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2017年11月10日

2018年度予算編成に対する申入書《 農政環境部 》

T 農林水産業について


  1. TPP・日欧EPA等について
    1. TPPの「復活」交渉はきっぱり中止し、食料主権、経済主権を互いに尊重する公正・平等な貿易と投資のルールをつくるよう国に求めること。
    2. TPPを上回る譲歩をしている日欧EPAの締結に反対し「大枠合意」の撤回を国に求めること。
    3. 輸入米を安く流通させるための「調整金」の存在が明らかになったことから、国産米価格に与えた影響について調査し全容を明らかにするよう国に求め、県独自に影響調査を行うこと。
    4. ミニマムアクセス米の輸入を中止することを国に強く求めること。

  2. 農業の発展のために
    1. 生産調整の廃止など、米作りの生産費を4割削減する「農政改革」の中止を国に求めること。
    2. 国が半額に減らした米直接支払いの10a15000円の復活等を求めること。コメの価格は、価格保障を中心に、農地面積などを対象にした各種の所得補償を組み合わせて生産コストをカバーできる施策に切り替えるよう国に求めること。県として交付金上乗せなど米作の経営安定と、消費拡大に取り組むこと。
    3. 兵庫県の状況をふまえ、中山間地等直接支払制度の恒久化と要件緩和を国に求めるとともに、県として中山間地など条件不利地への支援を充実すること。
    4. 大規模農家のみでなく、農家の多くを占める小規模・兼業農家も「担い手」として支援すること。また、集落営農化は農家の意思を尊重すること。後継者育成のため、新規就農希望者への支援をさらに充実・強化すること。青年就農交付金について、要件緩和を国に求めるなど、活用しやすくすること。
    5. 農地中間管理機構について、耕作放棄地の復旧を位置づけること、貸付先は地域農家を最優先すること、農民代表を機構の役員に選任することなど、制度運用の改善を国に求めること。
    6. 麦・大豆など主な農産物に価格保障、所得補償を実施し、国産を活用したパンや加工品の学校給食での普及・拡大などを支援し、国産麦や大豆の需要拡大をはかるよう国に求め、県独自でもすすめること。
    7. 都市近郊の農業と耕作地を守るため、生産緑地の要件を緩和するとともに、特定市以外にも生産緑地制度を導入し、全県的に拡大すること。
    8. 株式会社の農地利用については、もうけ優先で農業から撤退して、大規模な荒廃・転用がおこるなどの事態を防ぐため、監督・規制を強めること。
    9. 遺伝子組み換えナタネの拡散、生育が県内で認められており、交雑が心配されていることから、県として定期的に調査を行うとともに、輸入時の零れ落ちなどを防ぐ対策を検討すること。
    10. 野生動物被害対策について
      ア.シカ、イノシシ、サル、クマなどによる鳥獣被害対策について防護柵などの設置・更新への県補助を増額すること。
      イ.駆除に参加する猟友会員への支援をさらに強めるとともに、シカなどの処理施設を県として整備すること。
    11. 基盤整備は、老朽化対策や耐震化を中心に行い、地域や農家の意見をよく聞きながら、必要なものについて、国庫補助の拡充を国に求め、県の補助率も引き上げるなど、農家負担の軽減をはかること。

  3. 畜産業の発展のために
    1. 畜産・酪農生産力強化緊急対策事業の継続を国に求め、小規模酪農家も含め支援すること。
    2. 円安による飼料高騰への緊急支援や、自給飼料米生産、耕畜連携への支援を県として行うこと。
    3. BSE対策について、輸入制限緩和を行わないよう国に求めるとともに、全頭検査を復活すること。
    4. 口蹄疫や鳥インフルエンザなど家畜の防疫対策について、発生原因の解明や十分な予防対策に万全を期すこと。機敏な対応のための体制を確保すること。

