新尼崎病院のバス路線について
■宮田しずのり■ 今日は県立尼崎医療センターが来る7月1日に開院することに伴い、今、県民の間で大きな課題となっている通院等における交通アクセスの問題に絞って質問をする。
2008年、県行革プランで塚口病院が廃止をされる、そして小児医療など一部が尼崎病院に移されて、統合されるという案が出されて以後、私は尼崎における県立病院と医療の充実について、住民の皆さんとずっと提案をしたり、いろいろな要望も続けてきた。
それだけに、住民の方々の意見や要望も反映され、医療機能が充実をして、24時間365日断らない救急医療であるとか、周産期医療、あるいは小児救急などの高度医療も実施されるというこの新県立病院が完成して、まさに総合医療センターとして開院することを非常に喜んでいる1人である。
同時に、一方、同総合医療センターの位置はほぼ尼崎の中央部にあるが、利用者の足をどう確保するかということが、今一番の問題になっている。尼崎市内は、ご承知のように、北の方を東西に阪急電車、そして真ん中をJR、南側を阪神の、この3本の鉄軌道が東西に走っている訳であるが、縦の南北は、全部バスでつないでいる。同総合医療センターは、JRと阪神の間に位置して、それぞれの駅から大体数キロメートル離れている。通院には多くの地域が自宅から駅まで行って、電車に乗って、そしてちょっと一駅移動して、またそこからバスに乗って病院に行くという形になる訳である。
そこで質問であるが、まず病院局は、この総合医療センターに1日に訪れる外来患者、それから病院職員、その他合わせて何人ぐらい想定しているのかということと、その中で、公共交通機関であるバスを利用する人たちをどれぐらい見込んでいるのかをお答えいただきたい。
■企画課長(田中孝幸)■ 尼崎総合医療センター(仮称)の1日当たりの外来患者数見込みは約1,800名、病院職員等は約2,000名を見込んでいる。
このうち、バス利用者については、外来患者が約800名、病院職員については約1,000名を見込んでいる。
■宮田しずのり■ 今答弁があったように、外来患者で800人、それから職員が1,000人ということで、1,800人からのバス利用が、一挙に7月1日から増える訳である。
そうすると、現在のバス路線とか、あるいは便数では到底不足をするということは明らかだと思う。
そこで、病院局も尼崎市といろいろな協議をしていると思うが、この問題をどう解決するのか、どのようなことが今検討され、どこまで到達しているのか、その点についてお答えいただきたい。
■企画課長(田中孝幸)■ 現在のバス路線において、例えば、患者の来院が集中する8時台については4分に1本程度の割合で阪神尼崎駅、阪急塚口駅、JR尼崎駅などの主要な駅等を経由して尼崎総合医療センター前を通過するダイヤで運行されている。
このような状況から、新病院はアクセスの充実した場所にあると考えているが、一層の利便性の向上を図るため、尼崎市交通局並びに平成27年度末に尼崎市からバス事業が移譲される予定である阪神バスとの間において、主要駅からの増便や病院敷地内への乗り入れなどに向けた協議を進めているところである。
増便やダイヤの見直しに当たっては、他路線の減便や新たな車両の手配が必要となることから、先ほどご答弁申し上げた需要見込みを踏まえて、前向きに検討いただいているところである。
■宮田しずのり■ 今、尼崎市と協議中ということで、私も尼崎市に住んでいるから一定のバス便の増便が検討されているとは聞いているが、まだまだやはり不足するのではないかと思う。さらに増便と、路線を増やすこともぜひ検討していただきたいと思う。
その上で、やはり患者の通院中の安全だとか、利便性を確保するのは県の責任であることは言うまでもない。
そこで、今、同医療センターから遠い地域にある、例えば阪急園田駅方面であるとか、阪神武庫川駅方面などの住民の皆さんからは、何とか乗り換えなしで行けるように、シャトルバスを運行してもらえないかという非常に強い要望がある。ぜひこれは私も検討していただきたいと思うが、その考えはどうか。
■企画課長(田中孝幸)■ 患者や職員のバスの利用の見込みとともに、バス路線の拡充について、今、前向きにご検討いただいているところである。
また、そういった状況であるので、実際のバスの利用状況を見た上で、今後の対応については検討していきたいと考えている。
■宮田しずのり■ 前向きに検討するということであるので、ぜひそういうことでお願いする。
最後にもう1点、現在、約1,000人の外来患者がある尼崎病院の状況を見ると、朝8時半に外来の受け付けが始まる。そのときには、受け付けの機械の前にたくさんの行列ができているというのを、私もたまたま見るし、それから9時頃になると各診察室の前はいっぱいの患者さんがおられる。
つまり、相当早くから患者は病院に来られ、通勤時間帯と重なる。ただでさえ病弱で、体の弱い、ぐあいの悪い人が混み合う電車、あるいはバスを乗り継いで通院されるということでは、本当に患者にとっては大きな負担だと思う。タクシーを仮に使うとすると、阪急園田駅から病院まで2,000円を超え、往復すると四千数百円、5,000円近くかかるのではないか、とてもやはりタクシーなどは使えないという状況にある。
こういう状況も勘案して、本当にできれば、患者の意向なども調査をするなりして、本当に必要があれば、バスの増便をすると同時に、ぜひシャトルバスなどの運行も含めて、また今後検討していただきたいということを重ねて要望したい。その点、最後に一言お願いしたい。
■企画課長(田中孝幸)■ 先ほどご答弁させていただいたように、まだ実際には動いていないので、実際の運行状況、患者の利用状況を見た上で必要に応じて検討させていただきたいと思っている。
■宮田しずのり■ それでは、ぜひよろしく検討をお願いして質問を終わる。
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