減は、町にとってほんとにこたえます」このように言われました。
 県内でも郡部の小さな町は、来年度予算でも段階補正の改訂で直撃を受け「ムチ」を避けようとすれば合併しかない。大きくなるしか町は成り立たないと、まさに強迫観念といってもいいぐらい首長の焦りが住民に伝えられています。地方交付税が、地方自治体が本来おこなうべき福祉教育などの住民サービスの分野において、地方団体の自主的財政運営を保障するものであり、それを縮減することは、まさに国が目的とする小さな自治体をなくし、合併を推進する中で国の財政負担を減らす意図は明白です。決して地方自治体を守る立場に立っていません。県は、そういう国の姿勢をそのまま推進するのではなくきっぱり地方交付税削減はやめよとの声を県民に変わって国にあげていただきたいと思いますが、この点ではどうでしょうか。

▼答弁▼青山市町振興課長
 段階補正というのは、人口規模の小さな団体ほど人口一人当りの経費が割高になるという傾向を、地方交付税の算定に反映するもので、今年度の見直しは、現在、全団体の平均を基礎におこなっている割増率の算出を、もう少し効率的な財政運営をおこなっている団体を基礎に算出するように見直し、段階補正が地方団体の合理化や効率化への意欲を弱めることにならないようにしようとするものです。もとより交付税は地方団体間の税源の偏在を補正し、地方団体が標準的な行政水準を維持することができるよう、財源保障をおこなうもので、各地方団体の標準的かつ合理的な財政需要に基づき算定されるもので、今回の段階補正の見直しと合併の議論とは別のものだと考えます。段階補正の見直しとは、自分の団体が非常に高いコストの運営をしているのかということも見直す一つのきっかけになるかと思います。そういった中で段階補正の見直しというのが交付の上位3分の2に・・・

■質問■いそみ委員
 それは質問してない、地方交付税のことについてお答えください。

▼答弁▼青山課長
 段階補正を初めとした、こうした個別の団体に財政運営に支障がないように県としては当然働きかけていくわけですが、今回の段階補正は個別の団体が自分の行政が効率的にできているかと見直す一つの契機だと認識しています。

■質問■いそみ委員
 地方交付税削減、これは小さな自治体ほどたいへんな状況ですから、国にたいして求めていただきたい。昨日の高井課長の答弁ともかなり後退したような感じがする。鳥取、和歌山県の知事が「最前線から地方財政改革論議によせる」という共同アピールを出し「地方交付税の減額が財政改革に繋がるとの議論があるが、これは地方行政の実情を踏まえていない。短絡的な議論だ」と政府のやり方を批判しております。こういう立場に立って兵庫県としても国にきっぱりと求めていただきたい。
 それでは、合併すれば本当に市町が良くなるのか。国からの「アメ」といわれるものの真相・実態を見てみたいと思います。
 まず合併特例債です。地方に大きな借金を可能にする2つの大きな特例債がありますが、総務省のホームページで私どもが試算しました。仮に、今議論が出ている氷上郡、ここは合併するとして合計450億、中淡では360億、三原郡で合併すると288億の事業ができることになります。これで何をするのか、従来型の不要不急の大形開発にならない保障はありません。また地方交付税の措置を除く約3割近くが地方の借金で、これが新たな住民負担となっていくわけです。さらに地方交付税の優遇措置があるという国の「アメ」があるわけですが、10年間合併前の普通交付税が保障されますが、5年間の緩和期間のあと、大幅に減額されます。私達の試算によると、およその数字ですが、氷上郡が合併した場合、11年度当初ベースで計算すると、合計108億4000万円が83億9000万円、約24億5000万円の減。それから洲本、津名、五色そして一宮、これが仮に合併をすると、これも同じく合計で92億5000万円、それが57億円に約35億5000万円の減。それから三原郡の合併の場合、これも同じように計算すると、64億6000万円が40億6000万円、約24億円の減となります。その他、合併補正や特別交付金などの支援がありますが、このような優遇措置を合わせても、市町合併後11年目から交付税が減り始めて、やがては支援金の額を減額分が上回る。こういうことになります。この私どもの試算結果についてこれを認められるでしょうか。

▼答弁▼青山課長
 合併算定替えの試算、氷上郡の数字は指摘の通りの大体の数字かと思いますが、他の組み合わせについては試算していません。この合併算定替え、10年間ということでその後5年間逓減されるわけですが、平成7年以前に合併した合併特例法改正以前ではこの保障期間は5年でした。たとえば、昭和50年に城東町多紀町が篠山町と合併した場合とか、加古川市に四方町が合併した時には、合併特例法のこの合併算定期間も5年だったものが現在は10年プラス5年間の逓減期間という非常に充実した、期間が手厚い措置と考えています。

■質問■いそみ委員
 氷上郡の合併の場合は、大体私達の試算ということで認められました。かなり減額になるわけです。国からの「アメ」が、充実をした手当てになっていると言われましたが、やはり「アメ」だと思って飛びついたら、それが「アメ」にならない。これが私どもの試算の中で明らかになったと思います。結局、歳出を削らなければ、市町はやっていけないという結果をつくり出していると思う。
 続いてシミュレーションの問題でお聞きしたい。今、県は、氷上郡の法定協議会に協力を求めて、合併シミュレーション、それから財政マニュアルを作成されて、大体3月末に作っていこうとすすめられていると思います。氷上郡の町民の方々から、このシミュレーションは「何をねらいとしているのか」「ポイントはどこに置いているのか」「結局は合併をしたら財政はバラ色ですと示すものではないか」など、不安の声が広がっています。この声に県は答えていかなければならないと思いますが、市町合併によって、結局、従来のようにゼネコンはもうかるけれど、残るのは借金の山と住民サービスの削減、こういう自治体リストラに導くような合併シミュレーションについては、私はその作業を中止すべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

