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2013年(平成25年)度 決算特別委員会 病院局 きだ 結
2014年10月17日

柏原の統合新病院について

■きだ 結■ 日本共産党県会議員団のきだ結である。まず、柏原の統合新病院についてお伺いする。
 現在県立柏原病院と柏原赤十字病院の機能を統合して新病院にする計画が進められている。地域の中核的な医療機関として地域医療を向上させるため、地域の実情や要望をよく反映していくことが必要と考えるが、この計画についてどのように進めておられるのか、住民や地元の意見をどう反映させようとしているのか、お答えいただきたい。

■企画課長(田中孝幸)■ 県立柏原病院については、地元丹波市の市長、医師会長、自治会長会会長や有識者等から成る「丹波市域の今後の医療提供体制のあり方に関する検討会」から、平成24年11月に、柏原赤十字病院と統合再編を行い、診療機能を再構築することが望ましいとする提言を受けたところである。
 県と日本赤十字社兵庫県支部は、この提言を踏まえ慎重に検討を重ねた結果、両病院を統合再編することとし、本年9月8日に県立柏原病院と柏原赤十字病院の統合再編基本方針を発表したところである。
 今後この方針に基づき、統合再編後の具体の診療機能や施設整備内容等を定める基本計画を策定することとしているが、その策定に当たっては、県立柏原病院に加え、柏原赤十字病院と地元市や地元医師会との関わりもあることから、丹波医療圏域の丹波市と篠山市の市長や医師会、自治会の代表者を含む県立柏原病院と柏原赤十字病院の統合再編検討懇話会を開催し、地域の意見等を十分に聞くこととしているところである。
 さらに、基本計画案を作成し、パブリックコメント手続を実施し、広く新病院等についてのご意見を集めた上で基本計画を策定することとしている。
 新病院は丹波医療圏域の中核病院として、急性期から回復期までの良質な医療を提供するとともに、他の医療機関と連携し、丹波地域の住民が安心して医療が受けられるようになるための拠点としての役割を担っている。そのため今後とも地元の意向を踏まえ、地元市とも十分に連携しつつ、新病院整備の着実な推進を図っていきたいと考えている。

■きだ 結■ 今お答えいただいたように統合再編検討懇話会というのを設置されているが、構成員15人のうち、先ほどもおっしゃった住民代表は一応自治会長会の会長お一人なのである。懇話会では、建設場所について両病院の現地建て替え、氷上工業団地、柏原駅南の4候補が提案されて議論されている。場所の選定、あと医療機能などについても丁寧な対応が必要だと思う。
 懇話会の構成員である岡本副管理者も、丹波新聞でどれだけ丁寧に意見をすくい上げるか努力すると答えておられる。特にこの地域の医療の課題となっている小児・周産期医療への新病院への期待は大きいと思う。地域周産期センターがなくて空白となっているが、新病院が将来的には地域周産期センターなどもめざす予定があるのかどうか。また併せて、隣接地に整備するとされる関連施設、総合診療科外来や健診機能、夜間・休日診療などを行うとされるこの施設をどこが担うのか、この2点お答えいただきたい。

■企画課長(田中孝幸)■ 小児・周産期医療については、現在柏原病院で診療を行っており、統合再編後の新病院においても、その機能を維持・充実する方向で考えている。
 小児医療については地域小児医療センターとして小児の専門医療を提供しているほか、丹波圏域の2次小児救急を篠山市の兵庫医科大学ささやま医療センターとともに小児科救急対応病院群輪番病院として対応しており、引き続き現状の機能を維持・充実していくことが必要であると考えている。
 また、周産期医療については、産科の診療機能を有する丹波市内の唯一の病院であり、丹波圏域内においても、その他1病院1診療所のみである。
 このような中、現在柏原病院は通常の出産に加えてハイリスク妊産婦、ハイリスク新生児に対して、他地域の地域周産期母子医療センターと連携して2次医療を提供する役割を担っているところであるので、新病院においてもそのための必要な診療機能を提供していくこととしている。
 丹波地域においては、小児・周産期医療を提供できる医療機関は少なく、新病院がその中核的な役割を担う必要があることから、できる限り診療機能の充実が図れるよう、神戸大学等とも連携して検討していきたいと思っている。
 また、ご質問にあった関連施設については、今設置及び運営形態についても丹波市と協議を進めているところである。

