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2016年09月14日

2017年度予算編成にあたっての重要政策提言(5)

第5.福祉・医療の充実で、県民の命を守る県政に

 安倍政権は、この4年間で1兆3200億円もの社会保障予算の「自然増」を削減し、年金支給の連続削減、70〜74歳の医療費窓口負担の引き上げ、要支援者のヘルパー、デイサービスの保険給付はずし、介護報酬の大幅削減、生活保護費の切り下げなど、社会保障を連続改悪している。今後も「骨太方針」にもとづき、毎年3000〜5000億円の「自然増」削減をつづけるとして、年金支給削減、後期高齢者医療保険料の引き上げ、「要介護1・2」も保険給付からはずすなどの大改悪が行われようとしている。
 その上に、県の「第3次行革プラン」では、ひとり親家庭医療費助成の所得制限強化や、老人医療費助成の低所得1割から2割への負担増などがすすめられ、3年目の総点検が行われている。医療・福祉などの県民サービスを削減するのではなく、充実することが、県民のいのちと暮らしを守る県政実現のために求められている。

  1. 「第3次行革プラン」で削減した、ひとり親家庭医療費助成事業の所得制限を撤廃すること。老人医療費助成の2割負担を元にもどすこと。障害者医療、乳幼児・こどもの医療費助成の削減を元にもどし、拡充すること。

  2. 国民健康保険・後期高齢者医療制度について

    1. 国保の財政運営を2018年度から都道府県に担わせる都道府県化は、国に中止を求めること。県民のくらしと健康を守る国保制度再建のために、さらなる国庫負担の増額で高すぎる保険料を引き下げること。

    2. 国民健康保険料が高くて払えない世帯が約24%にのぼっている。国民健康保険料を引き下げるための県補助制度を創設すること。

    3. 滞納を理由にした保険証の取り上げや財産差し押さえが、悪質滞納者だけでなく支払い能力のない低所得者にも及んでいる。医療を受ける権利を侵すことをやめ、資格証明書や短期保険証の発行や財産差し押さえはしないよう、市町・後期高齢者医療広域連合に求めること。また、窓口留め置きによる事実上の保険証未交付はただちに解消すること。

    4. 乳幼児・こどもの医療費などに独自の助成事業をおこなっている自治体への国のペナルティーをやめるよう、国に引き続き強力に働きかけること。それまでの間、減額分を県から財政措置を行うこと。

    5. 後期高齢者医療制度を廃止することを国に求めるとともに、保険料を引き下げ、県独自の減免制度をつくること。低所得者にたいする保険料軽減の特例措置の継続を国に求めること。

    6. 国において70歳以上の医療費患者負担上限額の引き上げ、75歳以上の窓口負担を1割から2割に増やす動きがすすめられようとしている。反対すること。

  3. 生活保護について

    1. 生活困窮者自立支援法は、保護の有期化、医療費の自己負担を押しつけ、改悪された生活保護法は、親族に扶養を義務付けるなど、憲法25条の生存権を侵害するものである。申請書さえわたさないなど、人権を無視する窓口対応や調査を改め、懇切丁寧な対応が行われるように徹底を図り、あらためて市町に徹底すること。また、ソーシャルワーカーを増やし、きめこまやかな生活支援体制を強化すること。

    2. 生活保護基準の引き下げは、生活保護世帯をいっそう困窮に追いやるばかりでなく、就学援助や最低賃金、課税最低限、国保、国民年金、介護保険など保険料の減免制度、生活福祉資金、福祉施設の措置費など広範な福祉制度に影響を及ぼし、福祉制度の後退につながる。基準額を元に戻すよう国に求めること。また、基準額引き下げにともなう就学援助や各種減免制度への連動した基準引き下げの実態を調査し、是正すること。

    3. 住宅扶助基準や冬季加算の引き下げを元に戻すよう国に求めること。また、すでに廃止されてしまった老齢加算については、「正当な理由のない保護基準の不利益変更にあたり違法」との判決もでており、復活するよう国に求めること。

    4. ひとり親家庭を対象にした母子・父子加算が再び切り下げられようとしているが、反対すること。

  4. 医療体制について

    1. 「地域医療構想(ビジョン)」案は、国から示された試算にもとづき病床を削減し、地域医療のニーズや在宅医療の現場の実態とはかけ離れたものとなっており、県民・市町や医療機関に押しつけないこと。また、「医療介護推進基金」の活用は、必要な医療・介護基盤や医療介護従事者の確保・養成に使うこと。

