他会派議員の日本共産党の予算組み替え動議に対する反対討論
自民党議員団の反対討論
(吉岡政和委員) 自由民主党議員団を代表して私から、まず、本委員会に付託された第1号議案から第22号議案及び第39号議案について、意見の表明を行います。
本県の経済・雇用情勢は、基調として順調に回復しているものの、消費税率の引き上げなどの国の動きや、核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮をはじめ、アメリカ、EUなどの世界情勢も極めて不安定で、全体的に不透明な要素も強く、予断を許しません。
一方で、まだまだ厳しい財政状況の中で、不確定な状況にある、本県の景気の回復基調を、より確かなものとするために、2年目に入った地域創生の取組を軌道に乗せ、本格化させ、基盤づくりを促進する平成29年度予算は、特に重要なものであると認識しております。 まず、『歳出』についてです。一般会計は、前年度比97.7%の1兆9,038億円と2年ぶりに減少しているものの、防災・減災対策をはじめとした投資事業の確保や、地域創生の推進、さらには子ども、子育て支援の充実等が図られています。
また、厳しい財政環境ではありますが、限られた財源を県民のニーズに的確に対応するため、地域創生の本格化、地域創生の基盤づくり、地域自立の基盤づくりの三つの柱のもとに、施策の重点化も進められており、我が会派として評価できるものであります。
次に、『歳入』面では、地方法人特別譲与税と合わせた県税等は、円高の影響等による地方消費税の減少等を踏まえ、前年度を126億円下回る額が計上されているとともに、臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税が減額されるなど、依然170億円もの収支不足が生じており、退職手当債や行革推進債の発行で賄うこととしています。
行政サービス継続のためにはやむを得ないものの起債の発行などには、将来負担の観点も踏まえ慎重に慎重を期すべきであります。さらなるコスト削減を図りながら県税収入の確保や未利用地の処分、資金管理の推進、課税自主権の活用など、自主財源の確保を積極的に進め、歳入基盤の強化に最大限取り組まれるよう要請しておきます。
また、国に対して地方財政制度の充実に向けて強く働き掛けるとともに、全国知事会や関西広域連合とも連携をとりながら、引き続き地方分権改革を更に推し進め、地方財政基盤の確立を図っていく必要もあります。
さて、特別委員会での協議も踏まえて提案された最終2カ年行革プランについては、行革の最後を締め括り、ポスト行革に向け、県民が明るい兵庫の未来をイメージできるプランと確信します。プラン実行を通じ、収支均衡を確実なものとし、将来世代に負担を先送りすることなく本県財政構造の健全化を達成できるよう、不断の努力を行うことを求めます。
今後とも、二元代表制における知事と議会が共に兵庫の未来に向かい、互いの責務と役割を全うして行動していくことが重要でると考えます。
我が自由民主党議員団は、県政が直面する課題に的確に対応し、その責任をしっかりと果たす覚悟を持って、本委員会に付託された平成29年度予算案及び行財政構造改革推進方策の変更案に『賛成』の意を表明いたします。
次に、日本共産党議員団提出の第1号議案、第4号議案、第9号議案の編成替えを求める動議に対し、反対する立場から意見表明を行います。
まず、第1号議案一般会計予算です。議会費については、議員海外渡航費を減額されていますが、近年のグローバル化の進展やインバウンドの増加等を踏まえ、県政における国際戦略の重要性は増しております。その中で、議会としてもしっかりと役割を果たしていく必要があり、減額は容認できません。また、教育費では、削減された専修学校補助、すなわち兵庫朝鮮学園への補助の増額を求めています。我が会派としては、本日の総括質疑でも申し上げたとおり、朝鮮学校に係る補助金の公益性、教育振興上の効果等に関する十分な検討をした上で、補助については慎重に行うべきと考えており、増額は考えられません。
以上述べました項目は一例ですが、個々の趣旨には理解できる部分もあるかもしれませんが、ほとんどの項目において、論拠が不明瞭な増額、減額となっていることから反対します。
次に、第4号議案公共事業用地先行取得事業特別会計、第9号議案公債費特別会計については、一般会計から繰り出すことが提案されている額の半分を減額していることに伴う、各会計における修正です。不要不急の用地取得はすべきではないという観点での減額とのことであります。その観点に一定の理解を示すところでありますが、半分に減額する根拠としては、あまりにもあいまいであるため、賛同できません。
以上、当局からは現下の県政課題に的確に対応した予算が提案されており、歳入を含めて組み替える必要はないものと判断し、この予算組み替え動議には『反対』を表明いたします。
以上、私からの自由民主党議員団を代表した意見表明といたします。
公明党・県民会議議員団の反対討論
(島山清史委員) 私は公明党・県民会議議員団を代表して、知事提案の予算案に賛成し、日本共産党議員団が提出した平成29年度予算案の編成替えを求める動議に反対する立場から意見表明を行います。