県立こども病院の移転・建替えについて

■きだ 結■ 先ほども地元の意向を十分反映させたいということもおっしゃっていたので、懇話会で十分議論していただき、先ほどの関連施設については、また今からだと思うが、丹波市に押しつけられるんじゃないかという不安の声も出ていると聞いているので、ぜひ地元の意向も十分反映して進めていただきたいと思う。
 次に、県立こども病院の問題についてである。
 今の柏原病院の統合では、懇話会も作り進めておられるが、一方で、患者や住民の意思を聞くことなく進められてきたのが県立こども病院の移転・建て替え、特に建て替えの場所についてである。
 先ほどお聞きした柏原病院の場合、住民代表も入った懇話会で先ほども申し上げた4ヵ所の移転候補地が示されている。そして次回の懇話会で建て替え候補地を決め、その建て替え候補地を盛り込んだ基本計画でもってパブリックコメントをされる予定だと思う。
 しかし、こども病院の場合、住民や患者向けに移転候補地を明らかにして意見を吸い上げたのであろうか。パブリックコメントの募集時の基本計画には場所を伏せていた。しかし、当時、厚労省にはポートアイランドに移転予定であることは既に明示をして地域医療再生計画も申請されていた。結局、他の候補地がどこだったのか、どのような検討がなされたのかが明らかにされたのは決定の最終段階、2回にわたる総合事業等審査会が終わってからではないのか。なぜこうも対応が違うのか。
 この問題については、移転場所が海に囲まれた人口島で防災上問題があること、移転ありきで候補地を最後まで県民の前に開示せず進めてきたことに対して改めて問題であることを指摘して、強く抗議をしておく。
 そして今段階では、この問題について現時点で患者さんがどう思われているかが肝心だと思う。こども病院の移転問題に取り組んでいる医療関係者の団体の皆さんが今年春に患者さんを中心にしたアンケートを実施した。その結果については病院局にもお渡しされていると思うが、自由記載欄には、「生まれたばかりの命を守る気があるのか、南海トラフの危険性も指摘されている今、考えられない。」「三宮などの市街地を通り通院することになるため、緊急を要する際に渋滞に巻き込まれるのではと心配である。」、あるいは「県外から通院しているため移転の件を初めて知り、面食らっている。まず利用者に説明をすべきだと思う。」など、たくさん寄せられていた。

■委員長(森脇保仁)■ ちょっと簡潔にお願いします。

■きだ 結■ アンケートでは通院中の方106人、かつて受診したことのある人53人、計159人のうち134人、84%が説明を受けていないと回答している。80%の人がポートアイランド移転に負担を感じるとも回答している。
 そこでお聞きする。このような現時点でもまだ移転を知らない、説明を受けていないという患者さんが広く存在しているこのことについてどう思われるか。私は、病院に現に通っている人たちが病院が移転するという重大問題を知らない、知らないまま事が進んでいるというのは本当に異常なことだと思う。このことについてどう思われるか、そしてまたこれにどう対応されるのか、お答えいただきたい。

■企画課長(田中孝幸)■ 県立こども病院の移転整備に際しては、その医療機能の充実を図る上で患者家族のご意見を取り入れることは極めて重要であると認識している。これまで患者会代表や患者家族を対象とした意見交換の場を院内で開催し、話し合いを重ねてきたところである。
 ポートアイランドへの移転については、現在の患者はもとより、これから受診される患者にも周知を行う必要があるということから、病院のホームページや院内広報紙で周知を図るとともに、8月に病院の正面玄関周辺に新病院完成予想図を掲示したほか、外来に自由にお持ち帰りいただくことができる新病院の案内パンフレットを置くなど広報に努めているところである。
 さらに10月下旬には、新病院の建て替え整備の取り組み状況をお知らせする広報紙を創刊し、定期的に発行する予定としている。
 今後とも院内に設置しているご意見箱「ハートメッセージ」や各種懇話会等のさまざまな手段や機会を通じ、引き続き広くご意見を聞いていく。併せて、患者のご意見等必要に応じてフィードバックし、移転整備についての周知を図っていきたいと考えているところである。

■きだ 結■ もちろんこれから周知することは必要であるが、今お聞きしたのは、この時点でまだ知らない人がたくさんいる、説明を受けていないということについてどう思われるかということをお聞きした。
 今年7月15日にこのアンケート結果を持って、アンケートを行ったこども病院連絡会の皆さんが病院局と交渉されたと思う。西村管理者もおられたと思う。
 西村管理者、このアンケート結果を受けて率直なところどう思われたか、お答えいただきたい。