    2. 県立病院の統合・再編については、県民・医療関係者等の意見をふまえ、地域医療の後退につながらないようにすること。

    3. 地域医療構想により、日高医療センターで入院病床を削減し、診療所化がすすめられようとしている。計画を撤回すること。

    4. 県立こども病院を成育医療センターとして拡充すること。災害時の備蓄を含め、防災体制に万全を期すこと。県立こども病院の跡地についても、患者・地元住民や医療機関等の意見を十分反映させること。

    5. 県立淡路医療センターの医療体制の充実を図ること。また、災害拠点病院としての機能が果たせるようさらなる対策をとること。

    6. 救急医療二次輪番病院への補助制度を創設するとともに、県の責任で三次救急の機能確立を図ること。

    7. 県立病院の独立行政法人化は行わないこと。

    8. 県立病院の一般外来看護師や事務職、技能事務職の削減をやめること。

    9. 事実上の混合診療である「患者申出療養」制度や、入院給食費の自己負担引き上げ、紹介状なしでの大病院受診料の徴収などは、患者負担増を強いるもので、中止を国に求めること。

  5. 難病対策について
    「難病患者に関する医療等に関する法律」は、対象疾患、医療費の自己負担、小児慢性疾患の成人継続治療などについて課題が残されている。

    1. 人工呼吸器の使用など、低所得の重症患者の自己負担の無料化を継続するよう国に求めるとともに、県として軽減すること。

    2. 特定医療費の支給にかかる患者・家族の手続きを簡素化し、負担を軽減すること。

    3. 療養生活環境整備事業を患者の要望にそって拡充すること。

    4. 障害者総合支援法により新たに支援の対象となった難病患者に制度の周知を徹底するとともに、支援を必要としながら障害者支援にも難病対策にもあてはまらない患者の救済をはかること。

    5. 障害者手帳を保持していない難病患者も障害福祉サービスの利用が可能になったことを、通知を郵送するなど市町に周知徹底すること。

  6. 障害者施策について  

    1. 障害を自己責任とみなし、「応益負担」を課す障害者自立支援法は、名称だけを変更した障害者総合支援法に変わった。訴訟団と国との「基本合意」に立ち返り、「骨格提言」にそった「障害者総合福祉法」へ改善されるよう国に求めること。

    2. 障害者差別解消条例の制定を検討し、県内の行政機関はもとより、事業者に対しても合理的配慮の提供を徹底すること。

    3. すべての透析患者が障害等級1級に認定されるよう、引き続き国に求めるとともに、県独自でも透析基準が1級に認定されるよう社会福祉審議会に積極的に諮問すること。

    4. 重度障害者医療費助成事業の対象となる精神障害者を、精神障害者保健福祉手帳2級まで拡充すること。

    5. 在宅重度心身障害者(児)介護手当制度を改悪前に戻すこと。

    6. 法内施設に移行できない小規模作業所への県独自の支援は、引き続き行うこと。

    7. 移動支援などのサービスを実際には提供できない事業所が多く生じていることから、地域生活支援事業に対する県の財政支援を強め、事業所が確実にサービスを実施できるよう支援すること。

    8. 入所施設やグループホームを抜本的に増設し、地域での生活を保障すること。精神科病院の病棟・病床の一部を「居住系施設」に転換する国の方針には反対すること。

    9. ジョブコーチ制度や職業訓練や資格取得の支援を拡充し、企業等における雇用率の引き上げをはかること。障害者手帳を持たない難病患者等の就労を支援すること。

    10. 障害者施設への退職共済の公費助成廃止は、低い賃金水準に、退職金も保障されないなど、いまでも深刻な人手不足にさらに拍車をかけるもので、廃止しないよう国に求めること。

    11. 障害者差別解消基本条例とともに、手話を言語として位置付ける「手話言語条例」の制定をすすめること。

    12. 障害者には、障害に対応する施策が利用できること、機械的画一的に介護保険利用を強要することのないよう、市町の担当者やケアマネージャーに繰り返し周知徹底すること。

  7. 介護保険について

    1. 国は、要支援1、2の認定者につづいて、要介護1、2の認定者についても、ベッドなど福祉用具貸与を自己負担とするなど、訪問介護の生活援助などのサービスを保険給付外にしようとしている。この動きに反対すること。

