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2014年度予算特別委員会 県土整備部 いそみ恵子
2014年3月11日

【名神湾岸連絡線について】

■いそみ恵子■ 日本共産党のいそみ恵子である。
 まず、名神湾岸連絡線について、質問する。
 昨年8月28日、国土交通省近畿地方整備局の第8回社会資本整備審議会、道路分科会、近畿地方小委員会が開催され、名神湾岸連絡線の計画段階評価の手続が開始されている。
 名神湾岸連絡線は、国の国土強靱化法に基づき、県が兵庫社会基盤整備基本計画に位置づけ、ミッシングリンクの解消として、新名神高速道路などの事業中の整備とともに、未着手路線として早期事業化を積極的に進めようとしている。
 今、道路、橋梁、河川の維持管理を初め、老朽化対策で今後、多額の財政出動が予測されるもとで、直線距離で約2キロメートル、800億円とも言われる事業費をかけて、名神湾岸連絡線を新たに建設することが必要なのか、大変に疑問である。
 県は、国に要望を行い、積極的に進めているが、この間、私の地元西宮の今津、津門、甲子園浜地域の3ヵ所で説明会が行われたと聞いているが、ルートを明 らかにして説明したのだろうか。地元では、名神湾岸連絡線の最も有力視されているのが、名神高速道路の西宮インターチェンジから今津東線を南下、特別養護 老人ホームやマンション、今津港の間を抜けて、阪神高速湾岸線を結ぶ、高架道路のルートと予想されている。説明会の行われていた地区は、まさにこの地域で はないだろうか。お答えください。

■道路企画課長(大住道生)■ 名神湾岸連絡線については、今、委員おっしゃったとおり、今、国土交通省においておおむねのルート・構造を決める計画段階評価を行っている。
 国とともに、地元の自治会にこれからどのように意見をお聞きしていくのかについて、事前にご説明に上がった次第であり、委員ご指摘のとおり、津門、今津、甲子園浜の各団体に説明をしている。
 その地域というのは、名神高速の西宮インターから湾岸線に向かう地域の中心的な位置にあると客観的にも見えると考えている。

■いそみ恵子■ 今、中心的な位置にあると、客観的に見ても、と言われたが、地元では説明会を受けて、仮にこの今津東線の上に、高架の高速道路が できれば、町の分断が予想される。また、この地域には、大関の酒蔵などがあり、灘五郷の一つである今津郷もある。その地域に、このような道路がつくられ、 環境汚染、PM2.5などの数値が上がれば、酒造りとしてダメージを受けるのではないか、地域経済そのものが疲弊するのではないかと心配をされておられ る。
 また、湾岸線付近にお住まいの老人会の役員の方も、今でも騒音に悩まされている。こんな道路は必要ない。国も県も借金を抱えて、なぜこんな計画を進めて いるのかと言われている。計画を進める手続そのものをやめるべきだと言われている。この声をどう受けとめるか、お答えください。

■道路企画課長(大住道生)■ 名神湾岸連絡線については、先ほど申し上げたように、地域の声を聞くために、事前に地元の自治会等の団体にどのように意見 を聞くか話をさせていただいた段階であって、今のところ、まだ一般の方への意見聴取は行っていない。委員のおっしゃることを言われる方もいると思うので、 これから県も国と一緒に地域の声をしっかりと聞いて、把握に努めていきたいと考えている。

■いそみ恵子■ 最初に申し上げたとおり、河川や道路や橋梁の老朽化対策や維持管理にこれから莫大な財政出動が必要な中で、県も、国も借金を抱え ながら、こんな計画を何で進めるのだと地域の住民の皆さんは言われている。計画を進める手続そのものが要らないと言われている。ぜひ住民の声に真摯に耳を 傾けていただきたい。
 この道路を進める一つの理由としては、阪神高速神戸線、神戸阪神地域の交通渋滞の解消が言われているが、県の2012年度の委託調査である名神湾岸連絡 線事業評価調査業務の報告書を読むと、この計画では、名神湾岸連絡線の建設時に湾岸線とつなぐことで渋滞解消を図りたいと書かれている。しかし、湾岸線は 六甲アイランドまでで、そこから西に延ばす路線、湾岸線西伸部は、我が党は反対をしてきたが、今後この事業計画の期間、事業費等の見通しはどうなっている のか。

■道路企画課長(大住道生)■ 湾岸西伸部についてのご質問であるが、湾岸西伸部については、阪神高速神戸線の渋滞緩和、あるいは国道43号沿線の環境改 善を図るとともに、阪神港や関西3空港と総合的な物流ネットワークを形成する関西経済活性化のために不可欠な道路であると考えている。本路線も平成21年 3月に都市計画決定をされていて、今後、事業手法を決定し、新規事業評価を経て事業化となるもので、その過程において、事業費等が精査されていくものと考 えている。大阪湾岸道路西伸部は、名神湾岸線と一体となって効果を発揮するものであると考えているので、引き続き、国、神戸市と緊密な連携を図りながら、 早期事業化に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えている。

