【私立高等学校の経常費補助の推移】
■いそみ恵子■ 日本共産党のいそみ恵子である。
まず、兵庫県の私立高等学校の現状について、授業料とそして入学金、施設整備費合わせた学費全体の負担は約81万7,000円となっており、全国でも4位の高さである。
そのような中で、公教育を担う私学への支援がされている訳であるが、兵庫県はそれに対して行革の対象にして、削減をこの間行ってきた。
そこで、新年度における私立高等学校の経常費補助の1人当たり単価は、国庫補助、地方交付税、県単独分で幾らか。昨年度の補正後の最終予算と比較しての伸びと併せて答弁いただきたい。
■教育課長(清澤貞二)■ 平成26年度当初予算であるが、生徒1人当たり単価34万4,761円、うち、財源内訳であるが、国庫が5万3,702円、地方交付税が25万3,445円、県単独分が3万7,614円である。
25年度補正後の最終単価は34万3円となっている。26年度当初予算単価については、補正後に比べて4,758円の増ということになっている。
【「第三次行革プラン」案にもとづく削減について】
■いそみ恵子■ 今、答弁があったが、国庫補助と、それから全体では地方交付税の分だろうか、これが伸びているということであるのだが、県単独分 ということで、それでこの地方交付税と県単独分の単価、これは昨年から同額で据え置かれている。それから、県単独分は一昨年からずっと据え置きとなってい る。これは行革の方針によるものだが、いつまで据え置かれるのかという点では、第3次行革プランには授業料軽減分の地方交付税措置、約4億円を削減する3 年後までということで、あと3年も据え置かれるという方針となっている。
国への経常費補助の申請では、補助総額と生徒数などを報告し、そのうち国庫負担が決まる。
総額の伸びを削減すれば、来年度の国庫補助の伸びも減る可能性があるのではないか。この点について、お答えいただきたい。
■教育課長(清澤貞二)■ 第3次行革プランの内容であるが、経常費補助の地方交付税措置には、授業料軽減補助分が含まれており、それを経常費補助として支出した場合、本県が独自に実施している授業料軽減補助と重複することとなることから、今回見直しを行うものである。
交付税に含まれる授業料軽減補助分の約4億円について、これまでの行革の際と同様に、毎年度の交付税の伸び額の範囲内で解消を図ろうとするものであり、学校経営への影響を考慮し、段階的に行うこととしている。
国庫補助単価の伸び額は反映されることになる。
今ご指摘の国からの補助金のことであるが、国から各都道府県に交付される国庫補助については、補助率があらかじめ設定されているものではなく、各年度に 国庫財源として措置されている額に対する全都道府県の経常費補助事業全体の規模に応じて配分されるもので、国庫補助の割合は毎年度変動する。
このため、他の都道府県の経常費補助の実施状況によっても、本県の国庫補助額は影響を受けることから、今回の行革による見直しによって、直ちに国庫補助が抑制される結果につながるものではないと考えている。
■いそみ恵子■ 今、答弁があったが、国の私学補助全体の予算の関係があるということで、毎年いろいろと変わっていくということではあるが、しか し、先ほど申し上げたとおり、総額の伸びを削減していけば、来年度の国庫補助の伸びも減っていくという可能性が、私はあるというふうに言ったのだが、そう いう点では、唯一伸びるということで、最初のときに申し上げたが、この国庫補助の分も不安ということではないかと思っている。
それで、先ほど答弁もあったが、経常費補助の地方交付税措置のうち、4億200万円の削減分は、授業料軽減補助と重複しているからということで言われて いる。その充当される授業料軽減の来年度予算は6億2,269万円となっている。それで県の考え方では、そのうち4億200万円が地方交付税措置であり、 高等学校授業料減免等事業基金からの取り崩しも財源に入っており、3,000万円ということであるので、差し引きして残ったのは1億9,069万円しかな らないというふうに思う。
それで、授業料軽減補助として、地方交付税措置や基金財源を除くと、県として純粋な負担をしているその予算は2億円弱という、こういうふうになるのではないかと思う。
この点について、お聞きしたいと思う。いかがだろうか。
■教育課長(清澤貞二)■ 財源のことはあるが、授業料軽減補助については、改正後の国の就学支援金と相まって、生活保護世帯及び年収250万円未満の世 帯では授業料実質無償化し、年収350万円未満の世帯では現行から5万円、年収570万円未満の世帯で約3万円の増額となるよう措置しているところであ る。