▼答弁▼青山課長
 本年度、検討指針のフォローアップをおこなう中で、今後の合併を含めた市町経営のあり方について調査研究をおこなっており、そこで行財政シミュレーションについて調査研究をしています。具体的には地方税、地方交付税などの収入額や人件費等の支出額について、合併後の市町と類似団体の比較を始めとして、将来の人口動向をベースにした歳入歳出や投資的経費の見通し、また合併特例債や普通交付税の合併算定替えによる特例措置の試算などについて、マニュアルの作成に取組んでいるところです。これは何もバラ色のことを目指しているのではなく、氷上郡で言えば6町が合併するわけですから、住民の負担水準とかいろいろ異なるわけです。その場合どういうことをすれば、将来に禍根を残さない合併ができるかという、選択肢の一つとしてマニュアルづくりをしているわけで、これをもって広域的な団体として、一つの市町ではなかなか出来ないことをお手伝いしていこう。そして他の地域でも使われるようにそれをマニュアル化したいと考えています。

■質問■いそみ委員
 今、3月の中旬ですから、本来なら議会にたいして説明しないといけないと思うが、事前に聞いても、まだ作業中ということです。今、全国でもこういうシミュレーションを作っている。島根県のシミュレーションを持っているが、中身を見ると、優遇措置の財政推計だとか、大型開発、人件費などのリストラ合理化等が中身になっており、こういうシミュレーションを作っていくのは、市町のお手伝いには決してならないと思う。これは中止をしていただきたいと要望しておきます。
 それから、市町合併をするにあたって、どの市長、町長も共通して言われるのは「住民サービスの低下をもたらしてはいけない」こう語られる。けれど現実はどうか、旧多紀郡4町合併した篠山市。ご承知の通り、住民サービスを低下させないと住民に約束をされて合併したわけですが、3年目を迎えた今日の市政というのは、その約束とは全く裏腹に、大形の箱モノ事業はどんどん進むけれど、他方で暮らし・福祉・教育が削減されて、住民にたいへん大きな不安が広がっている。そこでおたずねするが、住民サービスを低下させない、そういう市町合併があるのかどうか、この点についてお答えいただきたい。

▼答弁▼青山課長
 合併後の市町における住民サービスがどのようになるか、基本的には合併以前に法定協議会の場を始め、関係市町間の協議により調整されると考えてます。その際、給付については高い水準に、負担については低い水準に、調整されるとの意見もありますが、住民負担の公平確保の観点と受益者負担の原則に立脚し、合併後の市町の財政状況を見極めながら適正な水準に設定することが望ましいと考えており、多紀郡でもそういう調整がされたと聞いています。合併後の市町においても少子高齢化ですとか、高度情報化等の社会情勢の変化に適切に対応し、多様化高度化する住民ニーズに機動的弾力的にこたえていくことが求められており、職員の適正配置を含め、健全で効率的な行財政運営をはかりつつ、住民サービスの維持向上に努めるべきものと考えます。

■質問■いそみ委員
 例えば篠山市で行財政改革実施計画がすすめられている。ここでは保育所や教育施設の統廃合を計画しています。その具体化として、昨年12月の丹波新聞等を見ると、小学校を現在の19校から13校に統廃合すると提起されている。その中で、統合廃止される西紀北小学校、この地域は合併するまでは、旧西紀町が小学校以下の子ども達のいる家庭を特別措置で低家賃の町営住宅に入居させ、少子化対策を取組んできた地域です。農業が中心の地域でありながら農業の発展の保障もない、そういう中で教育施設や保育所までなくなるということは、若い人達や子ども達が住みにくくなって、少子化にさらに拍車をかける。人口減にならざるを得ない。住民サービスは低下させないと約束した合併が、もう篠山市ではこういう状態です。そういう中で、全国で小さな規模の市町村が、自らの市町村で本来の地方自治の役割を果たすために「合併をせず独自に努力してがんばろう」こういう市町村宣言をおこない始めています。矢祭町が非常に有名になりましたが、先に述べた本県加美町の町長も「国は合併のメリットとして財政力の強化をあげますが、財政力の弱い町が集まって果たして強くなるんだろうか。合併で町の過疎がさらに進むのではないかと恐い。超高齢化社会になっている時に町土を誰が守るのでしょうか。市町合併は本来住民に決めてもらうもの」と述べています。県はこの考え方をしっかりと受け止めて、今の合併促進の姿勢は改め、本来の市町の姿勢を尊重する。こういう立場を取るべきだと思いますが、最後にもう一度おうかがいします。

▼答弁▼井筒部長
 市町合併の基本的な考え方、あくまで地元市町あるいは住民が主体的かつ自主的に議論をしていただく。その中で、地域の実情を踏まえ合意形成をして、最終判断をしていただく。市町をコーディネートし補完・支援する立場から県の立場として支援していきたいという基本姿勢ですのでご理解いただきたい。

■質問■いそみ委員
 言っていることとやってきたことが違うということで、私は重ねてただしてきました。県は、国にたいしてもっとしっかり市町を守るという立場から、言うべきところはきっぱり言うという姿勢を貫いていただきたい。このことを最後に申し上げて私の質問を終わります。


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