来年度の予算案は、地域創生戦略に基づき、昨年スタートした地域創生の取組を軌道に乗せるとともに、本格化させる予算案であります。少子高齢、人口減少、東京への人口流出という課題に直面する中においても、30年度の収支均衡を目指して、最終2カ年行革プランに着実に取り組むとともに、活力を保ち続け、兵庫の未来を切り拓いていくため、県民とともに県政を創りあげようとする意気込みが感じられる予算編成となっています。
まず、歳入面では、県税等については法人関係税が増加となるものの、地方消費税の減額などにより、前年度を141億円下回る見込みとなっています。また、地方交付税等は前年度を86億円下回ると見込まれています。国の計画では、地方一般財源の総額は30年度まで、28年度と同水準の約62兆800億円に据え置かれていることから、今後も厳しい財政運営を強いられるとともに、債権管理の徹底など、財源確保への努力が引き続き求められます。
歳出面では、地域創生を本格化させるための地方創生推進交付金事業に昨年度を16億円上回る28億円を計上されていることから、我が会派としてもその成果に大いに期待するところです。他方、事務事業については163事業を廃止し、73の事業を新たに実施するなど、施策の選択と集中の観点から見直すこととされておりますが、特に廃止する事業は、県民や市町が混乱することのないよう十分な周知を図るよう求めます。
公明党は、住民が自発的に支え合う新たな「支え合いの共生社会」づくりを掲げており、我々が機会あるごとに求めてきた人口増対策、健康長寿社会対策、中小企業の振興について、予算案に盛り込まれたことを評価するところです。
今回、共産党から提出された動議については、基本的に土木費等を減額し、民生費や衛生費、教育費を増額しようとするものであります。
本県経済は、基調としては緩やかに回復しているものの、長期間のデフレ経済から脱却するため、県では毎年度、需要を喚起する経済対策を行ってきました。そのような中にあって、提出された動議が景気回復の動きをより確かなものとすることに果たして資するものか、疑問のあるところであります。
以下、幾つかの事業について申し上げます。
福祉サービス事業に関しては、知事提案の予算案では、幅広い観点からの少子対策や、高齢者の生活と健康を支援する施策などが計上されており、その姿勢を評価するところであります。
共産党が増額を求める事業は、医療や介護、年金のほか、子育て支援、教員の増員など社会保障・福祉・教育を強化するものであり、我が会派としても、その基本的な考え方については理解できる部分もありますが、これらは、まずは景気の回復や財政状況の好転を図りつつ、中長期的に取り組むべき課題であることから、現時点において賛同することはできません。
さらに、投資事業についても、県では、交付税措置のある県債を活用しながら、県民の安全・安心確保のための防災・減災対策、老朽化対策等に取り組むとされており、地域にとって、活力あるふるさとづくりのため、社会資本を整備することは重要で、今後とも実施していく必要があることから、共産党が求める削減には賛同できません。
以上、最終2カ年行革プランを基本に、財政健全化に向けた取組を進める中、地域創生の本格化や防災・減災対策、経済・雇用対策等を展開するべく編成された知事提案の予算案に賛成し、共産党提出の編成替えを求める動議に反対する意見表明といたします。
ひょうご県民連合議員団の反対討論
(迎山志保委員) ひょうご県民連合議員団を代表し、知事提案の第1号議案ないし第22号議案並びに第39号議案の23件の議案に賛成し、日本共産党議員団提出の平成29年度予算案の編成替えを求める動議に反対する立場から意見表明を行います。
平成29年度の当初予算については、地方消費税など県税等の減収や教職員給与負担事務の神戸市への移譲に伴う地方交付税の減などにより、187億円の歳入の減少が見込まれる一方で、歳出は、社会保障関係費や税交付金などが増加するものの、教職員給与負担事務の神戸市への移譲に伴う人件費の減などにより、337億円減少しております。この結果、歳入歳出収支は前年度と比べて150億円の改善がなされましたが、未だ170億円の収支不足が見込まれます。この収支不足対策として、「最終2カ年行革プラン」に基づく財政フレームの範囲内ではありますが、来年度も退職手当債100億円、行革推進債70億円を発行せざるを得ないという厳しい財政運営が続いています。そのような状況の中、将来に負担を先送りにしない財政運営の必要性については、先ほどの総括審査で指摘させていただいたところです。
歳出面では、市町への財政的支援の考え方に課題があると考えており、同じく総括審査で、税の使い方、県内各市町で展開する施策の効果に関する公平性の問題とどう向き合うのか、我が会派の問題意識に沿ってお伺いしました。また待機児童対策や災害時の警察力確保などに向けた取り組み充実の必要性についても主張させていただきました。このようにさらなる取り組みや検討を行うべきと考える点はあるものの、今回の予算編成は高等学校奨学資金貸与事業の拡充やひょうご性被害ケアセンターの設置等、すべての人に居場所と出番をつくるという、これまでの我が会派の主張も一定取り入れていただいたものになっていると考えます。
