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2013年度予算特別委員会教育委員会審査 きだ結
2013年3月13日

中学校給食への支援の強化を

■きだ 結■ 日本共産党県会議員団のきだ結である。私からは、まず初めに、兵庫県下の中学校で完全給食実施の推進を求めて質問する。
 今、子供の食生活の変化や食育基本法の制定を踏まえて、平成21年に改正された学校給食法では、学校給食の目的を、食生活の改善から食育の推進へと変えた。具体的には、学校給食を活用した食育を通じて、社交性、協同の精神、生命・自然を尊重する精神、環境の保全に寄与する態度、勤労を重んずる態度の育成や伝統的な食文化、食料生産、流通、消費の理解などが加えられ、給食がまさに教育の一環として位置づけられたところである。
 そのような流れから、全国では中学校数で言うと82.4%で完全給食が実施されている。本県を見れば、徐々に増えつつあるものの、その実施率はいまだ53.4%で、全国44位の低さで、私が当選した初めての2011年6月一般質問でも、その推進を求めたところである。
 兵庫県の中学校の給食実施率を下げている大きな要因は、私の地元、神戸市で中学校給食を行っていないことにあるが、神戸市も市民の声に押され、このほど中学校給食の実施をほぼ固めた。しかし、問題はその方式である。学校給食は、本来、全員が食べるものであり、学校給食法に基づく学校給食実施基準でも、学校給食は当該学校に在学する全ての児童、または生徒に対し実施されるものとするとなっているにもかかわらず、今、神戸市で検討されているのは、家庭弁当を基本として、希望する家庭だけが業者弁当を注文する、そういう選択制の給食となっている。
 そこで、現在、選択制で中学校給食を行っている自治体の実情、そして、その利用率、そして、その利用率になる理由などをお答えいただくとともに、給食とは本来、全員を対象にすべきだと思うが、選択制の給食について、県教育委員会はどのように認識されているのかお聞かせいただきたい。

■体育保健課長(永井邦治)■ 学校給食の実施については、学校給食法に基づいて学校設置者が実施するものと定められている。地域により保護者の意向や状況が異なっていることから、市町教育委員会が地域の実情や教育的効果などを総合的に判断の上、決定し、実施されるものである。
 県では、各市町が中学校給食の実施について検討する際には、平成21年の学校給食法の改正により、学校給食法に位置づけられた学校給食実施基準において、先ほど委員もおっしゃられたように、学校給食を実施する学校においては、当該学校に在学する全ての児童、または生徒に対し実施されるものとされたことや、生きた教材としての学校給食を活用した食育を推進するという観点から、全員を対象とするよう助言をしているところである。
 そのような中で、各市町において選択制の給食を導入するということについては、調理施設を整備する必要がないため、初期投資が少なくて済むことであるとか、体格差の大きい中学生段階における食事内容への対応、あるいは保護者への感謝の念を育むなどの家庭弁当の有効性なども踏まえ、地域の実情や、先ほど申し上げたように教育的な効果なども勘案しながら、市町において十分な検討がなされた上で実施をされていくものであろうと考えている。

■委員長(黒川 治)■ 課長、先行事例の何か数値、聞いているのではないか。

■体育保健課長(永井邦治)■ それ、今、持ってないので、後ほど調べて回答させていただいてよろしいか。

■きだ 結■ 事前に資料をいただいていたので、ご答弁いただけるかと思ったが、例えば県下の自治体でも姫路市、たつの市で今、選択制でされているのであるが、ご存じのとおり、非常に低い利用率となっている。どちらも10%、20%ということで、大多数の保護者が非常に中学校での給食を歓迎しているにもかかわらず、結局、利用率が低い。そのような理由をどのようにお考えになっているのか、先ほどの答弁になかったが、もう一度お願いする。