    2. 介護・福祉労働者の処遇改善のための補助制度を復活し、人材養成事業を拡充すること。

    3. 介護報酬の大幅な引き下げによる事業者の廃・休止、サービスの中止などの影響を調査し、国に引き上げを求めること。

    4. 一定の所得がある利用者の利用料の2割引き上げや資産調査の中止を国に求めること。

    5. 県独自の保険料・利用料の減免制度を創設すること。

    6. 施設から在宅介護への移行を名目に2025年までの特別養護老人ホームの増床数を減らす県の方針を撤回し、市町ごとの実態に見合った新増設を行い、待機者(2万8千人)を早急に解消すること。そのために整備費補助単価を引き上げること。

    7. 社会福祉法人に対し、実態のない「内部留保」を前提に営利企業との「公平性」の名のもとに無料・低額の福祉サービス提供の責務を課し、「余裕財産」の地域公益活動への投下を義務付けることは、国の責任を投げ捨てるものであり、反対すること。

  8. こども・子育て支援について

    1. 待機児童の解消は、認可保育所の増設を基本にすること。職員配置基準をさらに改善し、3歳児職員配置を加配でなく基準に位置付けて実施すること。また、4〜5歳児の職員配置基準の改善を急ぐよう、国に働きかけること。また、保育所や認定こども園等の運営費等について、従来の水準を下回らないように、国に財源確保を求めるとともに、県単独補助を維持・充実すること。また、

    2. 保育士の処遇改善のための財源確保を国に求めるとともに、県としても民間福祉施設運営支援事業の充実など財政支援を行うこと。保育士養成、研修制度、再就職支援などを充実すること。

    3. 保育料の第3子軽減制度は、所得制限を撤廃すること。また、第2子の保育料減免制度についても拡充すること。

    4. 年少扶養控除の廃止に伴い、控除の「再計算」をしない国の方針のもとで3人以上の多子世帯で保育料が大幅増となっている。「新規の入園者の再計算を妨げない」との通知を徹底し、市町にも助言すること。

    5. 学童保育については、対象が6年生まで広がり、子ども・子育て支援新制度の実施により、保育の量や質に格差が生まれないような県の支援が必要である。

      ア. 運営費について、少なくとも従来の水準を下回らないように、国に財源確保を求めるとともに、県の補助を維持・充実すること。
      イ. 定員や職員配置、開設日数・時間など、運営基準に極端な市町間格差が生まれることのないように市町を支援すること。
      ウ. 放課後児童指導員の処遇改善事業が市町で予算化されるよう支援を強めること。

    6. こどもの健やかな育ちを支え、子育て世代応援の重要な柱である、こどもの医療費を、義務教育を終えるまで、通院も入院も、所得制限を撤廃して完全無料化すること。

    7. 1次・2次医療を一元的に受け入れることのできる小児救急医療体制の整備を急ぐこと。また、ほとんど常時満床で出生数に照らしても不足しているNICUをさらに増床し、「兵庫県周産期医療体制整備計画」に基づき、総合周産期母子医療センターを地域バランスも考慮して、県下で5か所以上整備するなど、周産期医療を拡充すること。

    8. 妊婦健診は全額公費負担となるよう、県の補助を増やすこと。出産費用を補助する制度を創設すること。

    9. ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンに対しての支援強化と、ワクチンの安全性の確保、向上を国に求めること。風疹ワクチンへの補助を求めること。

    10. 新婚世帯、子育て世代、母子・父子家庭に対する民間住宅家賃補助制度を創設するとともに、県営住宅の入居優先枠を大幅に増やすこと。

  9. 児童虐待の相談件数が統計を取り始めて以降、最多となっている。こども家庭センターの専門職員の増員や、一時保護所を各センターに設置するなど、市町との連携をより強化し、児童虐待を防止する対策をすすめること。

  10. WHO「たばこ規制枠組条約」の精神を生かし、県民への啓発をすすめながら、県受動喫煙防止条例の2年後の見直しの時期には、禁煙・分煙が求められる施設の面積要件を厳格化して実効性を高めること。また、小・中学生、高校生に対する防煙教育を行うこと。

  11. DV対策は、専門職員を増やし、被害者自立のための住宅や仕事確保など支援体制を強化すること。また、民間シェルターへの助成を拡充すること。

  12. 性暴力被害対策は、警察と連携を密にするとともに、性暴力被害者支援センターへの支援を強化すること。

  13. 振り込め詐欺や送りつけ商法、携帯電話やスマートフォン、インターネットなどを使った悪徳商法など消費者被害が後を絶たない。消費者生活相談員など消費生活センターの職員は、安定した正規雇用とし、消費者行政を市町とともに拡充すること。

  14. 物価スライドによる年金支給額の切り下げを中止し、最低保障年金制度を導入し、低年金・無年金者をなくすこと。

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