■いそみ恵子■ 確かに、この湾岸線西伸部、もう都計決定はされているということだが、事業費は4,000億から5,000億円とも言われてい る。名神湾岸連絡線を建設したとしても、阪神高速や神戸、阪神地域からどれだけ交通量が減り、渋滞解消にどれだけつながるのかは鮮明ではない。これまで莫 大な税金を投入し、住民の反対を押し切って建設をしても、結局この計画は経済界からの要望であり、大企業やゼネコンの利益につながるものである。県は、こ の道路の整備目的と効果として、先ほども答弁があったように、関西国際空港と大阪国際空港の連携強化、国際コンテナ戦略港湾の物流効果、地域の生活環境の 改善、防災力の向上による安全・安心の確保などを上げておられる。特に防災力の向上による安全・安心を強調されておられるが、2月11日付の朝日新聞で は、この道路建設をめぐって、経済効果に加え、避難路の確保といった防災面の効果が強調されるようになった。東日本大震災から教訓を酌み取るのは大切だ。 しかし、安易に防災を持ち出し、建設の口実にする風潮が広がっていないかとして、財政は火の車で、既存道路の維持、改修すらおぼつかない状況だ。避難訓練 などソフト面の対策を強化しつつ、建設の必要性とコストをしっかりと吟味しているのか。国土強靱化の旗を振る国だけでなく、現場の自治体も考えてほしい と、こう警鐘を鳴らしている。我が党もこのことを指摘してきた。私も、この指摘は大変重いと思う。ぜひ県も、この警鐘を受けとめて、名神湾岸連絡線を中止 することを国に要請すべきと思うが、いかがか。

■道路企画課長(大住道生)■ 名神湾岸連絡線の必要性については、委員ご指摘のとおり、空港連携、あるいは国際交流コンテナ港湾の活性化、あるいは生活 環境、防災などの目的、整備効果を県として述べてきた。防災については、東日本大震災以降、避難路が非常に重視されるようになっている。今回の名神湾岸連 絡線の場合は、その避難路というだけでなく、先ほど申し上げたように、いろいろな効果が見込まれる。そういう中でつくっていくべきだと考えているけれど も、財政状況、コスト面が非常に厳しいことも一方であるので、計画段階評価という手続の中で、コストも踏まえて構造をどのようにしていくのかということを 検討する場であるので、県としても、適切に対応していきたいと考えている。

■いそみ恵子■ きょうは3月11日、東日本大震災から3年である。東日本大震災から教訓を酌み取り、生かしていくということは本当に私は大切だ と思う。しかし安易に防災を持ち出して、道路建設の口実にする、そういう風潮は広がっていないのか、避難訓練などソフト面の対策を強化しつつ、建設の必要 性とコストをしっかり吟味しているか、現場の自治体として、先ほども答弁があったが、県はぜひこのことを受けとめて、名神湾岸連絡線計画については中止を 国に求めていただくよう、重ねて要望し、次の質問に移りたいと思う。

【県営住宅の家賃減免の改定、承継基準について】

■いそみ恵子■ 次に、県営住宅の家賃値上げの問題である。県営住宅の家賃減免の改悪が提案され、内部規則として、議会にも諮られることなく、今後実施されようとしている。
 その主な内容は、現在の政令月収方式から、一つは、世帯総収入の15%を家賃負担額とする算出方法の見直し、二つ目に、使用、便益に応じ、修繕費相当額 の負担を求めるとして、近傍家賃の20%とするという内容であるが、今回の見直しで、当局はどのぐらいの影響を考えているのか。減免対象世帯のうち値上が りになる世帯数、引き下げになる世帯数はどのぐらいか。また、減免率が最も高い6割減免の世帯と、値上がりする世帯は何割か、お答えいただきたい。

■住宅管理課長(飯塚功一)■ 県営住宅の家賃減免だが、現行の家賃減免制度は世帯総収入が同一であっても、収入形態の違いにより減免区分に差が生じる課題があることから、その見直しを住宅審議会に諮問し、住宅審議会では小委員会を設置し、その見直しが検討されている。
 先ほど委員がおっしゃった件については、その小委員会から審議会への中間報告として1月30日に示された内容である。ただ、今言ったように、小委員会に おける見直しの制度設計がまだ途上にあることから、減免制度を見直した場合の影響額等については、現状では、個々具体的な影響の算定が困難である。

■いそみ恵子■ 算定は困難だとの答弁で、残念である。今回の家賃改定は、もともと行革方針に基づくものだから、引き上げになる世帯が多くなるの は、明らかだと思う。見直し後の家賃の具体例で見ると、夫婦共働きで、子どもが1人、総収入200万円の場合、現行家賃1万2,000円が2万5,000 円に、倍以上上がっている。また、夫70歳、妻65歳の2人暮らしの場合、収入は年金のみで1万2,000円の家賃が1万8,700円と、6,700円も の値上げとなる予定であり、入居者への大きな影響があると思う。入居者の声は聞いたのか、お答えいただきたい。