  4. CO₂削減、水源涵養、防災対策など、森林のもつ多面的機能を最大限発揮する施策を実施すること。

  5. 林業振興のために
    1. 兵庫県産木材の利用促進に関する条例を活かし、県の公共事業に数値目標を設定するなど、県産材利用を抜本的に増やすこと。
    2. 県産材利用促進のために、品質の向上を図り、木材加工技術の新たな研究開発の促進、融資や税制上の優遇措置を拡充するとともに、県産材使用の住宅リフォーム助成制度を創設するなど、使用住宅を広げること。
    3. 木質バイオマスなど間伐材の利活用の研究をすすめるとともに、支援策拡充で一層の促進を図ること。
    4. 林業労働者の所得保障制度の創設と、共済事業や社会保険制度、新規就業者支援の拡充を国に求めるとともに県の支援策をすすめること。
    5. 広域基幹林道建設は、見直しを行い不要不急の事業は中止すること。一般林道や作業道の充実をはかるとともに、簡易な作業道への助成、維持管理への補助制度を創設すること。同時に希少野生動物の保護対策に取り組むこと。
    6. 間伐・除伐への助成強化を国に求めるとともに、県独自でさらに支援を行うこと。 国の間伐補助の面積要件(5ha以上)を従前の0.1haにもどして事業ごとの補助とするよう国に求めること。

  6. 水産業振興のために
    1. 後継者育成のため、青年漁業者支援制度を創設すること。
    2. 不法外国船の取り締まりを強化するよう国に求めること。
    3. 生態系を崩す外来魚の調査研究をすすめ、対策を強化すること。
    4. ノリ養殖における乾燥機等の費用や水道料金軽減などの支援をおこなうこと。

  7. 豊かな海を取り戻すために
    1. 瀬戸内海再生法に基づき、県として森・川・海の総合的な環境保全対策や藻場、干潟の再生などに、目標を明確にして、住民参加で取り組むこと。
    2. これ以上の埋め立てなどの開発や海砂利採取を禁止するなど、関係府県と連携して、漁場の保全を図ること。
    3. 瀬戸内におけるノリの色落ち対策のため、ため池や加古川大堰の冬季一時放流など具体的な研究を進め、環境保全と両立させながら栄養塩供給をはかること。

  8. 燃油高騰への対策について
    1. 軽油引取税の免税措置・農林漁業用輸入A重油にかかる免税措置・農林漁業用国産A重油にかかる還付措置の恒久化を国に求めること。
    2. 「漁業経営セーフティネット構築事業」における燃油費の補填発動の基準を引き下げるよう国に求めること。
    3. 県として値上がりに対する補てんなど独自の支援を行うこと。

  9. 農林水産技術センター等試験研究機関の基礎的な研究やその役割はますます重要になってきている。研究員はじめ人員の削減縮小でなく増員・充実をはかること。

  10. 「行革」によるこれ以上の農林水産振興事務所の縮小、農業改良普及員等の削減は中止すること。

  11. 地産地消の促進について
    1. 県内食料自給率の向上に向けて、農畜水産物の販路拡大や流通に県が責任を持ち、地産地消で安全な食料提供を抜本的に推進すること。地域での自主的な取り組みを支援すること。
    2. 学校給食に地元産の野菜や魚介類、畜産物などの活用を、教育委員会と連携して進めること。米飯給食への補助を復活すること。


U 環境対策について


  1. 地球温暖化対策・再生可能エネルギーの爆発的普及について
    1. 県は2020年度までに2013年比5%、2030年度までに26.5%削減を目標と設定したが、京都議定書時の目標からみると後退している。温室効果ガスを2020年までに90年比40〜50%削減するなど、国に働きかけるとともに、県としても削減目標をさらに高く設定すること。
    2. 企業の排出量と削減目標を事業所ごとに公開し、キャップ制で義務的に削減を課す条例を制定すること。
    3. 再生可能エネルギーの普及にあたっては、大企業主体の大規模発電施設中心でなく、地域の資源を生かした住民や市町主体の取り組みを支援すること。
    4. 住宅用太陽光発電の県独自の設置補助金を復活し、さらに充実をめざすこと。
    5. 農業用水路などを利用した小水力発電の普及のために、発電を行う農業団体などへの導入費用補助制度や、水利権等手続きについての相談窓口を設置すること。
    6. 地球温暖化対策に逆行する、神戸製鋼所の石炭火力発電所新設計画は中止を求めること。
    7. 公社から取得した環境林については、CO₂削減や水源涵養など環境林事業としての効果を測定し県民に明らかにすること。

