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2001年度決算特別委員会県土整備部審査 森田たき子
2002年12月11日

「保安林」など購入する必要のない土地もある六甲山グリーンベルト事業

■質問■森田委員:六甲山のグリーンベルト事業*について私もお尋ねをいたします。この事業については、完了までに今後約20年はかかるといわれました。また県の担当分だけでも費用が約600億円もかかるということで本当に巨額の事業になることは明らかです。そこでお伺いをいたします。
 このグリーンベルト事業の1600ヘクタールの中に、「保安林」が含まれておりますが、この面積はどれくらいでしょうか。

▼答弁▼松本砂防課参事:1600ヘクタールの内、「保安林」が国直轄が893ヘクタール、補助つまり県の担当ですけれども177ヘクタール、あわせて1070ヘクタールでございます。

■質問■森田委員:ということは事業計画面積の約7割にもなるわけですが、「保安林」としてすでに指定をされている土地を取得しているということです。その中の国直轄と県のエリア毎に筆数と面積をお教えいただいたいと思います。

▼答弁▼松本砂防課参事:需要区域がたいへん広大でございまして、全体をいっきょに調査しておりません。ブロック単位で分けてやっておりますから全体の筆数とかは把握しておりません。

■質問■森田委員:全体の把握をしていないということですけれども、県のエリアの分についても把握をしていないということでしょうか。

▼答弁▼松本砂防課参事:県の担当エリアも西は鉢伏山から東は宝塚までございます。こういったエリアにつきましてブロックに分けてその区分につきまして、境界立界をして面積を確定しているということで、事業期間が相当長くに渡るとしますと、今境界立界しても10年後には使用者も替わっている可能性もございますから、そういった意味では一定のブロック単位で調査をして、それから用地買収、グリーンベルト整備というふうな段取りですすめております。

■質問■森田委員:私は今お伺いをしたのは、「土地を取得をしている中の」とお聞きをしたわけですけれども、確かにこれ膨大な事業である。その中でも国は直轄分も県の直轄分も、あまりにもブロックごとには広すぎてできていないというふうにご答弁お聞きをするんですが、そういうことですか。

▼答弁▼松本砂防課長:すでに買収した県の買収地の中で、保安林につきましては7.7ヘクタールでございます。直轄の方が176ヘクタールございます。

■質問■森田委員:そういうふうに県民税を投入しているわけですからね。そういうことがきちっと出てくるようにしていただきたいと思うわけです。

 砂防事業だけではなく、県民に対する「説明責任」が、県には県民税を投入している以上はあると思うんですけれども、そういったことは道路や河川、海岸また港湾事業などすべての国直轄事業についても把握をされるように強く主張しておきたいと思います。

 私の地元でも須磨区でも、「地滑り」とか「土砂災害」等、たいへん心配される危険な箇所が多いわけですから、安全な六甲山にしていただくということは拒否をするものではありません。積極的に遂行すべきであると考えていますのでこの点をまずきちんと私も主張しておきたいと思います。

 その上で、先程説明もありましたように「従来の砂防事業は砂防ダムを中心とした渓流工事が中心であった」と。グリーンベルト整備事業は、「緑の持つ防災機能に着目をし、樹林の整備をおこなう」として、事業の内容がいま拡大をされているということですよね。

 しかし、だからといって「土地の所有権の取得先にありき」ということではなく、過剰な土地取得は厳に戒めなければならないと思うんです。

 例えば「保安林」として指定をされている土地については、その目的が既に達成をしているわけですから、あえて所有権を取得をすべきではないと思うんですがいかがでしょうか。

▼答弁▼山口県土整備部長:まず用地取得について考え方でございますが、今委員申し上げました六甲山系南部地震の影響により、まだまだ危険な状態が続いておりまして、阪神間から神戸西部の方につきまして、まだまだ新規崩壊また崩壊地の拡大も見られております。

 市民の方々にもまだ非常にご不安があるということでございますので、この山麓地域の土砂災害に対します安全性を将来にわたり確保するためということで、市街地に直接に土砂災害を起こす恐れのある斜面を公有地かしようと。これは、従来なかった手法でございます。これをあえて公有地化することでまた一連の防災樹林として整備をしようとするものでございます。

 これによりまして、六甲山系の土砂災害によります安全性がより高まるであろう。また山麓部の危険な地域に、これ以上市街地が拡大することを防止しよう。良好な景観と自然環境を守り山麓都市に潤いとやすらぎを与えると。防災また環境面からすばらしい街づくりをつくってまいりたいと考えております。
 保安林施設との関係につきましては、担当参事のほうからご説明します。