これに対して、日本共産党議員団から提案された「予算案の編成替えを求める動議」では、ムダや不要不急の公共投資等を削減し、福祉・医療や教育へ重点配分するという趣旨は理解するものの、一方的に、廃止や減額を求める事業が多岐にわたっており、とりわけこれまで継続的に実施してきた事業等について、何らの代替措置も明らかにしていないことから、県政や県民生活に多大な損失と大きな混乱を招く内容であり、大いに問題があると考えます。
特に今年度は、半年以上にわたり「最終2カ年行革プラン」について会派を超え、大いに議論してまいりました。およそ10年という長きにわたる行革が、ようやく平成30年度の収支均衡という目標を達成する直前にあって、これまでの選択と集中の議論の積み重ねからなる知事提案の予算案を真っ向から否定する今回の提案には賛同できかねます。
よって、知事提案の予算案に賛成し、日本共産党議員団提案の「編成替えを求める動議」には反対を表明いたします。
以上で「ひょうご県民連合」の意見表明を終わります。
維新の会議員団の反対討論
(中野郁吾委員) 維新の会兵庫県議会議員団を代表し、知事から提案された第1号議案ないし第22号議案並びに、第39号議案について、また日本共産党から提出された予算案の編成替えを求める動議についての意見を表明します。
知事提案の第1号議案ないし第22号議案並びに、第39号議案についてですが、まず歳入については、国際的な社会経済情勢の先行き不透明感が高まっているということに加え、本県は、阪神・淡路大震災の被災県として、20年以上にわたり震災関連の債務返済に努めてまいりましたが、いまだに約4,000億円もの残高が残っています。特に、今年度の県税収入が大きく落ち込んだ影響を受け、減収補填債等の県債255億円を発行せざるをえない状況にあり、また収支不足を補うための退職手当債や行革推進債の発行、県債管理基金の取り崩しをしている状況です。行政サービスの継続のためにやむをえないことは理解しますが、慎重を期すべきであり、行革の総仕上げという時期において今一度気を引き締めることが肝要です。とは言え、これまでの行革の取組みは評価するところでありますが、県民にも大きな負担を求めてきたことから、ここまでの努力を無駄にしないためにも、最終2カ年の行革をきっちりと仕上げ、平成30年度までの目標を達成することは重要であり、また、将来世代に大きなツケを回さないためにも改革への不断の取組みを求めるところであります。
次に歳出ですが、兵庫県の転出超過がワースト2位、3位という状況が続き、人口減に拍車をかけています。特に、神戸市をはじめ、尼崎市、姫路市などの都市部からの流出が大きくなっています。我が会派としては、地域創生の目標実現に向けては、人口吸引力が強い都市部の魅力と活力を高めるため、都市基盤の整備をさらに進めていくことが不可欠であり、そのための施策への重点投資をしっかりと行い、都市間競争に負けない兵庫の都市づくりの実現を強く望むところですが、安全安心のための防災・減災対策や、中小企業の振興への姿勢など積極的に取り組む姿勢は評価できることから、知事から提案された第1号議案ないし第22号議案並びに、第39号議案、第3次行財政構造改革推進方策の変更に賛成します。
次に、日本共産党から提出された予算案の編成替えを求める動議についての意見ですが、まず、住民基本台帳ネットワークシステムやマイナンバー制度はデジタル・ネットワーク社会の進展の中で、住民サービスの向上や、行政の効率化等に資するものであり、不可欠であると考える。そのことから、住民基本台帳ネットワークサービス、マイナンバー関連の事項を削除することに賛同できません。
また、地方分権を進め統治機構の改革を掲げる我々として、さらに昨年9月に知事に対しての平成29年度予算編成に対する重要政策提言において、最重点事項の1番目に関西広域連合へのこれまで以上の積極的な関与を示した我が会派としては、東京一極集中を是正し、グローバルな都市間競争が激化する中、関西が国土の双眼構造の一翼を担い、中枢機能を高め、日本の成長を牽引するツインエンジンの一つとなることが、国全体の発展に寄与するものであると考えており、そして、国の出先機関を全て広域連合に移管することを最終目標としている関西広域連合が果たすべき役割は大変大きなものであると考えていることから、関西広域連合分担金を削除するということに全く賛同できません。その他、緊急性のある防災対策費の削減や、道徳教育費などの一部教育費の削減なども賛同できません。
無駄や不要不急の公共投資や事業を削り、福祉、医療、教育に重点配分し、借金を大幅に減らし、健全な財政運営を目指す姿勢は一定わかる部分もありますが、我が会派の考えと相反する内容が大きく含まれていることから、反対する。
以上で、維新の会兵庫県議会議員団を代表しての意見表明を終わります。
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