■住宅管理課長(飯塚功一)■ 現在、住宅審議会の小委員会で検討されているが、小委員会の中で検討するに当たり、入居者の意見等が必要な場合には聞くと いう話があったが、現時点では小委員会から、そういった要請はない。また、1月30日に審議会にかけているが、審議会には、県営住宅の入居者の連絡会の代 表の方もおられるので、そういった方の意見も踏まえて、小委員会でさらに検討する予定になっている。

■いそみ恵子■ 入居者の声は全く聞かれてないと思う。この点については、住宅審議会で、私は審議委員の一人として、小委員会に付託された際に、 入居者の声を聞くべきだと、提案をしてきた。結局実施されず手続としてもおかしいことを抗議し、家賃減免制度の改悪についても反対をしてきた。このことは 申し上げておきたいと思う。
 県営住宅には、高齢者が大変多いことは、当局の方もご存じだと思う。減免率60%の世帯は高齢者の方が多い。年金が減る一方、灯油を初め物の値段が上が り、4月からの消費税の増税で、暮らしが一層大変なときに家賃の大幅な値上げになる。今後審議会の答申を受けて、県として、この家賃減免制度の改悪は導入 すべきではない、見送るべきだと思うがいかがか。

■住宅管理課長(飯塚功一)■ 先ほども申し上げたけれども、今の減免制度に課題があることから、住宅審議会に諮問している。第3次行革プランでも提案させていただいているので、審議会の意見を踏まえて、県として決定する形とさせていただいている。

■いそみ恵子■ 私は重ねて、この問題については、改悪すべきではない、見送るべきだということを申し上げておきたいと思う。
 次に、県住入居の承継問題について引き続きお聞かせいただきたい。
 2005年に、国の入居承継承認運用指針が改定され、承継対象者が配偶者、60歳以上の高齢者、障害者等に限定されたが、県は、この2005年当時、導 入予定はないとしていたが、昨年の4月1日から承継基準の改定を行った。この改定は入居者にとって重大な問題であり、議会にも諮らず進めてきたことに対 し、その撤回を求めるものである。この改定による承継承認の相談件数は、改定以来で473件、該当したのが434件で、承継非該当は39件で、そのうち退 去されたのは13件だとお聞きしているが、26件の方々が今後退去されていくことになる訳である。今回の基準を定めた要綱で、その他住宅を退去した場合 に、住宅の確保が困難と認める者という規定があるが、県は、このような、その他項の個別ケースを検討して受け付けているのか、お答えいただきたい。

■住宅管理課長(飯塚功一)■ 委員ご指摘のその他住宅を退去した場合に住宅の確保が困難と認める者については、あくまでも例外事項を規定したものであ る。入居者より相談があった場合には、指定管理者から県に報告が入ることとなっているけれども、現在まで報告実績はなく、この事由を理由として承継を認め た例もない。

■いそみ恵子■ 今ご答弁があったとおりだが、あくまで例外規定で、相談があればとおっしゃられたが、私がお聞きした方で、現在57歳、両親をそ れぞれこの住宅でみとり、57年間、この方が生まれてからずっとこの県営住宅で暮らしてこられ、今はパートで働きながら一人暮しをされている。もちろん家 賃滞納はない。住み続けて57年たって、後でルールが変わったから入居資格を承継できないので、親が死んだら出ていけというのは余りにも冷たい対応ではな いのか。今回の承継基準で、60歳以上の高齢者は、承継可能となっているが、この方は対象外となっている。住宅退去時に住宅の確保が困難になる者として、 相談の受付もせず、内部で検討もせず追い出すのはやはり認められない。私は撤回すべきだと思うが、配偶者や高齢者、障害者以外も、その他の住宅確保困難者 に対し、要綱に基づいて、きちんとその他項があることの説明を行って、申請を受け付けて、個別ケースを検討するなど、丁寧に対応していただきたいと思う が、いかがか。

■住宅管理課長(飯塚功一)■ 承継承認を見直したのは、長年にわたり同一親族が居住し続け、入居者と非入居者価間の公平性が著しく損なわれてきた実態が 見られたことに伴って、国の方が運用指針を見直した。それに基づいて、私どもは24年度に住宅審議会で審議を諮っていただき、25年4月から新基準を適用 している。先ほどから何も対応しないという話だが、承継承認ができない方については、一定期間、事由が発生したときから約3ヵ月、特別な理由がある方につ いては6ヵ月間の猶予期間の設定をしている。また、県営住宅の入居資格を有する者については、常時募集住宅への申し込みの案内をしており、さらに生活保護 世帯等の経済的配慮を要する者には、福祉関係窓口への相談の内容等の支援を行って、円滑な退去が進むよう対応している。

■いそみ恵子■ 県営住宅の入居資格のある方に対して県も対応していただいている。しかし、この方は、もう間もなく60歳になっていくことで、こ の年齢層はなかなか民間でも受け入れてもらえない。それから県営住宅や、市営住宅などを探しても単身一人のみの住宅枠が全くないので、丁寧に対応していた だくことを求めている。何もしていないとは言っていないので、ぜひしっかりと、丁寧に対応していただきたいということをもう一度重ねてお願いをして、私か らの質問を終わる。

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