▼答弁▼松本砂防課参事:六甲山麓斜面への安全対策として、森林法によります保安林制度とかあるいは保安施設事業がございます。これにより、一定の効果があると思われます。

 しかし、保安施設事業を土地所有者に受任義務を求めて実施しようとしても、阪神間都市山麓部などは自己の土地に対する権利意識が強いこと、あるいは保安林制度を知らないままに相続や売買によって土地を取得したケースが多くあります。こういうことから、保安施設事業を実施するにあたりまして土地所有者との協議が難航したり、伐採した樹木等の保障にあたり、過大な保障を要求されケースがございます。その場合、必要な保安施設の整備を計画的にすすめることが困難な状況が生じます。

 また、森林法等における開発規制は、開発を完全に禁止するものではなくて一定の要件あるいはその基準を満足すれば、開発を許可せざるをえないといった状況でございまして、結果として市街地が土砂災害の危険性をもつ山麓部に拡大するといったようなことになるわけでございます。

 六甲山麓は、震災直後と同様に、たいへん危険な状態が継続しておりまして、現行手法を超えたさらに強力な施策、すなわち保安林も含め所有権を取得して恒久的な樹林帯を確保する必要があるというふうに考えております。

■質問■森田委員:「保安林」について「私権の制限に限界がある」というご答弁が中であったわけですけれども、保安林制度の法律的な性格というのは「公益上必要な森林の保全のために、その森林の使用権に加えられる公法上の制限であり」、さらに「土地所有者には樹林の義務」も明記をされたいへん厳しく規制もされているものです。

 また「保安林」の指定には期限がなく永久でもあります。仮に所有権が移転をしても第三者に対する対抗力もあります。安全を確保するための担保能力は十分あるわけです。

 さらに、保安林指定の「解除」についてこれ言及もすこしされておりましたが、解除にあたっては「保安林としての機能を維持する」など厳しい基準があるわけです。この地域については国立公園による規制やまた宅地造成の規制等、他の法令によって2重3重にも規制をされています。このような土地の所有権を取得しなければならないという理由はないというふうに思うわけですけれどもいかがでしょうか。

▼答弁▼松本砂防課参事:「保安林制度」、確かに厳しいことはございますけれども、森林法の26条で、「保安林解除の要件」がございまして、公益性と保安林指定の消滅がございます。

 例えば、民間開発といった場合には、「保安林指定理由の消滅」が該当すると思います。1例を申し上げますと、六甲山系の場合は土砂災害流出防備保安林といったものがかなり多く存在します。こういった場合に、保安林指定理由を消滅させる場合は、極端な話し、一定のエリアを要壁で囲むとかあるいは調節池を設けてエリア外に土砂が流出しないような、そういった対応をとれば保安林解除が可能になるわけでございます。
 従いまして一定の開発に対する抑止効果がございますけれども、絶対的なものじゃないというふうに考えます。

■質問■森田委員:全く納得できないわけですけども、保安林のこの解除については先程いいましたけれども保安林としての機能を引き続き維持をすることというような厳しい規制があるわけです。
 現在進めているその地域は直接的に市街地に砂防災害土砂災害をもたらす危険性を有するとされている「Aゾーン」でありますが、今後、間接的に市街地に間接的に土砂災害をもたらす可能性を有するとされる「Bゾーン」についても事業をすすめるとしています。

 途方もないこうした事業費になってしまうわけですから、全国的にもムダな公共事業を見直していくことが大きな流れとなってきております。少なくともこうした「保安林」の取得、絶対にやめるべきだと思いますが、再度部長ご答弁をお願いいたします。

▼答弁▼山口県土整備部長:どうして保安林を買収する必要があるかのことにつきましてはもうすでに担当参議がご説明しておりますので、私は非常に県民の方からも切望されている事業でございます。われわれ広く県民または市民の方のご議論いただきながらすすめるべきと考えます。
 今我々のやっている事業手法につきましてはみなさんから賛同いただいていると考えております。

■質問■森田委員:私達は安全な六甲山にすることは否定をするというわけではないんです。
 費用対効果の面から、保安林の所有権取得をやめるべきであるということを、最後に厳しく指摘をさせていただきまして質問を終わらせていただきます。

 
六甲山グリーンベルト事業とは?
 大震災で、六甲山全域で山体のゆるみが生じ、崩壊地が1000箇所以上発生しました。
 震災後も降雨などによる「2次災害」の恐れ、土砂災害の危険性を理由に、市街地に接する山麓から山腹に至る斜面において、早期に「一連の緑地帯」を整備(グリーンベルト整備事業)し、山体の強化を図るとする事業。
 全体の区域は西宮市生瀬から神戸市須磨区までのいわゆる表六甲の区域で延長約30km、面積約8400ヘクタールに及びます。

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