■体育保健課長(永井邦治)■ 大変失礼した。利用率、姫路市、たつの市、先行的に行っているところであるが、委員がおっしゃるとおり余り高くない。姫路市では19.4%、これが24年2月の平均の数値となっている。また、たつの市では家庭弁当が7割、給食が3割という状況にとどまっているという状況である。
 利用率が上がらない理由であるが、いろんな理由があるかと思うが、神戸市さんが行われた給食に関するアンケートにおいても、3割ぐらいの家庭からは家庭弁当を持たせたいという保護者の意向があるということもある。つまり家庭によってそれぞれ考え方が違っているという状況が存在していることが大きいんではないかということが一つあるのではないかなと思っている。
 また、注文をするという手間というか、そういう部分もあろうかと思うし、好みの有無というものも関係しているのではないかなと考えられる。

■きだ 結■ 以前、文教常任委員会でこういった請願が出されたときに、永井課長は、なぜ利用率が低迷するかということに対して、やはり家庭弁当が残っているという中では、その中で業者の弁当を頼むというのが頼みにくいんじゃないかということをおっしゃっていたと思うが、実際のところはそうである。今、神戸市が3割、家庭弁当を望んでいるとおっしゃっていたが、実際のアンケートを見ていただいたら分かるが、本当に家庭弁当がいいとおっしゃったのはたった6%である。いろんなひっつけ方をして、神戸市は3割だという描き方はしているが、実際そういうところである。注文する手間とおっしゃったが、それは選択制であるからである。
 やっぱり選択制の問題というのは、今の注文しにくい、家庭弁当がある中で希望していても注文しにくい。先ほど家庭弁当の愛情ということもおっしゃっていたが、やっぱり給食に比べて家庭弁当のほうが愛情を持っていると思われるんじゃないかということで、せっかく給食になったにもかかわらず頼めないという注文しにくさ。そして、その中でも注文した親子が非常に肩身の狭い思いをしている。例えば私も姫路市に視察に行かせていただいたが、クラスで本当に1人か2人である。大多数の方は、本来、もう半分ほど、事前のアンケートや、当初は給食を頼んでいたとおっしゃるが、結局、業者弁当でどうしても冷たくなってしまう、量的にも男の子にとったらちょっと少ないということもあって、どんどん利用率が下がる、その中ででも利用せざるを得ないという人が頼んで、教室に1人か2人という子をみんなが待つらしい、家庭弁当を持っている子が待っていて、その子がまた別の配膳の教室にお弁当をとりに行く。そういうので非常に肩身の狭い思いをするし、親にとったら家庭弁当が残っていることで愛情が少ないと思われているんじゃないかという思いを持ちながら利用しているということとか、であるので、圧倒的な保護者がやっぱり今、給食、本当に望んでいる。働いている、働いていないにもかかわらず、皆さん、しているので、このほとんどが利用できないという、やっぱり選択制には給食としての致命的な欠陥があると思う。であるから、そういった選択制の給食について、ぜひそういった認識を持っていただきたいと思うが、もう一度、答弁いただけるか。

■体育保健課長(永井邦治)■ 今、委員がおっしゃった部分もあるかと思うが、いわゆるそういう全ていろんな事情、実情がある中で、どのような給食の仕方を選ぶかというのが市町さんの選択できるところだと思うし、ほとんどの市町さんは、中学校給食導入に当たっては、検討委員会なり懇話会といったものをお持ちになられて、そこから提言をいただいて、どういう方式がいいというものを受けた後に、教育委員会として段階的に検討を重ねながら、最終的に完全給食的なことになるのか、デリバリーという形になるのか、コストであるとか、いろんな状況を見極めながら決めておられると認識しているので、今、委員がおっしゃっている内容なども各市町においては勘案しながら、早く導入することと、じっくりやれる、あるいは時期とか、いろんな絡みが出てくると思うので、総合的に判断をされているのではないかなと考えている。