これらのことにより、年収570万円未満世帯では、いずれの所得階層においても、現行の水準を上回る補助が行われることになり、保護者負担の軽減を図り、生徒の就学機会の確保が一層図ることができるものと考えている。
【授業料軽減補助制度と奨学金制度の充実を】
■いそみ恵子■ 今、ちょっとお答えになられたのは、就学支援のそういう問題でお答えになられたのだが、私は財源の問題で、この点については、結 局差し引きして残ったのは、1億9,069万円しかならないと、だから、授業料軽減補助として、地方交付税のこの措置の分や基金財源、これを除くと県としての純粋な負担は結局2億円弱というふうに私たちは思うのだが、この点についてお聞きしたい。
それでちょっとその点では、この制度は国の就学支援制度が始まる前、12億円ほどの県単独の予算があった。それで、国の制度が下支えとなったときに、こ れ幸いとばかりに6億円ほどに県の予算が減っている。それで今は県の純粋な負担は2億円と、以前に比べれば6分の1になっている訳である。だから、そのことを重ねて、私は県としての支援が少ないということで、強く重ねて指摘をしておく。
それから次に、授業料軽減補助制度について、お聞きしたいと思う。
県は授業料軽減補助制度について、年収250万円までの世帯について、県内平均授業料を補助金額の上限にされている。質問の最初で触れたように、授業料 以外の学費は大変重い負担となっている。過去には国の制度が授業料のみを対象にしているからと、こういうふうに県は言われて、それ以上の補助に踏み出して こなかった。
しかし、私はそのような言い訳というのは通用しないということを指摘したいと思う。それは、国がそのような上限を想定していないという点である。
文部科学省の就学支援金制度Q&Aによると、授業料以外も対象になるのかという、この質問に対して、回答は、国制度の対象は授業料と断った上で、「入学 金などの授業料以外の費用負担についても、各都道府県で行っている制度などを充実していけるように、国としても予算措置を講ずるなどの後押しをしている」 と、こういうふうにある訳である。
つまり、国は都道府県が授業料以外も支援するということを想定している、こういうふうに思う。むしろ推奨しているということではないかというふうに思う のだが、県の考え方は、国のこういう考え方と私は矛盾するのではないかと、こういうふうに指摘したいと思うのだが、その点についてお答えいただきたい。
■教育課長(清澤貞二)■ 来年度においては、全ての意志のある生徒が、安心して教育を受けられるよう、授業料以外の教育費負担を軽減するため、国庫補助事業を活用し、低所得世帯の生徒に対して、奨学のための給付金を創設することとしている。
具体的な支給額は、生活保護受給世帯には5万2,600円、年収250万円未満の世帯で、第1子の高校生等がいる世帯は3万8,000円などとするものである。
これにより、就学支援金、授業料軽減補助、奨学給付金を合わせると、生活保護世帯では43万1,000円、現行より7万4,000円増、年収250万円 世帯では41万7,000円、現行より約10万9,000円の増が支援されることになり、授業料の実質無償化が図られることに加え、一定の学費負担を軽減 されることとなるところである。
■いそみ恵子■ 今、来年度できる奨学金制度のことで詳しく報告があったのだが、この奨学金制度、これについても国が3分の1を措置している制度 で、それで、この奨学金制度によって、先ほど、低所得者世帯、そういう方々が現行よりもそういう点ではできるということであるが、対象者については、約 2,100人である。だから、本当に少ない。それから、金額も、やはり私は少ないというふうに思う。
それで、奨学金制度の充実を合わせて、学費全体の公費負担に進むことが、県としてのやっぱり本来の姿だというふうに私は思っている。それが、日本がやっと、やっと批准した、この国際人権規約、その教育の無償化条項の、まさにその精神だというふうに思っている。
先ほど来から、この私学助成の問題、何人かの委員からも指摘があった。そして、部長も答弁に立たれて、本当にこの私学の問題で、公教育を担うということで、大変高く評価もされておられた。
だからこの私学助成を、県の行革の対象にして、これだけやはり私学への支援が減らされているということについては、私はその精神に全く反するものだということで、県が公教育への責任を果たしていないということを強く批判をして、私からの質問を終わる。
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