■病院事業管理者(西村隆一郎)■ アンケートをお受けした。その結果について、こども病院の幹部等を呼んで、こういう申し入れがあったということできちんとご説明をしている。院内で説明をして、その上で、まだ十分な周知がなされていない面があるようだから、病院の中に掲示を行い、そして整備状況について適宜院内で説明をし、また向こうに移っていただく患者さんについても主治医からきちんと説明するように指示を出して、そういう委員ご希望のようなことをできるだけするように今進めているし、実際全く変わったと思う。アンケート調査を無駄にすることのないように努めているので、よろしくお願いする。

■きだ 結■ 今の時点でどう思われたかというのをお聞きしたかったのであるが、やはりちょっと異常なことだと思う。ここまで今現に通っている人たちが知らないということについて、もちろん今からも周知していただくのであるが、思う。
 病院の性格や地域特性は違うといったこともあるかもしれないが、先ほど柏原病院の対応とは同じ病院局の事業とは本当に思えないほど落差があると思う。
 先ほども説明にあったが、病院内で患者、家族に対する説明会、2回行ったということであるが、説明会の案内はお聞きすると病院内に掲示して、そして患者団体からの案内だけということで、説明会には48人しかその時点では参加されていないのである。だから本当に知られていなくて当然という感じがする。
 先日私自身も移転がどこまで患者に周知されているのか、認知されているのか知るために病院近くに立ってお聞きした。驚いたことに、先月のことであるが、いまだに移転について知らなかった、初めて聞いた、いつなのか、こういう声がいっぱいたくさん聞かれたのである。同時に、姫路から孫を受診に連れてきているが、遠くなるんだったら心配だと、こんな声もあった。
 柏原では地域の声や要望を聞くことが大切だとおっしゃっている。今からでもこども病院でも患者さんの説明を行って、今現におられる方をどういう不安の声があるのか、このアンケートの中には、あの場所に分院を残してほしいという声もたくさん寄せられていた。そういう声をやはり吸い上げるアンケートなどが必要だと思うが、いかがか。

■企画課長(田中孝幸)■ 先ほどのご答弁でも申し上げたように、患者さんからいろいろご意見をいただきながら、またそのご意見に対してさまざまな形でフィードバックをするなどによって周知を図っていきたいと考えているので、アンケートを現時点ではする必要はないと考えている。

■きだ 結■ アンケートする必要はないということであるが、繰り返しになるが、いまだにアンケートでは場所についても非常に不安の声も出されているし、分院などの声もたくさん出ている。
 また、跡地の問題、今も考えておられると思うが、地元の意向を聞く跡地処分委員会なども立ち上げようとしているが、ぜひ住民や地元の意向、それから医療関係者などの意見を十分に反映していただきたい。
 もしこのときに患者団体などの声を聞くこともあると思うが、これを患者団体を通じた案内でなくて、現在通っている患者さん全員に知らせて意見を広く聞く場も設けるべきではないかと思うが、この点についてはいかがか。

■企画課長(田中孝幸)■ 跡地の問題については、厳しい財政状況を踏まえて資産の有効活用を図ることとして、原則として現有の土地・施設が一体として有効に活用される相手先に売却する予定である。
 跡地の利用に当たっては、地元の意向を踏まえつつ、医療機関の誘致を念頭に置いた上で、外部の有識者や地元関係者等と構成する跡地処分委員会でご意見をいただきながら、売却条件等を検討して進めていきたいと考えている。

■きだ 結■ 今病院に通っている人、それから県民から見ても、やはりこれが理解されていないということは、改めて指摘をしておきたい。
 6月24日に神戸青年会議所と知事のさわやかフォーラムというのが行われ、私も出席をした。フリートークの際に出された質問が二つともこども病院に関することだったのである。一つは、なぜ地震・津波の被害が想定される人口島ポートアイランドに移転するのか。もう一つは、全県の病院なのに、なぜ神戸中央市民病院もあるところに集中させるのか。
 これに対して知事がお答えになっていたのであるが、答弁の最後の方では、「神戸空港も近く先端医療も集積しているところだから、海外の方に高度専門医療を受けに来ていただいてお金を落としていってもらう拠点にするんだ」、こういうことを答えておられ、参加者の皆さんは到底理解されている感じではなかった。いまだにやはりこういう疑問が出てくるということを残したまま進めてきた計画について、やはりぜひこのようなことがないようにしていただきたいし、将来に禍根を残すと思う。ぜひ県民とともに歩む姿勢を見せていただきたい。
 このことを最後に強く申し上げて、質問を終わる。

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