  2. 大気汚染対策について
    1. 改正大気汚染防止法に基づき、大気汚染物質の実効ある排出規制のために、企業等への立ち入り検査等を厳正に行えるよう、体制を充実すること。
    2. 半数の測定局で環境基準非達成(平成26年度)となっているPM2.5の成分分析と発生源の推定を進め、情報公開と、地域に応じて工場への指導強化や自動車排ガス規制の強化など、適切な対策を講じること。
    3. 神鋼加古川工場や、新日鉄住金広畑製鋼所などで、降下煤塵の発生が自主管理目標値を上回るなど、飛散が続き、住民生活に影響を及ぼしていることから、改善の指導を強化すること。
    4. 神戸製鋼加古川製鉄所による、NOx、SOx排出量データ改ざんに続き、2017年10月には新たにアルミ、銅、鉄鋼、鉄粉、光ディスク材料などのデータ改ざんが明らかになった。加古川製鉄所の排出する大気汚染物質、降下ばい塵について同社が公表している数値についても信頼できない事態であることから、改めて立ち入り検査等を行うこと。

  3. 自動車排ガス対策について
    1. 環境省調査(そらプロジェクト)で、43号線周辺で子どものぜんそく発症率が高いことが明らかになっていることから、調査結果を活かした排ガス対策を検討すること。
    2. ディーゼル車運行の独自規制は廃止せず継続し、対象地域への排出不適合車の規制をさらに徹底すること。
    3. 尼崎公害訴訟の原告と国との合意文書に基づき、環境ロードプライシング・国道43号での通行ルールの定着などの継続をはじめとする環境対策、警察と連携した指導・取り締まりに取り組むこと。

  4. アスベスト対策について
    1. 解体現場、搬送、最終処分場における埋め立てにおいて、違法行為が後をたたないことから、監視・立ち入り検査を強化すること。
    2. 民間建築物にかかるアスベスト除去費用に対する補助制度を県としてつくること。

  5. 一般廃棄物処理について
    1. ごみの増量をまねき、危険性が指摘されている「東播磨臨海広域ゴミ」「北但馬広域ゴミ」処理施設建設計画を凍結するとともに、県下の広域ゴミ処理計画を住民本位に見直すこと。
    2. ごみを原料とするバイオマス発電等の設置は、県内でも事故が発生するなど安全性が未確立であること、ごみの減量という廃棄物処理の基本が後景に追いやられる可能性があることから、慎重を期すこと。

  6. 産業廃棄物処理について
    1. 姫路、赤穂市など県内各地で産廃最終処分場計画が進められているが、いずれも浄水場、漁場周辺などで計画されており、専門家から「最終処分場計画地として不適格であることは明確」と指摘されている。不適格な計画地での産廃最終処分場建設を認めないこと。
    2. 産業廃棄物の不適正処理については、国の行政処分指針を基本に、行政処分・刑事告発を厳然と行い、悪質な事業者を排除し不法投棄の未然防止に努める産廃行政に転換すること。

  7. PCBの処理は、使用者が行うことになっているため、中小企業では処理費用が大きな負担となっていることから、中小企業へ費用助成をするなど安全な処理を行う対策をとること。保管状況の監視・指導を強化すること。

  8. 土壌汚染対策について、操業中の工場敷地や、工場敷地を別の工場に売却した場合など、土壌汚染防止法の対象外の工場についても、県として法と同趣旨の調査と報告を求めること。

  9. 自然環境保護管理、生物多様性の保全のために
    1. イヌワシ・クマタカをはじめとする希少な動植物の保護・保全の施策を進めること。
    2. 河川や湖沼、ため池などの水質改善の積極的な取り組みをすすめること。
    3. 武庫川をはじめ、天然アユの遡上できる河川の自然再生に取り組むこと。
    4. 効果的な駆除・防除の対策とともに、生態系を取り戻す抜本的な研究・対策を講じること。
    5. アライグマやヌートリア、ブラックバス、オオキンケイギクなどの外来種の駆除、防止対策をさらに強化すること。
    6. 六甲山でのイノシシの生態や頭数の把握と対策強化をし、市街地での野生鳥獣被害対策をすすめること。

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