■きだ 結■ 市町がもちろん給食の実施主体ではあるが、学校給食法の中でも都道府県の責務というのはもちろん書いてあるので、兵庫県としては食育推進計画というのを作られて、食育の研修の中でも、給食を生きた教材として利用すると、そのほかの教科でもできるけれども、柱は給食であると位置づけられている。であるから、そういった兵庫県の施策の整合性も考えて、先ほど言った選択制の致命的な欠陥があるということで、兵庫県から見れば、神戸市の中学校の生徒数というのは4分の1である、ほぼ25%である。全国的には選択制のデリバリー弁当の給食をしているというのは、本当、もうごく少数である。集計はないが、デリバリー弁当をしている率が6%であるので、また、それ以下だと思われる。
 しかし、もし神戸市で選択制をするとすると、兵庫県で25%以上が選択制の給食を実施しているということになって、兵庫県が食育を推進していくという上で、この事態をやっぱり放置していいのかと思う。やはりちゃんと強力に指導していかないといけないんではないかと思うがいかがか。

■体育保健課長(永井邦治)■ 食育の推進については、委員おっしゃるとおり生きた教材としての給食の活用というのは非常に有効な手段であるというのは間違いないと認識をしている。
 しかしながら、給食がなければ食育ができないのかというと決してそうではなくて、現在は指導要領が改訂されて、各教科の中でも食育を取り扱っていこうということで、本県ではそれを活用できるようにハンドブックを作成して、教科の中でも食育をやっていく、あるいは体験活動、さまざまなものを通してやっていく、いろんなことをやっている。
 ただ、給食をやっていただければ、我々も大変ありがたいのは事実である。確かに神戸市さん、学校数多いので、率の上で言えば全国的にも上のほうに上がるかもしれないが、しかしながら、先ほども申し上げたように、各市町が決定することであるという部分を踏まえると、我々は先ほど申し上げた助言的なことは申し上げることはできるが、踏み込んでここをやれということまではなかなかできないと思っている。
 ただ、そういうやりとりの中で、現在でも姫路市さんが、きのう新聞に出ていたが、見直していこうかという動きも出てきたし、多くの市町さんで、中学校の給食導入に向けて積極的に動いていただいていると、こういう現状であるので、その点では本県の食育は今後も推進できると考えている。

■きだ 結■ 今、姫路市が選択制を見直しているという動き、載ったが、私もあり方庁内検討というのを報告書をいただいたのであるが、そこにはやっぱりデリバリー弁当では学校給食の目的、食育の役割が果たせないということで、結果的にやっぱり全員給食が望ましいと報告書でも上がってきているので、市町に任せるのではなくて、やはりあるべき給食の姿にちゃんと導いていくということは、それはしっかりと指導をしていって、教育委員会、県の役割だと思うので、ぜひそこは重ねて申し上げる。
 時間がないのであるが、次に体罰の問題である。

学校における体罰の根絶に向けて

■きだ 結■ 大阪市立桜宮高校バスケットボール部のキャプテンの2年生男子生徒が、同部顧問の教員から暴力、体罰を受けて自ら命を絶った痛ましい事件、これは本当に多くの国民の皆さんに衝撃を与えた。改めて亡くなられた男子生徒に哀悼の意を表明し、遺族の皆様に心からお悔やみ申し上げる。
 子供の心身を傷つける体罰は、どんな理由であれ絶対に許されない。子供の人格を否定するものであり、戦前、体罰、暴力は当然のこととされた軍国主義教育の痛切な反省の上に立ち、学校教育法11条では体罰を禁止することが明記された。

■委員長(黒川 治)■ きだ委員に申し上げます。
 もう時間が経過しておりますので、簡潔に質問していただきたいと思います。

■きだ 結■ 子供の人格を尊重した教育の専門性を高めた理性の力を発揮することによって、やっぱり防止をするということが、今、求められていると思うが、まず体罰について、県当局、どのように考えておられるのかということと、県のこれまでの体罰防止の取り組み、その評価をお聞かせいただきたいと思う。

■教職員課長(冨田哲浩) ■ 委員ご指摘のとおり、体罰は学校教育法で明確に禁止されている行為であり、体罰では決して教育効果を高めることはできないという認識のもと、これまで通知や研修により体罰の禁止の徹底を図ってきたが、体罰に対して安易な認識を持つ教職員や、つい感情的になり体罰に及んでしまう教職員が依然として存在しているということであり、防止には、より一層の取り組みが必要であると考えているところである。

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